社長の独り言


2009年 11月

 前回、厚切り肉をムシャムシャ食べる話をしていたら天罰が下ったらしく、検査で大腸にポリープが見つかり、9月に二泊三日の内視鏡手術を受けました。

 24時間以上の絶食。内視鏡を入れるのも大変でしたが、横たわる手術台のテレビに自分の腹の中が映っているのを見た時、これは現実か?あるいはSF映画か?と本気で思いました。この内視鏡が実に働き者で、お腹の中を縦横無尽に動き回り、患部を見つけると搭載した七つ道具を使って、注射を打ち、ポリープを切り取り、ホチキスのような物で傷口を閉じるのです。科学の進歩をまざまざと感じさせられました。

 手術はもう結構ですが、快適なベッドと優しい看護士さんがいると、いくらでも寝られるのですね。ワインの本を数冊持ち込みましたが、読んでは昼寝、読んでは昼寝を繰り返しても、夜もしっかり寝られました。本当に二泊三日の有意義な休息をいただいた、NT○病院のスタッフの方々に感謝いたします。

 更に良かったことは、ストレス解消のドカ食いが減った事でダイエットが出来ました。是非、リバウンド前に引き締まった私をワインショップフジヰに見に来てください。

 さて、今月のお勧めワインです。
 まずは、北海道の増毛(マシケ)産リンゴから造られた増毛シードルです。個人的にシードルはブリュットタイプ(辛口)だと風味が弱く、やや甘口タイプの方がリンゴの果実感が楽しめて好きでした。でも今回の8番タンクのブリュットは、辛口でもはっきりとリンゴの風味があります。本場フランス産よりも風味豊かな地元産シードルをお試し下さい。

 ボルドーからは、シャトー・カンボン・ラプルーズ04年とシャトー・スグ・ロング・モニエ05年。両方とも価格以上に果実味が豊かで、今からでも美味しく楽しめます。もちろん、更に2〜3年熟成させると芳醇な熟成香が開いてくるでしょう。

 ブルゴーニュからは飲み頃の白2種。ミッシェル・カイヨのサントネ村02年は、豊かな果実味と木樽の熟成感が豊かに広がります。一方のシャブリジェンヌ(シャブリ農協)が造るシャブリ1級畑ヴァイヨン01年は、この村特有の酸味とミネラル感が果実味を引き締め、8年を経たとは思えないメリハリのある辛口です。

 イタリアからの一押しは、95番アルベルタの「ずるがしこい」と名付けられた赤。銘酒アマローネ(定価五千円〜1万円)はヴァルポリチェラ地区の葡萄を収穫後に陰干しして、干し葡萄から造った強烈な赤。こちらは同じ葡萄でもヴァルポリチェラ地区外の葡萄を陰干しし、同じ製法で仕込んだフルボディタイプ。

 法の盲点をずる賢く突いたこのワインは、本家に近い味わいを持ちながらも価格は約1/3という安さ。一口飲めばオーナーの心意気に乾杯したくなる出来です。


                                                             藤井 敏彦

2009年 9月

 今月は食べ物のお話です。

 私は厚切りのお肉が好きなので、時々スーパーマーケットで特価のオーストラリアビーフを3〜4センチの厚さにカットしてもらい、中心をレアの火加減で焼いて、かぶりつくのが密かな楽しみです。こうして厚切りを食べていると、薄切りの焼き肉や出来合いの焼き鳥は、なんかぱさついた感じがしてしまいます。

 先月の休日、家族で近所の銭湯に行った帰りに、やはり近所にある焼肉店「ミウラバーベキュー」(中央区南1条東3丁目マルヤマビル1階)に行って来ました。二年ほど前に開店したこのお店は帰宅時に前を通ると結構繁盛しており、一年前からは横のスペースで日中は格安の焼き鳥弁当の販売も始めると、こちらも人気で気になっていました。

 予約もせずに行くと、偶然ひとテーブル開いていたので助かりましたが大変な混みよう。早速メニューを見て生ラムと塩ジンギスカンに野菜とライスが食べ放題で一人¥1,630のコースを頼み、ビール1本と息子にジュース、後からイタリアのキャンティ・クラシコを1本頼みました。

 鍋はよくあるジンギスカン鍋ではなく、網のようなタイプ。火床に大きな炭が3本ほど入れられると気分は高まります。しばらくして登場した生ラムは1キロほどの塊で、カットされた一切れの厚さは7〜8ミリもあります。もうその厚切りを見たとたん私の理性は吹っ飛びました。

 噛むと肉汁が出るジンギスカン、まさに肉の旨味と醍醐味が味わえる厚さなのです。タレも有名な「だる○」を思わせるキレのいい辛口タイプ。また野菜も、焼くと3割は焦げて食べられない「もやし」を使わず、キャベツのざく切りを採用した英断も気に入りました。家内と子供はご飯と共にお肉を食べていましたが、私は肉、ワイン、肉、ワイン、時々野菜、の繰り返しで、会話も出来ない状態でした。

 厚切り好きの私は言わずもがなですが、後で聞くと家内も美味しいと言っていました。お店の方には怒られますが、店内は割り切った考え方で内装にはあまりお金をかけず、その分を全て食材の肉につぎ込んだ姿勢にすがすがしさを感じます。肉好きな方は是非一度、この厚切りジンギスカンを味わっていただければ、私の感動が判っていただけるでしょう。

 

 さて、今月のおすすめワインです。
 ボルドーからはシャトー・トゥール・サンボネ メドック地区05年。作柄の良かった05年らしく、一回り豊かな濃さ強さが楽しめてこの価格は絶対にお得でしょう。ブルゴーニュ地方からはジャン・マルク・モレが造るサントネ村のシエネ畑06年の赤。白の造り手として知られるだけに赤でも澄んだ果実味を持ち、濃度ではなくピュアで品のあるピノノワール種の旨味が楽しめます。

 一方南仏からは78番キュイエラ氏がローヌ地方ヴィサン村で造るヴァンドペイ規格コント・ド・グリニャン赤07年。グルナッシュ種とシラー種を半分ずつ使い、グルナッシュからの骨格とシラーからのふくよかさが上手く調和したローヌの理想の姿がこの価格で楽しめます。

 もし濃度勝負のワインがご希望でしたら、カリフォルニア スターレーン・ヴィンヤードのカベルネソーヴィニヨン05年は横綱級です。安くはありませんがこの凝縮感と緻密さは、世界中何処の産地の10,000円クラスのワインでもかなわないような気がします。

 そして今回のリストで最も感銘を受けたのは151番ダイン・ハルトが造るダイデスハイム村のリースリング種キャビネット規格のトロッケン(辛口)01年。もちろん皆さんがドイツワインを選ばれないのは知っています。でも、このワインを飲んだ時の満足感を、品種は違いますがシャルドネ種やソーヴィニヨンブラン種で得ようとしたら多分5,000円でも無理だと思います。年に一度でも素晴らしいリースリング種を味わってみませんか?

                                                             藤井 敏彦

2009年 7月

  休みの前の晩は、缶ビール片手に家で映画を見ることが多い私。このところ新着で借りたい物が無く、家にあったお気に入りの2本伊丹監督の「スーパーの女」(1996年)と、宮崎監督の「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)を2週に分けて見ました。

 「スーパーの女」を見た訳は、前の週に話題となったモックンの「おくりびと」を見て、題材は全く別ですが綿密な下調べと話のもって行き方が伊丹監督のスタイルを思い出したからです。私が思うに伊丹さんは題材を見つけると猛烈に調査をし、その題材で起こりうる起承転結の話を映画にしたのでしょう。彼の初期の映画「タンポポ」で、銀座のフランス料理店の残飯をあさるホームレスが、空瓶に僅かに残っていたオフ・ヴィンテージのシャトー・ピション・ラランドをひとなめしたシーンは、今も鮮明に思い出します。
  私はここでロマネコンティでもシャトー・ラトゥールでもなく、ピション・ラランドでしかもオフ・ヴィンテージを選んだ事に伊丹監督のセンスの良さを感じました。 それに比べ宮崎監督は、まず自分の思い描く時代や場所の世界観がしっかりあり、その中に今回の主人公が解き放されて話が始まると言ったところでしょうか。ルパンが宮崎ワールドの中で飲むワインはボルドーの有名シャトーではなく、昔のワラに包まれたキャンティの徳用瓶の様な安酒を飲んでいました。

 二つの日本映画を見て随分違うなぁと思っていたら、よく見ている糸井重里さんのホームページでちょうど伊丹十三特集のコーナーが始まり、当時伊丹さんは宮崎アニメを観てずーっと悔しがっていたと書いてありました。そして仲のいい友人に「オレ、宮崎アニメはもう洋画だと思うことにした」とまで言ったそうです。私はこの二つの映画が大好きで、特に「スーパーの女」に出てくるおにぎりメーカーの若社長さんが改心するシーンでは、何度観ても目頭が熱くなります。そして見終わった後は、もっとお客様に喜ばれる仕事をしなければと思うのです。ちょっと古い映画ですが、特に食品業界関係の方でなくても借りて見る価値があると私は思います。

 さて、今月のおすすめワインです。
 まずは地元三笠・山崎ワイナリーのケルナー種、バッカス種、ツバイゲルトレーベ種、メルロ種。道内では新ワイナリーの設立が今ブームになっていますが、今年の山崎の各ワインは一回り大きくなり一人で横綱相撲を取っている感じがしました。追われる立場となった山崎ワイナリーですが、私には皆の挑戦を受けて立つ姿に感じられました。

 ブルゴーニュからはブリュノー・クレール ジュヴレ・シャンベルタン1級フォントニ03年。立派なお値段ですが価格以上のスケール感と力強さに、熟成感が混じり始めて来た素晴らしいワインです。

 南仏からはサンタデュック ジゴンダス02年と、ラ・セール ピエール・ルヴェ02年。サンタデュックは今が熟成のピークで、少し枯れ始めた果実味と熟成旨味が楽しめます。一方ラ・セールはまだ若さがあり、熟成感と力強さの両方が味わえ、更なる熟成も可能なポテンシャルを持っています。

 イタリアからはフォンタナフレッダ バルベラ・ダルバ パパゲーナ 04年。凝縮した果実味と樽熟成による複雑さが楽しめる風味豊かな赤です。

 安旨で熟成したワインは、スペインのコンデサ・デ・レガンサ クリアンサ03年と、チリのボタルクラ セレクション カルムネール05年。共に豊かな果実味と熟成感が楽しめてこの価格は絶対お得です。

 



                                                             藤井 敏彦

2009年 6月

   5月に奥尻(おくしり)島に行って来ました。
 目的は今年4月に発売したばかりの奥尻ワイナリーの見学です。


 札幌を朝5時に出発して、瀬棚(せたな)発のフェリーに乗って昼には奥尻島に着きます。どこの醸造所でも収穫期以外はだいたい静かで、伺った時は商品の瓶詰めと出荷を行っていました。畑は当初、海に近い所にあったそうですが、塩害で木がダメージを受けた為、内陸部に新たな畑を作って栽培していました。こちらの畑はまだ木が若く幹も細かったですが、潮風の中で必死に育っている木の姿を見ると、「がんばれよ」と声を掛けたくなります。


 畑やワイナリーのある島の西側は、民家が少なく食肉牛の牧場が点在しています。ちょうど新しい牧草地へ10頭程の牛が道路を走って引っ越しするところを見ましたが、茶色くて何百キロもある牛がまとまって走っていると結構な迫力でした。この様子を見ていた私は、東京のレストランで買い占められ地元では入手しづらい焼尻(やぎしり)島のサフォーク種羊を思い出しました。同様に潮風を浴びた牧草で育てることで独自の肉質を持つブランド牛を狙っているのかも、そうなれば奥尻牛と奥尻ワインの組み合わせも人気になるのかもと一人で勝手に考えていました。


 夕食は民宿でアワビのお刺身と活アワビの地獄焼きを堪能したので、翌日の昼食は軽くと思いフェリー乗り場2階の食堂でラーメンにしました。私たちの後に地元40代の男性3名が来て、メニューを見ながら食堂の年輩の女性に話しかけていました。「この奥尻ワインってどうなのよ!」この言葉を聞いて、私はラーメンをすすりながらこのワインが地元でどう評価されているのかが気になり、つい聞き耳を立ててしまいました。


 食堂の女性は「私はワインがよく判らないが、ワイン好きな人に言わせるとまだちょっと若いと言っていた」と言うと、男性は「1本2千円以上もするから、スナックで飲んだら4〜5千円は取られるのでちょっと高いなあ」と言い、別な男性は「町として推薦するならもう少し安くすべきだ」と言っていました。島のワインが発売され普段ワインを飲まない方々にも、こうして話題になっているのを聞いて私は少し嬉しくなりました。


 近い将来、奥尻ワインと奥尻牛もこの島のウニやアワビのように名産品になることを願っています。

 

  今月のおすすめワイン。
 濃さ強さが少し枯れ初めても、こなれたワインが好きな私。シャトー・ヴァランタン04年は、練れた味わいで安いのですから言うことなしです。ブルゴーニュからはフィリップ・ロティのマルサネ村シャン・サン・エティエンヌ畑の04年。5年を経てこの村特有のタンニンがやっとこなれて来ました。本拠地ジュヴレ村のワインも素晴らしいですが、良質なマルサネ村産のワインがジュヴレ村の半値となるとつい肩入れしたくなります。さらなる熟成も十分可能なポテンシャルを感じさせる、一押しピノノワールです。

 それとこちらは若いですが、アルゼンチンから ミッシェル・トリノのマルベック種(赤)、カベルネソーヴィニヨン種(赤)、トロンテス種(白)。この価格でここまでの濃度と味わいがあったら、誰も文句は言わないでしょう。是非一度おためし下さい。



                                                             藤井 敏彦

2009年 4月

今月は年齢のお話。

 とうとう私も3月で50歳になってしまいました。
 誰もが思うのでしょうが、私も自分は10歳は若い気でいました。ところが先日、家でスチール棚を動かしてから腰に痛みが走るようになり、1週間後に近所の整形外科に行って受けた診断は、一番下の背骨の隙間が1/3程狭くそこが軽いヘルニアになっているのでしょうとの診断。しかも棚の移動はきっかけに過ぎず、骨の隙間の狭さは随分前から少しずつ進んだようですと言われました。担当の先生は優しい眼差しで、私の年齢でこの状態は特別悪いわけではないので、後は上手く自分の体と付き合っていくことですと言われました。

 病院からの帰り道は頭の中で「50歳かぁ〜」が回っていましたが、その後はいつもと同様の生活に戻りワインを持って店の地下と1階と2階を駆けずり回っていました。当たり前ですが、若い格好をしていても骨は年老いて行くのですね。これで私のおっちょこちょいな性格に落ち着きが出てきたらめっけものなのですが無理でしょう。19年落ちの私の愛車と同様に、50年落ちの私の体くんにもまだまだ頑張ってもらいますよ!

 さて、今月の新入荷ワインはボルドー大集合です。
 シャトー・スーサン03年と、シャトー・ロバン01年は熟成し飲み頃のおいしさが期待され、入荷が待ち遠しいワインです。あとはオーストラリア フォックスクリークのシラーズ・カベルネフラン05年が、豊かな果実味とタンニンが調和して芳醇な熟成香が楽しめました。本当に良く出来た赤ワインだと思います。

 最後に白ワイン好きには、アンセルミのカピテルクローチェ06年。黄金色に輝く色調、低収量によるコクと木樽の複雑さがたっぷりで、バターを使ったコクのある料理に合わせたくなります。


                                                             藤井 敏彦


2009年 3月

 リストが遅れてしまい誠に申し訳ございませんでした。

 今回は子供のお話です。今まで子供へのクリスマスプレゼントは親の好みで絵本を買っていたのですが、小学校1年にもなると親の言うなりにはならず「びゅんびゅんサーキット」が欲しいと言い出しました。これは手持ちのミニカーがサーキットのコースを走るおもちゃで、男の子で1番人気の商品だそうです。
昨年の10月地下街に「フジヰ食料品店」を開店し、息子にも時々店の手伝いをしてもらっている弱味もあって、その「びゅんびゅん」を買いました。

 このおもちゃ、まず電源を入れるとファンファーレと共に場内放送が始まり、車を走らせる為のローラーをミニカーが通過すると「ビューン」とエンジン音が鳴ります。走っているのを見ていると実車を遠くから見ているような気にさせるほどの出来映えです。

 でもこんなにすごいおもちゃなのに、正月を過ぎると「びゅんびゅん」の出番は友達が来た時だけになってしまいました。私も子供の頃、あれが欲しいこれが欲しいとわがままを言っていましたが、両親も当時はこんな気持ちで私を見ていたのでしょう。後日妻は息子に「こうして出来上がったおもちゃは、積み木やブロックと違ってすぐに飽きてしまうのよ」と言っていましたが、次のクリスマスはどうなることやら・・・

 もう一つは嬉しかったお話。息子は冬休みの間、「ワインショップフジヰ」でも時々手伝いをしていました。ある朝、私が店先を掃除中に横の中通りで車が雪道にはまってして動けなくなっていました。私はすぐに車を押しに行きましたが一人ではびくともしません。横のトラックと後ろのタクシーから運転手さんが降りて一緒に押してくれたのと、歩行者の方が交差点に置いてある滑り止めの砂を持って来て、タイヤの前後にまいてくれたので何とか車は動きました。

 スリップした運転手さんが何度も頭を下げて走り去った後、気が付くと歩道で息子がじっと私を見ていることに気が付きました。冬休みの最終日、家に帰ると宿題の絵日記にはみんなで車を押している絵が描かれていました。雪国では当たり前のこんなことが息子には大きな出来事だったようです。

さて、今月のオススメワイン。
 有名なポイヤック村の小さなシャトー、クルタンの02年。素直なカシスと杉の香りが良質なカベルネ種を連想させ、7年を経た熟成感と共に典型的なメドック地区の味わいが楽しめます。

パスカル・ランベール氏が造る仏ロワール地方シノン村の赤。カベルネフラン種と言えば青野菜の風味を連想しますが、社内の試飲で当社のスタッフのコメントは「香りはヴォーヌロマネ村みたい」。このワインは産地を越えた素晴らしい赤だと思います。

お手頃価格ではイタリア エリザベッタのアウロ・ロッソ。この05年産からかなりイメージが変わり、濃さと複雑さを感じます。この年からサンジョベーゼ種にブレンドしたシラー種が良かった様で、私は赤身で厚切りのステーキを食べたくなりました。                


                                                             藤井 敏彦


2008年 12月

 8月にワインショップフジヰの移転。10月末には地下街の元ワインショップフジヰの場所に、削り立て花かつおと、食品、雑貨の店「フジヰ食料品店」が開店しました。この移転と新店オープンでてんてこ舞いの私ですが、一つ良いことがありました。

気苦労からか私の体重が6キロも痩せたのです。スマートになった私も見てほしいのですが、何よりこの2軒の店を見ていただきたいのです。地上に移ったワイン屋は地下街店の約3倍の広さがあり、店内奥のカウンターでは夕方からちょっとおしゃれな立ち飲みワインバーが営業しています。

一方、地下街のフジヰ食料品店は、古き良き昭和の時代を感じさせるレトロなムード。スタッフは昔懐かしい商店の屋号入り帆前掛けを腰に巻き、頭には日本手ぬぐいを被って皆様を出迎えます。店先にはかつお節の削り機が置かれ、ブンブンと音を立てながらかつお節を削っています。ここでは是非、削りたての花かつおをご試食してみてください。

でもワインとかつお節?、私は脈絡のないこの二つの商品に魅せられ、二軒のお店を作ってしまいました。しかも二軒の店は100メートルしか離れていませんから、両方ご覧頂ければ美味しいワインと、薫り高いかつお節の魅力が分かっていただけるのではと思っています。


                                                             藤井 敏彦


2008年 6月

すみません!ワインショップフジヰの移転ですが、諸事情から2ヶ月ほど遅れる事になりました。

新しい店舗は1階が30坪弱で、地下街にある現店舗の約3倍の広さとなります。7月中旬開店に向けて、今まで以上にお客様に喜んでもらえる店造りを考えていますので、もう少々お待ち下さい。


さて、今月のオススメワイン。白はヴェルジェが造るシャブリ村のキュヴェ・ブッド04年。グラスから立ち上るスモーキーな香りと豊かな果実味が魅力たっぷりで、私はこの2倍の価格でも十分価値があると思います。

更に安いのがエンツオ・メチェッラ氏のヴェルディッキオ種05年。タンク熟成ですが樽熟成の様なナッツ香が広がり、味わいにも熟成感と複雑さが感じられてこの価格ですから嬉しくなります。

赤のお薦めはチリのマルティノ家が造るメルロ種99年産。売れていることもあってチリワインの多くは06〜07年と若い物ばかり。しかしこの9年を経たレセルヴァを味わうと、産地はどこであっても良質な赤は、熟成が必要だと言うことがはっきりわかります。


                                                             藤井 敏彦


2008年 4月

  今年1月にオープンしたばかりの外資系スーパー「コストコ」に行って来ました。
このスーパーでは買い物をせずに中を見るだけでも、入場するには約四千円を支払って会員にならなければなりません。実は開店前の昨年末から、ここの会員になるかどうかを悩んでいました。理由はスーパーで入場料を取られる?そんな商売って日本じゃ考えられないからです。

結局、私の好奇心は理性よりも勝り、お金を払ってでも入場したくなりました。そして結論から言うと、ここは面白いです。並んでいる商品は知らないものが多く実際に高いのか安いのかは判りませんが、ついこれを買おうかと手に取ってしまうものが結構ありました。


ワインに関しては私も真剣です。オープン記念でしょうか、定価19,950円のシャンパーニュ・ドンペリニヨン99年が、なんと9,800円(その後は値上げされたそうです)で山の様に積まれていました。価格は安い物もあったり色々ですが、現地の評価本等に出ていてもまだ日本に正規輸入されていないワインや、興味深いワインを見つけて数本買いました。

あと、ここに来ていた方の多くが買っていたのが、1,200円程の特大ピザ。ガラス張りの調理室で作っていたそのチルドピザは直径60センチ近くあり、それが入った大きなダンボール箱が皆のショッピングカートに鎮座していました。私もこのピザが欲しくなり妻に買おうと言 ったところ「このサイズのピザが入るオーブンが家にあるのなら買ってもいいけど、何等分かにカットするなら美味しさ半減よ」と言われ目が覚めました。

そして妻は「これならピザと違って家のフライパンに入れ直して焼けるでしょう」と言って幅20cm長さ50cmぐらいの容器に入った具だくさんのパエリアを選びました。

スーパーの中はある意味ディズニーランドよりもアメリカチック。トイレも外国映画で見たような感じで、便器の大きさも当然アメリカンサイズ。年会費は安くはないけれどアメリカンな気分を満喫出来て、実際に行く旅費や手間を考えるとこれは楽しいレジャーと言える気がしました。


 さて、71年札幌オリンピックと共に建設された地下街ポールタウンで開業したワインショップフジヰですが、10坪の店舗が手狭となりもう少し広い場所に移転することになりました。場所は南3条西3丁目の東側で、北に向かう一方通行に面した東向き。ミシン踏み人形が目印の「中山ミシン」さんと、プレイタウンフジイビルさんの間で、元「フレッシュネス・バーガー」だった場所です。

開業予定は5月中旬。もちろん、土曜恒例のサタディ・テースティングも続けますので、移転後もワインショップフジヰを宜しくお願いいたします。

では今月のオススメワイン。
まずはボルドー地方から、ムーラン・ディッサン ボルドー05年。飲む前はマルゴー村のシャトーが造っているのに、マルゴー村でも、オーメドック地区でもないので半信半疑で試飲をしましたが、05年産らしいたっぷりしたコクと燻した樽の香りが華やかで、その見事な出来に驚いてしまいました。

シャトー・マレスカス オーメドック97年は、11年を経てもしっかり残る果実の風味とヨモギを思わせる熟成香が両方楽しめます。熟成ワインの旨味が楽しめて、この価格はちょっとあり得ません。

ブルゴーニュ地方からはジャイエ・ジル オートコートボーヌ赤04年とカイヨ ムルソー白04年。共に4年を経て熟成感が開き始め、これぞブルゴーニュと思わせる味わいがたっぷりです。

最後はイタリア、リカゾリ カザルフェッロ96年。ヨーロッパ全体が好天に恵まれた96年ですが、トスカーナ州だけは局地的な豪雨に見舞われた因縁の年。しかしこのワインには生産者の汗と涙を感じても、雨によって薄まった味わいは微塵も感じさせません。

 


                                                             藤井 敏彦


2008年 2月

 私の家内はおしゃれなカフェが大好きです。
 しかし、私は大盛りと食堂が大好きなので、休日の予定を決める時はいろいろ問題が発生します。

 今回は菊水にあるチャノシタ(白石区菊水5条3丁目5−11・月曜定休011−887−8273)と言うカフェに行くことになりました。場所は南1条〜南郷通り沿いで、東札幌の手前にある大きな円形歩道橋のほんの少し手前にあります。家族3人でランチをいただきましたが、お店の雰囲気だけでなく料理もとても美味しくボリュームもあったので、問題は起こらず楽しい一時を過ごすことが出来ました。

この日せっかく菊水に来たので、当社とお付き合いのある業者さんを捜していたところ、その近所でガラス張りの古い大きな建物を見つけました。看板には「大熊商店」とあります。

中で何か作業をしているので見てみると、鰹節を大きな機械で削っています。車から降りるとダシの香りが鼻をくすぐりガラス越しに見ていると、中の方がガラス戸を開けて今削ったばかりの鰹節を息子の手に山盛りのせてくれました。

私と家内は息子の食べる姿に我慢が出来ず、お願いして自分達用にもう一山いただきました。その綿あめのような鰹節は、そのまま食べるだけでめちゃめちゃ美味しいのです。これを買うことは出来るのでしょうか?と聞くと入り口の奥の事務所に行ってくださいと言われました。

重い引き戸を開けると、中は煮干しや鰹節や椎茸の箱が山積みされています。左手の事務所がまたアンティークなムードで、柱には大きなのっぽの古時計がぶら下がっています。今試食させていただいた鰹節を家庭用に少量売っていただけますかと言うと「100gで270円(外税)」と言われました。

100gとはどのぐらいの量なのですかと聞くと、幅15センチ高さ20センチぐらいの茶色い紙袋を手に持ってこれに詰めたぐらいと言われ、それをお願いしました。こんな少量なのに事務員の方は伝票を起こし「上様」、品名「本花」、数量「0.1」、金額「270」税込「¥284」と書いて手渡されます。

ここにレジは無いようで、300円を渡すと机の上の手持ち金庫を開けてお釣りをくれました。そして、さっき見せてくれた茶色い紙袋を持って奥の作業場に行き、間もなく鰹節を詰めた袋を手渡してくれます。お店を出て車に乗った途端、家族で争う様にその袋に手を入れ鰹節にかぶりつきました。

その日の夜はこの鰹節で取ったつゆで、我が家の御用達、大竹製麺のうどんを食べました。冷や奴にも削り節をたっぷりのせました。そして翌朝の息子の朝食は、おかかライス。削りたての鰹節って驚くほど美味しいものです。

札幌のダウンタウンとも言える菊水、この町にもおしゃれなカフェや新しいスーパーが出来ています。でも少し奥に入ってみると今も古い町並みが残り、札幌の良心と言えるようなお店が商売を続けています。

大熊商店(白石区菊水8条3丁目11−23・日曜祝日と第2・4土曜定休011−821−2166)ただ、市内300軒ほどのそば屋さん向け業務用のお店ですから、少量販売の小売店とは異なる点をご理解いただける方だけにお薦めします。

大竹製麺(札幌市中央区北1条東4丁目8−8・年中無休011−221−4525)北1条通り沿いの南向きで、東急ストアー札幌ファクトリー店の駐車場入り口とファクトリーの映画館に行くエスカレーターとの間にある小さなビル。

入り口を入るとチャイムが鳴り、しばらくすると白衣を着た小柄なお母さんが出て来るので注文します。するとお母さんはまた工場に戻り、にこやかな笑顔で注文の品を持って来てくれます。ここの生うどんは美味しいことで有名ですが、ここの餃子の皮で作る水餃子も私は
大好きです。ただ夕方になると品切れる事があります。

さて、今月のオススメワイン。まずはブルゴーニュから、白ヴェルジェが造るサンヴェラン村のシャテニエール畑04年。マコン地区特有のふくよかなコクとメリハリのある酸味が4年を経て調和し始め、評論家が90点は付けそうな味わいだと私は思います。

一方赤のオススメはとても安いですがアンリ・ド・ブルソーが造るレジェンドと言う名のブルゴーニュ赤。あえてガメ種をブレンドする事で、安いピノノワール種にありがちな薄っぺらさを無くし、この価格でバランスの良い味わいを持っています。多分この醸造家はかなりの腕前なのでしょう。ただ、混ぜ物を嫌う潔癖なピノノワール・ファンにはジャン氏が造るブルゴーニュ赤03年をオススメします。こちらは混ぜ物無しで濃さも無いですが、薄旨系ピノが熟成した飲み頃の美味しさが楽しめます。


イタリアからはアルファゼータのシャルドネ。この白はアンリ・ド・ブルソーと同様に、有能な醸造家がお手ごろ価格で良質なワインを造ろうと努力したタイプ。特別濃くは無いですが、複雑さと旨味が楽しめる良く出来た辛口白ワインです。

最後はスペインからパドロ・イプシスの赤、白。特に赤は03年産の強さと5年を経た熟成感があって、この価格ですから嬉しくなります。最近のスペインは濃くてもシロップっぽい甘さが気になることが多いのですが、このワインは甘さが目立たず練れた味わいが楽しめます。多分、有名産地でない為に熟成させることが出来たのでしょう。

最後はスペイン産ヴェルモット、イザギレ。ヴェルモットで有名なイタリア物とは全く違って、イザギレは漬け込んだハーブの量が格段
に多くビターリキュールと言いたくなる程。しかも私がヴェルモットを飲むとしたら普通は白の辛口で、ごく稀にカクテルのマンハッタンで赤甘口を飲むぐらいですが、イザギレは私が普段絶対に飲まない白甘口でも美味しいのです。また、この4種類は店舗に試飲用がございますので、近所まで来た際は是非お寄りいただきご試飲してみて下さい。

                                                             藤井 敏彦


2008年 1月

 11月末に岩見沢の宝水ワイナリーに行って来ました。
目的は発酵が終わったばかりの新酒の試飲です。宝水ワイナリー06年産は余市と岩見沢の葡萄を使って仕込んだそうですが、07年は岩見沢の自社畑の葡萄のみで造った自信作!

予定より1便早い電車に乗れたので、岩見沢駅前の立ち食いそば屋「小もろ」で腹ごしらえ。この店のメニューは不思議なことに、かけそばも、天ぷらそばも、カレーそばも、そば類は皆300円なのです?それとゆで麺のせいもありますが、オーダーをして財布からお金を出す前にそばが出てきます。ちなみに私は500円のシンプルな味わいのしょうゆラーメンを頂きました。

ワイナリーへは駅から車で15分程で着きます。ここは新しい醸造所だけに最新の設備を見ることが出来ました。まずは約1メートル四方のプラスチックで出来た発酵タンク。軽い事と重ねられるので小ロットの仕込みに適し、赤の発酵前に行う低温浸漬もしやすいそうです。

次は小さな樽の形をした300リットル弱のステンレスタンク。このタンクは発酵終了後に、酵母菌等の澱(おり)を分離せずシュール・リー熟成させる際、通常の縦長タンクより容量に対して底面積が大きい為に澱の表面積が増え、澱からの旨味成分がワインに溶け込みやすい最新の物です。

試飲は白ケルナー07年から。発酵直後で炭酸が残っています。味わいはほぼ辛口で、熟した果実の風味とシャープな酸味が豊か。新鮮な柑橘の皮を思わせる心地よい苦味が味を引き締めています。

赤レンベルガー07年。紫の色調で濃さはしっかり。香りはインクの様でまだ閉じた印象、赤も炭酸ガス有、味はバランスが良くガメ種を思わせます、若いのに酸味が柔らかく少し熟成したワインに感じます。

最後は試験的に造ったと言う、樽熟8ヶ月のレンベルガー06年。色は07年より薄くグラスの縁は透明。濃い味わいではなくても、酸味が柔らかく若くても旨味が感じられます。もう少し熟成すれば、十勝ワインの銘酒、清美(キヨミ)の様に気品のある味わいになりそうです。

試飲後は近くでキジを飼育している施設があり、そこで出しているキジ肉チャーシュー入りで旨味たっぷりのキジラーメンをご馳走になりました。私にとってはラーメンが2食続きましたが、澄んだ味わいで美味しくいただきました。

 

さて、私は岩見沢でもう1軒寄りたい所がありました。岩見沢駅から歩いて5分ぐらいの、古い市場の中で営業している市川燻製屋本舗(0126−20−0300 日曜定休)です。

昔は魚屋さんや八百屋さんが20軒ほど入っていたであろう古い市場は、現在ほとんどが空き店舗で営業しているのは4軒ぐらいでしょうか。そんなさびれた(失礼)中で市川さんご夫婦が、目をキラキラさせてお客様に燻製の試食を勧めています。特にタチ(タラの白子)の燻製は感動ものです。でも美味しさ以上に、市川さんの嬉しそうな顔を見ていると買わずにはいられません。

会話の中で市川さんは、自分が元の会社を辞めてここ岩見沢で独立したのは、三笠の山崎ワイナリーの山アさんにお会いして勇気を頂いたからですと話され、私に山アさんをご存じですか?と聞かれました。私は「実は私の仕事は酒の小売店で、山アさんのワインを販売しており、今では親戚付き合いをさせてもらっています。本当に山アさんは素晴らしい方ですね」と答えると旦那さんは驚かれ、また試食を差し出されました。ここでサーモン、つぶ、タチ、カキの燻製をお土産に買い、JRで札幌に戻って店のスタッフと共に味わいました。

岩見沢は大都市ではないですが、身の丈に合った中で温かさや豊かさを感じさせます。多分近郊の農業が上手くいっている結果なのでしょう。ワインに関してもこの岩見沢を擁する空知地方では、鶴沼ワイナリー、山崎ワイナリー、宝水ワイナリー、そして中沢ヴィンヤードと層が厚く、更なる発展が期待されます。
町を車ではなくゆっくり歩いていただくと、ワイン屋のクラモチさんや、天狗まんじゅう、レイモンドカフェ等の個性豊かなお店が見つかります。皆さんも一度岩見沢へ遊びに行ってみませんか。


さて、今月のおすすめワイン。
まずボルドーの赤からは最高の作柄だった00年産。シャトー・フルカオスタン00年は、熟成感と若く豊かな果実味の両方が楽しめます。クロフロリデーヌ00年は、グラーヴ地区らしい土やタバコ葉の熟成香に、こなれたタンニンと柔らかくなった果実味が調和した飲み頃の美味しさが楽しめます。

ブルゴーニュからは飲み頃を迎えた03年産。カイヨのブルゴーニュ白03年は、ナッツ、スモーク香と果実味を引き締めるジンジャーの風味があり、この生産者が暮らすムルソー村のワインを思わせます。ヴェルジェが得意とするビュシェール村の03年は、ローストした華やかな樽香とそれに負けない完熟した柑橘類の果実味が、せめぎ合うようにグラスの中からどんどん広がって来ます。

イタリア、スパレッティ社のポッジオレアレ03年は、近年少なくなった大樽熟成させたワイン。こなれた酸、タンニンと果実味が調和し、舌の上で複雑さと旨味がじわじわと広がります。

最後は珍しく食品2種。広島県レインボー食品のカキのスモーク缶詰。香ばしいスモーク香と凝縮したカキの芳醇な味わいはちょっとクセになる程の美味しさです。瀬戸内海小豆島(しょうどしま)のオリーブ新漬け。ヤマヒサ社が10月末に発売したのは自社農園産ですが、こちらは近所の農家のオリーブで作った物。プレーンな塩味と浅漬けの食感に、じわっとしみ出るオリーブのしみじみとした旨味は、まさしくヤマヒサ独自の味わいです。


                                                             藤井 敏彦


2007年 11月

 夏のキャンプでアウトドアにはまっている我が家は、今度は「定山渓(ジョウザンケイ)自然の森」に行って来ました。 宿泊は可愛い5名用コテージで、ベット、トイレ、流し台、ストーブが付き快適そのもの。横にある屋根付きのテーブルで煮炊きをし、ここで昼、夜、翌朝と3回食事をしました。

 夕方には薪割り飯ごう炊さん体験に参加。親切な係の方が5歳の息子にナタを持たせて、薪を割っていきます。その薪を井げたに組み上げ、下に置いた焚きつけ用の新聞紙に火を付けるとバチバチと音を立てて大きな炎が飯ごうを包み込みます。

 こうして炊き上がった飯ごうを持って、コテージに戻りまずは試食。苦労して炊いたご飯の味は格別で、ふりかけ無しではご飯を食べない息子が、白いご飯をムシャムシャと食べています。その後、持参したお肉と野菜で料理を作り、ワインを飲みながらゆっくりと食事をして、夜はトランプ遊びで楽しみました。

 ここにお風呂は無かったので翌日出発する際に自然の森の方に聞くと、日帰り入浴できる付近の温泉の料金表を渡されました。そこに書かれたホテルの中に、当社がワインを納入している定山渓第一寶亭留(ダイイチホテル)翠山亭(スイザンテイ)を発見し、ここに決定!

 しかしホテルに着くと、ジーンズ姿の自分が悲しくなる程ゴージャスなムードです。気後れした私は名前を明かさずに料金を支払い風呂へ直行します。吹き抜けの大浴場は更に立派で、壁には温泉の滝が流れており、洗い場のシャンプーは高級感のあるオレンジの香りの物と、更に高そうな馬油入りが交互に並んでいました。

 風呂から上がり脱衣所で扇風機の風に当たっていると更に驚きました。置いてある中型の扇風機は左右に首を振るのではなく、「8」の字を横にした形に首を上下左右に振っているのです。扇風機の進化に感動し、翠山亭を出発。次に向かった先は、国道沿いのローソンの向かい側にある小さなお米屋さんです。

 ここのおばあちゃんが作るお総菜は、我が家定番の定山渓土産。一個70円の小ぶりのコロッケは、ほんのりと甘味があり息子の大好物。私は「竹の子とフキの味噌炒め」と、イモサラダをパックに詰めてもらい今夜のおつまみになりました。


 さて、今月のオススメはブルゴーニュの03年。異常気象と言われたほど暑かった03年は、ヨーロッパ中で濃いワインが造られました。ただブルゴーニュやロワールなど北部で繊細さが特徴の産地ではアルコールが強く大柄なワインとなり、特にピノノワール・マニアは03年産の発売に見向きもしませんでした。

 その03年も収穫から4年を経て試飲をしてみると、アルコール辛さが元々の濃い果実味に溶け込み、ふくよかで奥行きのあるワインになっていました。幾つかのメーカーに残っていた03年を試飲して選んだのが、ジョセフ・ロティのグラン・オルディネールと、ジョセフ・ロティのブルゴーニュ・ルージュ、それとグロ・フレール&スールのヴォーヌロマネです。

 この3種の内一つでも結構です、先入観を捨てて味わってみて下さい。03年のブルゴーニュって美味しいねと思っていただけると思います。

 もう一つのオススメは、チリのコノスル社レセルヴァ カルメネール 03年。誰でもが知っているカベルネ種やシャルドネ種は今発売しているのが06年産ですが、知名度が低いカルメネール種は何と03年が残っていました。しかもこの品種は、カベルネ種よりタンニンが豊かで熟成後に美味しくなるタイプ。 私が試飲したときの印象は、仏オーメドック地区01年産の味を思い浮かべました。しかも価格は1,200円とお買い得です。若くフルーティなチリワインも良いですが、たまにはこうした熟成したワインはいかがでしょうか。


                                                             藤井 敏彦


2007年 9月〜10月

お待たせしてすみません。今回のリストも9月〜10月合弁号となってしまいました。

さて今年の夏、我が家は初のアウトドアに挑戦しました。

テントも何も持っていない私たちですが、妻が雑誌「クウネル」で南富良野のネイチャーガイド、リトルトリーの大野さん一家の記事を読んだ事がこの計画の始まりでした。妻はこの記事にあった木登りとカヌーを希望し、後は移動も用具も全てお任せの、贅沢なプライベート・キャンプツアーです。

午前中はトマムリゾートの森で木登り体験をして、昼食後に然別湖(シカリベツコ)のキャンプ場に向かいます。駐車場からリヤカーを使って、テント2家族分、台所と食卓用の大きなテント、あとは食料と寝具を運びます。5人が2食食べて、寝るだけでリヤカー6回往復分もの荷物がありました。

午後に少しカヌーに乗り、夕食の準備です。大野さんがダッチオーブンという鉄鍋でローストポークを作り、奥さんはサラダやデザートを担当。だんだんと暗くなってくると、たき火の明るさと暖かさが何よりも心を和ませます。大きな火を見たことのない息子は大騒ぎで、率先して燃やす枝を捜してはずっと火の番をしていました。真っ暗な森の中で食べた野外料理のフルコースと、食後に枝に刺したマシュマロをたき火であぶった、焼きマシュマロの美味しさは忘れられません。

翌朝5時、霧が晴れ、湖面の風が止み、水面が鏡のようになった湖にカヌーを出します。水が澄み湖底がハッキリと見えるこの広い湖にカヌーがたった二艘。パドルを置き、カヌーの中で仰向けになり空を見ていると、浮かんでいる僕らを森の主が見守っているような気がしてきます。

陸に戻ると朝食です。奥さんはパン生地をお手玉大に丸めて10個程ダッチオーブンに入れて蓋をします。凹んだ蓋の上にも火のついた炭をのせて、上と下からの熱で焼き上げたパンは表面がカリッと香ばしく中はもちもちで、バターも何も付けずにそのままで味わいたい美味しさでした。

優しさと厳しさを合わせ持つガイドの大野さんに頼もしさを感じたのか、息子はずっと後を付いてお手伝いをしています。然別湖が今も豊かな自然を保っているのは、この森を守っている大野さんのようなネイチャーガイドさん達のおかげなのでしょう。

夕方札幌に戻り、翌日は妻の希望で札幌駅北側にあるアウトドア用品の専門店「○岳荘」へ直行です。店には昨日使ったほとんど全ての物が、高い値札と共に至る所に並んでいました。本命のダッチオーブンはさすがに高く、15,000〜20,000円で私はすぐに却下。

お金を貯めてから再びここに来ようと妻を諦めさせました。そして別の買い物でホームセンターのに寄ったところ、中国製ではありますがダッチオーブンと鉄蓋用の棒、専用火床、耐熱革手袋、クッキングブックの一式がなんと4,980円で売っていました。5千円で家族の平和が買えるのなら、私も男気を見せます。こうして今年の夏、妻はダッチオーブンでベーコン作りに熱中しています。

さて、今月のおすすめワインは、飲み頃の赤で良い物が多かったです。

ボルドー地方からは「シャトー・プジョー 96年」と「シャトー・ベレール 01年」。2種のワインのランクは違いますが、共にカベルネ種が熟成した風味が楽しめます。しかも値上がりが激しいボルドーで、熟成ワインがこの価格はかなりお買い得と言えるでしょう。

ブルゴーニュ地方からは「フィリップ・ルクレールのジュヴレ・シャンベルタン村プラティエール 03年」と「マイヤールのショレ・レ・ボーヌ村 01年」。

樽香が強いルクレールですが、暑かった03年は果実味が例年より濃い為に樽がうまく調和しています。
一方マイヤールは6年を経てピノノワール種が熟成し、妖しい魅力が開き始めてきました。大きめのワイングラスで味わっていただくと、葡萄からどうしてこんな複雑で官能的な風味が生まれるのかと驚く事でしょう。


そして最後は私事ですが自分の生まれた59年産のワインです。ポートワインと同様の製法で造られたこの甘口の赤ワイン。さすがに果実味は枯れ始めてはいますが、私の体だって48歳でガタが来始めているのですから仕方がありません。50年近く経ったワインがこの価格ですから、この年生まれでなくても、飲んでみる価値は十分あると思いますよ。


                                                             藤井 敏彦


2007年 8月

今月は息子の運動会のお話。
今年、年長組となった息子の幼稚園で、運動会がありました。

まずは選手入場。よちよち歩きの小さな3歳児が1列になって行進を始めますが、自分の親を見付けると列から外れ親の元へ走り出します。先生はこうした子供を追いかけ、抱き上げて列に戻しながらの行進です。別の先生の足には小さな女の子が抱きついて離れず、引きずるように行進していました。

これが5歳の年長組ともなると、さすがに親元に駆け込む子はいません。息子は嬉しそうに手を肩の高さまで大きく振って行進していました。

競技が始まっても年少組は、ヒヨコの様にちょろちょろ動き回っています。「よーい、ピー(スタートの笛の音)」から走り出すまでに一呼吸かかり、まず誰か1人が駆け出し、残りの子は追いかける形で走り出すと言った具合。

その点、年長組の障害物競走は、ほぼ一斉にスタート出来ます。そんな中、網をくぐる際に手間取り遅れてしまった女の子が、次の障害物である平均台を泣きながら渡っていました。すると応援席から拍手がわき起こり、その子がゴールするまで皆の応援は止みませんでした。

最後の競技は、年長組の紅白リレー。見ていると皆の走るスピードは大して差がないので、バトンの手渡しが勝負の決め手になります。遅れていた赤組のアンカーは、1番背の高い男の子。バトンを受け取るとスピードをグングン上げ、白組との差を縮めます。最後は鼻の差かという接戦で赤、白がほぼ同時にゴール。

その男の子は勢い余ってゴール直後、倒れ込む形で大きく転んでしまいました。ヒーローは先生に抱き上げられた後も、感極まったのかずっと泣きじゃくっていました。この白熱した紅白リレーの印象が皆の心にも残ったのでしょう。運動会が終わった後のグランドで、何人もの園児がリレーごっこをしています。

生まれてからずっと自分のペースで生きて来た子供達にとって、この日の競技はこれからの人生で避けられない様々な競争の始まりだったのかも知れません。


さて、今月のお勧めワイン、暑い夏にはまず泡でしょう。
シャンパーニュ地方のジョセフ・ペリエ社のロワイヤル・ブリュット。何と言ってもバランスが良いのと、澄んだ酸味がとても美味しいのです。私でしたらお刺身やお寿司と一緒に味わいたいと思いました。ただ、お醤油の味は白ワインとケンカをするので、醤油にレモンを数滴入れると相性が良くなります。

もう1本の泡はスペイン、ロベルト・ホタ・ムール社のカヴァでレセルヴァ・ブリュット・ナチュレ。建築家ガウディがデザインしたような独特の瓶。リースリング種を思わせる鉱物的な香りと、キレの良い辛口の味わいは、小エビや小魚のフライが食べたくなりました。

続いて白ワイン。暑い夏にピッタリな白は、ドイツ北部モーゼル地区のゼルバッハ社が造る、リースリング・ホッホゲヴェクス・ハルプトロッケン05年。北国の白い花を思わせる可憐な香りと果実味を包み込む豊かな酸味は、ミントのシャーベットを口に含んだような清涼感です。

最後は、レストランで素晴らしい料理と共に味わいたい芳醇な白ワイン。79番と80番アンセルミ家が造るカピテル・クローチェ04年とカピテル・フォスカリーノ05年です。まずはこの濃い色調を見ただけで、ただ者じゃない事がわかるでしょう。熟成が樽かタンクかの違いはありますが、元々の葡萄の味が半端じゃなく濃さと複雑さでのどが渇きそうな程です。


                                                      藤井 敏彦


2007年 6月〜7月

申し訳ございませんが、今月も6,7月の合併になってしまいました。

さて先月は靴の話で、今月は鞄(かばん)のお話。

鞄と靴を買う時に、私は共通点が多いと思います。毎日使う物が破れたり壊れたりして、替わりの物を探しに行くと、前に買ったお店に行っても同じ物はまずありません。

何軒かの店を回っても希望の物が無いと、仕方なく予算以上の物か、あまり納得いかない物を買ってしまう事が多いのです。皆さんもこういった経験ありませんか。


さて、ワインショップフジヰでは、車で配達する際に伝票、お釣り、携帯電話等を入れる小さなショルダーバックを使っています。

配送業務で使っていると1年を過ぎる頃から破れてくるのですが、代替品を買う時は毎回苦労します。そこで学んだ私は、「ユニクロ」で見つけた感じのいいショルダーバックを2個買い、配送用と私の銀行用にそれぞれ使っていました。


約1年後、過酷な環境の配送用バックのファスナーが先に壊れましたが、私の銀行用バックは何ともないので、交換して私がそのバックを使うことにしました。

毎日バックに前日の売上げを入れ、ファスナーを閉めて銀行まで歩いていくと、時々ファスナーが途中から開いていることがありますが、走るわけでもないので問題はありません。


そうして使っていると、当社スタッフの稲見が見かねて「落とすことが無くても、口の締まらないバックじゃ大切なお金が逃げてしまいそうだから、新品を買ってください!」と言われ、急いで代替品を買いました。

今度いいバックを見つけたら、同じ物を3個は買うつもりです。

さて、今月のワインも白で良い物が多かったです。
まずはアントワーヌ・シャトレ社のシャブリ。この村でも有名な1級ヴァイヨン畑の05年だけに、濃さと木樽熟成による複雑さが楽しめて、定価の半値近い価格ですからこれは見逃せません。

次はアルザス地方、ショフィット家の古木ピノブラン種04年。一般にシンプルな味わいのこの品種を低収量で完熟させたのでしょう、少し甘味がありますが果実味の凝縮は驚くほどです。ショフィット氏のこの品種にかける熱い情熱が、ヒシヒシと感じられる素晴らしい1本です。

熟成ワインでは、ルモワスネ社のブルゴーニュ白97年と、シャンジー家のブルゴーニュ白フォルチュヌ畑95年。共に10年以上経ているのに酸化やひねた感じが無く、果実味も豊かで誰もが美味しいと言える白の古酒です。この熟成感は何か仕掛けがあるのでは、と思う程に良く出来ています。

最後は赤ワインの47番、スーランヌが造るサラ・デル・マス03年。南仏モーリ村産グルナッシュ種主体のワインは、おつまみなしで飲むと舌がヒリヒリする程の極辛口タイプ。ラム(子羊)ではなくマトン(羊)のジンギスカンを食べたくなるのは、私だけではないでしょう。


                                                      藤井 敏彦


2007年 5月

今月は靴のお話。

物持ちの良い私は、数年前まで高校の時買ったリーガルの靴を数足履いていました。長持ちの秘訣は同じ靴を2日続けて履かないことで、その為には数が必要です。

去年は安売りで有名な「ヒラキ」の靴をインターネットで注文しました。ここの人気商品は180円のスニーカーだそうですが、私は580円のかかとのない合皮靴と480円の茶の合皮スニーカーの二足を購入しました。

一緒に480円の合皮スニーカーを買った当社のスタッフは、連続10日目でスニーカーの靴底が剥がれ始め1ヶ月たたずに捨てたそうですが、私のは毎日履かないせいか半年以上経っても大丈夫です。


さて、昨年のオープンからよく買い物をする「スーパー・アークス」菊水店の駐車場の向かいに妻が小さな靴屋さんがあるみたいというので覗いてみると、60歳過ぎのお父さんが1人で金づちを手に靴を造っていました。古くて暗くて狭い(失礼)作業場はまるで童話に出てくる靴屋さんといった感じ。

聞くと私の好きな「プレーントゥ」と呼ばれる形の靴は3万円弱で作ってくれるというのです。その後私は、冬の間で貯めた3万円を持って4月に再び浦製靴店(011−811−3710・日曜休業)に行きました。


まず足の採寸はサイズが変わるので午後2時過ぎに来るように言われます。用意された厚紙の上に立たされ、ボールペンで紙に足形をなぞり、メジャーで採寸した数値を横に書き込みます。この大切な型紙は何とカレンダーの裏紙でした。ただ、どんな紙を使っても採寸は厳格で、私の足は甲高なのと親指の爪が出ているので靴の内側に余裕が必要と言われました。

採寸しながらお父さんは、アジアからの安い靴が輸入される前はこの狭い作業場に7人の職人さんが居て毎日たくさんの靴を作っていたとか、息子と娘にはこの仕事をさせたくないので、東京の大学に行かせて向こうで働いているとか、いろいろ話をしてくれました。

その3週間後に完成の電話が来ました。新しい靴はまだ数回しか履いていませんが、とても軽いのと足にピッタリのせいか少し小さく見えます。そして、よく見ると靴のつま先で親指の爪のあたりがほんの少し膨らんでいます。浦さんは1週間ほどは短時間だけ履くようにして、少しずつ自分の足に馴染ませると自分にピッタリの靴になると言っていました。

480円から3万弱の靴を交互に履いている私。ふと考えると、私はワインも600円から数万円まで試飲をしています。この雑食性というか、脈絡の無さがワインショップフジヰの特色なのでしょうか。

さて、温かくなった今月のオススメは白ワイン。
まずは山崎ワイナリーです。安定した品質で知られる白の中でもケルナー種06年は、例年よりミネラル感と凝縮感が豊かで熟成後の姿も見てみたいと思わせる力を持っています。

熟成した白ではジャン・ポール・トルシュテのオート・コート・ド・ニュイ 02年が、果実味と熟成感のバランスが良かったです。

もう一つはカリフォルニアのフランシスカン社シャルドネ01年。定価5,500円が1/3近い価格ですから美味しいのは当たり前ですが、ヴァニラとパインの風味がグラスから溢れるように出て来ます。ちなみに、ここの赤マグニフィカ(定価6,000円)も、先月に半値以下で入荷してますので合わせていかがでしょうか。

最後はイタリア、ガロフォリ社のヴェルディッキオ種の白3種。私のお気に入りはポディウム04年でしたが、同じ葡萄で収穫時期の違う3本を一度に味わっていただくと、微妙な味の違いが楽しく体感できるでしょう。


                                                      藤井 敏彦


2007年 3〜4月

まずは、3月のリストが遅れてしまい4月と合弁号になってしまい申し訳ございませんでした。


さて、少し時間があきましたが、2月始め新聞に大きく取り上げられたジンジスカンの名店「だ○ま」の脱税事件。私も最近はご無沙汰ですが、20〜30代の頃は月に数回通う程のファンでした。

今でも忘れられないのが25年ほど前のある晩の事。 まだ移転前の古いお店で、常連のお客さんから「母さん」と慕われている、ふくよかな年配の女性が店を切り盛りしていた頃。 私を含めて3組ほどのお客さんが入っており、空いた席は一つ。

確か8時過ぎ頃、引き戸を開き入って来たサングラスの男性が、そこに座りメガネを外しました。 「コの字」のカウンターで、10名程で満員の小さな店は肉の焼ける音と人の会話でにぎやかでしたが、その方がサングラスを外した途端、店内の会話は途絶えました。 故いかりや長介さんでした。

店の母さんがぶっきらぼうに「また札幌に来たのかい」と言うと、「あぁ」と一言。 その後の店内は全員沈黙の中でのジンジスカンとなりました。 端の席に座った長介さんの隣は小さな男の子を連れた親子連れが座っています。 多分、この店内で1番のファンであろうその子は、長介さんと並んで座っている為に顔が見えず、ただ1人長介さんの存在に気付いていませんでした。

子供と長介さんの間に座る母親は子供に長介さんの事を教えたいのですが、お母さん自身も長介さんの隣ですから恥ずかしくて言えません。 そのじれったさが店内全員に伝わってしばらく経った頃、とうとう母親が子供に耳打ちしました。

するとその子はすっくと立ち上がり、長介さんを指さして「ママ!これ本物?」と大きな声で言ったのです。 私だけでなく緊張していた店の全員がこの一言でせきを切ったように大笑いし、ビールの追加オーダーと共にいつものにぎやかな店に戻りました。


テレビで見る姿とは違って長介さんは静かで、まさにジェントルマンといった趣。 帰りはお土産に肉を包んでもらい、またサングラスをして帰って行きました。 亡くなられて随分経ちますが、いかりや長介さんのご冥福をお祈りいたします。


さて、今月はニューワールドのピノノワール種に良い物が多く見つかりました。

まずはオーストラリア、ピカーディ社のピノ04年。 若いのですが少し枯れたような上品な味わいに、私はヴォルネ村のかなり上物を思い浮かべました。 ピノの味がここまで来ると、私は試飲をしながら必死に欠点を探して「やはりブルゴーニュ産ではない」と納得し安心した程です。 真のブルゴーニュ好きでしたら、悲しくなるので飲まない方がいいかも、と思ってしまう衝撃的なワインでした。

次はオーストラリア、デ・ボルトリ社ヤラヴァレ地区のウィンディー・ピーク ピノノワール06年。 こちらは前述のワインより2年若いので熟成香はありませんが、チェリーと樽からのチョコ風味が混じり今でも魅力十分。 両方に共通する濃すぎない果実味と澄んだ酸は、従来の新世界のピノとは比べ物にならない程洗練された出来映えだと思います。

最後はヴィラール社のチリワイン3種。 新世界は若いワインが多いですが、ここのピノとシャルドネは8年前の99年産、貴腐も02年産でキノコやアニマルなどの熟成香が豊かに広がります。 果実味は枯れ始めて少し通向きの味わいですが、古酒好きにとって熟成したワインがこの価格は見逃せません。


                                                      藤井 敏彦


2007年 2月

毎年のことですが、寒がりの妻は正月を過ぎると子供を連れて1ヶ月程東京の実家に帰省します。

この時期、私は束の間の独身生活。知人から借りた「攻殻機動隊」(ロボットのアニメで内容は刑事アクション物)のDVD30枚程を、休日前夜は明け方近くまで鑑賞。昼に起きて食事と洗濯をし、夕方に新しく菊水に出来たスーパー・アークスへ買い出しに出かけます。

ここで見つけた私のお気に入りは、500円前後で売っている400グラム以上ある牛バラ肉の塊。赤身の肉は柔らかくはありませんが、良く噛んで食べると旨味が広がります。

そして何よりも、大きな塊を一人で食べ終わったときの達成感と豪華な気分はクセになります。ただ、厚さが4センチもある肉を初めて中華鍋で焼いた時は、中まで火が通らず焼いた肉を半分に切って再び焼き直しました。

その雪辱を果たすべく次の休日には、中華鍋で両面を強火で30秒ずつ焼いた後に、家庭用の引き出し式魚焼き器に入れて表裏を5分ずつ焼いてみました。すると今度は上手く火が通り、ナイフを入れると肉の切り口がきれいなロゼ色になっていました。

さらに魚焼き器で焼いている間に、肉を焼いていた中華鍋にぶつ切りのエリンギを1パックと白ワインを少し(油は入れません)入れて弱火で炒めると、肉の風味がたっぷり染み込んだキノコの付け合わせが出来上がります。キノコの味付けは、最後にベル・ジンギスカンのたれを少々入れるだけで、塩、コショウも入れません。

 実を言うと、私は焼き鳥や薄く切った焼き肉は、肉の旨味が無くパサパサになるような気がしてあまり好きではありません。

大きな塊の肉を食べていると、美味しいだけではなく小心者の自分が少しは男らしくなった気分になるから不思議です。

しかも、この満足感が立派なオーブンではなく中華鍋と魚焼き器、材料費も肉とキノコで600円程でかなうのです。そう考えると、私のみみっちい性格は当分変わりませんね。

 さて、今月のオススメワインは甘口デザートワインです。
まずはコアペが造るジュランソン・モワルー04年。ソーテルヌ村のような新樽と貴腐菌の複雑さの追求ではなく、遅摘みによる過熟した甘味とフレッシュな酸味のハーモニーが楽しいワイン。サツマイモと水飴をあえた後にレモンを搾ったような、濃厚さと爽やかさが弾けるような味わいです。

 もう1本のデザートワインは、チリのアナケナ社レイトハーベスト05年。ヴィオニエ種主体の白はドイツのリープフラウミルヒぐらいの低価格ですが、果実味の凝縮感は立派な物。マーマレードジャムと紅茶にレモンスライスを浮かべたような味わいは、冷えた心まで暖めてくれそうです。暖冬とは言え札幌は未だ冬のまっただ中。食事の後に大
切な方とデザートワインはいかがでしょうか。

 最後に赤ワインを一つ。35番のジャンテ・パンシオのグラン・オルディネール04年。このガメィ種のワインには驚きました。どんな手練手管を使ったのか分かりませんが、通常イチゴ風味のガメィ種が、獣(けもの)臭、栗、フランボワーズの風味に化けているのです。しかも価格はボージョレの様に安いままで!ピノノワール種は好きだけど、ガメィ種は、、、という方!一度ダマされてみませんか。


                                                      藤井 敏彦


2007年 1月

06年の大晦日も私は札幌時計台の前で、シャンパーニュを飲みながら年越しでした。年末の新聞にこの年越しの事が記事として載り、時計台界隈で永年働かれていたという年配の女性が記事を見たといって参加してくれました。時計台という共通点で、見知らぬ同士が集まり乾杯をしてまた去っていく。この不思議な出会いと寒さを耐え忍んでの語らいで、12時の鐘の音を聞く頃には参加者の中に心地良い連帯感が生まれます。


今回で26回目となるこの年越しは、私が子供の頃この界隈に暮らしていた事から思い付いた独りよがりの企画。多分、年輩の札幌の方でしたら知っている人もいるかと思いますが、昭和30〜40年頃、藤井の本家は北1条西3丁目で果物屋と「パーラーフジイ」というレストランを営んでいました。当時私の家族は住み込みの従業員さんと共にその店の上に住んでいました。その後、店は隣にあった三和銀行の建て替えと共に壊され、新築された大きなビルの一角で本家はフジヰ食料品店を営んできました。

その店が諸事情から06年12月で営業を止めることを聞きました。私の従兄弟に当たる本家の藤井専務は、私のようなお調子者ではなく実直な3代目の経営者です。その本家が考え抜いた末の結論なのでしょう。私も実家が無くなるような気がして少し寂しいですが、今年は従兄弟を時計台に誘ってみようかなと思っています。


この年越しに興味がある方は、二十歳以上でしたら誰でも参加出来ます。暖かい格好をして大晦日の夜11時すぎに時計台の前にいらしてください。参加費は無料、持ち込みはお酒でも食べ物でも大歓迎です。


最後に今月私のオススメワインは南仏産。ミリエールが造るローヌ赤01年が特価になりました。南仏の01年は天候が良く、良質なワインが多く造られました。6年を経て果実味の濃さ強さは落ち着きましたが、アニマルやスパイスを思わせる熟成香が広がり、旨味も感じられてこの価格は大変お得です。


さて、ワインショップフジヰは私と弟の兄弟で営業していますが、藤井兄弟の学校の成績は、ずっと弟が優等生で兄の私は問題児でした。私の周りを見ても兄弟での学校の成績差は同様な例が多いと思いました。そしてワインの世界でも生産者が赤と白を出していると、大抵美味しいのは片方で残りはぼちぼちと言う事が多いのです。

そんな中、コルビエール地区のシャトー・テルサックが造る赤、白は両方共に美味しいのです。天候の良かった03年産もありますが、共にブレンドによる複雑さと4年を経た熟成感があってこれはめっけもんです。一般に南の白はもったりする物が多いのですが、この白は爽やかさもありパリのコンクールでも金賞受賞しています。ぜひ赤と白の両方をお試しください。

                                                      藤井 敏彦


2006年 12月

今月は車のお話です。
愛車ルノー・キャトル(90年式)のフレームの後ろの方に3センチ程の穴があり、数カ所あったボディのサビと共にきれいにしようと、9月末に新琴似の板金工場「ハッピー」に入院しました。


預けて1週間ほど経ち、驚く連絡を受けたのです。問題のフレームに付いていたサスペンションのアーム類を外してみると、思ったよりもサビが進行していて穴がいくつもあいていたのです。当初は1カ所の穴なので溶接して継ぎを当てる計画でしたが、この状態では新しいフレームに交換する事になりました。


しかし問題の部品はルノー社のパーツリストになく、工場でコネがある別のルートでも見つかりません。約1ヶ月たち困った私は、この車の前オーナーに訪ねたところ、神奈川県にあるキャトルの専門工場を教えてもらいました。


この「ミヤマエオート」では部品取り用の車もあるそうで、フレームの後ろの部分を車から切断して札幌まで送ってくれることになりました。何故メーカーでその部品が無いのかを聞くと、車の骨格であるフレームを分解してまで修理するような状態だと、普通キャトルのような大衆車は廃車にするそうです。


そんな時、妻の実家から電話が来ました。私が出るとお義父さんに話していないのに「車の修理はどうなった」と一言。ちなみにお義父さんは日産の大きな車に乗っています。運転中に「FM!」と言うと勝手にラジオが鳴り、次に「テレビ!」と言うとラジオが止まってテレビが映るそんな立派な車です。

状況を話すと、「フレームに穴!そんなの直してどうするんだ!」。私は何度も受話器に向かって頭を下げながら、これさえ直せばもう大丈夫です。家族もうちの車が大好きなので修理させてくださいとお願いしました。
古い車を維持するのは、まず身内の理解が一番だというのが身に染みてわかりました。

最後は今月私のオススメワイン。
まずはイタリア・モリーゼ州クリテルニア社のビフェルノ・ロッソ02年。私は毎週40種以上の試飲をしていますが、1,000円以下でこのワインの様な美味しいワインを見つけると、試飲中でも思わず「ワーオ」と声が出ます。ミディアムな果実味と樽の熟成感が調和し、今まさに飲み頃の旨味が楽しめます。

もう1本は北海道三笠市山崎ワイナリーのツバイゲルトレーベ種樽熟成05年。早熟で北海道に根付き、道内各地でも植えられているこの品種。色と果実味がどこかボージョレのガメ種に近く少しシンプルな印象でしたが、6ヶ月樽熟成を行うことで複雑さを身に付けバランスの良い赤になりました。北海道つながりでエゾ鹿肉のシンプルなステーキに合わせてみてはいかがでしょうか。

                                                      藤井 敏彦


2006年 11月

晴天に恵まれた10月4日、私は三笠の山崎ワイナリーに収穫の手伝いに行って来ました。
この日私達家族は9時過ぎに到着しましたが、既に畑では近所の農家の方、研修に来ていた北大農学部の学生さん、そして山崎ワイナリー愛好家の方など10名以上が収穫をしていました。

早速作業に取りかかると、暑かった夏のおかげで葡萄はたわわに実り、生い茂る葉の中で房はきらきらと輝いています。普段売られている葡萄と違い、ワイン用の葡萄はずっと小ぶりで一房が10センチ強、粒も小さくて約1センチほどです。

今年は雨が少なかったので1房の中に腐敗した粒は少なく、多くの房はそのまま収穫かごに入れていきます。この一房の大部分は熟して甘いのですが、中には酸っぱい粒やはじき忘れた腐敗果(カビが付いて干し葡萄状になった粒)も少量混じってしまいます。仏ブルゴーニュ地方のシモン・ビーズ家では、黒葡萄は腐敗した粒を徹底して外し、白葡萄は複雑味を得る為に貴腐葡萄状の粒も少量残して仕込みを行うと言っていました。

広い畑から収穫された膨大な数の葡萄。その一つ一つの粒がモザイクのように合わさって1本のワインが造られる事を思うと、手に取った葡萄の選別作業も気が抜けません。こうして葡萄の木が約100メートル続く畝(うね)を家内と共同で2列終えた3時過ぎ、うちの家族は早上がりさせてもらいました。(この日の収穫は夕方5時頃まで続いたそうです)

私にとって週一回の休日、残された時間は家族サービスに向けられます。急いで札幌に帰り、向かう先は妻と約束した近代美術館の「パウル・クレー展」。4時に会場に着き、閉館まであと1時間、収穫で疲れた息子は「ダッコ!ダッコ!」と「もう帰る」を連発します。当然私が子供をあやして、妻にはゆっくりと作品を見てもらいました。

こうして5時に美術館を出て、近くの喫茶店でお茶を飲み、スーパーへ直行。タイムサービスで安くなったお寿司と、お総菜を買って家に帰り、お風呂に入ってご飯を食べて布団にはいると私はバタンキュー。チョット忙しかったけど収穫と芸術の秋を堪能した有意義な1日でした。

さて、お薦めワイン。今月はブルゴーニュワインが多数入荷しました。ただ、仕入れたワインが国内在庫でなく現地から届いた時は、約1ヶ月休ませてから味をみる為に大部分はまだ未試飲です。
試飲した中では  番のジャン・イヴ・ドゥヴヴェイ氏のサヴィニがとても良かったです。ピノにとって暑すぎた03年は難しい年ですが、このワインは濃度と樽香が濃すぎずアルコール辛さも目立ちません。飲んだ印象は02年の果実味と03年の凝縮感を合わせたような感じがしました。ピノ好きでしたら、定価6,000円の1級畑がこの特別価格ですから絶対にオススメです。

もう一本は  番02年産フェヴレ社の自社畑ボージョレです。4年の熟成を経てボージョレ特有のジャムっぽさが消え、ガメ種なのにピノを思わせるチェリーの果実味とタンニンが感じられます。ブラインドで出されたら、私は01年か02年のブルゴーニュ・ルージュと答えるでしょう。もうすぐ入荷する今年のヌーヴォーと一緒に飲むのも楽しいと思いますよ。

                                                      藤井 敏彦


2006年 9月・10月

まずは、このフジヰニュースが遅れ今回9〜10月合弁号となってしまいました。お待ちいただいていた方には御迷惑をお掛けしてすみませんでした。

さて独り言です。現在我が家のお米は白米ですが、一時期妻の健康志向から玄米になったことがありました。
私は好き嫌いはない方なので初めのうちは難なく食べられたのですが、毎日続くと何故かげんなりして来ました。
 
私にとってお米は、おかずを食べた後に口の中を洗う水の様な所があって、玄米だとその洗う水が濁った感じがしてどうもダメなのです。その時は必死の思いで妻に頼み、白米に戻してもらいました。

今年も家内と息子は8月一杯実家に帰っており、私は独身生活。妻の何度かの帰省を経て、私もたくましくなりました。コンビニ弁当から、お米を炊く事を覚え、8月中は1日も欠かさず弁当持参です。もちろん、おかずまで作れるテクニックはなく、スーパーのメンチカツと、野菜の入った魚のすり身の揚げ物が定番メニューです。

共に揚げ物なので野菜も取らねばと思いキャベツの千切りをしていましたが、切るのが面倒なのと昼にはパサパサになってしまいます。そこでキャベツの葉を一枚剥がし手で5〜6センチにちぎり、おかず用タッパに何枚か敷き詰めて上から酢を少量かけます。その上にメンチカツをのせて蓋を閉めると、キャベツはみずみずしくタッパもカツの油が付かないので洗うのが楽な事を発見しました。

こうして毎朝タイマーで1.3合のお米を炊き、朝食の納豆ご飯と弁当を作っていた所に問題が発生しました。お米の残量が減ってきたのです。台所の下を探しましたが、あとは残っていた玄米しかありません。
そこで考えついたのが、1合の白米に0.3合の玄米を加える増量作戦です。さらにご飯の上に白ゴマをかけると見た目にも玄米が目立たなくなりました。しかし何よりも不思議なのが、あれほどイヤだった玄米ですが必要に迫られ、自分で炊事をしてみると難なく食べられるようになったのです。

必要は発明の母と言いますが、自炊は低レベルであっても様々な発見が出来るのです。そして来春の妻の帰省時には、次のチャレンジでおかず作りでしょうか。

さて今月、私のお勧めワインはジャン・ミッシェル・ギュイヨン氏が造るジュヴレシャンベルタン村の1級畑で02年産のジャン・ミッシェル・ギュイヨン ジュヴレイ・シャンベルタン 1er クロ・プリュールと、99年産のジュヴレイ・シャンベルタン 1erレ・シャンポネです。

ブルゴーニュ地方のピノノワール種にとって02年と、99年は共に素晴らしい作柄の年。4年前の02年は今も新鮮な果実の風味がたっぷりですが、多くの99年産は7年を経て若い果実味が落ち着き、若い時に持っていた濃さ強さは衰え始めています。

この状態で飲むと果実味は思った程強くなく、熟成した旨味はまだ少ない為に味わいが閉じた印象を受けます。ただ、もう2〜3年程待つと99年産は熟成香が開いて来て、果実味が減った分を補ってくれるのです。同様な例が現時点で飲む96年産のボルドーワインで、濃さが落ち着いても旨味がのってこなく「今、閉じている」と言われる事が多いのです。

このジュヴレイ・シャンベルタン 1er クロ・プリュールは99年ですが、元々の果実味が凄かったらしく今も豊かな果実味があって閉じた印象がしません。多分、あと3年もすると閉じるのかもしれませんが、今も02年と同様に楽しめるのは驚きです。

もう1本は南仏コルビエール地区のシャトー・テルサック03年。南仏と言えばグルナッシュ種が有名ですが、最近は果実味豊かなシラー種の比率が増えて柔らかい味わいのワインが増えてきました。そんな中このテルサックは、グルナッシュ種のスパイシーさを全面に出した男酒で、私は塩、コショーだけで焼いたシンプルなステーキが食べたくなりました。

                                                      藤井 敏彦


2006年 8月

 7月末に愛車ルノー・キャトルで函館へ家族旅行に行って来ました。

初めての長距離なので家内はレンタカーを薦めましたが、私は聞く耳を持たずに出発。すると札幌を出て間もなく、エンジンの方から時々「シュー」と音が出始めました。古い車に乗っていると異音には敏感になります。この音に家内も気付いた模様ですが、私は内心不安になりながらも口では「大丈夫」と言って走り続けました。

昼前にはシルクハットのベルボーイさんが出迎える洞爺湖ウインザーホテルに到着。有名なレストランへは入らずベーカリーでパンを買い、山を下ってレイクヒル牧場の搾りたて牛乳とともに芝生の上でランチです。この頃になると、エンジンは時々ではなく常時「ブー」と鳴り続けるようになりました。

車内のいつ止まるかという緊張感に、無邪気な息子も気付き「ママどうしたの?」を連発する中、車は高速で長万部まで走り、更に音が大きくなって来たので料金所の方に近くの修理工場を教えてもらいました。

「長万部モータース」の年輩のメカニックさんは、初めて見るキャトルのエンジンをじっと見た後、15センチほどのゴムホースを取り出しました。ブローバイガスのゴムホースが劣化をしてボロボロになり、ガスが漏れていたそうです。工場にあった国産メーカーのホースを代用して繋ぎ、作業は無事完了しました。

今回の行程は妻がガイドブック等で決めた、八雲の銀婚湯温泉、函館のペンション古和(こわ)、白老の民宿500マイルの3泊。3軒は規模も、料金も、雰囲気も全然違いましたが、3軒の女将さんの笑顔が今も同様に思い出す程に皆良い宿でした。

銀婚湯は広い敷地内を川が流れ、お風呂の鍵と共に渡される蚊取り線香を手に持ち、吊り橋を渡って行く露天の家族風呂の気持ち良さは別世界です。

ペンション古和では女将さんが自ら釣った魚料理と、まだ足が動いているイカのお刺身が絶品でした。

玄関に貼られた料金表に「道路工事の方は朝夕の二食にお弁当付き、7日以上は割引あり」と書かれている民宿500マイル。ここでおやつ代わりに出される毛カニも美味ですが、私は前菜のフキとタケノコの田舎風(失礼)が気に入りました。

最終日札幌に着き、掛かり付けの工場「ルノー札幌」に電話をしてゴムホースの件を伝えたところ、「実はルノー純正品のホースより日本のメーカーの方が頑丈なので、モレがなければそのままで結構です」と言われました。それを聞いた妻は「次の車検は長万部で取ったら?」と真顔で言っています。

最後に今月のお勧め。今月はハードリカー(度数の強いお酒)で、素晴らしい物が多数入荷しました。
まずはコンビエ社のホワイト・キュラソー。キュラソーと言えば銘酒コアントローですが、そのコアントローが可哀想になるほど、コンビエ社の物は上質で柑橘の皮の風味が口の中で広がります。

それと驚いたのがダニエル・ブージュ社のコニャック「ロワイヤル」。アルコール60%の強烈な味わいの後、余韻に残る風味はまさしくグランド・シャンパーニュ地区のエレガントさ。理性を持って飲まないと、ムチで打たれた後に優しくされた様な味わいの変化に、飲み手は皆このブランディの虜になってしまいます。

一方ワインはシャブリ村のブロカール氏が造るブルゴーニュ・ブランのキンメリジャン05年。元々この地域は海の底だった為に、地面が白く見える程貝殻が混じるキンメリジャン土壌。葡萄の根が吸い上げたそのミネラル分と、北国のシャルドネ種特有のリンゴ酸が果実の中で出会い、ワインとなって舌の上ではじける様をぜひ味わってみて下さい。

                                                      藤井 敏彦


2006年 7月

私は残業が多いこともあって、夜、外出することは滅多にありません。店舗のある地下街商店会でもいろいろ寄り合いはあるのですが、殆ど欠席しています。そんな私が久しぶりに夜の宴会に出席しました。

その宴会とは、当社のお向かいに最近開店した、化粧品とサプリメントのお店「DH?」との親睦会です。当社のスタッフがこの店にある健康ドリンクのスタンドに連日通って、食事会の約束を取り付けてきました。

お向かいさんは若い女性ばかりで8名、こちらの生きのいい男は4名なので、数合わせに賞味期限の切れた私と弟も参加することになりました。

そんな経緯を家で話していたら、驚いたことに当日の昼、家内が息子を連れて突然店にやって来たのです。そしてお向かいの健康ドリンクを飲んで店に戻り「今日は余り羽目を外さないように!」と私にクギを差して帰っていきました。

この日お向かいさんは、閉店業務で少し遅れるとのこと。私が決めたプランは、サンプル用に取ったシャンパーニュ6本を持って早めに会場に行き、先に試飲の仕事を終わらせてから、残りをお向かいさんと共に飲もうという案。

しかし、この後に楽しいことが待っていると思うと、私だけではなく皆の気持ちも上の空で、真剣な試飲は出来ませんでした。

さらに本物のシャンパーニュがあれば女性陣も喜ぶだろうと思っていたら、彼女たちは飲み放題のサワーやカクテル、アイビー(私も知りませんでしたが、氷入りのビールの事だそうです)の方が好きだと言って、私の勝手な思いこみは空回りに終わりました。

持ち込んだシャンパーニュをウットリした眼差しで飲み干し、「どこか次のお店に連れて行って」と言われたらどうしようと心配すらしていた私。現実は、少しばかりワインが詳しくても、今の女性には何の魅力も無いことが判明し、帰り道は残業した夜よりも重い足取りでした。


さて今月、私のお勧めワインは、暑くなってきたので白ワインです。

まずは、デ・ボルトリ社、ウィンディピーク・シリーズのシャルドネ04年。「樽、濃いワイン」と言われてきたオーストラリアですが、人の嗜好は変わります。このワインの産地が冷涼なヤラヴァレィ地区ということもあって、樽の香りが目立たず青リンゴの繊細な果実味は、清らかな北国の白ワインを思わせます。

もう1本の白はイタリア産。フォンタレオーニがカサヌオーヴァ畑のヴェルナッチャ種から造った辛口の白。4年を経た02年産だけにフレッシュな果実の風味は落ち着きましたが、熟成感がいいんです。不思議ですが、「らくがん」や
焼きリンゴを思わせる香りに、熟成した旨味とミネラル感がたっぷりのっています。清酒に近い感じもあるので、魚の干物とは相性が良さそうです。

                                                      藤井 敏彦


2006年 6月

私の仕事と趣味はワインですが、家内は指先が器用で色々な物を手作りしています。

2年前は消しゴムスタンプに凝り、息子が喜ぶ新幹線や動物のスタンプを彫っては、オリジナルのハンカチやTシャツを作っていました。そして去年からは羊毛に凝りだし、フェルトで指人形や小物を作っています。


そして5月、札幌ファクトリーにある羊毛専門店「ブリコルール」主催の「羊の毛刈りツアー」に参加し、由仁町の大野牧場へ行って来ました。参加者は私以外全員女性、しかも皆さん羊毛が大好きで色々なカルチャーセンターの編み物講座を回り終えたようなツワモノ(失礼)。皆でお昼を食べながらの雑談中でも、わからない所があるとバッグから編み針を出して講習が自然と始まる様なプロの集団です。


午後から希望の羊を指名し、牧場主が捕まえ、まな板の鯉状態でバリカンを入れます。刈り取られた羊の毛足は約10センチぐらいでしょうか。これがどうなって糸や布になるのか分かりませんでしたが、聞きたくても会話は専門用語ばかりで参加できず、私は息子と10分おきに千歳空港から飛んでくるF15やジャンボジェットを眺めていました。
牧場からの帰り道、家内に「今日は外国にでも行った様な気分で、とっても疲れた」と言うと、「ワイン関係の人と同席している時、私はいつもそうよ!」と言われ、ぐうの音も出ずに会話は終わりました。


最後に今月のお勧めワインは、アントワーヌ・シャトレ社のポマール1級畑とシャブリ1級畑です。私もそうですが、ブルゴーニュ好きは家族経営の農家で造られたドメーヌワインを追いかけ、大手ネゴシアン物(ワイン商がブレンド瓶詰めしたワイン)には見向きもしない傾向があります。


さて、このネゴシアンワイン。優良生産者のようなふくよかさと、赤は8年、白は5年を経た良い熟成感が合わさり、誰もが美味しいと言うタイプ。ストイックなブルゴーニュファンでしたら、少しわざとらしいと言うかも知れませんが、この価格のブルゴーニュでこの満足感はちょっとあり得ません。

                                                      藤井 敏彦


2006年 5月

今月はコンピューターの話です。4月にマックとウィンドウズのパソコンを一台ずつ買いました。

ワインショップフジヰの商品の値札を作っている家内は、元々デザイン事務所勤務。当然デザイン業界にいただけにパソコンはアップルを使っています。しかし妻が持っているのは約10年前の「パワーマック7600(当時30万円弱)」という骨董品。インターネットで写真の多いホームページを見ると容量を超えて固まってしまうので、画面を10センチ角以下に小さくして、スクロールしながら全体を見ていました。

私はその姿を横で見ているとイライラするので取り替えろと言うのですが、今の機種を買うと全てが新しすぎてプリンターがつながらなく、データも使えなくなるといってそのまま使っていました。そんな時、私の友人でマックを使ってるデザイナーから「今使っている機種より少し新しい機種を中古で買えば安いし、古いプリンターにも何とかつながるよ」と聞き、東橋のそばにあるお勧めの中古パソコン専門店「DOー夢(ドーム)」に行って来ました。

広い店内には数え切れないほどのパソコンが並んでいます。店員さんは皆若いのですが商品知識が非常に詳しく、妻の機種を言うとつながる機種を教えてくれます。ただあまりに台数が多くてどれを選んで良いのか解らなくなり、私の友人に同行してもらってマックのG4(ジーフォー)でも一番古めの物を29,800円で買いました。これにキーボード1,980円と、メモリーを576メガに増やして合計で約4万円。

もう一台は会社で使っているウィンドウズのパソコンがオーバーヒートの後、急にぐずりだしたため取り替えることにしました。コンピューター担当の専務は、会社で付き合いのある業者さんに昼前電話で希望を言って、ショップメイド(パソコンショップが独自に部品を組み合わせて組んだ機械)の新しいパソコンが夕方には店に届けられました。こちらは「セレロン2.53ギガ、ハードディスク80ギガ、メモリー512メガ、液晶17インチ・ディスプレー付き」といったスペックの新品で105,000円也でした。

私自身パソコンは全然詳しくなく専務の言われるままに使っているだけですが、そばやラーメンの様に出前で届くウィンドウズと、つなぐにも色々相性があって手間がかかるマックはまるで違う物なのですね。

さて今月のお勧めワインは、アルザス地方ショフィット社のピノブラン V.V. '02年。比較的個性に乏しいピノブラン種ですが、このワインには驚かされました。収穫を遅らせたのでしょう、ハッキリと貴腐ワインの香りがたってきます。味わいはドライですが、この芳醇な香りに魅了されない人はいないでしょう。ぜひ一度お試しください。  

 

                                                      藤井 敏彦


2006年 4月

家族と共に3月の連休を使って旭山動物園に行って来ました。

この日は冬の人気イベント「ペンギンのお散歩」の最終日。動物園に着くとお散歩コースにはずらりと人が並んでいました。なんとか場所を見つけ待っていると、歓声が聞こえ人垣の間を10匹ほどのペンギンがペタンペタンと歩いて来ました。

息子とペンギンの距離は約50センチ、その間にオリはなく手を差し出せば握手が出来るほどです。しかもペンギンは人間に興味があるらしく、立ち止まってはきょろきょろと周りを見回しています。その後は人気のアザラシ館、ペンギン館、シロクマ館を2回ずつと、園内を1周して、4時間以上も楽しく見て回りました。

私は子供の頃、円山動物園に何度も行きましたが、ここは全然違うのです。ただし円山だけが悪いのではなく、多分他の町の動物園も同様で、旭山だけが全く別格なのでしょう。

私の動物園のイメージは、大きなオリの一番奥にライオンが寝ていて、更にオリから離れた柵の手すりから必死に身を乗り出して見ても10メートル弱は離れている感じでしょうか。旭山にはメスライオンがいましたが、ガラス張りの特製オリのおかげでライオンと数十センチの距離で対面できるのです。

ヒグマの所では熊がそのガラスをなめていたので、子供が喜んで熊を撫でるようにこちら側からガラスをポンポンと叩いたところ、「ゴ!」とガラス越しに頭突きをされて子供は泣き出しました。

楽しいのは特製のオリのせいだけではありません。園内の至る所に工夫の跡があります。例えば、いくつかのオリの前には喪中の看板が付いています。「猿のゴンタ、13歳、2月31日に肺炎で・・」 また、トイレには「寄贈 旭川
○○学園」とプレートが付いていました。旭川の街全体が動物園を応援していこうという心意気が感じられて、私までなんだか嬉しくなります。

帰りは動物園からタクシーに乗りました。その運転手さんが「ここから何百人以上もお客さんを乗せたが、ひとり残らず全員が楽しかったと言ってくれる。そして次は家族と来るとか、孫を連れて来るとか言ってくれると、私も嬉しくな
るよ」と言っていました。今や動物園は旭川市民の誇りになっている様です。

では札幌のタクシー運転手さんが、同様にほめてくれる施設は札幌にあるのでしょうか?私が年越しをしている時計台もたぶん無理ですね。

さて今月のお薦めワインはブルゴーニュです。赤は16番ダニエル・リオンが造るコート・ド・ニュイ。ピノノワール種が持つ香り高さと複雑な味わいが堪能できると思います。

白は20番シモン・ビーズが造るシャルドネ。実はこのワイン05年11月に一度お薦めしたものですが、メーカーのお陰でお安くなった為に再登場です。ぜひ一度、樽に入れない素顔のシャルドネを味わってみてください。     

 

                                                      藤井 敏彦


2006年 3月

今月は会社で使っている配達用の車の話です。
今の車は4月で満7歳。10万キロを越えてからあちこちにガタが来てそろそろかなぁと思えてきました。4月に新車を買うことで準備を始めた矢先、車が急にダダをこね始めたのです。

まずハンドルが重くなってきました。多分パワーステアリングのオイルポンプが弱ってきたのでしょう。スタッフにはあと一ヶ月で新車だから、だましだまし使ってくれと言っていたのですが、ついにその時が来たのです。

昼の間は何ともなかったのですが、最後に当社倉庫で商品を積み出発しようとしたら、バッテリーが上がっていると連絡が来ました。近所のスタンドで別のバッテリーとつないでエンジンを掛け店までは戻りましたが、店から駐車場まで帰る途中の道路の真ん中で立ち往生してしまいました。

私が現場に着くと車の後ろは渋滞になっておりクラクションの嵐、後続車に頭を下げながら交通整理です。間もなく修理の方が来て、車は工場へ連れて行かれました。

「次の車の話を絶対に古い車の中で話してはいけない」私は古い欧州車に乗っていた友人の話を思い出しました。彼の車は別の車のショールームに行くと、帰る時に車が嫉妬をしてエンジンが掛からなくなると言うのです。

そんなことを思うと、今乗っている車がいとおしく思えてきました。うちの車はN社製でよくある背の高い配送用のバンですが、新型よりも今乗っている方がシンプルなデザインで私は気に入っています。今は何とか4月の車検切れまで頑張って欲しいと願っている私です。

さて今月のお薦めワインです。まずはなんと言っても53番ベルゾー ヴァン・ド・ペイ01年です。現在私は毎年2000種以上の試飲をしていますが、1,000円以下で熟成したワインはまずあり得ません。ところがこの590円ワイ

ンは、5年を経た熟成感がたっぷり味わえるのです。私がこのワインをブラインド(ラベルを隠して行う試飲)で出されたら1,000円以上と答えると思います。

もう1点は59番のスペイン、ピルカール社の01年。ほとんど無名のシガレス地区で、力強さがしつけられ完成された味わいのワインが造られると、改めてスペインのポテンシャルを感じずには入られません。これも2倍以上の価値があると思いました。


                                                      藤井 敏彦


2006年 2月

 仕事が遅い私は、忙しくなると店で徹夜をします。地下街は夜12時すぎに全ての出入り口が閉められると、地下鉄が動き出す朝6時まで閉鎖され、外に出ることが出来ません。徹夜仕事の途中でトイレに行く時、照明が消され人っ子ひとりいない地下街を歩くのは不気味なものです。

 警備室に残業届けを出して仕事をするのですが、何年も前に当直のガードマンさんと話をしていてトイレの話になりました。「男性用よりも女性用の方が落書きが多いのですよ」と言われて興味を持った私は、その方にことわって誰もいない女子トイレに入ってみました。

 そこで驚いたのは落書きではなく個室の数です。男性用は小用が6個と個室が4つ。女性は必ず個室を使うので私は10ぐらいあると思ったのに、確か6つしかありませんでした。地下街で働いている人は圧倒的に女性が多いので、これは問題ですよね。

 話は戻りますが、シャッターの中で仕事をしていても、10時を過ぎる頃から人の流れが逆になり大通駅に向かって行くのが分かります。時々大声を出したり、歌を歌ったり、楽しい一時だったのでしょう。 私はこの中の何人かの人はうちの得意先で、フジヰのお酒を飲んでくれたのかなあナンテ考えながら仕事をしています。

 酒屋は皆さんの楽しい一時をお手伝いする仕事だから、皆さんが楽しんでいる時に働き、逆に皆さんが働いている時に私たちは休める因果な商売です。

 今月私のお薦めは、赤が今月のリスト52番のデュラトンの1ランク下で、1月リストに出ていたアルトス・デュラトン01年¥1,200と、白は54番ドイツのリーザーです。

 スペインは今最も熱いワイン産地ですが、若いワインが多い。そんな中このワインは現代的な果実味と5年を経た熟成感が上手く調和して大変気に入りました。 本来なら今月のリストから選ぶべきですが、このワインの社内試飲が2月になってしまった為です。

 一方、白はドイツワインです。ぜひ一度お刺身で醤油にレモンを搾ってこのワインをお試しください。魚のお刺身と酸味豊かなリースリング種の絶妙なハーモニーに驚かれることでしょう。

 最後にスタッフのメンバーチェンジ等もあって、今月のワインショップフジヰニュースの発行が遅れてしまいすみませんでした。

                                                      藤井 敏彦


2006年 1月

昨年の大晦日も、私は札幌時計台の鐘の音を聞きながら年越しです。

寒い年は何を飲んでも炭酸水にしか感じられませんが、今年は例年に比べ温かかったので持参したシャンパーニュ・ブラン・ド・ブランの味わいを楽しむことができました。

すぐ横の大通公園で行われているカウントダウンイベントの何万人とは比べものにはなりませんが、今年は得意先の「イーストン」、「バールバゲット」、「キャトレール」さんを始めとした12名にご参加いただき楽しく新年を迎えることが出来ました。

毎年のことですが、寒い野外で時計台の文字盤を見上げながら、震える手で冷えたシャンパーニュを飲んでいると、何故自分はこんなやせ我慢をしているのだろうか?と思えてきます。しかし身も心も冷え切った後に聞く12回の澄んだ鐘の音は、私にとって煩悩を消す除夜の鐘の様に体に響き渡るのです。

前々回から来ている女性の方からおもしろい話を伺いました。04年大晦日の後日、家の中が生臭い為臭いの元を探すと、自分のバッグから匂っている。中を覗くと底に干からびたキャビアがあったそうです。この年はとても寒く、クラッカーにのせたキャビアを持つ手が震え、こぼれたのでしょう。

今年の大晦日もシャンパーニュとグラスとキャビアを持って夜11時頃から時計台にいますのでよかったら参加してみませんか?参加費は無料ですが、飲み物、食べ物、グラスの持ち込みは大歓迎です。どうぞ暖かい格好でいらしてください。


さて当社で何年も働いてくれた小田と永井が退社することになりました。共にワイン好きなので、今度はお客として当社のお得意先に伺うかも知れません。その際は宜しくお願いします。

今月私のお薦めは19番と32番のブルゴーニュ赤。最良の作柄だった96年のピノノワールが、10年を経て良い感じでこなれてきた19番。しかもこの年は伝説の前オーナー、ジェラール・ポテル氏が仕込んでいます。

通常ピノノワール種にガメ種をブレンドすると、ワインはパストゥーグラン規格になりますが、クリュ・ボージョレはブルゴーニュ・ルージュにブレンド出来ます。法の盲点を突いたこの32番のワインには4割のガメが入っています。この様な低価格ですが、熟成したブルゴーニュの風味が楽しめました。                                                                                                                                                                                   藤井 敏彦


2005年 12月

11月、私はワインでお世話になった方の娘さんの結婚披露宴に出席する為、東京に行って来ました。当然会場にはワイン関係の方が多く、私と同じテーブルには山形タケダワイナリーの社長さんと、長野の小布施ワイナリーの専務さんがいらっしゃいました。
この日のワインは厳選された物ばかり。乾杯用のコント・ド・シャンパーニュ95年以外は全て6リッターのマチュザレム瓶入りです。この特殊な大瓶は酸化が進まず長期熟成には最適なのですが、ワインの瓶詰め前に現地へ予約をしなければ手に入らない大変貴重なもの。約10年前のブルゴーニュ特級畑のマチュザレム瓶が何本も並んでいると、私のテーブルでも今日はひたすらワインを楽しみましょうというムードです。
そのブルゴーニュワインを一巡した後に、同席したワイナリーのお二人が造ったワイン(タケダさんのキュヴェ・ヨシコ96年と小布施さんのヴァン・ド・パイユ)がサービスされました。2本共とても美味しかったのですが、造っている方のお話しを伺っていると、この年はこうだったが今はこういう形に醸造を変えているとか、来年はこうしてみたいとか、とにかくお二人は更なる努力を考えているようです。
こうして私たちが食事をせずに試飲だけをしていた所に、花嫁のお父さんが来ました。「前沢牛を食べたかい?」 と一言。メニューを見ると「前沢牛のほほ肉煮込み、ボルドー風」と書いてあります。なんでも、知り合いの牧場の方から特別のほほ肉をいただき、有名なシャトー・ランシュ・バージュ98年で煮込んだと言うのです。この一言で私は席を離れ、バイキングスタイルのお料理コーナーでも前沢牛の所に向かいました。この料理を契機に私の胃は急に活動を始めてしまい、気が付くと目に付く料理を手当たり次第にガツガツと食べていました。後で食事のメニューを見ても、自分は何を食べたのかが分からないという情けない状況です。
私の息子はまだ4歳、結婚式は20年以上先でしょう。その時私はエゾ鹿の料理にシャトー・ランシュ・バージュのソースをお願いするのでしょうか?名古屋の嫁入りだけが有名ですが、親が娘を思う気持ちは皆同じなんですね。立派な式にしたいと願うお父さんの頑張りと、それを受け入れたうえで素直にこの式を楽しんでいる新郎新婦を見ていて、このお二人の幸せは末永く続く様な気がしました。
さて、先月10月号のリスト92、ロマーノ・レヴィ、グラッパの説明文で「確か、札幌で彼の工房に行き購入できたのは「ザ・ボウ・バー」の本間氏ただ1人でしょう」と書きましたが、さすがは人口187万人の札幌。イタリア料理店カンティーナ・ピエロボックス(中央区南2条西3丁目カタオカビルB1F)のオーナー鈴木様から「私も99年11月に行って来たよ」とご指摘をいただきました。ここに訂正をさせていただきます。                                                                                                                                                                                   藤井 敏彦


2005年 11月

今月はワインのお話しです。
フジヰでは毎週、産地別に20種前後のワインを試飲しています。中でも10月末に行ったフランス・ブルゴーニュ地方産白ワインは興味深い味わいの物が多く、印象に残りました。
まずは、ブルゴーニュで最高の作り手といわれるルロワが、自社畑でビオディナミ(無農薬有機農法)のアリゴテ種から造ったワインです。この地方ではシャルドネ種が上等で、アリゴテ種は下位の品種と見なされています。そんなことはお構いなしに意地で造ったようなこのワインは、凝縮が強烈すぎて液体ではなくゲル状の物を口に含んだような濃さです。試飲の印象も抜栓翌日の方が風味が広がっていたので、白ですが飲まれる際はボルドー産の赤ワインと同様にデキャンタに移し替えた方が風味が開いてくれると思いました。
次はシャルドネ種からのワイン。ワイン好きにとってシャルドネは樽とセットで語られます。ですから新樽の比率と樽熟期間、樽も何処産の材木を使うか、どの程度木の内側を焦がすか、といったことが一番の関心事です。シモンビーズ家でも当然シャルドネ種は木樽で熟成をさせていますが、04年産ブルゴーニュ・シャルドネは自然派ワインを意識して葡萄本来の味わいを追求し、タンクで発酵、熟成を行った新しいスタイルの白です。
テースティング時の香りは果実の風味よりもヘチマや石灰などを感じました。味わいは素っ気ないほどするっと飲めちゃいますが、余韻にきめ細かな酸味とミネラル感がすーっと伸びてきます。再度口に含むとキュウリや野菜の風味を感じますが嫌な青さが無く、余韻の澄んだ印象はアルザス地方のリースリング種をイメージさせる、まか不思議なシャルドネワインでした。
ルロワの「これでもか!」というアリゴテと、シモンビーズの化粧をせずにすっぴんで勝負するシャルドネ。ワインは赤というイメージが強いですが、私のマイブームは最近白ワインです。
                                                        藤井 敏彦


2005年 10月

私の愛車となって1年が過ぎた90年式ルノー・キャトル。この運転席のシートの下にはスニーカーが転がっていますが、この靴の使い道を知る人は多分いないでしょう。
低血圧の女性の様に目覚めが悪いこの車。特に冬は外と同様の寒い車内で、エンジンを掛けた後もアクセルペダルに足を乗せた状態で10分以上暖めてやらないとエンジンが止まってしまいます。その辛さから思いついたのが、古いスニーカーに重りを入れ、アクセルを軽く踏んだ状態にする方法です。
さらに古い車ですから運転をしていると、いろいろな部品が外れたり壊れます。ここで私が困った顔でもしようものなら、妻は「普通の車に換えましょう」と責めるため、冷や汗をかきながらもクールな顔が出来るようになりました。
このような立場の弱い私にとって、8月にフランスからシモンビーズ一家が来てキャトルを褒めてくれた時は感激でした。ビーズ家の車は奥さんがメルセデスで、旦那さんは私と同じルノー社のカングー(後ろの荷台の天井が高く荷物が沢山積める車)だそうです。聞くとワイン農家では、お客様のお迎え等があるので奥様は豪華なサルーンに乗り、旦那さんは畑作業があるので荷台のある車、という組み合わせが多いそうです。リアカーにエンジンとトタン屋根を付けた様な簡素な外観と、アクセルを床まで踏んでも110キロしか出ない性能ですが、フランスかぶれの私にとってキャトルは手の掛かるペットの様に可愛い存在です。   
                                                  藤井 敏彦


2005年 9月

8月初旬、仏ブルゴーニュ地方のワイン生産者シモン・ビーズ一家が札幌を訪れました。今札幌では月に何回かメーカー主催のワイン試飲会が行われています。その際に現地の方が来る事も珍しいことではありません。しかし、今回のビーズ一家はバカンスの途中で試飲会を開く形だったので、お子さんも参加してのアットホームな雰囲気の会でした。
後で話を聞くと、日中、夫のパトリックさんは大通公園のビアガーデンでビールを飲み、お子さん二人は9丁目の公園で水遊びをしていたそうです。
もちろん試飲会となれば、日本のブルゴーニュファンはマニアックですから質問もビオディナミ(無農薬、有機栽培法)の事や、他の生産者の事まで熱心に聞いていました。私が興味を持ったのも、そのビオの話です。
奥さんの千砂さん自身も興味があって、ビオの研究会に参加してかなり勉強したそうです。そして思ったことは、素晴らしい栽培法だが制約が多いということです。ビオは無農薬の代わりにプレパラシオンと呼ばれる自然の物質から生成された数種の調合剤を、それぞれ月の歴で決められた日に畑に散布します。ビーズ家の畑23ヘクタールはいくつもの村に点在しているため、決められた日に全ての畑に与えるにはヘリコプターを使わなくてはならない。でも無農薬の為にヘリコプターを使うのは矛盾してはいないだろうか?
さらにパトリックさんは「毎日畑に出て木を見ていれば、葡萄は何を欲しているのかが解る。何も欲していない木に、暦だからと物質を与えるのは間違っている。」と言っていました。
私は妻からよく「なぜ私の気持ちが解らないの!」と抗議されます。それなのにパトリックさんは、喋らない木の気持ちが解ると言うのです。
最終日、ビーズ一家と私は三笠の山アワイナリーを訪問しました。醸造所で2時間以上話をした後、あいにくの雨でしたが畑に出ました。白葡萄ケルナー種の所で山アさんが「ケルナーは毎年肥料を欲しがるのです。」と言いました。千砂さんが通訳をして伝えると、パトリックさんは「ピノは?」と問い、山アさんは「いやピノノワールは肥料を欲しがらない。」と答えました。
私は気付きました、ブルゴーニュだけでなく三笠にも、木の気持ちを解る人がいる。
パトリックさんは「今年の収穫は9月15日の予定だ。息子さんをその時期フランスに来させられないか?」山アさんは「うちの収穫は10月だから大丈夫、息子をお願いできますか。」と言うと、パトリックさんは「今年は収穫時だけでも、来年は1年間かけて栽培を学びなさい。」と言ってくれました。
私は木の気持ちは解りませんが、こうして初対面の人間が同じ「百姓魂」を持つことで解り合える姿を見ていると、ワイン屋をやっていて本当に良かったという実感がこみ上げてきました。
最後に息子の亮一さんは05年9月9日出発が決まりました。   
                                                  藤井 敏彦


2005年 8月

今月、弟夫婦に待望の赤ちゃんが産まれました。
私と弟は幼い時に父を亡くし母子家庭で育ちました。そのおかげでマザコンが抜けず、兄弟共に結婚出来たのは7年前に母親が亡くなってからという有様です。
今、私の子供は3歳。息子の寝顔は天使に見えるのですが、幼稚園に通う中でだんだんと自我が芽生え、親の思い通りにはいかなくなりました。しかし、弟が生まれたばかりの赤ん坊を抱いている姿を見たとき、ある詩を思い出したのです。その詩は妻が教会からもらった印刷物に書いてありました。

君は愛されるため生まれた
君の生涯は愛で満ちている
君は愛されるため生まれた
君の生涯は愛で満ちている
永遠の神の愛は 我らの出会いの中で実を結ぶ
君の存在がわたしには どれほどおおきな喜びでしょう
君は愛されるため生まれた
今もその愛 受けている
君は愛されるため生まれた
今もその愛 受けている

3年前に子供が産まれ、無我夢中で生活していた私たち家族。そして今、弟家族がその生活に突入しました。あの頃妻が言った「一度でいいから、熟睡してみたい」。全て赤ちゃんを中心とした生活は、今までの夫婦二人の生活とは180度異なるもので、当時の私にはこの詩のような感傷にひたる余裕はありませんでした。でも、実は余裕がないほど愛に満ちた生活だったという事が、子供を抱く弟の顔を見て分かりました。子育ては振り返った時に喜びを感じるものなのですね。
                                               藤井 敏彦


2005年 7月

今月はマニア向けかもしれませんが、戦車のお話です。
陸上自衛隊、千歳基地の一般開放が6月5日にあることを知り、妻の反対を押し切って家族で行ってきました。
スケジュールは朝早くから行われており、戦車、装甲車400両による日本最大のパレードには間に合いませんでしたが、戦車による模擬戦闘を少しだけ見ることができました。
まず驚いたのは戦車の走るスピードです。ゴジラなどの怪獣映画で戦車は、のろのろと発射位置に着きおもむろに大砲を撃ちますが、実車は荒野の中を多分70キロ以上で走っていました。そして急停車して大砲を撃つのですが、車体が何十トンもの重さの為、急停止後に車体が船のように大きく前のめりに揺れるのです。大砲を撃つ時は平地でなく、木陰や起伏のある手前に戦車を止めて筒先だけが外に出る位置で撃っていました。
その模擬戦闘にはヘリコプターも参加していました。地上すれすれの高さで前のめりになって進む姿を見ていると、まるで糸で吊られて引っ張られているようです。3歳の息子は昨年まで「ドーン」という音が怖くて、花火大会が始まると布団の中へ隠れて出てきませんでした。その息子がすさまじい爆撃音の戦車戦を食い入るように見ているのです。
別の広場にはいろいろな戦車が並んでいて、乗る事も写真を撮ることも出来ました(内部の撮影は不可)。戦車は遠くから見ると平べったくてゴキブリのようですが、近くで見ると実はとても大きくてマイクロバス位の高さがありました。古い戦車が陳列されている会場では、なんと第二次大戦アメリカ軍のM4シャーマン戦車をベースにした、故障した戦車を運ぶトレーラーがありました。芋虫のような車体と、同時期のドイツ戦車と違ってシンプルな車輪は間違えようがありません。
一緒に行った妻は、ウキウキ状態の私とは反対にずっと沈んでいました。「戦争で人を殺す兵器を見ていて何が楽しいの!」この一言に私は全く反論はできません。でも、男の子は乗り物が大好きで、乗用車よりは性能を高めたレースカーが格好いいと思うように、究極まで性能を追求した戦車や戦闘機は別格の迫力があります。
息子は途中から機嫌が悪い妻に気付いたらしく「戦車怖い」と言ってママに甘え始めました。そんな二人の視線を尻目に、私は1人戦車体験試乗コーナーへ向かった為、当然帰りの車の中の会話はありませんでした。

                                               藤井 敏彦


2005年 6月

5月に得意先のレストラン「ジャルダン・ドゥ・ボヌール」さんから、南仏の有名レストラン「レ・ムスカルダン」のシェフ、ティエリー氏を招いての食事会の中でお客様にワインの話をして欲しいと依頼を受けました。
週末の営業はウェディングのみと言うこのレストランは、とにかく豪華で山の手界隈の奥様に人気の理由がわかります。私が会場に着くと、こちらの社長さんより黒服のほうが良いのではという助言があり、急きょ私は蝶ネクタイと黒服を着せてもらいました。
まずは昼の部が始まり、いよいよ自分の出番です。すると初めての環境で着慣れない服を着たせいか、マイクを持つ私の手はブルブルと震えだし、原稿を棒読みするのが精一杯でした。
そこで夜の部では早めに会場に入り、キッチン横の給仕控え室で原稿を何度も読み返し本番に備えました。この様な食事会となると通常のスタッフでは人手が足りないので、知り合いのお店に助っ人をたのむのが普通です。給仕控え室で見ていると、助っ人の方々は張り出されたメニューを何度も見ては、ここのお店の方にナイフやフォークのセッティング等を聞いています。
シェフが挨拶を終えて厨房(ちゅうぼう)に戻ってくると、いよいよ戦闘開始です。料理は各テーブルごとに作られ、テーブルごとに運んで行きます。給仕の方は料理が仕上るまでの間に「これは何のソースか?」「この付け合わせは?」と調理の方に質問をぶつけています。そしてシェフの「よし!」の一言でトレーを持った給仕が、お客さんの待つホールへ飛びだして行くのです。
そして全てのテーブルに配り終えた頃、最初に出した皿が空となって戻ってきます。その下げてきた皿を洗い場に置く一瞬に、給仕の方はスマートに指を使ってソースの味見をしているのです。お客様からワインに関しての質問があると、すぐ私の所に来て意見を聞きホールに戻って行きます。
今回はレストランを裏側から見たことで、給仕とはお皿を右から左へ運ぶだけではなく、シェフとお客様の重要なパイプであると言う意味が初めてわかりました。
厨房の横では見習いなのでしょうか、若い男性が黙々と食器を洗い続け、若い女性がグラスやシルバー類を磨き終えると、ナプキンをきれいにたたんでいました。彼らも近い将来、調理かホールの給仕に立つのでしょう。思わず「がんばれ!」と声を掛けたくなりました。                   
                                           藤井 敏彦


2005年 5月

今年は例年より肌寒い春ですが、4月に息子の幼稚園の入園式がありました。
親にとって初めての入園式は感慨深いものがあります。息子が先生の前で緊張してイスに座っている姿を見ていると、親バカも加わって「もしかしてうちの子、なかなか良い子じゃない?」と思ってしまうのです。毎日見ているせいで、子供の日々の成長に気が付かなかったのでしょう。そう思うと40年前の私の入園式で、多分落ち着きのない子供だった私を見て、今は亡き私の両親はどう思ったのかが知りたくなりました。
私が子供の頃は、時計台そばにあった実家の果物店の4階に住んでいました。両親が店を閉めて戻ってくるのは毎日10時か11時。当然僕ら子供も寝るのが遅くなり、私は幼稚園の送迎バスに何度も乗り遅れました。さらに遅刻をして幼稚園に着いても、所かまわず騒いでばかりいて先生を困らす問題児でした。
その後、私は小、中、高と先生を困らす問題児のまま大きくなり、色々寄り道をしながらやっと大人になりました。自分は問題児だったのに、自分の子供には寄り道せずにストレートに良い子になって欲しいと願ってしまうのが親なのですね。
今は天国にいる「おとうちゃん、おかあちゃん、心配ばかり掛けてごめんなさい。息子は優等生ではなかったけれど、孫は良い子になるように見守ってください」と仏だんの写真に手を合わせました。       
                                                
 藤井 敏彦


2005年 4月

先日、妻が動物園並に爬虫類が揃っていると言うので、札幌ファクトリーに新しくオープンしたペットショップに行って来ました。入ってすぐの子犬のコーナーから人だかりで、その奥にはデパートの婦人服売り場のように、たくさんの犬用の服がディスプレイされています。
でも、何と言っても驚きは、店の一番奥にある爬虫類コーナーです。まず目にはいるのは何匹もいる白い蛇や50センチはあるトカゲ。昆虫も10センチ以上もあるヘラクレスという名のカブトムシやカマキリなどが沢山いました。一般人にとってはテレビか、図鑑でしか見ることのない物で、一見の価値ありです。
しかも私が行った時は若い女性の店員さんが、見たこともない色のカエルに、生きている1センチぐらいのコオロギの様な虫を餌として与えていました。
話は変わって狸小路のコスモビルに、テレビ「何でも鑑定団」で貴重なマンガ本の評価をしている東京、中野の「まんだらけ」札幌店がオープンしました。行ってみると広い店内には沢山のマンガの本や原画、古いブリキのおもちゃ、ペコチャン人形などなど色々な物がガラスケースの中に陳列されていました。
爬虫類とペコチャン人形を同列に語るのは間違っているのかもしれませんが、この様なマニア向け商品は今まで一般人の目にはあまり触れなかったような気がします。そして、この種の商品の市場規模が広がったのはインターネットによって、地方にいても通販で手に入れることが出来るようになった為でしょう。
さらに市場が大きくなると人は、インターネットの映像ではなく現物が見たくなります。そう考えると、当社で扱っているマニアックな個人農家が造るブルゴーニュのワインと、ヘラクレス・カブトムシはそれを必要としない人にとっては同じように見えるのかもしれません。
ただ、趣味の方向性は別にしても主義主張のある店はやはりすごいです。今回の2軒のパワフルさをワインショップフジヰにも取り入れなくてはと思いました。           

                                                  藤井 敏彦


2005年 3月

東京生まれで東京育ちの妻は、冬の後半になってくると部屋にこもりっきりの生活が嫌になると言って、この時期に子供を連れて実家に帰るのが恒例になっています。
さて私は一人身になると、見たかった戦争やアクション物のビデオを借りまくり、缶ビールを飲みながらストーブの前でうたた寝する生活が嬉しくてたまりません。でも今年になって貸しビデオ店に行くと、DVDしかない物が多くなり、そろそろDVD本体を買う時期が来たと感じました。
妻には前々から、息子のためにNHK教育の子供番組を録画するのも、テープよりDVDの方が良いんじゃないかと言っていました。そして妻が行った翌週の休日、新聞の折り込みにジャスコで録画も出来るDVDレコーダーが24,800円で載っていたのです。すぐに電話で1台予約をして買ってきました。
さて配線をつなげて、好きだった映画「デーヴ」(シガーニー・ウィーヴァー出演で、大統領のそっくりさんの話)をかけたのですが、テレビは骨董品のような14インチのブラウン管、付いているスピーカーはモノラルですから、DVDをかけてもビデオと何も変わらない印象なのです。
やるせない気持になった後に、妻用の台所に置いてあるCDのミニコンポが目に入りました。早速移動して、DVDとテレビにつなぐと、これが別物のように良いんです。たった直径7センチほどのスピーカーですが、音声がステレオになると迫力が全く違うのです。
今の電気製品というのは魔法のようにスゴイと思ってしまいました。配線の際に保証書を探し調べてみたら、ソニーのテレビは12年前に、ビクターのミニコンポは6年前に買った物でした。この船井電機製のDVDはこの後何年使うのだろうかと考えると、私のしみったれな性格がわかったような気がしました。             

                                                                          
                                                  藤井 敏彦
  


2005年 2月

前回に続いて今月も残業のお話。
夜8時の閉店後、私は近くで腹ごしらえをして再び仕事です。本当は当社の得意先で食事をしたいのですが、お酒を飲むと残業が出来ないので食事だけが出来て安いところを探します。
その一つがススキノのど真ん中、東宝劇場向かいにある「みよしのギョウザ」です。札幌の方でしたら安いのはご存じですよね。いつも込んでいるこのカウンターだけの小さな店は、場所柄もありお客さんの1/3が客引きのお兄さん。もう1/3がホステスさん。あとは飲んだ後に小腹の空いたサラリーマンでしょうか。客引きのお兄さんは、雨が降ろうが、雪が降ろうが寒い外での立ち仕事です。つかの間の休憩時間でも、食事中に携帯電話は何度も鳴り、食べ終えると直ぐに戦場へと戻っていきます。
ギョウザ定食を食べ終える10分ほどですが、きらびやかなホステスさんやこの町で働く方々の会話を横で聞いていると、自分は今ススキノにいるというのが実感できるのです。そして食事の後は不思議と「僕もまた働こう!」と活力が湧いてきます。
同様の気分になれるのが、ススキノ交番横で今は牛丼のない吉野屋です。稀に休日の朝に早出の仕事をするとき、朝5時半頃に焼き魚定食を食べます。日曜のこの時間、吉野屋は地下鉄の始発を待つ若者で超満員です。一晩中遊んだ後も興奮が醒めきれず、楽しそうにはしゃいでいる若者の中で、自分だけがしらふでこれから仕事をしようとしている。そんな自分に酔いしれる事で仕事への意欲が高まるのです。
実は要領よく仕事が出来れば残業はしなくてもいいのでしょうが、どうも自分は閉店後一人になってから仕事をだらだらと始めるところがあります。実体を知っている妻は、先に順番を決めてからてきぱきと仕事をするようにとアドバイスをしてくれるのですが、なかなか自分のリズムは変えられません。   

                                                   藤井 敏彦
  


2005年 1月

宴会が多い年末は酒屋も大忙しで、私の退社時間は地下街のシャッターが閉まる夜の12:10頃です。いつもはススキノ出口から出ますが、先日大通出口から出て家に向かう途中で面白い光景に出くわしました。
南1条西3丁目、大丸藤井セントラル東隣のガレリアビル1〜2階にオープンした日産のショールーム。ここの南1条通り側のドアが雨戸の様にレールに沿って外され、ピカピカの新車が何台も外に並んでいたのです。
前からこの車はどうやって入れるのだろうと思っていましたので帰宅を忘れて見ていました。さて、皆さんはどうやって車を2階に上げるかわかりますか?
ショールーム1階の中央に車が回転するステージがあります。車は誘導されながら自力で、傾斜した台を使ってステージに上がります。そのステージの四隅にある柱の内部に仕掛けがあり、舞台のようにステージごと車はゆっくり2階に上がります。1台上げるのに20分近くかかる作業で、当然ですが昼ショールームにいる綺麗なお姉さん達の姿はなく、作業服を着た男性社員が黙々と車を動かしていました。きらびやかなショールームの模様替えはこうして誰も見ていない真夜中に黙々と行われているのです。
さて私の年越しは札幌時計台前でシャンパーニュを飲みながら新年を迎えます。今年で24回となったこの会ですが、参加者は今回は初めて10名を超えました。シャンパーニュも持ち寄りで5本ほど集まり、最後は私の飲み残しの貴腐ワイン、シャトー・リューセック01年で乾杯しました。
すぐそばの大通り公園では賑やかなカウントダウンパーティが大音響で行われています。こちらは「チーン」というシャンパン・グラスの音だけの静かな会ですが、苦行の様に外でふるえながらシャンパーニュを飲んでいると煩悩は消え去り、澄んだ心で聴く12時の時計台の鐘の音はまた格別です。
25回目となる05年の大晦日も、私はシャンパーニュとグラスとキャビアを持って夜11時頃から時計台にいますのでよかったら参加してみませんか?参加費は無料ですが、飲み物、食べ物、グラスの持ち込みは大歓迎です。どうぞ暖かい格好でいらしてください。                
                                                   藤井 敏彦
  


2004年 12月

12月に入り冬本番です。そして、我が家にとって冬になると頭を悩ますのが、窓の結露です。築20年を越える古いマンションは二重ガラスでなく、部屋も一番端にあるため、窓にびっしり水滴が付き、拭き取りを怠るとサッシの下の部分に水が溜まり始めます。そこでサッシの下部にタオルを敷き、朝に取り替える作業を行います。でもその濡れたタオルを干せば、又その水分は室内の空気中に蒸発し、夜の冷気で冷やされると再び窓に結露として現れるのです。これはまさしく輪廻の世界で、メビウスの輪のように終わりがありません。
根本的には室内の水分を減らすことです。しかし子供がいると洗濯は当然毎日で、外に洗濯物を干せない冬場はどうしても湿気が部屋にこもります。一番の解決策は外窓を二重ガラスにする事ですが、1枚10万円以上もするため6枚の窓を換えることは現状では無理。そこで仕方なく近所のホームセンターで結露用の新製品を見つけては試してみることが毎年恒例になってしまいました。
スプレーでガラスにゲル状のモノを吹き付けたり、窓の下部に結露の水受けタンクを付けたりしましたが効果はいまいちでした。今のオススメはスリーエム社が出している薄いビニールのフィルムを窓枠に貼り簡易二重ガラスにする方法です。ただ家の窓枠は4辺の高さが均一でない為、模型飛行機に使うような細長い板を窓枠に加工してフィルムを貼ります。ただ貼ったフィルムは1年経つと隅が剥がれてくるため、今年は不織布を窓内側に貼る新製品を買い、効果をみているところです。
私は性格的に一度買った物は多少使い勝手が悪くても、だましだまし使う方なのですが家内は違います。私がセコセコ使っているのを横で見ているだけで、いらいらするそうなのです。どなたか結露対策に良いアイデアをお持ちの方がいらしゃいましたら、ご一報ください。                   
                                                    藤井 敏彦
  


2004年 11月

秋は収穫の季節です。10月には当社で応援している山崎ワイナリーの収穫もあり、私はお手伝いに三笠へ行って来ました。そして10月はもう一軒、浦臼町鶴沼にある北海道ワインの農場にも行き農場長の今村さんにお話しを伺うことが出来ました。
畑の広さは山崎ワイナリーが4ヘクタール、鶴沼はなんと400ヘクタール以上もあるそうです。これほど規模が違うのに、不思議ですが今村さんと山アさんはある意味とても似ているのです。
それは、「自分の畑で取れた美味しい葡萄からのワインを味わって欲しい」という気持ちに規模は関係ないからでしょう。山アさんが何千本もある葡萄の木でもその1本1本に愛着があるように、今村さんは数え切れない量の苗木の中に居ながら、それぞれの区画で1本1本の木に対して愛情を注いでいるのがわかるのです。
ワインのテースティングではありませんが私が畑の葡萄をつまみ、その風味をコメントするとお二人共とても嬉しそうな表情になります。でも今年の台風によるダメージや、夏が異常なほど暑かった為に果実の酸の減りが早く収穫時期の決定が難しいといった話になると、これまたお二人は同様に暗い表情をされるのです。
現実的には、山アさんは家族経営の手造り感をアピールし、今村さんはその規模を生かして毎日の食卓で楽しめる安価で良質なワインを北海道で造りたいと考えています。
私が大好きなフランス・ブルゴーニュ地方は小さくても個性豊かな家族経営のドメーヌ(栽培兼醸造者)と、ルイ・ジャド社やジョセフ・ドルーアン社のように大手で、買い入れた葡萄からでも良質なワインを造っているネゴシアン(ワイン商)が共存しています。北海道でもさらに良質なワインが各地で造られ、ドメーヌとネゴシアンが共存出来る日は遠くないように思えました。                         
                                                     藤井 敏彦
  


2004年 10月

先月ほど反響のあった<独り言>は初めてでした。そこで今月の独り言も先月の続きで車の話です。
家内の教習所通いは2週間の登校拒否もあって、4時間の講習で済む所を1ヶ月かけてオートマ限定からマニュアル免許へ変更できました。しかも妻は自動車学校に通う条件で念願のフードプロセッサーを手に入れました。
そうこうあって、憧れのルノー・キャトル(1990年車)が家にやって来ました。ただ日曜日スーパーへ行くのも今までとは違って、いくつかの儀式を経なければ車は思うようには動いてくれません。
まずは5分ほど家族よりも先に家を出ます。キーを出して運転席と助手席とトランクの鍵を順番に開けていきます。古いせいか鍵穴にキーがすんなり入りませんが、無理せずになだめすかしながら行います。
運転席に座り夏でもチョークレバーを引き、キーを2段階回しアクセルに軽く足をのせ、「お願い掛かってね」と祈ってから、セルモーターを回します。無事に掛かると、少しずつチョークを戻し始め、おそるおそるアクセルから足を放してもエンジンが止まらない状態まで暖気運転を続けます。
こうしたエンジンをかける儀式を見ただけで、家内は絶対この車は運転しないと断言しました。そして、この車は自分が憧れて買ったフランス製の重たいホーローびきの鍋、「ル・クルーゼ」と同じだと言うのです。
このかわいい鍋で料理を造れば幸せ一杯になると思ったけれど、その重さと使い勝手の悪さでもう見たくもないと今は棚の奥で眠っています。このルノー・キャトルのル・クルーゼ説、確かに両者を見比べると、同じフランス製で古い設計時期や独自の質感など、共通点があるような気がします。
現代は使い勝手の良い新製品がどんどん出来ています。鍋は気に入らなければ、別の鍋をまた買えばいいですが、車は1台しか持てません。僕はキャトルの使い勝手の悪さが、25年前に初めて買った軽自動車を思い出して可愛く思えるのですが、家内にとってはただのポンコツにしか見えないようです。そんなわけでキャトルは今後も二人のけんかの種になりそうです。                         
                                                     藤井 敏彦
  


2004年 9月

今月は車の話です。
私は今12年落ちの軽自動車に乗っています。
普段は日曜スーパーへ買い物に行くぐらいしか乗っていませんが、今年になってからオートマのギアも少しずつ鈍くなってきました。そんな時に知人からルノー・キャトルを手放したい話が舞い込んで来たのです。
私は仕事でヨーロッパのワインを売っているので、英国のミニなどちょっと古いヨーロッパの大衆車に憧れがありました。キャトルは61年に発売して以来大きなモデルチェンジをせずに、約30年間も生産された古い車です。例えば、窓のウォッシャー液はペダル脇にあるボール状のゴムを踏む水鉄砲式。当然マニュアルしか生産されていません。しかし困ったことに家内の免許証はオートマ限定なのです。
家内はやっとの説得で免許を取り直すことに同意してくれました。自動車学校でオートマからマニュアルへの切り換えは、コース内を4時間乗って問題がなければ合格とのこと。学校内に託児所もあり1週間もあれば免許は大丈夫かなと思っていました。
前日は寝る前にも教科書を読み返し出かけた運転の初日、家内は教習車を降りてすぐに電話をかけてきました。「エンスト100回した!」「マニュアルってどうしてガッガッガッって言うの?もうやめる!」
なだめすかして、その後2回学校に行きましたが、もうやめるの一点張りです。学校の受付の方へ退学の意志を伝えた所、教官と託児所の方から別々に説得の電話をもらいましたが意思は変わりませんでした。
そこで急きょ家内が出したプランが、スズキの軽自動車ラパンをルノー・キャトル風に改造するキット。これだとオートマがあるので運転ができると言うのです。このキットの出来が意外に良く、調べてみると本物のルノー・キャトルのフロントグリルを使って改造しているのです。
そこで本物キャトルのオーナーである私の知人に聞くと、この改造車が出た後キャトルの部品でフロントグリルが品切れたそうです。しかしルノー・キャトルは10年以上前に生産中止になっている為、部品の再入荷は無くルノーのオーナーは皆困っているというのです。
ルノーのキャトルか、オートマのスズキ・ラパンでキャトル風かまだ結論は出ていません。   
                                                        藤井 敏彦
  


2004年 8月

 フランス、ブルゴーニュ地方にある小さな村の一つにサヴィニ村があります。葡萄栽培で生計を立てているこの村ですが、残念ながらここには特級の認定を受けた畑はありません。従ってマニアが騒ぐ様なワインはありませんが、この村に住む生産者は勤勉な方が多く良質でお値打ちなワインが多い事で知られています。
この村で最高の評価を受けている生産者シモン・ビーズ。現当主のパトリック・ビーズ氏の奥さんは千砂(ちさ)さんという日本人で、主婦業以外に仲間と日本語のホームページ「ブルゴーニュ生活」を運営しています。
さて、今回仕入れをしたビーズさんのワインを試飲したところ、私のイメージする味わいとは違っていた為に自信を持って売れず困っていました。輸入元に聞いてもはっきりとした答えはもらえなかった為に、思い切ってビーズさんへメール(当然日本語で)を送ってみました。
すると翌日丁寧な返事をいただきました。蔵元でのそのワインに関する味わいの印象を伺い、輸入後間もない為に味が落ち着いていない事と、不良コルクの問題ではないでしょうかとのことでした。
そして最後に「来年は日本に帰るので、東京の以外の地方都市へのプロモーションを是非札幌でと考えております。春先になるでしょうか」と書いてありました。私は憧れのスターからファンレターの返事をもらったように嬉しくなりました。
そして私の返信は、札幌に来た際はぜひ三笠まで足をのばしていただき、山アワイナリーのピノノワールを見てもらいアドヴァイスしていただけないでしょうかと書きました。今から来年の話をしても日程がどうなるかはわかりませんが、サヴィニ村でピノノワール栽培を4代続ける名門ビーズ家の当主と三笠の山崎さんが畑で栽培について語り合い、その後皆で温泉に入ってジンギスカンか毛ガニを食べるなんて最高だと思いませんか。そんな楽しい夢を見ながら私は酒屋を続けています。                            
                                                        藤井 敏彦
  


2004年 7月

 先週の水曜日に家族で小樽に行って来ました。
目的は、小樽に住む友人と共に市場(いちば)巡りです。南樽市場、入り船市場、妙見市場、手宮市場と回ってきました。スーパーと違って市場では平台の上に魚が直接並べられ、その台の真ん中に虫除けの蚊取り線香が焚いてあります。その為どの市場に行っても蚊取り線香の懐かしい臭いがありました。
こうして買った物は、露地物の小粒の苺、一夜干しのほっけの開き、ニシンの開き、鮭のみそ漬け、くしだんご、白菜の漬け物、お豆腐、チカのフライ等です。
中でも感激したのは、ほっけの開きでした。普通ほっけは、干してあるので表面が少し堅く飴色になっていますが、売っていたのは白身魚の色をしていました。家に帰り焼いてみると、干しが軽いために身が柔らかく、オーバーに言うとデザートのムースの様にフワフワなのです。
色とりどりの食材を使った料理が絵の具のパレットの様に並んでいるデパ地下のお総菜も楽しいですが、なぜか小樽ではごく普通の魚のフライや揚げかまぼこが光り輝いて見えます。
もちろんそんな小樽にも都市化の波は押し寄せており、店番はおばあちゃんが多く、市場の所々に空いたままの区画も目に付きます。
しかし市場は、小さなお店でも干物や漬け物を自分の所で製造販売しているので、それぞれに独自の味わいがあります。妻は店の人と話をしながら品選びをして、お金と引き換えに商品を手渡してくれるのが嬉しかったそうです。
活気のある市場は人を元気にしてくれる力があります。ちなみに市場はほとんど日曜がお休みですのでお忘れなく。                                                
                                                        藤井 敏彦
  


2004年 6月

 以前にも書きましたが、私の楽しみのひとつに温泉巡りがあります。最近札幌の中央区桑園近辺に豪華な温泉が2軒出来ました。そこでオープンしたての、「北のたまゆら」温泉に家族で行って来ました。
今まで温泉というと入浴料1,000円が多かったのですが、ここ数年500円と言うところが増えてきました。そして桑園に新しく出来た2件は共に銭湯と同じ370円。家族で行っても1,000円でお釣りがくる安さです。温泉経営は詳しくありませんが、この価格では大儲けは出来ないでしょう。
それと温泉の施設で飲食をしようと思っても、その気が萎えてしまう程値段が高い事が多いのですが、ここは売店の値付けも良心的です。また風呂上がりにごろんとできる畳敷きの広間がとても広いので、汗が引くまでゆっくり休むことが出来ます。ちなみに妻と息子はここの特製ソフトクリームのファンです。
週一度の休み、予定がなくスーパーでの買い物の後何をしようかと悩んでいる時に、近所に温泉があれば言うことありません。さらにそこで安く食事もできれば今日の仕事は全て完了、後は眠るだけです。何もしたくないけど、週一度の休みを寝て過ごすのはもったいない、そんなときには最高のプランでしょう。
ここにはもう一つおもしろい施設があります。2度目に行ったとき駐車場が混んでいて10分ほど並んでいました。その時私は車を家内に任せて、横に併設するカット代1,000円という床屋に行って来ました。10分ほど髪を切るだけで、洗髪もひげ剃りも無いのですが、この後風呂に入るのですから問題なし。
私は子供の頃から落ち着きが無く、1時間椅子に座らされる床屋さんが嫌いでした。少し髪が伸びてきたなあ〜と思うとき、10分ほどでカットが終わると思うとおっくうにならず意外に良いですよ。
皆さんもぜひ、温泉と床屋のセットを体験されてみてはいかがでしょうか。
北のたまゆら  所在地  札幌市中央区北11西16
営業時間 午前10時〜午後11時 年中無休 電話番号 011−611−2683
入浴料  大人(13歳以上)370円、こども(6〜12歳)140円、幼児(5歳未満)70円
                                                     藤井 敏彦

  


2004年 5月

 先日、家内の友人が東京から遊びに来たので、夕食は奮発してフランス料理を食べに出かけました。2歳の息子にとって初のディナーに挑戦です。息子は白いボタンダウンのシャツに蝶ネクタイ、ズボンはジーンズでしたが、鏡に映った姿を見てまんざらでもない様子です。
 場所はロテル・ド・ロテルの8F「レストラン・モンプレボー」。日曜の夜はそんなに混んでいないので子連れでも可能かなと思っていたら、僕らの後に4組と隣の部屋ではパーティが1件入って満席でした。
 最近、息子が気に入っているのは乾杯です。家のグラスをいくつも割ったので、今の息子用は100円ショップで買った厚手の小さなワイングラスです。小ぶりのピッチャーに水をもらい、持参した息子用グラスに水を入れた後に極少量ワインを注いでもらってさあ乾杯です。私の飲み方を見ていたのか、乾杯の後は決まって一気で飲み干します。そしてすぐに次の乾杯の催促が始まるのです。
 実は子供にとってテーブルが少々高めだったのですが、サービスの女性が気付き、たぶんバスタオル等を重ねた即席の座布団を用意をしてくれて息子も快適に食事をすることが出来ました。その後は子供が飽きてくるとエレベーターホールにあるベンチでミニカー遊びをして、再び食事のテーブルに戻る形で何とかフルコースを完食できました。
デザートを食べて、会計をすまし、両隣のテーブルの方々に騒がしくてすみませんでしたと謝り、レストランを出た途端、疲れがどっと来ました。最後にレストランの皆さんどうもありがとうございました。                                                                                                                                     藤井 敏彦
  


2004年 4月

  里帰りしていた家内が帰ってきました。息子の日向(ひゅうが)はおじいちゃんとおばあちゃんに買ってもらったミニカーを何台も持ってきました。私は漠然と、赤ちゃんの頃は男女の区別がなく女の子はスカートを着せられ育つから女の子になり、男はズボンをはくから男になると思っていました。

 でもうちの子は、もらい物のいろいろなおもちゃの中でぬいぐるみには見向きもせず、車のおもちゃにばかり興味を示すのです。休日にうちの車でスーパーに着き、買い物をしようと息子をチャイルドシートから降ろすと必ず運転席に座らせろとダダをこねて、ハンドルを握りカセットやスイッチをさわって運転ごっこをしています。
 
 思い出してみると私が高校を卒業した当時、車の免許を取ると皆が給料のほとんどを車に費やしていましたが私はできませんでした。でも男にとってはそれが自然で、当時それに反発して洋服や飲食にお金を使っていた自分は素直でなかったのかもしれません。ちなみに今息子のお気に入りはコンクリート・ミキサー車で、外出の時もミキサー車のミニカーを握りしめて出かけます。
 
 さて当社に78年生まれの稲見という新人が入社しました。短歌が趣味という青年で、学生の時フランス旅行に行ってワインが好きになったそうです。今はお酒の名前と、お得意様の場所を覚えるので精一杯ですが見かけたら声を掛けてやってください。                                                                                                                                                                      藤井 敏彦
 


2004年 3月

  昨年と同様、長い冬に嫌気がさすこの時期、家内は子供を連れて東京の実家に里帰りしています。妻が実家に帰る前日の買い出しの途中、桑園の卸売市場のそばで30センチ以上ある漬物用のキャベツが3個200円で売っているのを見つけ、私は思わず買ってしまいました。当然その後は毎日キャベツ、おかげで千切りも随分慣れました。英ウースターシャー産のリー&ペインソースと、辛さ控えめなグリーンタバスコを数滴づつかけたサラダは油分、塩分共に少なく私のお気に入りメニューです。
でも作れる料理のレパートリーは少なく、そこで思いついたのが昨年家族で行った大丸デパートのバイキング・レストラン「ザ・ブッフェ」です。一人で入るのは少々気が引けましたが、自炊では考えられない献立、つまり餃子1個、魚一切れ、シュウマイ1個と沢山の中から好きな物を一口ずつ選べるのです。
席に着きドリンクメニューを見ると、ブルゴーニュ・ルージュのハーフが1,650円!注文をしてテーブルに運ばれたのはサントリー輸入のカルベ社製で、しかもヴィンテージは作柄の良かった99年産。熟成が早く進むハーフサイズで5年を経たワインは果実味がこなれて、一人で過ごす休日のランチにはぴったりのワインでした。
他のテーブルを見てもワインを飲まれている方は皆無でしたが、いろいろな料理とワインの相性を試してみるのには最適のレストランではないでしょうか。でもバイキングは一人より大勢の方が絶対楽しいと思いました。                                                                                                                               藤井 敏彦
 


2004年 2月

  先日、当社の永井に連れられて初めてスープカレーを食べました。
お店は石山通りの近くにある「プルプル」という有名店だそうです。オーダーはチキンと野菜のスープカレーで、辛さは永井が40番で私は控えめな5番をたのみました。
さて味わいです。思ったより黒みがかったさらさらのスープは非常に複雑でありながらバランス良く、私にはスパイスの風味が毛ガニのミソような味わいに感じました。ただ、ご飯とカレーとの調和が今までのカレーライスの様には寄り添わず、スープの強い味わいを洗い流すためにご飯を食べるとでも言えばいいでしょうか。ちょうど塩気の強いラーメンと共に食べるライスの関係に近いような気がしました。
ビルの地下にあるその店は、ユニフォームではなく今風の格好をした若いスタッフが5名ほど働いていましたが、接客も良く私のようなおじさんでも気持ちよく食事を楽しめます。
ここ「プルプル」さんは商品であるスープカレーも絶品ですが、何よりも「ここで楽しいひとときを過ごしていただきたい」という気持が感じられるお店でした。
好奇心のある方は一度行かれてみてはいかがでしょうか。お店の住所は札幌市中央区南2条西9丁目西向きのケンタクビル29の地下1階で電話011−272−1190、日祝日休業だそうです。                                                                        藤井 敏彦
 


2004年 1月

 今年の年越しも私は札幌時計台の前でシャンパンを飲みながら迎えました。いつも一人が多いこの会ですが今年は当社のお客さんが6人も集まり賑やかな会となりました。
集まった方々は、冬の屋外でこんな時間にいらしゃる方だけに独自の個性を持っていました。中でも私以外でたった独りの男性だったMさんは、12時5分前になると「来年からは禁煙をするのでこれが最後の一本!」と宣言をして悠然とタバコを吸い始め、周りから応援のエールを受けていました。
さて12時の鐘の音を聞きながら皆で乾杯をしていると、一組のカップルが輪の中に入ってきました。お二人は2000年の大晦日夜12時にここ時計台で結婚式を挙げ、その後毎年結婚記念日をここで迎えているそうなのです。ただ用意したシャンパンはもう無く、残っていた最後のキャビアをクラッカーに乗せて差し上げました。
毎年夜11時頃に時計台前に到着して12時までいますが、氷点下でシャンパンを飲んでも2〜3杯が限度で後はブランディーのミニチュア瓶の方がよくなってきます。本来は美味しいシャンパンを滝に打たれながら飲むような苦行を今年で23年も続けていますが、やっぱり今年のように仲間と共に新年を迎えるのは楽しくて寒さを忘れてしまいました。
今までやせ我慢から、人を拒絶する事で満足していた自分の思い違いにやっと気が付きました。今年は楽しいシャンパンパーティで新年を迎えられたので、来年もお誘いします。良かったらおひとりでも暖かい格好をして時計台に来てみませんか?もちろんシャンパンやおつまみのご持参大歓迎です。                                                                                藤井 敏彦
 


2003年 12月

 毎年秋になると東京から友人が遊びに来ます。なんとその彼が今年は全盲の男性を連れて二人で札幌にやって来たのです。まずは我が家で北海道名物ジンギスカンをご馳走して、翌日は温泉に行って来ました。
全盲の方をお招きするのは初めてだったので不安はありましたが、お会いして話をしている内にその心配は吹き飛びました。ジンギスカンを食べながらワインを飲んだのですが、味わいのコメントが非常に的確なのです。イタリアのジャコバッツィ・ランブルスコ・ロッソで乾杯の後、北海道の山崎ワイナリー・ピノノワール、スペインのリベラ・デル・デュエロ地区の赤でヴァルデリス、出したワインが誉められると嬉しくなって最後はフランス・ソーテルヌ村の貴腐ワインでシャトー・ドワジデーヌまで開けて、ワインはフルコースになってしまいました。
話の中で一番意外だったのは、一人で杖を付いて歩いている時に自動車が走っていないと怖くて歩けないと言うのです。外では耳が目の代わりになり、車が走っている音がする所は道路でその横には歩道があることが解るそうなのです。でも自動車の無い座頭市の時代は付き人がいないと歩けないと言うのです。
その方は今施設で、一人でも生活出来るように訓練を続けており、コンピュータの勉強もしているそうなのです。そこではインターネットを音声で聴くことが出来、検索していて当社のホームページを開いたこともあるそうです。
翌日の温泉の後に皆でジャスコ東苗穂店に行ってきました。そこで車椅子や移動用のベットに乗ったお客さんがいらっしゃいました。ベットの方は起きあがれないようで手鏡で棚に並んだ商品を品定めしていました。今までそんな光景を見ると大変そうだと思いましたが、考えてみると外出してショッピングを楽しんでいるのではと思えるようになりました。誰だって毎日同じ部屋の中にいたら精神が病んでしまいます。自分でさえ日曜日にリフレッシュすることでまた働く意欲が湧くことを思うと、体の自由がきかない方のストレスは計りしれません。
別れる際、彼に何も言えませんでしたが、このホームページを開くと思うので「またワインが飲みたくなったら是非札幌に来てください。」                          藤井 敏彦


2003年 11月

 三笠の山崎ワイナリーの収穫が10月27日から始まりました。
皆さんも知っての通り今年の北海道は冷夏で農作物は影響を受けています。私は夏前から今年の収穫はお手伝いしたい方向で話を進めていましたが、8月、9月と気温が上がらず日増しに重苦しい雰囲気になってきました。山崎さんは葡萄の他にお米や麦、野菜なども作っており、収穫時期が重なるこの時期は本当にぴりぴりとした空気が届いたFAXからも十分感じ取れました。
その切ない山崎さんの気持ちを思うと自然に、私と家内は「明日は三笠が晴れますように」と祈るようになりました。ワイン屋として営業を続けていると、ここ何年間かのフランスやイタリアの作柄状況は頭に入っています。でもそれは瓶詰めされたワインを飲んでこの年は良かった、悪かったと事後の結果を言っているだけでした。収穫前の天候を考えることで改めてワインは農作物であることがわかりました。
さて、こうして迎えた10月27日、白葡萄バッカス種の収穫に私も参加してきました。山崎さんは醸造所の方にかかりっきりで、畑は奥さんが指示を出して収穫が進められます。ハサミを手に収穫を始めると、同じ葡萄の木でも1本ずつ実の付き方が全然違うのです。さらによく見ると一つの房もカビた粒や割れた粒があったりで、これらを何処まで選別するのか悩みますが、私は少々遅れても選別を心がけました。
地面から70センチぐらいに張られた針金に並んだ実を同じ姿勢で摘み取っていると背中と膝が張ってきますが、普段お日様のあたらない地下街にいるせいか青空の下で収穫するのはいいものです。来年も収穫のボランティアを考えていますので、ご興味ある方は時期になりましたら是非お問い合わせください。                                                                  藤井 敏彦


2003年 10月

今回は小別沢の永田さん宅におじゃました時の話をします。
まず、永田さんの紹介をしますと、旦那さんは「アトリエ・オン」という設計事務所を札幌市西区小別沢の自宅でされています。そして奥さんはその家の周りで山羊(ヤギ)を10頭ほど飼っていて、その山羊のミルクからフランス・ロワール地方で有名なシェーブル・チーズを造っています。このシェーブルが実にうまいのです。また家の横にある窯で焼き上げたパン・ドゥ・カンパーニュ(山羊乳の天然酵母を使った田舎パン)がこれまた絶品なのです。しかし、知り合いにしか分けておらず、私は時々ワインを持参しておすそ分けをいただいています。
さてその日、永田邸に伺うとなにやら音色が聞こえてきます。中に入るとまだ高校生の池田小夜(さよ)さんがピアノを、大学生の能登谷安紀子さんがヴァイオリンを練習していました。何でも初顔合わせで音合わせをしているときに偶然伺ったのでした。その後4曲ほど演奏を聴いたのですが驚きました。
数メートルの距離で聴くヴァイオリンって、聴く人に戦いを挑むかのようにストレートで鋭いのです。絶対的な音量はアンプを使った電子楽器の方が大きいでしょうが、能登谷さんの弓を持つ指の動きと間髪入れずに自分の耳に振動が届く感覚、その音の立ち上がりの早さは初めての経験でした。さらに、まだ高校2年生の池田さんは、いま渡された楽譜で初めての曲を演奏していると言うのです。
2歳になったばかりで落ち着きのない息子が家内の膝の上でずっと真剣に聴いていました。普段からクラシックは聴きませんでしたが、ジャンルどうこうではなくあの臨場感とあきれる程の技量に打ちのめされた僕の頭は真っ白になりました。池田さん、能登谷さん素晴らしい演奏を聴かせていただきありがとうございました。                                                                  藤井 敏彦


2003年 9月

先日家族で野幌の森林公園温泉に行って来ました。
そして素晴らしい運営に驚きました。まずは370円という低料金で湯の色が濃く肌がすべすべになる天然温泉に入れるのです。更に中にはいると、ホテルの会員制プールの様なセンスの良い内装デザイン。そしてスタッフのほとんどは若い女性で皆さんとても良い笑顔で働いているのです。
店舗は有名デザイナーに依頼すれば流行のお店は出来るかもしれません。当然費用も余計かかるでしょう。だから料金は高い設定にしてそれに見合うサービスを考えるのが普通だと思います。
でも、ここのオーナーさんは370円という安い料金設定を選びました。もし私がオーナーだったら、立派な店を建てても、この料金ではやる気がなくなり清掃が行き届かなくなったり、スタッフの士気低下を招いてしまうと思うのです。
私は子供の頃ずっと銭湯通いでした。番台の上には決まってお年寄りの方がいて、テレビを見ながらお釣りを出してくれました。下駄箱の大きなカギ、天井が高い脱衣所に風呂敷が掛けられた木の籠。洗い場の端の方に座ると設備が古い為シャワーの出が悪く、湯船から桶を使って頭を洗っていてもサービスが悪いとは思いませんでした。
豪華な郊外型温泉なのに低料金でなぜこんなに気持ちの良い空間を提供できるのでしょうか?なぜ若いスタッフがあのように生き生きと働いているのでしょうか。是非一度ここの方にお話しを伺ってみたいと思ってしまいました。
森林公園温泉の住所は札幌市厚別区厚別東4条7丁目、国道12線に面しており江別に向かって対向車線側にあります。電話は011−897−4126で第一と第三火曜日が定休日だそうです。温泉ファンでなくても喜んでいただけると思います。                      
                                            藤井 敏彦


2003年 8月

 前にも書きましたが、一歳半の子供がいると家族での外食はファミリーレストランかスーパーの食堂になってしまいます。 フランス料理はもう少し大きくなってからと思っていましたが先日思い切ってファクトリーにあるホテルクラビーのレストラン「ゲストハウス バーレイ」に行きランチを食べてきました。

 実はこちらのホテルのオープンが93年で、今年が10周年にあたり93年のワインの問い合わせで当社から南イタリアの銘酒タウリーノ社のパトリリオーネという赤ワインの納品が決まったのが理由です。私は有名なパトリリオーネを飲んだことがなかったのでワクワクし、妻はフランス料理が食べられるとワクワクし、息子は何も知らずに外出するだけで喜んでいました。

 さて、予約を入れた11時半に着き「リザーブ」と書かれたテーブルに案内されました。ここのレストランはゆったりとしたテーブル配置で助かりました。 前菜とスープまではどうにか座っていましたが、魚料理からは一人が食べて、もう一人は息子を抱きホテルの外に出て散歩をさせて気を紛らわせながらの食事となりました。 そんな状態でも私はステーキのソースに、妻はパトリリオーネに感激して食事を終えました。(レストランの皆さんご迷惑を掛けてスミマセンでした) 
 ランチなのでワインは1/3程残しましたが、家に着くと皆で倒れるように寝てしまいました。その後、最初に起きたのは息子だったようです。 ご飯を食べて昼寝をしてこれからお遊びの時間のはずが両親は寝ていて誰も相手をしてくれないと思ったのでしょう。 息子の泣き声とツノのはえた妻の殺気で私が起きたとき、玄関のくつは居間に散らかり、財布は中身が全部出されて、私の枕元には息子のウンチがころがっていました。 飛び起きた私は急いで部屋を片づけた後、外で一緒にボール遊びを小一時間して息子のきげんは治ったのですが・・・。 あらためてワインはゆったりとした気持ちで味わってこそ美味しい飲み物なのがわかりました。 もう当分フルコースは勘弁です。 

藤井 敏彦 


2003年 7月

 当社の得意先で焼き肉とラーメンの店「蔵蜜屋ソルトピーナッツ」では2,3ヶ月に一回「おすぎのワイントーク」というワイン会を行っています。オーナーの金野さんと映画評論家でワイン通でもあるおすぎさんが、古くからの知り合いで始まった会なのですが、縁あって私もこの会のお手伝いをしています。

 その第42回を03年6月24日に行ったのですが、この時のテーマは「三笠のヤマザキワイナリー」でした。 当日は山崎さん本人にも参加していただき、造り手の話を聞きながらそのワインを味わう有意義なワイン会でした。 参加された皆さんも山崎さんの農作業やワイン造りの話を熱心に聞かれていました。 最後におすぎさんが「同じ北海道でこんなに美味しいワインを造っているのだから、買って応援してあげましょう。」「でも、美味しくないときは、ちゃんと美味しくないって言ってあげるのよ。 それが応援ってものなのよ!」と言っていました。

 最後はおすぎさんの映画のお話。最近の映画では英国車の新型ミニクーパーが主役の「ミニミニ大作戦」がお薦めでした。 ヴェニスのロケで舟のシーンでは時速20キロ制限の所を撮影のボートが100キロも出した為に水辺にある文化財が水をかぶり壊滅的な被害を受けたのと、極めつけは有名な橋をスピードの出し過ぎから壊してしまった為にヴェニスの市長は解任されたそうです。 おすぎさんいわく、撮影の担当者は責任をとるべきでしょうが、映画を見る側にとってはヴェニスで驚くほど迫力あるアクションが見られる楽しい映画だそうです。

 もう一本は、今東京の岩波ホールで上映中の為札幌での公開は夏以降になるそうですが、「氷海の伝説」というイヌイット族(エスキモー)の3時間に及ぶ超大作が本当に素晴らしいので是非見て欲しい映画と力説していました。 ただ、1歳半の子供がいる私にとって映画館は当分おあずけです。

藤井 敏彦 


2003年 6月

わが家の子育ては多くの家庭と同様で妻にまかせっきりです。妻は東京で4人の子を育てる姉と同じ育児法を行っています。それは、寝るときと外出時以外はオムツを着けずに下はスッポンポンで育てるのです。当然家中いたる所で大も小もします。でも最近は慣れてきて、「ジョー」と音がするとヨーグルトの空容器(500mlのプラスチック製)を簡易トイレにして受け止められるようになってきました。
息子はもう1歳半ですが、下がスッポンポンでも今のところ大きな風邪にはかかっていません。妻は子供の表情が紙オムツを着けている子とは違って生き生きしていると言うのですが、、、、
外出は専用の綿のタオルを入れた布オムツをします。このオムツはおしっこを2回するとオムツカバーまで漏れてしまうので、替えを何枚も用意します。でも公園に着きオムツを外すと、大人が指をさして笑っていても、息子はお構いなしに喜んで走り回ります。大人にとってのネクタイを外した開放感なのでしょうか、その笑顔を見ると私でも子供にとってオムツって必要?と思ってしまいます。
もし私の両親が生きていたら、オムツ無しを認めたかどうか分かりませんが、息子は元気に育っています。これとは逆に昨年の冬あたりから、洋服を着たワンちゃんが増えたと思いませんか?同列に語れる問題ではないのでしょうが、オーバーを着た犬の散歩を見て私は息子のスッポンポンは悪くないような気がしました。  


2003年  5月
 

皆さんはもう札幌駅のJRタワーに行かれましたか?この中で一番人気が大丸8Fの「ザ・ブッフェ」だそうです。最初に行ったときにはずらっと並んでいる順番待ちの人数に驚き退散しましたが、妻の誕生日でもあったこの前の休日は覚悟を決めて子供と共に出かけました。並んでみると30分ほどで席に案内され、一人1,380円90分一本勝負のスタートです。
まずは席でスタッフの方からここの売りであるバイキングスタイルの説明を受けます。テーブルテントに千円でワインやビールが飲み放題とあり頼んだところ、ディナーのみとのことで別にワインを取りました。ただ、皆が持っている山盛りのごちそうに目がいってしまい、説明が終わり次第すぐに突撃開始です。
最初の皿に山盛りの料理をのせテーブルに戻ると、頼んでいたウィリアム・フェーブルのシャブリ・ハーフサイズが待っていました。確か定価は1,500円近くはしたと思いますが、ここでの価格は1,650円と良心的な設定。この01年の並シャブリが美味しくランチには最適のワインでした。
さてお腹も落ち着き冷静になって周りを見ると、お客さんで多いのはやはり子供のいる家族連れで後は若いカップルでしょうか。子供は長い間椅子に座っていることが出来ません。でもバイキングスタイルは食べ終わると料理を取りに歩くために気がまぎれ、テーブルの上で暴れることが少ないようです。
では大人にとってはどうでしょう。一般のバイキングでは料理は奥の厨房から運ばれて来ますが、ここでは目の前のオープンキッチンでコックさんがフライパンを振り、湯気が立つ出来たての料理が次々に並べられます。そんな中で妻はパスタばかり食べているので訳を聞くと、今までトマトソースやクリームソース、ペンネやスパゲッティといろんなパスタ食べたかったけれど、当然一人では一種類しか食べられなかった。出来たてパスタの食べ比べに大満足と言うのです。
ワインを扱っていると得意先は専門料理店が多くなります。シェフが力を込めた逸品とワインを味わうのも素晴らしい体験ですが、家族のレジャーをかねたバイキングもまた楽しいものでした。


2003年  4月
 

私は南一条橋近くのマンションから地下街の店舗までママチャリ(婦人用自転車)で通勤しています。 なんと、今年は雪が解けて自転車を出そうとしたらマンションの自転車置き場に無いのです!私の3年前に買った無印良品のからし色の自転車が、鍵を3つも付けていたのにも関わらず盗られてしまいました。
 私はもう何度か盗られているので慣れっこになっていましたが、4年前に新品の妻の自転車が盗まれた時は驚きました。 妻の実家は東京、杉並区なので自転車の盗難状況は札幌と同じだと思ったのですが、妻は警察に通報して対応の悪さと、札幌の自転車盗難の多さに腹を立てて、札幌市長と警察署長宛に苦情の手紙を書いたのです。 そして自分の自転車の車体番号と、防犯登録番号を持って街中を探し回りました。
 そして2〜3週間後でしょうか、大通り公園で自分の自転車を見つけたのです。すぐ警察を呼び調べたところ、乗っていた方は盗難品とは知らずに買ったそうで、最終的には犯人も見つかったとのことでした。
 それまで私は妻の性格を外見と同様におとなしく従順で自分の後に付いてくるタイプと思っていました。それが自転車が戻って来た頃からでしょうか、少しずつ立場が変わり始め、今ではほぼ言いなりで尻にひかれているのです。人を外見や最初の印象だけで判断してはいけないというこわいお話しでした。  


2003年  3月
 実家に里帰りしていた妻がやっと戻って来ました。 当然、不在の間に何度かスーパーへ買い物に出かけたのですが、妻の後についてショッピングカートを押していた時と違っていろいろな発見がありました。 まず自分がこんなにみみっちいとは思いませんでした。 牛乳1リットルパックの値段が他と20円ほど高いだけで買う気が失せるのです。 冷凍庫には肉と魚があったので買い物は野菜とお総菜が主でしたが、スーパーによってかなりムードが違うのにも驚きました。 特に両極で興味深かったのは、今をときめくスーパーの「ジャスコ」と銭函で週末だけ営業する「海商」で、この2軒は売り場にパワーがありました。
 「ジャスコ」に入ると私は宮殿に招かれた訪問者のようにその豪華さに酔ってしまいます。さらに普段は目立たないヒジキやおから迄もがスポットライトを浴びてとても美味しそうに輝いて見えます。
 一方、「海商」はやはり漁港のお祭りでの即売会でしょうか。家から銭函まで1時間弱のドライブで自分は旅行者の気分になってしまい、揚げたてのぶつ切りタコの唐揚げを買いかぶりつくのです。
 よく考えてみるとこの2軒、人を酔わせる点ではディズニーランドのアトラクションに近いのかも知れません。では、狭く古びた店内に溢れる程の商品が有るワインショップフジヰはどう見えるのでしょうか?

2003年  2月
 今月、家内が息子を連れて里帰りをしています。
行く前は洗濯や食事の不安はありましたが、何年も見ていない戦争物やアクション映画のビデオを缶ビールと共に思う存分観られると思うとウキウキでした。 と言うのも、妻は交際中私の趣味の映画をよろこんで観に行ったのに、結婚後のビデオ選びは家内が選ぶ文芸物や恋愛物と私の好みの物との2本立てになり、更に終わったあとに「アクションのみで人間が描かれていない」とコメントが付くのです。 さらに子供が産まれてからはめっきり映画からは遠ざかりました。 
さて最初の休日、足取りも軽くレンタル店でリドリー・スコット監督の「ブラックホークダウン」を借りてきました。 内容は、ひたすら事態が悪い方に向かって行く中で現場の人間はもがき苦しみながら味方の援軍を待つというストーリー。 私は最後に正義が勝って「めでたしめでたし」と言うパターンの映画が好きなのですが、この映画はハッピーエンドではありませんでした。リドリー・スコット監督は名作「エイリアンT」のように圧倒される数の敵に追いつめられる恐怖を克明に描いており、好みは違っても十分に楽しめる戦争映画でした。
久しぶりの一人暮らしですが、食事はコンビニ弁当もあるし、洗濯は全自動タイプでどうにかなります。一番感じたのは冬に暗く寒い部屋に帰って来て、ストーブのスイッチを押して温風が出るまでの時間がとても長いということです。

2003年  1月
 私は中学まで札幌の北1条西3丁目に住み、時計台の裏でママゴトをして遊んだ事もあって、年越しはもう22年間時計台で12時の鐘の音を聞きながら新年を迎えています。向かって右側に「時計台」とプレートが付いている石門のところをテーブルにしてシャンパンとグラス、キャビア、それとブランディーのミニチュア瓶を並べ、11時から約1時間飲みながら鐘を待ちます。結構人は集まるのですが、観光の方がほとんどで地元の方はほとんどいません。飲み物はお燗機能の付いた清酒のワンカップが最適なのでしょうが、やせ我慢をして蝶ネクタイにシャンパンを守り続けています。今年はローランペリエのロゼでしたが、これが外で飲むと寒くて味はほとんどわかりません。当然今年もひとりぼっち(妻はもうつき合ってくれません)でしたが、めげずにお誘いします。まだ1月なのに早いですがあなたも大晦日の夜、時計台に来ませんか?シャンパンとキャビアが待っています。

2002年 12月
 当たり前ですが、子供が産まれると外での食事はほとんど出来なくなります。そんなわけで、最近得意先へ伺うことが出来ないのですが、世の中の流れは速く、ウェイティングの列が出来ていたお店が閉店したり、新しいお店もどんどん出来ています。そんな中で、平岸の長春飯店(ちょうしゅんはんてん)と言う中華料理店が1年ほど前に閉店したのは結構ショックでした。今でも内臓肉でガツの冷製前菜と紹興酒の組み合わせは思い出してしまうほどです。ところが先日弟が偶然お店の方にお会いしたのです。何でも病気をされて治療のために中国へ戻っていたそうで最近、桑園でお店を始めたとのことでした。10年以上も通っていた店がまた再開されたうれしさ。そして、ここ数年伺っていなかった間に、良く一緒に行った母が亡くなり、私の結婚と長男誕生。振り返ることをしなかった、ここ数年の出来事が急に自分の頭の中でわき上がりなぜか一人で放心状態になってしまいました。 

2002年 11月
 ワインショップフジヰでは年末の繁忙期に向けてパートタイムで新人の工藤君をお願いしました。パリにあこがれ、フランス語を学んだ青年です。車の免許が無いため採用を迷ったのですが、ブランド品を一つも持っていないフランスかぶれ、そんなところに興味を持ちました。大学を卒業して就職せずご両親はご心配とおもいますが、当人はマイペースで生きているようです。先月フランス語の検定試験を受けたそうなので「ボンジュール サヴァ」と声を掛けるとフランス語で返してくれると思います。年内で夕方からは店に居ますので宜しくお願いします。 

2002年 10月
 最近パソコン作業が増えてから背中が張って仕方がありません。そこで始めたことが朝のラジオ体操です。7時に起きてパジャマのままベランダでしています。当然NHKの放送は終わっているので、伴奏を口ずさみながら、何かの体操が抜けたり順番がずれても何とか続けています。と言うのも気のせいか背中が楽になったからなのです。
 さて、3ヶ月も早く生まれた息子も満一歳になり、最近つかまり立ちが出来るようになりました。体操をしていると、起きてきた息子が窓ガラスに手をつき、部屋の中から私の運動を見ています 。そしておむつを外した状態で立ったまま気持ちよさそうに噴水を飛ばすのです。そんなわけで未だに体操の順番は自信がありません。

2002年 9月
 今年の夏はからっと晴れることの無いまま9月になってしまいました。農作物にも影響がでているようです。先日知床で漁師をしている叔父と話をしましたが、海中の昆布も晴天が少ないために生育が悪いそうです。ヨーロッパでは洪水のニュースがありましたが今年の葡萄の作柄も気になる時期です。
 最後に菅谷 卓が8月で退社いたしました。助っ人に昨年まで当社の社員だった永井 順之の力を借りてまたワインショップフジヰは動き始めます。もちろん永井の本業は音楽活動ですが、ちょうど一段落ついたところらしくタイミング良く引き受けてもらえました。引継に手間取りご迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくお願いいたします。

2002年 8月
 夏本番の8月です。
 私に出来る子育ての協力は帰宅後の洗濯なのですが、最近は洗濯物を一晩ベランダに干しても湿気のせいで朝までに乾いていないのです。あとで家内に話を聞くと、日中も天気が悪いときはストーブを付けて乾かすそうです。もちろん夜に干す問題も有りますが、台風のせいだとしても最近札幌の湿度が普通じゃないと思いませんか。
 こんな季節の一杯目はワインのオンザロックがお勧めです。赤でも適度に薄まると抵抗無くのどをすり抜けて、爽やかに楽しめます。ただタンニンの多い伝統的な造りのカベルネソーヴィニヨン系は冷やすと渋みが目立つのでさけた方が無難でしょう。あとお勧めしたいのが、お刺身の醤油にワサビの代わりにレモンを数滴加えることなのです。無ければ飲んでいるワインを少々でも可です。こうするとお醤油がドレッシング風の味わいになってお刺身とワインの相性がとても良くなります。私はこうしてよく食べ、よく飲むことで夏を乗り切っています。

2002年 7月
 ワールドカップ以降 日本中がサッカーに熱中しています。地下街の店舗には当然テレビは無いのですが、にわかサッカーファンになった家内は、ワールドカップ開催中、日本戦などで得点が入るとファックスで速報を伝えてくれました。
 札幌で行われた因縁の対決であるイングランドVSアルゼンチン戦の当日、外国人サポーターも多かったのですが、警察官の数はもっと多かったのではないでしょうか。少々物々しいムードでしたが、おかげでフーリガン騒ぎはなかったようです。
 さて外国のサポーターの人たちは、真昼間から大通公園で上半身裸になり、決まって500ミリ缶のビールを一人5から10本も飲むのです。それも何も食べずにただひたすら飲むのです。
 その前のドイツ戦の時には、ドイツ人はビールにうるさいので飲むのはエビスビールかなと思っていたら、皆真っ赤なアサヒの本生を飲んでいました。こういったことも実際見てみないことには分かりません。とにかくアルコールには強いことと、皆がプロレスラーのように大柄なことにはビックリしました。そして日本や韓国の選手は、その大柄な選手と戦ったのです。本当にご苦労さまでした。

2002年 6月
 6月はついにサッカーのワールドカップが始まります。社内では専務が熱烈なサッカーファンで私自身は、どちらかと言えばうとい方でした。しかしその変化は妻から始まりました。NHKのカメルーンチームの番組を見て以来ファンになったようです。豪邸に住むエムボマが、軍の輸送機の中で床に座らされて移動しているのを見て、私だったらカメルーンチームの呼び名「不屈のライオン」ではなく「卑屈のライオン」になっちゃうよ、と同情していました。
 6月1日からの試合に多くの外国の方がいらっしゃると思います。当店には世界各国のお酒があり、前に小樽に米空母が接岸したときも、乗員の方が当店で自国のお酒を見つけとても喜んでいました。 テレビではフーリガンのことばかり報道されていますが、素晴らしい試合と楽しい思い出を札幌で作って欲しい物です。そして出来たら、美味しいラーメンとビールとジンギスカンを食べてもらえたらと思っています。

2002年 5月
 例年ゴールデンウィークになるお花見が、今年は雪解けが進み10日は早いようです。北国の春は本州と違って、梅も桜も一時に花を開きます。これを情緒がないと感じるか、北海道らしいと思うかは人それぞれでしょう。私は長かった冬が終わり、全ての生き物が順序無く同時に太陽の恵みを受けて活動を始める。こんなダイナミックな北海道の春が大好きです。
 そして自然界の春より人の服装は一歩早く春を迎えています。地下街で勤務する役得でしょうか、今年は4月の中旬から、おへそが見える短いシャツを着た若い女性がさっそうと歩いていました。
 さてワインのお話しですが、今年の春はロゼの問い合わせがいつになく多いのです。正直言って今まで真剣にロゼを探したことは無かったのですが。気が付くと店頭にはカリフォルニア ケンウッドのホワイトジンファンデルに、ボルドーからはシャトーカロンセギュールのロゼ、ジュヴレの名門ジョセフロティが造るマルサネロゼが並んでいます。更にシャンパンや、スパークリングもなぜかロゼが人気なのです。フルボディーのワインはもちろん美味しいですが、考えてみると春にはロゼワインというのも良いですね。桜の下で淡いバラ色のワイン、隣にはおへそが見える若い、、、 いやそうではなく、私の隣にいるのはまだデベソの息子日向君でした。

2002年 4月
 ワイン屋である私の仕事は常に多くの試飲を繰り返し、お値打ちで美味しいワインを見つけ皆さんに紹介することです。私で年間千種以上のワインを試飲しますが、その半分以上は週一回社内で行うテースティングです。毎回約15種類を2時間かけて評価をし選別するのですが、各ワインの減る量は1/5程度です。1本のワインを美味しい食事と共にゆっくりと味わい、時間の経過と共に開いてくる香りを楽しむような飲み方からみると、試飲は1本のワインの断片をみるだけのとても寂しい味わい方です。せっかくのワイン、出来たらゆっくりと美味しく味わいたいものです。

2002年 3月
 新米講師として昨年10月から始まった札幌ワインアカデミーの講義がほぼワンクール終わりました。最初の授業の前は心配で、家で家内と義母を相手に講義のリハーサルを行いましたが、特に時間配分に関しては今でも課題になっています。
 前にも言いましたが、ここでテースティングするワインは本当に厳選されており、その後フジヰで扱いを始めた物も多数あります。20回で約110種のワインを味わいますが、まずは美味しく、しかも各産地を学ぶ上で特徴がつかみやすい味を選ぶとなると、世界中のワインに精通していなければ出来ません。今買ったワインが何処で造られ、更にどのランクの物なのかを知る上で試金石となるワインを 110種味わうだけでも私は価値があると思っています。更に新講師としてエノテカの宮沢さんが参加する事でまた違ったスタイルのワインアカデミーが始まることでしょう。ご興味のある方は 011−231−1667札幌ワインアカデミー宛に 是非お問い合わせください。

2002年 2月
 予定日より3ヶ月も早く生まれてきた長男の日向(ひゅうが)が1月8日に無事退院出来ました。
そして初めての子育てに新米パパは驚くばかりです。見る見る減ってゆくおむつ、そして回り続ける洗濯機。げっぷがでるほどおっぱいを飲み、1〜2時間うとうとしていると、濡れたおしめで目が覚めフンギャー フンギャー。おしめを替えて又げっぷがでるほどおっぱいを飲み、1〜2時間うとうと・・。このサイクルが永遠に続くのです。当たり前ですが、自分に母親の仕事は絶対無理で、こうして男は仕事をするしか無くなるのでしょうか。そして今、孫の顔を見せられなかった亡き両親に、感謝と共に自分が生まれた時の話を聞いてみたくなりました。
 さて次は仕事の話。当社のホームページは写真無しでしたが、今私がデジカメに取り組み、菅谷と共に見て楽しいホームページへバージョンアップを図っている最中です。今月からは私の撮ったラベルの写真がご覧になれると思います。そして菅谷の構成と私の写真で少しでもお酒の美味しさが伝えられたら、と思っています。

2002年 1月
 ワイン屋にとって11月のボージョレヌーボーから年末まではジェットコースターの様に時が流れてゆきます。さらに今年はこのドカ雪、配送の小田は毎日へとへとになって戻ってきます。さて私は大晦日の営業を終えると、毎年夜11時には一人で時計台へ行き屋外でシャンパンを飲みながら年越しをしています。今回で21回目になりますが、結婚前には付き合ってくれた家内もげんきんな物で、入籍後は紅白を見ると言ってストーブから離れません。今年も私は一人で膝を震わせながらシャンパンを飲んでいると思います。ただこれだけは言えますが、氷点下の外では味の差がほとんど分からなく、しかも飲み干すことが結構苦痛なのです。良い子は絶対マネをしない方がいいでしょう。
 話は替わって、2002年からワインショップフジヰの営業時間が変わります。平日は従来通りですが、日曜と祝日は開店時間が、朝10時から昼の12時になります。社内の事情で皆様にご迷惑をかけますが、宜しくお願いいたします。

2001年 12月 
 当社のスタッフ 永井順之が年内で退社する事になりました。ご存じの方も多いと思いますが、永井は音楽活動を行っており、DJとは別にアナログ盤をプレスした事もある程なのです。今年はハードリカーの仕入れを担当し、酒の素晴らしさを本人も感じて意欲的に仕事をこなしていただけに、私にとっても本当に惜しいのですが、今後は音楽活動に本腰を入れて悔いのない生き方をしたいと決意を持って話す姿に、思わず応援したくなりました。興味のある方は聞いてみてはいかがでしょうか?

2001年 11月
 まずはうれしい話を二つ。当社のホープでこのリストも作っている菅谷 卓が日本ソムリエ協会のワインアドバイザー資格試験に合格しました。合格率が3割を切る難関だそうで、皆様からの問い合わせにも今まで以上にプロとしてお答えできると思います。次の話、実は今年の春に妻の妊娠がわかり、予定日の12月に向けて大事をとっていたのですが、せっかちな私の気持ちがそうさせたのか、3ヶ月も早い9月24日に男の子が生まれました。当然、超の付く未熟児で、病院の何台も並ぶ保育器の中でも一番のチビ。生まれて1週間は、肺が出来ていない、ミルクの消化が出来ない、などとヒヤヒヤの毎日でしたが、一ヶ月経ちどうにか峠を越えたようです。子供の退院は来年になりそうですが、とりあえず母子共に元気なことをご報告致します。
 かわって先月の札幌ワインアカデミー講師の話。生徒さんがとても熱心で、期待を裏切らないよう私も必死に勉強をしています。私はワインが仕事ですが、生徒さんは仕事でもないのに、とても真剣なのです。ワインの美味しさが、人に喜びや情熱を与えるのをみていると、講師を引き受けて本当に良かったと思っています。

2001年 10月
 小さな頃から問題児で先生に迷惑をかけてばかりいた私が、縁あって10月から札幌ワインアカデミーの講師を務めることになりました。事前に半年間生徒として通いましたが、煮詰められた授業内容もさることながら、毎回テースティングするワインのクオリティーの高さには驚いてしまいました。
 講師の方々も業界で第一線に立つ方ばかりで、広く奥深いワインの世界を体系的にテースティングしながら、楽しく学べる本格的スクールです。見学制度もありますので、ご興味の方は011−231−1667岩田醸造内 札幌ワインアカデミー宛にどうぞ。

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