Jean Paul&Benoit Droin Chablis Grand Cru Hommage a Louis
レ・クロとヴァルミュールの境目に位置する1つの区画で、ドロワンは1920年に取得しました。その区画は、当時の証書の説明には「レ・クロのリューディ」と書かれており、シャブリのAOCが認定される以前から、常にレ・クロにブレンドされていました。しかし、後のINAOの格付けの際、ナポレオン時代の格付けに倣ってヴァルミュールに分類されたという事実もありました。そうした背景がある中、これまで1度もその区画の葡萄をレ・クロにブレンドし「レ・クロ」としてリリースすることに対して禁止事項はありませんでした。しかし、数年前にこの件についてフランス行政側が問題視しはじめたのです。ドロワン家は必要なすべての書類を提示し、異議を唱えてきました。INAOはその主張に反論はせず、同意の意思を示しましたが、厳格なシャブリのグラン・クリュに関わる問題であるがために、手続きに時間を要しているのが現状です。ドロワン家はこの区画からの葡萄をブレンドしない「レ・クロ」をリリースすることも可能でしたが、それは彼の信条に逆らうことになります。そこで現当主のブノワ・ドロワンは「自分達のレ・クロ」を造り続けることにしました。そして、この区画を取得したルイ・ドロワンに敬意を表し、グラン・クリュ「オマージュ ア・ルイ」としてのリリースを決めたのです。