フランス、ブルゴーニュ地方にある小さな村の一つにサヴィニ村があります。葡萄栽培で生計を立てているこの村ですが、残念ながらここには特級の認定を受けた畑はありません。従ってマニアが騒ぐ様なワインはありませんが、この村に住む生産者は勤勉な方が多く良質でお値打ちなワインが多い事で知られています。
この村で最高の評価を受けている生産者シモン・ビーズ。現当主のパトリック・ビーズ氏の奥さんは千砂(ちさ)さんという日本人で、主婦業以外に仲間と日本語のホームページ「ブルゴーニュ生活」を運営しています。
さて、今回仕入れをしたビーズさんのワインを試飲したところ、私のイメージする味わいとは違っていた為に自信を持って売れず困っていました。輸入元に聞いてもはっきりとした答えはもらえなかった為に、思い切ってビーズさんへメール(当然日本語で)を送ってみました。
すると翌日丁寧な返事をいただきました。蔵元でのそのワインに関する味わいの印象を伺い、輸入後間もない為に味が落ち着いていない事と、不良コルクの問題ではないでしょうかとのことでした。
そして最後に「来年は日本に帰るので、東京の以外の地方都市へのプロモーションを是非札幌でと考えております。春先になるでしょうか」と書いてありました。私は憧れのスターからファンレターの返事をもらったように嬉しくなりました。
そして私の返信は、札幌に来た際はぜひ三笠まで足をのばしていただき、山﨑ワイナリーのピノノワールを見てもらいアドヴァイスしていただけないでしょうかと書きました。今から来年の話をしても日程がどうなるかはわかりませんが、サヴィニ村でピノノワール栽培を4代続ける名門ビーズ家の当主と三笠の山崎さんが畑で栽培について語り合い、その後皆で温泉に入ってジンギスカンか毛ガニを食べるなんて最高だと思いませんか。そんな楽しい夢を見ながら私は酒屋を続けています。
- 2004年 7月
- 2004年 9月