2005年 2月

 前回に続いて今月も残業のお話。
 夜8時の閉店後、私は近くで腹ごしらえをして再び仕事です。本当は当社の得意先で食事をしたいのですが、お酒を飲むと残業が出来ないので食事だけが出来て安いところを探します。
 その一つがススキノのど真ん中、東宝劇場向かいにある「みよしのギョウザ」です。札幌の方でしたら安いのはご存じですよね。いつも込んでいるこのカウンターだけの小さな店は、場所柄もありお客さんの1/3が客引きのお兄さん。もう1/3がホステスさん。あとは飲んだ後に小腹の空いたサラリーマンでしょうか。客引きのお兄さんは、雨が降ろうが、雪が降ろうが寒い外での立ち仕事です。つかの間の休憩時間でも、食事中に携帯電話は何度も鳴り、食べ終えると直ぐに戦場へと戻っていきます。
 ギョウザ定食を食べ終える10分ほどですが、きらびやかなホステスさんやこの町で働く方々の会話を横で聞いていると、自分は今ススキノにいるというのが実感できるのです。そして食事の後は不思議と「僕もまた働こう!」と活力が湧いてきます。
 同様の気分になれるのが、ススキノ交番横で今は牛丼のない吉野屋です。稀に休日の朝に早出の仕事をするとき、朝5時半頃に焼き魚定食を食べます。日曜のこの時間、吉野屋は地下鉄の始発を待つ若者で超満員です。一晩中遊んだ後も興奮が醒めきれず、楽しそうにはしゃいでいる若者の中で、自分だけがしらふでこれから仕事をしようとしている。そんな自分に酔いしれる事で仕事への意欲が高まるのです。
 実は要領よく仕事が出来れば残業はしなくてもいいのでしょうが、どうも自分は閉店後一人になってから仕事をだらだらと始めるところがあります。実体を知っている妻は、先に順番を決めてからてきぱきと仕事をするようにとアドバイスをしてくれるのですが、なかなか自分のリズムは変えられません。