2005年 12月

 11月、私はワインでお世話になった方の娘さんの結婚披露宴に出席する為、東京に行って来ました。当然会場にはワイン関係の方が多く、私と同じテーブルには山形タケダワイナリーの社長さんと、長野の小布施ワイナリーの専務さんがいらっしゃいました。
 この日のワインは厳選された物ばかり。乾杯用のコント・ド・シャンパーニュ95年以外は全て6リッターのマチュザレム瓶入りです。この特殊な大瓶は酸化が進まず長期熟成には最適なのですが、ワインの瓶詰め前に現地へ予約をしなければ手に入らない大変貴重なもの。約10年前のブルゴーニュ特級畑のマチュザレム瓶が何本も並んでいると、私のテーブルでも今日はひたすらワインを楽しみましょうというムードです。
 そのブルゴーニュワインを一巡した後に、同席したワイナリーのお二人が造ったワイン(タケダさんのキュヴェ・ヨシコ96年と小布施さんのヴァン・ド・パイユ)がサービスされました。2本共とても美味しかったのですが、造っている方のお話しを伺っていると、この年はこうだったが今はこういう形に醸造を変えているとか、来年はこうしてみたいとか、とにかくお二人は更なる努力を考えているようです。
 こうして私たちが食事をせずに試飲だけをしていた所に、花嫁のお父さんが来ました。「前沢牛を食べたかい?」 と一言。メニューを見ると「前沢牛のほほ肉煮込み、ボルドー風」と書いてあります。なんでも、知り合いの牧場の方から特別のほほ肉をいただき、有名なシャトー・ランシュ・バージュ98年で煮込んだと言うのです。この一言で私は席を離れ、バイキングスタイルのお料理コーナーでも前沢牛の所に向かいました。この料理を契機に私の胃は急に活動を始めてしまい、気が付くと目に付く料理を手当たり次第にガツガツと食べていました。後で食事のメニューを見ても、自分は何を食べ たのかが分からないという情けない状況です。
 私の息子はまだ4歳、結婚式は20年以上先でしょう。その時私はエゾ鹿の料理にシャトー・ランシュ・バージュのソースをお願いするのでしょうか?名古屋の嫁入りだけが有名ですが、親が娘を思う気持ちは皆同じなんですね。立派な式にしたいと願うお父さんの頑張りと、それを受け入れたうえ で素直にこの式を楽しんでいる新郎新婦を見ていて、このお二人の幸せは末永く続く様な気がしました。
 さて、先月10月号のリスト92、ロマーノ・レヴィ、グラッパの説明文で「確か、札幌で彼の工房に行き購入できたのは「ザ・ボウ・バー」の本間氏ただ1人でしょう」と書きましたが、さすがは人口187万人の札幌。イタリア料理店カンティーナ・ピエロボックス(中央区南2条西3丁目カタオカビルB1F)のオーナー鈴木様から「私も99年11月に行って来たよ」とご指摘をいただきました。ここに訂正をさせていただきます。