2006年 1月

 昨年の大晦日も、私は札幌時計台の鐘の音を聞きながら年越しです。

 寒い年は何を飲んでも炭酸水にしか感じられませんが、今年は例年に比べ温かかったので持参したシャンパーニュ・ブラン・ド・ブランの味わいを楽しむことができました。

 すぐ横の大通公園で行われているカウントダウンイベントの何万人とは比べものにはなりませんが、今年は得意先の「イーストン」、「バールバゲット」、「キャトレール」さんを始めとした12名にご参加いただき楽しく新年を迎えることが出来ました。

 毎年のことですが、寒い野外で時計台の文字盤を見上げながら、震える手で冷えたシャンパーニュを飲んでいると、何故自分はこんなやせ我慢をしているのだろうか?と思えてきます。しかし身も心も冷え切った後に聞く12回の澄んだ鐘の音は、私にとって煩悩を消す除夜の鐘の様に体に響き渡るのです。

 前々回から来ている女性の方からおもしろい話を伺いました。04年大晦日の後日、家の中が生臭い為臭いの元を探すと、自分のバッグから匂っている。中を覗くと底に干からびたキャビアがあったそうです。この年はとても寒く、クラッカーにのせたキャビアを持つ手が震え、こぼれたのでしょう。

 今年の大晦日もシャンパーニュとグラスとキャビアを持って夜11時頃から時計台にいますのでよかったら参加してみませんか?参加費は無料ですが、飲み物、食べ物、グラスの持ち込みは大歓迎です。どうぞ暖かい格好でいらしてください。


 さて当社で何年も働いてくれた小田と永井が退社することになりました。共にワイン好きなので、今度はお客として当社のお得意先に伺うかも知れません。その際は宜しくお願いします。

 今月私のお薦めは19番と32番のブルゴーニュ赤。最良の作柄だった96年のピノノワールが、10年を経て良い感じでこなれてきた19番。しかもこの年は伝説の前オーナー、ジェラール・ポテル氏が仕込んでいます。

 通常ピノノワール種にガメ種をブレンドすると、ワインはパストゥーグラン規格になりますが、クリュ・ボージョレはブルゴーニュ・ルージュにブレンド出来ます。法の盲点を突いたこの32番のワインには4割のガメが入っています。この様な低価格ですが、熟成したブルゴーニュの風味が楽しめました。