私の仕事と趣味はワインですが、家内は指先が器用で色々な物を手作りしています。
2年前は消しゴムスタンプに凝り、息子が喜ぶ新幹線や動物のスタンプを彫っては、オリジナルのハンカチやTシャツを作っていました。そして去年からは羊毛に凝りだし、フェルトで指人形や小物を作っています。
そして5月、札幌ファクトリーにある羊毛専門店「ブリコルール」主催の「羊の毛刈りツアー」に参加し、由仁町の大野牧場へ行って来ました。参加者は私以外全員女性、しかも皆さん羊毛が大好きで色々なカルチャーセンターの編み物講座を回り終えたようなツワモノ(失礼)。皆でお昼を食べながらの雑談中でも、わからない所があるとバッグから編み針を出して講習が自然と始まる様なプロの集団です。
午後から希望の羊を指名し、牧場主が捕まえ、まな板の鯉状態でバリカンを入れます。刈り取られた羊の毛足は約10センチぐらいでしょうか。これがどうなって糸や布になるのか分かりませんでしたが、聞きたくても会話は専門用語ばかりで参加できず、私は息子と10分おきに千歳空港から飛んでくるF15やジャンボジェットを眺めていました。
牧場からの帰り道、家内に「今日は外国にでも行った様な気分で、とっても疲れた」と言うと、「ワイン関係の人と同席している時、私はいつもそうよ!」と言われ、ぐうの音も出ずに会話は終わりました。
最後に今月のお勧めワインは、アントワーヌ・シャトレ社のポマール1級畑とシャブリ1級畑です。私もそうですが、ブルゴーニュ好きは家族経営の農家で造られたドメーヌワインを追いかけ、大手ネゴシアン物(ワイン商がブレンド瓶詰めしたワイン)には見向きもしない傾向があります。
さて、このネゴシアンワイン。優良生産者のようなふくよかさと、赤は8年、白は5年を経た良い熟成感が合わさり、誰もが美味しいと言うタイプ。ストイックなブルゴーニュファンでしたら、少しわざとらしいと言うかも知れませんが、この価格のブルゴーニュでこの満足感はちょっとあり得ません。