私は残業が多いこともあって、夜、外出することは滅多にありません。店舗のある地下街商店会でもいろいろ寄り合いはあるのですが、殆ど欠席しています。そんな私が久しぶりに夜の宴会に出席しました。
その宴会とは、当社のお向かいに最近開店した、化粧品とサプリメントのお店「DH?」との親睦会です。当社のスタッフがこの店にある健康ドリンクのスタンドに連日通って、食事会の約束を取り付けてきました。
お向かいさんは若い女性ばかりで8名、こちらの生きのいい男は4名なので、数合わせに賞味期限の切れた私と弟も参加することになりました。
そんな経緯を家で話していたら、驚いたことに当日の昼、家内が息子を連れて突然店にやって来たのです。そしてお向かいの健康ドリンクを飲んで店に戻り「今日は余り羽目を外さないように!」と私にクギを差して帰っていきました。
この日お向かいさんは、閉店業務で少し遅れるとのこと。私が決めたプランは、サンプル用に取ったシャンパーニュ6本を持って早めに会場に行き、先に試飲の仕事を終わらせてから、残りをお向かいさんと共に飲もうという案。
しかし、この後に楽しいことが待っていると思うと、私だけではなく皆の気持ちも上の空で、真剣な試飲は出来ませんでした。
さらに本物のシャンパーニュがあれば女性陣も喜ぶだろうと思っていたら、彼女たちは飲み放題のサワーやカクテル、アイビー(私も知りませんでしたが、氷入りのビールの事だそうです)の方が好きだと言って、私の勝手な思いこみは空回りに終わりました。
持ち込んだシャンパーニュをウットリした眼差しで飲み干し、「どこか次のお店に連れて行って」と言われたらどうしようと心配すらしていた私。現実は、少しばかりワインが詳しくても、今の女性には何の魅力も無いことが判明し、帰り道は残業した夜よりも重い足取りでした。
さて今月、私のお勧めワインは、暑くなってきたので白ワインです。
まずは、デ・ボルトリ社、ウィンディピーク・シリーズのシャルドネ04年。「樽、濃いワイン」と言われてきたオーストラリアですが、人の嗜好は変わります。このワインの産地が冷涼なヤラヴァレィ地区ということもあって、樽の香りが目立たず青リンゴの繊細な果実味は、清らかな北国の白ワインを思わせます。
もう1本の白はイタリア産。フォンタレオーニがカサヌオーヴァ畑のヴェルナッチャ種から造った辛口の白。4年を経た02年産だけにフレッシュな果実の風味は落ち着きましたが、熟成感がいいんです。不思議ですが、「らくがん」や
焼きリンゴを思わせる香りに、熟成した旨味とミネラル感がたっぷりのっています。清酒に近い感じもあるので、魚の干物とは相性が良さそうです。