2006年 12月

今月は車のお話です。
愛車ルノー・キャトル(90年式)のフレームの後ろの方に3センチ程の穴があり、数カ所あったボディのサビと共にきれいにしようと、9月末に新琴似の板金工場「ハッピー」に入院しました。


預けて1週間ほど経ち、驚く連絡を受けたのです。問題のフレームに付いていたサスペンションのアーム類を外してみると、思ったよりもサビが進行していて穴がいくつもあいていたのです。当初は1カ所の穴なので溶接して継ぎを当てる計画でしたが、この状態では新しいフレームに交換する事になりました。


しかし問題の部品はルノー社のパーツリストになく、工場でコネがある別のルートでも見つかりません。約1ヶ月たち困った私は、この車の前オーナーに訪ねたところ、神奈川県にあるキャトルの専門工場を教えてもらいました。


この「ミヤマエオート」では部品取り用の車もあるそうで、フレームの後ろの部分を車から切断して札幌まで送ってくれることになりました。何故メーカーでその部品が無いのかを聞くと、車の骨格であるフレームを分解してまで修理するような状態だと、普通キャトルのような大衆車は廃車にするそうです。


そんな時、妻の実家から電話が来ました。私が出るとお義父さんに話していないのに「車の修理はどうなった」と一言。ちなみにお義父さんは日産の大きな車に乗っています。運転中に「FM!」と言うと勝手にラジオが鳴り、次に「テレビ!」と言うとラジオが止まってテレビが映るそんな立派な車です。

状況を話すと、「フレームに穴!そんなの直してどうするんだ!」。私は何度も受話器に向かって頭を下げながら、これさえ直せばもう大丈夫です。家族もうちの車が大好きなので修理させてくださいとお願いしました。
古い車を維持するのは、まず身内の理解が一番だというのが身に染みてわかりました。

最後は今月私のオススメワイン。
まずはイタリア・モリーゼ州クリテルニア社のビフェルノ・ロッソ02年。私は毎週40種以上の試飲をしていますが、1,000円以下でこのワインの様な美味しいワインを見つけると、試飲中でも思わず「ワーオ」と声が出ます。ミディアムな果実味と樽の熟成感が調和し、今まさに飲み頃の旨味が楽しめます。

もう1本は北海道三笠市山崎ワイナリーのツバイゲルトレーベ種樽熟成05年。早熟で北海道に根付き、道内各地でも植えられているこの品種。色と果実味がどこかボージョレのガメ種に近く少しシンプルな印象でしたが、6ヶ月樽熟成を行うことで複雑さを身に付けバランスの良い赤になりました。北海道つながりでエゾ鹿肉のシンプルなステーキに合わせてみてはいかがでしょうか。