今月は息子の運動会のお話。
今年、年長組となった息子の幼稚園で、運動会がありました。
まずは選手入場。よちよち歩きの小さな3歳児が1列になって行進を始めますが、自分の親を見付けると列から外れ親の元へ走り出します。先生はこうした子供を追いかけ、抱き上げて列に戻しながらの行進です。別の先生の足には小さな女の子が抱きついて離れず、引きずるように行進していました。
これが5歳の年長組ともなると、さすがに親元に駆け込む子はいません。息子は嬉しそうに手を肩の高さまで大きく振って行進していました。
競技が始まっても年少組は、ヒヨコの様にちょろちょろ動き回っています。「よーい、ピー(スタートの笛の音)」から走り出すまでに一呼吸かかり、まず誰か1人が駆け出し、残りの子は追いかける形で走り出すと言った具合。
その点、年長組の障害物競走は、ほぼ一斉にスタート出来ます。そんな中、網をくぐる際に手間取り遅れてしまった女の子が、次の障害物である平均台を泣きながら渡っていました。すると応援席から拍手がわき起こり、その子がゴールするまで皆の応援は止みませんでした。
最後の競技は、年長組の紅白リレー。見ていると皆の走るスピードは大して差がないので、バトンの手渡しが勝負の決め手になります。遅れていた赤組のアンカーは、1番背の高い男の子。バトンを受け取るとスピードをグングン上げ、白組との差を縮めます。最後は鼻の差かという接戦で赤、白がほぼ同時にゴール。
その男の子は勢い余ってゴール直後、倒れ込む形で大きく転んでしまいました。ヒーローは先生に抱き上げられた後も、感極まったのかずっと泣きじゃくっていました。この白熱した紅白リレーの印象が皆の心にも残ったのでしょう。運動会が終わった後のグランドで、何人もの園児がリレーごっこをしています。
生まれてからずっと自分のペースで生きて来た子供達にとって、この日の競技はこれからの人生で避けられない様々な競争の始まりだったのかも知れません。
さて、今月のお勧めワイン、暑い夏にはまず泡でしょう。
シャンパーニュ地方のジョセフ・ペリエ社のロワイヤル・ブリュット。何と言ってもバランスが良いのと、澄んだ酸味がとても美味しいのです。私でしたらお刺身やお寿司と一緒に味わいたいと思いました。ただ、お醤油の味は白ワインとケンカをするので、醤油にレモンを数滴入れると相性が良くなります。
もう1本の泡はスペイン、ロベルト・ホタ・ムール社のカヴァでレセルヴァ・ブリュット・ナチュレ。建築家ガウディがデザインしたような独特の瓶。リースリング種を思わせる鉱物的な香りと、キレの良い辛口の味わいは、小エビや小魚のフライが食べたくなりました。
続いて白ワイン。暑い夏にピッタリな白は、ドイツ北部モーゼル地区のゼルバッハ社が造る、リースリング・ホッホゲヴェクス・ハルプトロッケン05年。北国の白い花を思わせる可憐な香りと果実味を包み込む豊かな酸味は、ミントのシャーベットを口に含んだような清涼感です。
最後は、レストランで素晴らしい料理と共に味わいたい芳醇な白ワイン。79番と80番アンセルミ家が造るカピテル・クローチェ04年とカピテル・フォスカリーノ05年です。まずはこの濃い色調を見ただけで、ただ者じゃない事がわかるでしょう。熟成が樽かタンクかの違いはありますが、元々の葡萄の味が半端じゃなく濃さと複雑さでのどが渇きそうな程です。