2008年 3月、4月

  今年1月にオープンしたばかりの外資系スーパー「コストコ」に行って来ました。
このスーパーでは買い物をせずに中を見るだけでも、入場するには約四千円を支払って会員にならなければなりません。実は開店前の昨年末から、ここの会員になるかどうかを悩んでいました。理由はスーパーで入場料を取られる?そんな商売って日本じゃ考えられないからです。

結局、私の好奇心は理性よりも勝り、お金を払ってでも入場したくなりました。そして結論から言うと、ここは面白いです。並んでいる商品は知らないものが多く実際に高いのか安いのかは判りませんが、ついこれを買おうかと手に取ってしまうものが結構ありました。


ワインに関しては私も真剣です。オープン記念でしょうか、定価19,950円のシャンパーニュ・ドンペリニヨン99年が、なんと9,800円(その後は値上げされたそうです)で山の様に積まれていました。価格は安い物もあったり色々ですが、現地の評価本等に出ていてもまだ日本に正規輸入されていないワインや、興味深いワインを見つけて数本買いました。

あと、ここに来ていた方の多くが買っていたのが、1,200円程の特大ピザ。ガラス張りの調理室で作っていたそのチルドピザは直径60センチ近くあり、それが入った大きなダンボール箱が皆のショッピングカートに鎮座していました。私もこのピザが欲しくなり妻に買おうと言 ったところ「このサイズのピザが入るオーブンが家にあるのなら買ってもいいけど、何等分かにカットするなら美味しさ半減よ」と言われ目が覚めました。

そして妻は「これならピザと違って家のフライパンに入れ直して焼けるでしょう」と言って幅20cm長さ50cmぐらいの容器に入った具だくさんのパエリアを選びました。

スーパーの中はある意味ディズニーランドよりもアメリカチック。トイレも外国映画で見たような感じで、便器の大きさも当然アメリカンサイズ。年会費は安くはないけれどアメリカンな気分を満喫出来て、実際に行く旅費や手間を考えるとこれは楽しいレジャーと言える気がしました。


 さて、71年札幌オリンピックと共に建設された地下街ポールタウンで開業したワインショップフジヰですが、10坪の店舗が手狭となりもう少し広い場所に移転することになりました。場所は南3条西3丁目の東側で、北に向かう一方通行に面した東向き。ミシン踏み人形が目印の「中山ミシン」さんと、プレイタウンフジイビルさんの間で、元「フレッシュネス・バーガー」だった場所です。

開業予定は5月中旬。もちろん、土曜恒例のサタディ・テースティングも続けますので、移転後もワインショップフジヰを宜しくお願いいたします。

では今月のオススメワイン。
まずはボルドー地方から、ムーラン・ディッサン ボルドー05年。飲む前はマルゴー村のシャトーが造っているのに、マルゴー村でも、オーメドック地区でもないので半信半疑で試飲をしましたが、05年産らしいたっぷりしたコクと燻した樽の香りが華やかで、その見事な出来に驚いてしまいました。

シャトー・マレスカス オーメドック97年は、11年を経てもしっかり残る果実の風味とヨモギを思わせる熟成香が両方楽しめます。熟成ワインの旨味が楽しめて、この価格はちょっとあり得ません。

ブルゴーニュ地方からはジャイエ・ジル オートコートボーヌ赤04年とカイヨ ムルソー白04年。共に4年を経て熟成感が開き始め、これぞブルゴーニュと思わせる味わいがたっぷりです。

最後はイタリア、リカゾリ カザルフェッロ96年。ヨーロッパ全体が好天に恵まれた96年ですが、トスカーナ州だけは局地的な豪雨に見舞われた因縁の年。しかしこのワインには生産者の汗と涙を感じても、雨によって薄まった味わいは微塵も感じさせません。