前回、厚切り肉をムシャムシャ食べる話をしていたら天罰が下ったらしく、検査で大腸にポリープが見つかり、9月に二泊三日の内視鏡手術を受けました。
24時間以上の絶食。内視鏡を入れるのも大変でしたが、横たわる手術台のテレビに自分の腹の中が映っているのを見た時、これは現実か?あるいはSF映画か?と本気で思いました。この内視鏡が実に働き者で、お腹の中を縦横無尽に動き回り、患部を見つけると搭載した七つ道具を使って、注射を打ち、ポリープを切り取り、ホチキスのような物で傷口を閉じるのです。科学の進歩をまざまざと感じさせられました。
手術はもう結構ですが、快適なベッドと優しい看護士さんがいると、いくらでも寝られるのですね。ワインの本を数冊持ち込みましたが、読んでは昼寝、読んでは昼寝を繰り返しても、夜もしっかり寝られました。本当に二泊三日の有意義な休息をいただいた、NT○病院のスタッフの方々に感謝いたします。
更に良かったことは、ストレス解消のドカ食いが減った事でダイエットが出来ました。是非、リバウンド前に引き締まった私をワインショップフジヰに見に来てください。
さて、今月のお勧めワインです。
まずは、北海道の増毛(マシケ)産リンゴから造られた増毛シードルです。個人的にシードルはブリュットタイプ(辛口)だと風味が弱く、やや甘口タイプの方がリンゴの果実感が楽しめて好きでした。でも今回の8番タンクのブリュットは、辛口でもはっきりとリンゴの風味があります。本場フランス産よりも風味豊かな地元産シードルをお試し下さい。
ボルドーからは、シャトー・カンボン・ラプルーズ04年とシャトー・スグ・ロング・モニエ05年。両方とも価格以上に果実味が豊かで、今からでも美味しく楽しめます。もちろん、更に2~3年熟成させると芳醇な熟成香が開いてくるでしょう。
ブルゴーニュからは飲み頃の白2種。ミッシェル・カイヨのサントネ村02年は、豊かな果実味と木樽の熟成感が豊かに広がります。一方のシャブリジェンヌ(シャブリ農協)が造るシャブリ1級畑ヴァイヨン01年は、この村特有の酸味とミネラル感が果実味を引き締め、8年を経たとは思えないメリハリのある辛口です。
イタリアからの一押しは、95番アルベルタの「ずるがしこい」と名付けられた赤。銘酒アマローネ(定価五千円~1万円)はヴァルポリチェラ地区の葡萄を収穫後に陰干しして、干し葡萄から造った強烈な赤。こちらは同じ葡萄でもヴァルポリチェラ地区外の葡萄を陰干しし、同じ製法で仕込んだフルボディタイプ。
法の盲点をずる賢く突いたこのワインは、本家に近い味わいを持ちながらも価格は約1/3という安さ。一口飲めばオーナーの心意気に乾杯したくなる出来です。