2011年 3月、4月

東北地震の被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。また電力、医療、物流、通信等、様々な方面ででご尽力されている方々、本当にご苦労様です。

 今月の独り言は、当社からも辛いお知らせです。
2年半前から地下街ポールタウンで営業していましたフジヰ食料品店ですが、2011年4月9日をもちまして閉店することになりました。削りたてのかつお節とこだわりの食品、それとちょっと可愛い雑貨類は、多くの方に愛されていたのですが、私の計画の甘さからこの様な形となりました。ご利用いただいてるお客様を裏切る形で大変申し訳ございませんが、何とか違う場所で再出発が出来ないかを検討しておりますのでもう少々お待ち下さい。

 「削りたてのかつお節の美味しさを皆さまにも味わっていただきたい」との思いで開店しましたが、かつお節で出汁をとるお客様は年輩の女性しかいらっしゃらないだろうと思っていました。ところがオープンしてみると若い女性のお客様や男性のお客様にもご購入していただき、お話を聞くと出汁を取るだけでなくポテトチップの様にそのまま食べたり、ふりかけの様にご飯にかけていただいているとのこと。

あと驚いたのは、ペットのネコに当社のかつお節を与えたら、他のかつお節を出してもネコまたぎするようになったと聞かされました。この様なお客様やネコちゃんのためにも何とか移転先を見つけ、再び皆さまにご案内差し上げたいと思っています。

 さて今月のオススメワインです。
ボルドーからは04年産の赤が7年を経て美味しくなってきました。シャトーポタンサックのオーナーはラスカーズのドゥロン家。安定した品質とカベルネ種からの骨太な味わいは兄であるラスカーズ譲りと言えるでしょう。シャトー・ピュイグローはメルロ種主体。ふくよかな果実味と樽風味が調和して熟成旨味が楽しめます。

 ブルゴーニュからはベルナール・モローのブルゴーニュ・シャルドネ。天候の良かった09年産がとうとう入荷しました。完熟感たっぷりの果実味と木樽の風味が調和しシャルドネの見本と言える仕上がりです。赤ではポール・ガローデのモンテリー05年。派手さはありませんが、作柄の良かった年らしく素直で完熟したチェリーの風味が6年を経て干した果実の風味に変化してきました。お値段も村名規格としては良心的だと思います。

 もっと熟成した方がお好きな方にはセリエ・デ・ウルシュリーヌのオーセイ・デュレス村1級畑ル・ヴァル01年。10年を経たピノノワールは干した果実からキノコや革製品の風味に変化しており、大きめのグラスに注いでいただければ豊かな熟成香が広がるでしょう。
お値打ちなフルボディタイプは、カオール地区のシャトー・ピネレ07年とローヌ地方のラ・グランド・コリーヌのル・カノン。ピネレはこの価格で果実味とスモーキーな樽香が楽しめるお買い得品。日本人大岡さんが造るル・カロン赤は、表記は無いですが素晴らしい天候だった09年産のシラー種66%とグルナッシュ種34%からのワイン。暑かった夏を思わせる凝縮した果実味はまるでシロップのように濃厚です。

 それとアルザスからの2点、ドルシュヴィールのピノグリ種00年と、マルク・クレイデンヴァイツのリースリング種08年は品質の高さに驚きました。ピノグリは11年熟成による複雑な風味がたっぷりで、リースリング08年は若くてもミネラル感と酸味が調和し、奥行きのある味わいが楽しめます。

 最後に今月の安旨大賞は、白がアンブレットのフリザンテ・セッコ。微発泡で爽やかな味わいはスイスイとのどを潤してくれます。赤はタウロッソのプリミティーヴォ07年。タンク熟成のこの赤は4年を経ても果実味がたっぷりで、この価格とは思えない豊かでスパイシーな風味が楽しめました。