2011年 6月、7月

 4月から息子は4年生。5月は運動会です。全校の入場行進から始まり、ピカピカの1年生は手を振って行進するだけで絵になるかわいさです。

 1年生の短距離走では、スタートのピストル音で驚くのでしょう、皆は一呼吸遅れて走り出します。音が怖いのか両手で耳を塞ぎながら走っている子もいました。 早い子も遅い子も必死に走っている姿を見ていると、皆に一等賞をあげたくなります。

 そしてクライマックスは5、6年生による騎馬戦。私の前で戦っていたのは5年生の男子と6年生の女子の組み合わせ。小康状態が続いた後、女子の騎手が良いタイミングで前のめりになって敵の帽子を取りに行ったところ、バランスがくずれ騎馬から落ちてしまいました。

 活発そうな女の子は落ちた後、シクシク泣き出し立ち上がれません。最後は先生が来て、背中をさすりながら抱きかかえられていました。我を忘れて競技に打ち込み、号泣する姿を見ていると、こちらまで目頭が熱くなります。来年は息子も騎馬戦です。今から楽しみになってきました。


さて今月のオススメワイン。
まずは仏・ボルドー、オーメドック地区のシャトー・アルノー05年と、オーメドック・ド・ジスクール05年。最高の作柄だった05年産は、6年を経て市場の在庫も随分少なくなってきました。こういった有名ワインで今05年産を見つけたら、手に入れる最後のチャンスかもしれません。

 しかし、真のお値打ちワインは最高の年の陰に隠れていることが多いのです。サンテミリオン地区グランジュ・ヌーヴ・ド・フィジャック04年。言わずと知れたシャトー・フィジャックのセカンドワインですが、05年の陰にあたる04年産をお買い得価格で見つけました。7年を経た飲み頃の旨味と、良い生産者に共通する中身の詰まった味わいが楽しめます。

 一方こちらは天候の良かった09年の陰にあたる08年産。コート・ド・カスティヨン地区のシャトー・ロック・ル・メイン08年は完熟したふくよかな果実味がたっぷり。フレッシュな風味を今開けて楽しむか、数年間買ったことを忘れて熟成香が開いてくるのを待つか、どちらも美味しくいただけるでしょう。

 所変わってブルゴーニュ。この地区で白と言えばシャルドネ種ですが、僅かですが他の品種も栽培されています。サンブリ村のゴワソ家が造るソーヴィニヨンブラン種09年。この品種特有の柑橘類を思わせる酸味と、09年らしい完熟した果実味が見事に調和しています。

 もう一つはムルソー村に暮らすミッシェル・ブーズロー氏が造るアリゴテ種08年。一般に酸味が強く果実味が弱い印象のアリゴテ種ですが、彼のワインはふくよかな果実味を持ち、木樽熟成させることで奥行きと風格のある味わいを備えています。この二つのワインは久々に唸ってしまう程のインパクトがありました。

 フランス以外ではスペイン・ウティエル・レケナ地区のマ・デ・バザン クリアンサ04年。3品種をブレンドし樽熟成させたことで、豊かでバランスの良い果実味と複雑さを合わせ持っています。予算はないがチョッとおいしい赤が飲みたい時には最適の一本でしょう。

 一方白はドイツ・モーゼル地方ユルツィヒ村シュロス・コブレンツ社がリースリング種で造るQbAトロッケン(辛口)10年。この品種特有の白い花やケミカルな香りに、完熟した果実味と豊かな酸味が舌の上ではじける様に広がります。お刺身の醤油にレモンを数滴搾り、このワインと刺身を合わせていただくと意外な相性の良さを体感できると思います。

 「オープン・アップ」シリーズのワイングラス。グラスの上部が狭まった独自の形は香りを捉え易く、特にプロ・ティスティング(試飲用)に水道水を入れていただくとカルキ香がはっきりと感じられるほどです。グラスの生地が新素材の強化ガラスで強く、価格も高くない為、家庭用にも業務用にもお勧めできます。