別れというのは突然やってきます。
今年で製造後22年になる愛車ルノー・キャトルですが、この冬走行中に後ろタイアあたりから異音が、、、工場に行き車をリフトで上げてみると、驚いたことにリアサスペンション・アームの付け根の片方がサビで腐食し、タイヤが斜めになり車体の内側と擦れて削れていました。
いつアームが取れるか、あるいはタイヤが削れてパンクするか分からない状態なので、凸凹を避けてスピードを出さず慎重に走って付き合いのある板金工場に行くと、床を張り換えてアームを直す見積もりは40~50万円。恐る恐る金額を家内に打ち明けると、ニコニコとした顔で「これでキャトルともお別れだね」の一言。
所々穴の開いた床の部分は目をつぶり、アームの付け根だけの修理で安く済まそうと別の工場を何軒か回り、なんとか5~6万で直せる所を北広島で見つけ、家内の承認も得て車を置いてきました。
しかし翌日、その工場から怖い連絡が来たのです。もう片方のリアサスも見てみたら、程度の違いはあれど同様の腐食が見られ、左右を直すと12万円になってしまうと言うのです。
恐る恐る新たな金額を家内に打ち明けると、また笑顔で「両方じゃ仕方ないね、でもこれで諦めがついたじゃない」。その後、家内が実家のお母さんに電話をしたら「これで終わるのね、壊れてくれて良かったじゃない、おめでとう」と言って一緒に喜んでいたそうです。
当然、修理の話しは無くなりました。ただ最後の工場では、パーツをはずし修理に取り掛かっていたのを中止したので、僅かですが工場の方に1万円だけ置いて、瀕死のキャトルを労わりながら慎重に運転して帰ってきました。
妻の希望は3点、国産、オートマ、4駆。それと隙間風が無く、ヒーターで温かくなる車だそうです。性悪女に惚れた私が馬鹿なのでしょうが、家電製品のような車には何故か思い入れが出来ないのです。(来月号に続く)
そして今月のオススメワイン。
ヴァンサン・コシュレルが造るブルゴーニュ規格の赤。6年を経た06年産はフレッシュな果実味が落ち着き少しドライフルーツの風味が出てきました。熟成感と果実味がバランス良く楽しめて、この価格はあり得ません!
シャトー・ド・ラ・クレが本拠地サントネ村で造るクロ・デュ・シャトー07年。5年を経て表情が開き始めた果実味とヴァニラを思わせる上品な樽風味が上手く調和しています。濃度はミディアムですが旨味を伴った味わいは、真のピノ好きがこれだよ!これ!と言うタイプでしょう。
ボルドーからはオーメドック地区のシャトー・モーカイユ・フェルタン00年。オーナーはムーリ村のシャトー・モーカイユですから、仕上がりは手慣れた物。12年を経てもいまだに黒々とした色調を保ち、少し革製品を思わせる熟成香とふくよかな果実味の両方が楽しめるお買い得品。
南仏からはサンタ・デュックが本拠地ジゴンダス村の自社畑で造る08年。この年はそこそこの作柄でしたが、完璧主義のオーナー、イヴ・グラ氏はジゴンダス村の上級品オート・ギャリーグ08年(定価7,140円)の発売を止めて、その良質な葡萄を全部この村名ワインにブレンドしました。
当社でもこのジゴンダス村の08年と09年を比較試飲しました。共に素晴らしいワインですが、08年には09年にない旨味とスパイス感がハッキリと感じられました。しかも08年は09年より400円もお得なのです。今、買うなら絶対08年産をオススメします。
イタリアからはアブルッツォ州の名門マシャレリのワインが、オーナーの来日記念でお安くなって入荷しました。実は昨年日本に来る予定だったそうですが、東北大震災のために延期され今年3月に来日するそうです。
伊ガンベロロッソ誌がこの州の生産者に2★評価を与えているのは、ヴァレンティーニとマシャレリの二軒だけ。是非この機会にマシャレリのワインをお試し下さい。