2013年 11月

私は夜8時の閉店後、残業前に近所で夕食をいただきます。

その日は餃子の「 O 」で定食を食べて、会計でレジへ向かいました。

するとレジの女性が「前のお客様が出された、この一万円玉を知っていますか?」と、

透明なプラスチックケースに入ったコインを見せてくれました。

「日本国、昭和六十一年」と書かれたこのコインが一万円!

私はレジの女性に「これでお釣りも出すのですか?」と聞くと、はいと答えました。

会社に戻りネットで検索をすると、確かに昭和61年に昭和天皇60周年記念で

1万円玉と、さらに10万円玉が発行されたようです。

翌朝の朝礼でこのことを話しましたが、当社で受けた時どう対応するかを決められませんでした。

そこで「 H 」銀行に行き窓口で聞いた所、奥に居た男性行員さんが出て来ました。

原則論から言うと、日本国で発行したお金は額面の金額で通用します。

ただし、小銭で支払う時に20枚以上だと受け取る側が拒否できるように、

あまりに特殊な記念硬貨等に関しては、受け取る側がこの場で確かめることが出来ない事を

お客様に丁重に説明した上であれば、受け取りをお断りしても仕方がないと思われますと言われました。

そこで私は銀行で受けたときの対応を聞きました。

まずATMでは入金できないので営業時間中に窓口での対応となる。

1万円玉に関しては、発行時のプラスチックケース入りの状態だと現金として受け付けます。

でも1万円玉がケース入りでない時と、一緒に発行された10万円玉に関しては

ケースの有、無に関係なく入金ではなく預かりとなり、日本銀行で確認してからの入金となるそうです。

つまり、銀行ですら確認が出来ず、日銀に判断を委ねているのです。

これは商店レベルでは丁重にお断りしても失礼ではない事が分かりました。

私は毎日仕事で現金を扱っていますが、一万円玉の存在すら知らず発行後27年も経って初めて現物を見ました。

皆さんは一万円玉を見たことがありますか?

さて今月のオススメワインです。

北海道からはふらのワインで人気の赤、羆(ヒグマ)の晩酌(バンシャク)。

涼しい北海道で濃くて強い赤ワインは少ないですが、こちらはしっかりとした味わいを持ちジンギスカンにも最適な赤です。

次は札幌の藤野ワイナリーのナチュラルスパークリング・ナイアガラ。

野生酵母を用いた醸造過程では極力、酸化防止剤を使わず、熟成後ノンフィルターで瓶詰め。

底にオリが溜まり、フルーティな果実感と、にが旨味が調和した味わいは、化粧無しで素顔のままのような印象です。

そして栃木県ココファームの白。

今は岩見沢でワイナリーを始めた、ブルース・ガットラヴさんが20年働いていた職場です。

余市産の白葡萄を中心に、山梨や日本各地の葡萄をブレンドした白は、 野生酵母による発酵とは思えない程

クリーンで果実感が楽しめます。割高な国産葡萄だけで、この品質と価格は信じられません。

仏ボルドー地方からは、フロンサック村のシャトー・フォントニル09年と、 カスティヨン地区のシャトー・ロック・ル・メイン09年。

共にメルロ種主体で最良の年09年産だけに、ふくよかで柔らかなメルロ種の魅力がたっぷり楽しめます。

ブルゴーニュ地方からは、ジャン・ルイ・カンソンのシャルドネ種の白と、ピノ・ノワール種の赤。

最安値と言ってもいい程の価格ですが、味わいにはブルゴーニュの心意気が感じられます。

芳醇とまでは言いませんが果実味と酸味のバランスが良く、現地で味わう気取らないテーブルワインのようです。

もう少し上等なワインを望む方には、ボーヌ村のエマニュエル・ジブロが造る赤、白。

ここのボーヌの村名付きワインは楽に5000円を越えますが、

村名を名乗れない村の境界線外側の畑のワインが特別価格で入荷しました。

ビオディナミ栽培、天然酵母による発酵、古樽での熟成を経たワインは、

澄んだ果実味に酸味とタンニンが乗った薄旨系の自然派スタイル。

お食事と共にゆっくりと味わっていただきたいワインです。

少し枯れ始めた位の熟成ワインがお好きな方には、シャンボール村のモド家が造るブルゴーニュ・赤で04年。

濃さ強さよりも、キノコや腐葉土を思わせる熟成香がお好きな方にお勧めします。

南仏からはサンタ・デュックが造るコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ07年と、ヴァケラス村05年。

共に南仏にとって最高の天候だった07年と05年産が、熟成し飲み頃となって入荷しました。

凝縮した果実味とスパイス感に、アルコール辛さが溶け込み熟成旨味が開き始めています。

大きめのグラスで、芳醇な熟成香を楽しみながらゆっくりと味わいたい、そんなとっておきの赤ワインです。

さて、南仏といえば赤でした。ところが近年は白や泡と言った、涼しい北の産地が得意とするワインにもどんどん参入しています。

リムー村のロレンスが造るクレマン(泡)・ド・リムーと、ルーション地方のガルディエが造るコート・カタランヌ地区の白、マ・ラ・カーブ。

特にリムー村の泡の品質向上は現地でも有名で、シャンパーニュ地方は別としても

ロワール地方やブルゴーニュ地方でクレマンを造っている生産者にとっては、かなりの脅威になってきているようです。

そしてルーション地方で素晴らしい赤を造っているガルディエが造る白の入門ワインがマ・ラ・カーブ。

完熟した果実味は当然としても、味わいを引き締めるミネラル感と品のある澄んだ味わいは生産者の力量でしょう。

オリーブオイルやハーブを使った前菜に最適な白ですよ。

イタリアからはピエモンテ州セッラデナリのバルベラ・ダルバ07年。

作柄の良かった07年産が6年を経て熟成香が広がり、練れた味わいが楽しめます。

インパクト系ではなく、薄旨系がお好きな方にお薦めします。

イタリアの泡ではメディチ・エルメーテが造る微発泡のランブルスコで甘口と辛口。

私の泡の好みは辛口タイプですが、イタリアのランブルスコだけは甘口が好み。

でも、メディチ家のランブルスコは辛口でも風味豊かで、初めて甘口、辛口の両方が美味しいと思いました。

スペインからはテラ・アルタ地区のエデタリアが造るヴィア・テッラの白。

南仏でもガルナッチャ・ブランカ種は栽培されていますが、

このエデタリアが造ると豊かなミネラル感と品のある味わいで、飲んでいても背筋を伸ばしたくなる感じです。

スペインの有名産地でも、有名葡萄品種でも無いですが、一人で黙々とガルナッチャ・ブランカ種に命を懸けているのでしょう。

チリからはマイポ地区のケブラダ・デ・マクールが造るドムス・アウレア。

とにかくボルドーの赤がここまで高くなると、アラブの石油王でもなければ一級格付けのシャトーなんて飲めません。

でもたまには、歯が黒くなってもフルボディの赤を飲みたい方にお薦めする赤です。

ここまで高くなくても、と言う方には「アルバ・デ・ドムス」という名の、ここのセカンドワインがほぼ半額でなかなかの出来です。

ビールでは個性派ビールの国ベルギー・ストラフ社のトゥバック330ml。アルコールは9.5%もあります。

この国のビールは修道院や家族経営の小規模生産者が多い為、

個性豊かな味わいで価格も高めですが、今回はほぼ半額に近い特別価格で入荷しました。

麦の味わいが濃厚で、焼く前のパン生地をそのまま飲んでいるようです。

ワイングラスに注いで、香りと共にゆっくり味わいたいビールでしょう。

食品からはフランス・ラベリ社のテリーヌとリエット。

こういった肉の加工品は一般家庭ではなかなか作れないものでしょう。

これとパン・ド・カンパーニュやフランスパンがあれば、鼻血が出るほど食べたくなる美味しさです。

食べる分だけ瓶から出し、室温に戻して頂くと更に美味しくなります。ただ開封後は変質が早いので、

スプーン等で表面を均した上からオリーブ・オイル等をかけて、油で蓋をすると酸化の進行を防げます。

北海道栗山町にあるパン工房「栗の木」のスティック・ブランで、プレーンと、黒千石風味。

道産小麦の全粒粉に、小麦ふすま(ブラン)をたっぷり手で混ぜ合わせて生地を作り、カリカリに焼き上げた手作りの焼き菓子です。

香ばしい小麦ふすまの風味が引き立つ素直な味わいは、子供から大人まで誰もが好きなタイプで、

チーズやワインとも良く合います。そして当然、小麦ふすまは植物繊維やミネラル、ビタミンが豊富。

「ワークセンター栗の木」のホームページを検索していただくと、手で1本づつトレーに並べて焼き上げる様子が写っています。