8月の休日、彫刻家・安田侃(ヤスダ・カン)の公園で知られる美唄の「アルテピアッツァ」で行われた、
「アン・サリー」のコンサートに家内と二人で行ってきました。
夫婦で音楽の好みは異なりますが、女性シンガーのアン・サリーは
お互いに好きで、家でも、当店でもCDをよくかけている程。
コンサートの当日は少し早めに家を出発し、まず向かうは札幌の東屯田通りにあるサンドイッチ店「サンドリア」。
24時間営業のこのお店は、何時行っても、何人ものお客さんがいて、
お店の奥では5~6人の定員さんが、黙々とサンドイッチを作っています。
ここでサンドイッチを数個購入し、美唄へ向かいます。
コンサート会場はアルテピアッツァ公園内にある廃校になった小学校の体育館。
その前に公園の芝生に座ってサンドイッチをいただきます。
当日は晴天で日差しは強いですが、カラっとした北海道らしい夏の一日。
丘陵地帯で高低差のある公園を、時折、森からの涼しい風が流れて来ます。
体育館の横には浅い水辺もあり、地元の子供たちが楽しそうに水遊びをし、
体育館の開いた窓からはリハーサルの歌声が聞こえ、
ここはエデンの園か、天国かと思うほど心地良いランチタイムになりました。
そのゆったりした流れの中コンサートが始まります。
今日のメンバー、若くて少々太っちょなピアニスト小林創(ハジメ)、
思慮深いフレーズを奏でるスリムでナイスミドルなトランペッター、飯田玄彦(ハルヒコ)と、
アン・サリーの3人。声はマイクとアンプを通しますが、楽器はアンプを感じさせないアコースティックなトーン。
彼女は声量で歌うタイプではありませんが、
爽やかな歌声はドーム型木造体育館の響きと相まって、優しく会場を包み込んでいます。
若いピアニストの元気一杯で、溌剌としたフレーズを、
柔らかく包み込む歌声と、管楽器は、まるで親子で演奏しているかように感じました。
僕はもう少し日本語以外の歌が聞きたかったけれど、歌の詩を重視する家内は大喜び。
とても素晴らしい夏の一日を過ごす事が出来ました。
最後にアルテピアッツァ美唄はとても良い公園でしたので、
コンサートやイベントが無くても、安らぎを求める方にはお薦めします。
さて今月のお薦めワインです。
地元北海道からは奥尻島、奥尻ワイナリーの1番人気ピノ・グリ13年。
たっぷりした果実味とミネラル感、そして自然酵母からでしょうか、少し酸化したニュアンスも感じます。
道内の葡萄生産者が畑の植え替え時にはソーヴィニヨン・ブラン種を増やす話をよく聞きますが、
私は北海道にはピノ・グリ種も有望なのではと最近思っています。
そして、三笠市山崎ワイナリーからやっとワインが入荷しました。
タンク発酵シャルドネ種と、樽発酵シャルドネ種。
共に涼しい環境で育ったシャルドネ種らしく果実味と酸味がたっぷり。
樽の方でもヴァニラ香は穏やかで、ピュアで引き締まった味わいが楽しめます。
次は池田町の十勝ワインで、貴重な山幸種のアイス・ワイン。
200mlで4000円は安くはありません。
でも葡萄の木に鳥防止用のネットをかけて12月までじっと待ち、
一番冷え込んだ日(多分マイナス15度以下)に凍った葡萄を収穫し、
水分が融けないよう直ぐに搾るのは誰もやりたくはない仕事だと思います。
収穫した池田町職員さんの気持ちになって、じっくり味わってください。
次は仏ボルドー地方から、オーメドック地区シャトー・ラネッサン06年のハーフサイズ。
定価1600円が半値に近い価格で入荷しました。
8年を経て果実味とタンニンが調和した飲み頃ワイン。これは早い者勝ちです!
オーナーが革製品とスカーフで知られるエルメス社になって評価を上げている、シャトー・フルカ・オスタン04年。
ここの内陸部にある畑は、タンニン豊かなスタイルの赤を安定して造っています。
10年を経てタンニンと果実味が調和してきた04年は、まさしく熟成ボルドーの味わい。
この価格でしたら大変お買い得だと思いました。
自然派のワインが少ないボルドーで、400年以上化学肥料や農薬を使っていないシャトー・ルピュイ。
ここのセカンド・ワインが特別価格で入荷しました。
自然農法に多い薄さを感じさせず、詰まった味わいで、同時に自然農法特有の澄んだ味わいも楽しめます。
この11年産は、今からでもフレッシュな果実感で美味しくいただけます。
ポイヤック村のシャトー・ピション・バロンのスタッフが手掛けたボルドー規格の赤、キャップ・ロワイヤル。
作柄の良かった10年らしく濃さ強さと、樽からのスモーキーな風味を持っています。
多分、熟成にはピション・バロンで使った上質な樽を使っているのでしょう。
白ではシャトー・オー・ブリオンのスタッフが造るボルドー規格の白、クラレンドル・ブラン12年。
完熟したセミヨン種主体で、干しアンズの風味が楽しめます。
最近私は3000円以下の白でしたら、ブルゴーニュよりボルドーに当たりが多いと思っています。
そして、今「買うな!」と言った舌の根の乾かぬうちに、
お薦めするブルゴーニュの白はオーレリアン・ヴェルデのシャルドネ11年。
先代から有機栽培を実践し、息子は更に酸化防止剤の量を減らし、努力を続けている生産者。
ミディアムで澄んだ果実味と上品な樽の風味は、自然派のワインである前に、とても美味しいワインです。
次、ジュヴレ村のドニ・バシュレが造るアリゴテ種08年は、何と樽で発酵、熟成させた贅沢なアリゴテ。
この品種の白は、薄くて酸っぱいだけと思っている方にこそ、味わっていただきたい白。
樽風味だけではなく、低収量からの豊かな風味と骨太の酸味は、
生産者が品種の植え替えをせずに、アリゴテ種でワインを造り続けている理由でしょう。
ブルゴーニュ赤では、ドメーヌ・ルーのサン・トーバン村レ・ボーパン畑11年。
有名な村でもなく、偉大な年でもなく、凝縮した果実味やカカオ風味の樽もありませんが、
混じり気のない、澄んだサクランボの風味に私は一目ぼれしました。
現地で愛されるピノ・ノワールって、案外こんなタイプかもしれません。
モンテリー村ポール・ガローデの1級デュレス畑09年。
5年を経てチェリーの果実感と、芯のあるタンニンが混じり始め、もう少しで旨味と熟成香も開きそうな気配。
この時期、必死にグラスをスワリングしながら、まだか、まだかと飲むのも楽しいですし、
買って1~2年待つのも期待が出来そう。
南仏からはファーゲロールのシャトーヌフ・デュ・パプ10年。
立ち上るドライフルーツと、黒コショーの香り。
そして果実の甘みと、スパイスと、アルコール感が舌の上で広がります。
これはまさしく南仏の良く出来た赤。
食事を選ばず、誰もが美味しく飲めて、紋章入りの立派な瓶は、宴会の差し入れに最適だと思います。
次は自宅用にもう少しお安い、南仏の赤、ラングドック地方のシャトー・フォンドゥース06年。
シラー種とグルナッシュ種の赤は8年を経て、干し草やトリュフを思わす熟成香が広がります。
果実味とスパイスとアルコールが調和した味わいはまるで「ガラナ」。
煮込みやハーブを使った料理にピッタリです。しかも、この価格をご覧ください、驚きませんか?
そして、さらに安価で、美味しい赤。
マラール・ゴーランのグリニャン・レ・ザデマール地区(数年前まではコトー・デュ・トリカスタンと呼ばれた)の赤11年。
グルナッシュ種や南仏系品種がブレンドされた赤は、タールやスパイスの香りが立ち。
味わいは、果実とスパイスが入り混じった「ガラナ」の風味がこちらでも楽しめます。
もう間違いなく、今月の旨安大賞の赤です。
お値打ちシャンパーニュは、ジャマール社のカルト・ブランシュ。
私はシャンパーニュで、ピノ・ムニエ種が多い物は苦手なのですが、このジャマールはムニエが95%!
試飲する前から「多分嫌いだ」と思っていましたが、味わうと一般的なムニエの風味が無く、
完熟感と酸味が楽しめる、良く出来たシャンパーニュでした。これはお値打ちです!
イタリアからはシチリア島、ザブ社の赤ワイン2種。
イル・パッソは普通に発酵させたワインに、干した葡萄を加えて再度、醗酵させた赤。
濃縮した果汁と二度の発酵で、ちょっと複雑な味わいが楽しめます。
そしてインパリはザブ社の最高区画の完熟葡萄だけで造られ、強烈な濃度と強さを持っています。
フルボディ・タイプがお好みの方には一押しの赤です。
スペインからは老舗のカヴァの生産者ボイーガスのレセルヴァ。
普通のカヴァは1000円台が多いですが、さすがにこの味わいは格の違いを感じました。
複雑で幾重にも感じられる味わいは、長期熟成だけではなく、ブレンドの妙味がなせる技でしょう。
アメリカからは、「ガガ」という名の白、とロゼ。
この名前に、レディー・ガガ本人が飛びつき、今はブランドごとガガさんに売却済み。
そこでワイナリーに残っていた最後の在庫が、日本にやって来ました。
共に4~5年を経ていますが、ひねた感じは無く、逆に各品種が調和をして、とても美味しくなっています。
カリフォルニアのピノ・ノワールは、生産者が名門ブエナ・ヴィスタ社。
イチゴとチェリーの果実味をアルコール感が引き締め、全体を木樽の風味が包み込んでいます。
当然、大柄でブルゴーニュとスタイルは違いますが、
ゴージャスなこの味わいでこの価格ですから私も大満足です。皆さんも一度お試しあれ。最後はスペイン産ノンアルコール・ビールのアンバル・グリーン。
アルコールは0.04%でゼロではないそうですが、味は甘さが感じず殆どビール。
これは良く出来たノン・アルコール飲料だと思いました。