2017年 10月

9月の定休日に、店内の空調設備の点検・洗浄をしました。

当社が扱っているのはワインですから当然、空調には気を使います。お客様の店舗部分は1階だけですが、地下と2階は商品庫で、業務用エアコンが全部で6台。エアコンとセットの熱交換器も5台。この11台と、屋外の室外機4台も洗浄してもらいました。

店を移転して10年目。この場所は元、大手ハンバーガー・チェーンの店が入っていた為、各階には大きな業務用エアコンが2台づつ設置され、今は熱の出る厨房が無いので元の機材のままで十分だろうと、そのままで営業しました。

しかし夏場は思ったように室温が下がらず、その後に空調機器の清掃を実施しましたが効果も感じられず、結局は1階のエアコン2台と室外機を交換してやっと店内温度が下がりました。しかし、地下と2階部分は元の設備のままなので、いつかは手を付けなければ、と思っていました。

今回は清掃だけでなく今の空調設備の状態も判断してくれるような業者さんを探していると、昨年のエアコン洗浄3,000台、エアコンの修理、施工100台という業者さんを見つけました。ホームページから見積もり依頼をすると、誠実そうな営業の方が来て店の設備を見に来ました。その方の話しを聞いていて、空調の専門家らしい信頼感があったので、私は直ぐに洗浄を依頼しました。

そして当日、その営業担当の方と他6人の計7名が、揃いのユニフォームを着て朝8:30に集合して作業が始まりました。前回の清掃時も私は立ち会いましたが、天井に埋め込まれたエアコンのボディを外し、ビニールで囲んでから掃除機でフィルターのゴミを吸い取る作業でした。

しかし今回はボディだけでなく、本体を分解しプロペラやモーターを外してエアコン内部のラジエターをむき出しにします。その周りをビニールで囲い、車の洗車に使うような高圧ポンプで洗剤を噴射して汚れを落とします。本来ラジエターはアルミ地金の色でシルバーなはずですが、うちのは油と埃で真っ黒。これでは空気がラジエターを通過できず、冷却効果が出なかったのが一目でわかりました。

作業をした方が、「この汚れは油なので、以前のハンバーガー店の汚れだろう」と言っていました。噴射した洗浄水はタールの様に真っ黒で、ビニールの中を通ってバケツにどんどん溜まります。外されたフィルターやプロペラは、大きな桶の中で丁寧に洗います。こうした流れ作業が夕方の5時過ぎまで続き、全ての機械の清掃が終わりました。

そして恐る恐る、地下と2階に設置された古い機械の寿命を聞いたところ、今回の洗浄でもう何年かは使えるだろうと言われました。業務用のエアコンは当然高額で、それを何台も交換すると多分2~300万円にはなるでしょう。私は後2~3年は頑張ってね、と機械にお願いしました。

そして今回依頼した、日美装建さんのプロの仕事には感謝しました。当社の主な納品先であるレストランさんは、厨房があり油汚れも多いと思います。フィルター、ラジエーターが詰まると、冷気が出なくなり、その結果モーターは止まることなく回り続ける為に、故障してしまうそうです。時々、空調の点検、洗浄をお薦めします。

それでは今月のお勧めワインです。

今年もヌーヴォーの季節がやってきました。シャトー・カンボン(M.ラピエール)ボージョレ・ヌーヴォー。有機栽培ボージョレ・ヌーヴォーの代表格シャトー・カンボンが昨年よりもお安くなりご紹介です。雑味の無いきれいな味わいは故ラピエール氏の伝統をしっかりと受け継いでいます。

今年の新顔は、ジョヴェール(ジュンコ)ボージョレ・ヴィラージュヌーヴォー。元ドメーヌ・ボワルカのオーナーだった新井順子女史がブルイィで葡萄の摘み取りから醸造まで丹念に行います。急勾配な畑、ポン・デュ・ディアブルからの出汁系旨みのきいたヌーヴォーをお楽しみください。

イタリアからは、大人気ファルネーゼのノヴェッロ(新酒)。ボージョレとノヴェッロの違いはノヴェッロはイタリア全土で造られ、品種も規定がないので、その生産者の個性、地域性が反映されています。南イタリアの太陽の恵みをたっぷりと感じられる、濃厚な果実の味わい。新酒ならではのフレッシュ感と葡萄の凝縮によるフルーティさがマッチして、飲みやすいけれど飲み応えのある味わいとなっており、それゆえ、ワイン初心者から幅広い層に人気があります。

フランス・ブルゴーニュ地方シャトー・ド・サントネが造るメルキュレ村の赤。除草剤に頼らず耕作するとともに、草生栽培を施して土壌の微生物層を活性化するなど、ビオロジック栽培を実践しています。また、ワイン醸造は伝統的な手法を取りながらも、空気式圧搾機や自動ピジャージュなど、常に最新の設備を投入し、テロワールの特徴を最大限引き出す醸造が行われています。グレート・ヴィンテージの2010年産。熟成感が程良い、エレガントなワインです。

南仏からは最高峰のシャトーヌフ・デュ・パプを造るジャナスがヴィオニエ種100%で造る白。2015年はローヌ地方はグレートヴィンテージで、ボリュームのある果実味があり、ワインアドヴォケイト誌で90点の高評価。凝縮感と風味の豊かさは同じヴィオニエ種で造られるコンドリューを彷彿とさせ、この価格では驚きの上質な味わいです。

ロワール地方からは、アルフォンス・メロ・サンセール・ブラン。ロワール川上流域でビオディナミ(自然農法)を実践する生産者で、凝縮と樽熟成による複雑さが楽しめます。このワインが僅かにラベル不良があり特別価格となりました。次の16年は雹害のため、この地域は収穫量が少なく価格が高騰しています。中身勝負というお客さまにもってこいのワインです。

同じロワール地方でマルク・ブレディフのヴーヴレ村の白。マルク・ブレディフは、1893年エルネスト・ブレディフ氏によって創設されました。1980年にパトリック・ラドゥセット男爵に引き継がれ、これまでの伝統に新たな技術を導入し飛躍的な発展を遂げています。完熟したシュナン・ブラン種からの蜜のような香り、柔らかい果実味と強すぎない甘みが絶妙なバランスで、まったりと飲みたい時におすすめです。

アルザス地方からは老舗ワイナリー、ヒューゲル社が造るお手頃な白ワイン。アルザスの高貴品種を組み合わせて造られたジョンティは、 ゲヴュルツトラミネール種、ピノ・グリ種、リースリング種、ミュスカ種、シルヴァネール種の品種の個性を見事に調和させた逸品。輸入元希望小売価格2,100円が特別価格で入荷しました。

イタリアからはバローネ・ピッツィーニのスパークリング・ワイン、フランチャコルタ。シャンパーニュを凌駕するほどの上質なスパークリングワインを産出するフランチャコルタから、30ヶ月の瓶熟成を経て造られた極辛口のブリュット・ナチュレ。ワイナリーは環境に配慮した有機栽培に力を注ぎ、葡萄本来の個性を味わうワイン造りをすすめており、年々評価を高めています。2013年産はシャルドネ種60%とピノ・ネロ種40%のブレンドで、構造がしっかりとした、風味豊かな味わいになっています。

イタリアの赤では、ラ・ソガーラのコミス。アンナベルタ社の別ブランドであるソガーラは、ヴェネト州ヴェローナの方言で”ソゲ”という言葉からきています。これは畑で葡萄の枝を束ねるために使っていたロープを指します。昔と現代を繋ぐ、また大切な友人との絆を繋ぐという意味が込められています。コルヴィーナ種、コルヴィノーネ種、カベルネ・ソーヴィニヨン種の3品種のブレンドが、バランスよくまとまり、飲みごろのおいしさが楽しめます。

次は超お得な、でかボトル入りワイン。エミリア・ロマーニャ州産の葡萄から造られる、モンテベッロ・サンジョベーゼ(赤)と、トレビアーノ(白)。2本分の1,500mlボトルで、香り高くバランスの良い赤と白が超特価980円!! この価格は見逃せません。BBQでもクッキング用でもこれ一本で大丈夫。質も量も兼ね備えたデイリーワインです。

イタリア中部のウンブリア州で有機栽培と、自然派の醸造を実践しているバローニ・カンパニーノ。ロッソ・ダ・ターヴォラはここのワインで入門編の赤。世界遺産アッシジの裏山で有機栽培の葡萄から造る風味豊かなワインですが、定価2、200円の品が、輸入元で扱いをやめる為に終売特価でご案内です。完熟した葡萄からの旨みと、果実味の豊かさが印象的な一品です。

シチリア州からはヴィニエティ・ザブがグリッロ種から造る白。グリッロ種はマルサラ酒用の葡萄でしたが、近年のクリーンな醸造法により、現在ではシチリアを代表する白ワイン用品種となりました。サンブーカのアランチョ湖周辺の畑からのグリッロ種をやわらかくプレスした後、香りを引き出すために低温で発酵。熟成はステンレスタンクで行います。華やかな果実の香りに、フレッシュでありながら厚みがあり、後味には心地よいほろ苦さを感じます。

スペインからはボデガス・ランガの白。ここでは代々受け継がれた畑を大切に管理しながら、1867年に小さな醸造蔵を建て、ワイン造りを開始しました。こちらのπ(パイ)は、標高900メートルの高地畑で栽培されている、樹齢60~80年の古木ガルナッチャ・ブランカ種を使用。凝縮した果実味、落ち着いた酸、豊かなミネラル感でなめらかな口当たりです。スモーキーでミネラリーな余韻が続き、心身ともに解きほぐされるような感覚を楽しめます。このワイン、個人的には「ぎょうざ」に最適と思っています。皆さんも一度、スペインのガルナッチャ種白と、ぎょうざをお試しください。

スペインで力強い赤を生む、トロ地区。ここで人気の生産者ボデガス・マツのエル・ピカロ。「マツ」という名は、日本語の「待つ、松」からわびさびをイメージしてつけた名前で、日本人にはとても親しみやすい生産者名です。このエル・ピカロはバリックで発酵し5ヶ月ほど樽熟成したタイプ。若々しい青年を表すラベルの通り、豊かな果実味に満ち溢れ、ジューシーな香りと力強い味わいの赤ワインです。

ドイツからは20年以上熟成した古酒です。廃業したモーゼル・シルト社が持っていた94年産白が当時と変わらない価格で入荷しました。エルデン村で最高の畑、トレプヒェンの斜度は約75%、モーゼル渓谷の中でも最も険しい斜面に広がっています。畑の向きは南南東。さらに樹齢の高い葡萄がワインに独特の個性とスタイルを与えています。今回は完熟を待って遅摘みしたシュペートレーゼ規格のワインを、甘さ控えめにに仕上げた「ハルプ・トロッケン」タイプです。

次は近年、注目されるポルトガルから、ソラール・ドス・ロボスの白。産地はポルトガル南部のアレンテージョ地方で、2002年に設立された若いワイナリーです。父から引き継いだ、娘のフィリパ女史が、最新の技術と女性ならではの感性で品質の向上に努めています。品種は地元品種と、仏系品種の計4種のブレンド。このブレンドが上出来で、柑橘風味の切れの良い辛口ですが、完熟した葡萄の果実味が感じられ、余韻も楽しめます。女性らしいイラスト風な可愛いラベルも、とってもキュート。

こちらも注目の産地、南アフリカから、フェアヴァレー社が造るピノタージュ種の赤。元の小作人である、黒人労働者達が共同で独立し、誕生した初のワイナリー。アパルトヘイト撤廃後の象徴とも言える、革新的なワイナリーが造るコスパの高い赤ワイン。南アフリカのオリジナル品種であるピノタージュ種100%で、豊かな果実味とスパイシーさが楽しめます。空気に触れさせることで全体のトーンが落ち着き、まとまり感が生まれるので、時間をかけて楽しむこともできます。

今度は大人気チリ産のエスピノ・ピノ・ノワール。フランスの辛口評価本「クラスマン」誌が、最高の3つ星評価を与えるブルゴーニュの生産者はわずかに15軒。その一人である、シャブリ地区のフェーヴル氏がチリで造るワインです。全体の40%はグリーンハーベストで収量制限し、完熟した集約のある葡萄に仕上げます。発酵後は、一部をフレンチオーク樽で熟成させますが、多くはタンクによる熟成。収穫も16年産と若いですが、香りにキノコや腐葉土を思わせる熟成香が感じられます。チリ・ワインでも、フランス人が造ると、何故かチリっぽく無く、フランス風に感じてしまいます。

次は食品からで、ギリシャのオリーブ・オイル2種類。この二種はよくあるオリーブの品種違いではなく、海側の産地と、山側の産地で区別しています。香り高く爽やかな味わいの海側と、ふくよかでコクのある山側は、 お料理やお好みで使い分けできます。良質で知られるギリシャのオリーブですが、ネックは高価なお値段。そんな中で、750mlで1,500円は絶対おすすめです! サラダやマリネには海側オリーブを使い、お肉や魚に合わせるなら山側がお薦めです。またこの価格ですので、揚げ物やいため物のオイルに使うと、上質な仕上がりになります。

最後は北海道の「風土火水」のお味噌。原料は北海道十勝の有機大豆に、無農薬・無化学肥料栽培したななつぼし玄米と、天日塩。この最高の原料を、日本で最高の自然派味噌の造り手、福井県のマルカワ味噌に依頼しました。1年間かけて仕込まれた、本物の味噌をお試しください。