2018年 7月

今月は寄合(よりあい)のお話。

私が30代の頃は今よりずっと自分勝手で、皆が共同で何かを進める事は若気の至りでカッコ悪いと思っていました。仕事や家の事での集まりでは、会費は出しても会合には一切参加せず、自分がしたい事だけ続けて来ました。そんな私も今年59歳にもなって、先輩方から寄合にもたまには参加して下さいよ! と言われて参加すると、私の年齢もあって会の役員を頼まれてしまうのです。

こういった会の多くは3月が年度末で、前年度分の会計監査や新年度の計画等を決める為に、5~6月にかけて年一回の寄合が集中します。各役員が無報酬で寄合に向けて準備をし、会員の方々への書類を作成します。

説明、質疑の後は拍手で採決して、親睦会です。諸先輩のグラスにビールを注ぎ、挨拶をするのは今も得意ではありませんが、私も少しずつ大人の仲間入りをしています。人が集まると、そこには色々な思いや意見が出て来ます。その中でより良い意見を取り入れ、皆で少しずつでも進む事で今の社会が出来ている事が分かりました。

自宅マンションのエレベータに乗っても、今までは殆ど一人無言のままでしたが、寄合の後は自然と挨拶するようになりました。小さな会社でお山の大将になっていると分からない事。人間関係の中で人は成長するという事を、60歳を前にして今頃気付き始めた私です。


さて今月のおすすめワインです。

北海道からは千歳ワイナリーの北ワイン・ケルナー・レイトハーベスト・プライベートリザーブ14年 1/2サイズ。ここは1988年千歳で創業したワイナリーで、 葡萄は余市町登地区・木村農園産のみを使用しています。レイトハーベストはいい年にしか生産されないので、2010年以来となる発売です。マーマレード、蜜の様なニュアンスは疲れた体を癒してくれます。ハーフサイズというのも少し飲みたい時には重宝します。

こちらは余市・平川ワイナリーのスゴン・ヴァン16年。スゴン・ヴァンは、余市にある平川ワイナリーが、高品質のセカンドワインを目指して造られた赤。香りに独自の個性があり、色調の濃さと香りのバラエティーさがあります。一方で味わいはなめらかで、優しいふくらみがあり、きめ細かいタンニンの質感があって飲みやすいです。料理の前では一歩引いた謙虚さがあり、食の味わいを引き立てるワイン。牛肉から豚肉、鶏肉、ジビエを幅広く合わせることができます。


仏ボルドー地方からはシャトー・ロックブリュンヌ・ボルドー16年。カベルネ・ソーヴィニヨン種100%で造られた驚きの旨安ボルドーです。線が細くボディが軽くなりがちなカベルネ・ソーヴィニヨン種を、ブレンドせずに100%で造られているのに、果実味、酸味、タンニンのバランスが良く、厚みのある味わいに仕上がっており、50%をオーク樽(フレンチ&アメリカン)熟成した中には3割新樽を使用するという贅沢な造りをしています。


アルザス地方からはポール・ブルケール リースリング アルザス16年。2ヶ月程欠品していました当社人気のアルザスワインがヴィンテージも新たに再入荷いたしました。フルーティなすっきりとした辛口で、これからの季節に最適なワインで、鱒やイカなど魚介類と良い相性です。


シャンパーニュ地方からは、J-M セレック ソリスト13年。ピノ・ムニエ種100%のシャンパーニュは今では珍しくはなくなりましたが、これは別物です。輸入元主催の試飲会で飲ませていただき、これほどの完成度が高いムニエは初めてでした。単なる果実味主体の味わいではなく、複雑味と綺麗な酸が調和し独自な世界を醸し出していました。シャンパーニュ好きなお客様にぜひお薦めしたい逸品です。


イタリアからはヴェネト州のルイジ・リゲッティが造るプリモ ロッソ ヴェネト16年。創業者のアンジェロ・リゲッティ氏が100年以上前に傑出した生産者として評判を得てから今日まで、高い評価を得ています。コルヴィーナ種だけ1ヶ月ほど、乾燥(アパッシメント)させているので、干したプルーンの様な味わいがありますが、後味が甘ったるくなく、エレガントな果実味がスッと伸びていきます。よくある濃い甘ワインよりも品のある味わいが楽しめます。


泡ではヴェネト州のカヴィッキオーリ社ランブルスコ・ロッソ・ソルバーラ セッコ。これからの暑い季節にぴったりな冷やして楽しめる微発砲性の辛口赤ワイン。ジンギスカンとの相性が非常に良く、弊社でも人気の高いランブルスコに新商品が入荷しました。ソルバーラ種は、軽やかでありながら果実味に芯があり、酸味を基調とした味わいはどことなくピノ・ノワール種にも似た感じがあります。


南のプーリャ州からはロッカ・パリィアーラ アパッシメント・ロッソ16年。このワインの造り手ボッター社は1928年にヴェネト州に設立されました。アパッシメントとは、イタリア語で葡萄の乾燥を意味します。干して旨味を凝縮させた葡萄からは、強くて複雑な味わいのワインが出来上がります。豊潤なボディと上品なタンニン、程良い酸味とほろ苦さが、濃密ながら飲み疲れしないバランスを生み出しています。


スペイン・アラゴン地区からは、ガバルダ セレクション15年。カリニャン種85%、ガルナッチャ種15%のワインをアメリカ産、フランス産のオーク樽(50%ずつ)で10ヶ月熟成させました。ワインアドヴォケイト誌で90点獲得のスペインワインといえば濃度勝負と思いきや、上品な樽香とエレガントな果実味が楽しめる品のあるスペインワインです。

スペインと言えば赤ワインのイメージですが、こちらは白の良品でトビーア ダイモン・ブランコ リオハ15年。ふくよかで豊かな果実味と、木樽熟成によるバニラ、ナッツ、スモーキーな香りが融合し満足度の高いワインに仕上がっています。シンプルな塩味の焼き鳥に最適です。


カリフォルニア・ナパからはフランシスカン社カベルネ・ソーヴィニヨン15年。ナパ・ヴァレーの中心に構えるフランシスカン・エステートは、カリフォルニアで最も愛され敬意を表されるワイナリーのひとつです。今でも何百もの区画の中から選ばれた、最良の区画のみで収穫された葡萄を使ってブレンドしています。カベルネ・ソーヴィニヨン種には最上級のロットのみが使われているため、ワインに強さ・凝縮感があり、濃いワインがお好きな方にオススメです。ステーキや煮込みハンバーグ、すき焼きと相性が良いです。


ニュージーランドからはフライング・キウィ ピノ・ノワール16年。ニュージーランドでは上質なピノ・ノワールが産出されますが、美味しいと思えるものは大体3~4千円してしまいます。そんな中で見つけた大変お買得感のあるピノ・ノワール。オーク樽の香ばしい風味が楽しめ、樽のロースト感にも負けない果実味があり、酸味、タンニンとの均整が取れたバランスの良い味わいです。


次はハードリカーのお薦めで、モルト・ウィスキー・ベンロマック10年。ピート、オレンジ、焦がした麦の香ばしい香り、蜂蜜等々、複雑で華やかな香りに、骨格がしっかりとした麦の風味とオロロソ・シェリーの味わいが口中に広がります。スコットランド・スペイサイド地区の新星といっても過言ではない逸品です。


こちらは札幌・澄川の紅桜公園内に出来た蒸留所のクラフトジン9148(ロットナンバー0101)。18年の春から生産を始めて間もないのに、この味わいの完成度は驚きです。ヨーロピアンスタイルを思わせるコクのある味わいは、一度飲むと病みつきになりそうな雰囲気です。正直言って高いジンには懐疑的だった私の固定概念を打ち砕いてくれたジンでした。ハードリカーがお好きなお客様にオススメです。


次は食品から、良質なドライ・フルーツの専門店、タツヤのフィグ・ブランシュ(白いちじく)。美容、健康にも良い乾燥イチジクは積極的に頂きたいのですが、なかなか日々の生活では取れにくいので、我が家では透明の保存瓶に入れて、キッチンで見える所に置いています。横にはナッツを入れた瓶。目につくとおやつがわりに自然に手が伸びます。


次はナッツの専門業者・豆豊のカップ入り日本酒アーモンド。この日本酒アーモンドには一体なにが合うか?店にあるお酒と合わせてみました。その結果は、やはり日本酒!特に純米酒でした。アーモンドに酒粕をコーティングしたおつまみは、酒粕の香りを楽しみながら、純米酒をいただきますと、まさに相乗効果バツグンでした。また熟成させた甘口シェリーとも良く合いました。両方の甘さがひとつになって、深みのある味わいをお楽しみいただけると思います。