やはり、今月は9月に起きた地震のお話。
9月6日は仕事が終わらず、残業中の午前3時過ぎに揺れが始まりました。直ぐに止むかなと思っても揺れは止まらず、 オイオイまだ続くのかと感じ、こりゃまずいなと少し怖くなった時に、 「ガシャン」と瓶の割れる音がして、受け身の気分から我に帰りました。
揺れが収まり見に行くとワイン数本が床に落ちて割れています。家内に連絡すると、家は被害はなく大丈夫と聞いたので、私はそのまま店に残る事にしました。間もなく停電になりましたが、非常灯が点いたので懐中電灯を持って店内を見回ると、幸運なことに店の1階と地下は破損が無く、2階の数本のみ。水道も出たので、暗い中でモップとバケツを持って2階を何とか片づけました。
さて、外の様子はどうなっているか気になり、4時過ぎに電灯を持って外に出てみるとネオンの街は真っ暗。明かりは時々走ってくる車のライトだけで、 皆がスマホの明かりで慎重に歩いています。ニッカの大看板のあるススキノの交差点に行くと、100人以上の人が呆然とした表情で歩道上に座り込んでいて、パニック映画かゾンビ映画のようでした。暴動が起こってもおかしくない雰囲気で心配になり、店に戻り仮眠をしようと横になりました。
1時間ほど仮眠していると、朝6時前に「ガー、ゴー」と音がして目が覚めました。窓から外を見ると、朝日の中で飲食店の生ゴミを集めるゴミ収集車が作業をしていました。
普段はこの収集車を見ても何の感情も湧きませんが、全てが止まった街の中をいつも通りに収集作業を行っているのを見て、地震が起きても札幌の街はこうして生きているぞ!という熱い思いがこみ上げてきました。起きて通勤用の自転車で街を走ってみると、多くのコンビニは閉まっていましたがセブン・イレブンは開いていました。店内は暗いですが、何故かレジは作動しています。 多分、非常電源等の準備があったのでしょう。
一回りして店に戻る途中、近所のヤマト運輸集荷センターの前で担当の方がいて色々話を聞きました。この停電は送電線が切れたのではなく、大元の発電所の故障が原因で全道が停電となり、復旧には時間がかなり掛かるらしいと。店に戻ると、間もなく専務が自転車で店に来ました。店内を点検後、電気もすぐには回復しないだろうから、今日は臨時休業にしてスタッフに自宅待機をメールで連絡。専務と交代で私は家に帰って寝ることにしました。
その日の夜も私は寝袋持参で店に泊まり、7日朝5時頃に店の電気が点きました。こうして7日の11時から店舗の営業を開始し、業務用の配送業務は8日から始めました。地震から時間がたち、街は少しずつ平常に戻りつつありますが、今も私の耳から今も離れないのは、地震後の朝に聞こえたゴミ収集車の作業音。その音は「どんなに最悪の暗い夜でも、必ず朝は来る!」という気持ちを私に与えてくれました。
地震で被害を受けられた方々には、お見舞い申し上げます。