今月は当然ウィルスのお話。
世界中の人間を不安に駆り立てる事が、これほど容易に出来るとは驚きでした。中国で新型コロナウィルスによる肺炎が増え、同じ症状の患者が韓国と日本でも見つかる。間もなく欧米へも飛び火が始まる。
日本では手洗い、マスク、外出を控える等の呼びかけに、多くの市民が直ぐに対応した事の結果でしょう。日本人はお上からの通達に、一致団結するスピードが速く、今回はそのお陰で、発症地に近かったのに、患者数の増加が比較的緩やかだったのかもしれません。ニュースで諸外国の患者数の増加を毎日見ていると、なかなかヤルナ日本人と思ってしまいました。
しかし、これは我々日本人には絶対出来ないというニュースを見てしまいました。患者が急増したイタリアで、自宅待機をしていた市民が、バルコニーや窓から国歌などの歌を歌い始めたのです。1軒が始めると、アパートやマンションの窓がどんどん開き、家族が集まって歌い始めます。ベランダに立ったお母さんは、台所から持って来たフライパンとナベ蓋をぶつけて伴奏をしていました。私も築38年のマンション(約200世帯弱)に住んでいますが、自分から窓を開けて歌おうなんて思いもしません。
更にこの歌声はお隣フランスにも飛び火したそうで、夜になると最前線にいる医療関係者に感謝をしようと、アパートの窓から歌やエールを送り始めました。同じ状況下でも国民性の違いをまざまざと見せつけられた思いです。
仕事より日々人生を楽しむことを大切にする。食べて、歌って、毎日の生活を楽しむのが人生のすべて、こんな国民性の人々がワインを造ると、理論を越えた味わいが生まれるのかもしれません。