2021年 4月

今月は久しぶりに仕事のお話。

私は毎年2000種程のワインの試飲をこなして来ましたが、昨年はコロナ禍でイベントや試飲会が全て無くなり、多分、半分ぐらいしか試飲が出来ませんでした。毎週金曜の閉店後に社内試飲で約16種、土曜にも数種の社内試飲は続けていますが、これで800種程。あとは休日に飲む分が50~100種ぐらいでしょう。正直、コロナ禍で当社でも特に飲食店さん向けの売り上げが大幅に減りました。当然、中~高級品の商品開発に関しては少し弱まった感は事実です。

その代わり巣ごもり需要に対して、1,000円前後のデイリー・ワインに関しては必死になって探した1年でした。少しでも新しい売り上げを得るために、今、話題のフードデリバリー・サービスも考えています。

実は、私の携帯は俗に言う「ガラケー」でした。休日に家内と車で出かけた時は、助手席の家内がスマホで目的地や道順を検索してくれたので、私はガラケーでも十分でした。しかし家内からこのままではダメだと責められ、遂に今年の1月「スマホ」デビュー。まだまだ使い慣れてはいませんが、先日は初めてフードデリバリー・サービスで夕食の配達を頼みました。

風呂から上がり部屋着姿のまま、頼んでいた焼き鳥とハンバーグを受け取り、家にあったワインを開けてゆったりと食事をする。何かの用事で帰宅が遅れた際には、調理をしなくても家で食事が出来るのは助かる事でしょう。40年以上前、近所のラーメン屋さんから時々出前を取っていましたが、今の時代にフードデリバリー・サービスという形で分業化するとは思いもつきませんでした。

昭和50年代は岡持ち(オカモチ)を持って出前をしていましたが、今は揃いのユニフォームを着て、カッコいいデザインの専用バッグで料理を運びます。このサービスを使ってみて、当時の出前と、デリバリーサービスの一番の違いは、届ける人の笑顔でした。呼び鈴がなってドアを開けると、明るく爽やかな笑顔で料理を手渡され、自然に私の口から「ご苦労様でした!」と言葉が出て来ました。

新しいシステムを考え、それを言葉や習慣、法律が全く違う世界の各地で運用をする。各関係省庁への申請等は大変だったと思いますが、スタートして半年も経つと、大きなバッグを背負って自転車に乗っている光景は、日常に溶け込んで普通の事になって来たように思われます。