今月は車のお話。
今まで乗っていた青い日産ノート初期型2005年式が、17年を経てそろそろ買い替えの時期感が出て来ました。私の希望はトヨタ・ポルテ。メジャーな車種ではないので御存知ない方もいるでしょうが、軽以外の小型車でちょっと変わった車でした。社名はフランス語PORTE(扉、ドアの意、読みはポルト)をローマ字読みしたのでしょう。助手席ドアが、大きなスライドドアから付けたようです。
ある時、私の目の前を女性がスタスタとこのポルテに近づき、リモコンを押して助手席の電動スライドを開けて車内に入ると、助手席のシートが40センチ程後方に下げてあり、助手席側から運転席のシートに当たり前のように座って、内側からスイッチで助手席ドアを閉めました。車に乗り込むには自分でドアを開け、椅子に座って「ドン」という音と共にドアを閉めると思っていたら、何ともスムーズで優雅な乗車に見とれてしまいました。
この車の運転席側は普通のドアで、助手席側が大きなスライド式、後方は跳ね上げ式ドアという、左右でドアの切り方が非対称の車でした。発売後、赤ちゃんを抱っこしたまま、あるいは荷物を持っていてもスムーズに乗り込める事が受けて、女性に人気が出ましたが、やはりイレギュラーな車として販売台数も下がり生産中止になってしまいました。
少しへそ曲がりな私は、こういった設計者の思いが色濃く出ている商品が好きです。ぱっと見には、小さくて背が高いファミリーカーですが、ドアの切り方や内部のレイアウトに関して、トヨタ内の設計・企画会議ではかなり難産だったであろうこの車が、私にはとても魅力的なのです。さて、私が家内にポルテの説明をした後に、家内の希望を聞くと「私は黄色い車が良い!」の一言。そこで調べてみるとポルテに黄色は発売されておらず、全塗装をするか、別の車種で黄色を探すしかありません。はたして次の車は何になるのでしょうか。