コロナも落ち着き、8月、東京の家内の実家に帰省して来ました。
ついでに温泉好きな家内が探した山梨の増富温泉・津金楼さんにも行って来ました。茶系の粘土色した温泉の湯舟は2つあり、源泉そのままで約30度のぬるいお湯と、加温した40度程のお湯。まず温かいお湯で体を温めてから冷泉に10分程入っていると、冷たさに体も慣れてきます。体が冷えて来ると再び40度に入って体を温め、また冷泉につかるのを3度程繰り返すと、茶色で塩気と炭酸混じりの成分とラドンが体に吸収されているように感じられます。
湯治の後は東京に戻り、家内と代々木の明治神宮へ。繁華街JR原宿駅の裏側に位置する神宮の広さは驚きの73ヘクタールで、広いと思っていた北海道神宮18ヘクタールの約4倍。広大な森の中心に本殿があり、他に様々な施設が神宮内に点在しています。丁度お盆の時期でしたが、参拝者の6割以上が欧米、アジア圏からの海外の方々でした。この中を3時間程かけてゆっくりと散策し、楽しみな夕食の為にお腹を空かせます。
今回の旅行、家内の希望は増富温泉で、私の希望は銀座のレストラン・マルディグラでの食事でした。この店のオーナーシェフ和知徹(ワチ・トオル)さんは「肉の巨匠」と呼ばれ、塊のお肉を絶妙の焼き方で料理し、多くの場合、塩・コショーだけのシンプルな味付けで提供しています。和知シェフの料理本を見ていると、可愛いキューピー人形の様なシェフの笑顔を見ながら、ソースに頼らない大胆な料理を食べたくなり、その夢がやっと叶いました。
まず店内に入って意外だったのが、肉料理で知られるお店なので、体育会系のゴツイ男子が多いと思いきや、センスもスタイルも良い今どきの若い女性同士のお客様が半分以上でした。彼女たちはそれぞれステーキを頼み、取り分けもせず楽しそうに料理を食べています。私たち夫婦も負けてはいられません。私は牛赤身肉のイパネマステーキ(5500円)、家内は鴨のステーキ(3500円)を頼みました。料理は表面が軽く焦げて香ばしく、厚みのあるお肉をナイフで切って食べると、柔らかいだけではなく少し歯応えのあるお肉は噛む度に肉の旨味が堪能できます。そして頼んだワインは当社でも扱いのある、フランス・シュドウエスト地区マディラン村のシャトー・モンテュス赤2017年。ワインはタナ種主体の力強く複雑な味わいと肉の旨味が相まって、素晴らしいひと時を楽しむ事が出来ました。
マルディグラは銀座のレストランですから安いお店ではありませんが、私にとっては憧れのシェフの美味しいお肉料理が食べられて大満足でした。さてコスパを重視する私なので、もう1軒は安くて美味しいお店を紹介します。場所は新宿駅ビルのルミネ・エスト地下1階のビア&カフェ・ベルク。JR改札口の横にあるお店は立ち食いソバ屋さん程の広さで、朝の7時から23時まで営業しています。ここの美味しいホットドックと、ビールのセットが1000円程で朝から晩まで楽しめます。毎日1500人が来店する大繁盛店で椅子席が空いていることはほぼ無く、多くの場合、決して広くはない立ち飲みカウンターでの食事になりますが、女性も立って食べているのを見ると、大都会・東京のダイナミックさを感じる事が出来る事でしょう。マックの様なチェーン店ではなく、個人店で超忙しいお店ですから当然セルフサービスで、注文の仕方等に独自のルールがあります。初めての方はまず、店の外にあるメニューで頼むものを決めてから、注文する列に並び、前の人の頼み方をよく見ていないと戸惑ってしまうので注意が必要です。ただここでスマートに頼めて、5分ほどで食べ終え、自分で食器を下げることが出来ると、勝手な思いですが自分も東京人の仲間入りが出来たと少し嬉しくなります。今回の2軒は共に個性的で、万人が気に入る店では無いのかもしれませんが、僕にはお気に入りのお店です。