< 2024年 2月 店主の独り言 >

 フジヰニュースは2月号にはなりますが、今年もよろしくお願いします。

 さて今月はススキノの交差点に出来た新しいビル、「ココノ ススキノ」に家内と行って来たお話し。まずは地下2階の「スーパー・ダイイチ」。ここのお薦めは、何と言ってもお惣菜の「おはぎ」。ダイイチの本社は帯広だけに十勝産の小豆を使い、老舗の和菓子屋さんの様な上品な味わいで、しかも大ぶりなおはぎは、気の張らない手土産には最適な逸品です。また、鳥肉は普通のスーパーだとトレーに載せてラップされていますが、ここは真空パックのビニール袋に入っていて、資源の無駄遣いをしないエコの姿勢が感じられます。

 地下1階には、酒小売店が2軒入っています。円山屋さんは自然派ワインに特化し、根本酒店さんはウイスキーと、日本酒が主体。そして、この2軒は共に試飲スペースがあって、販売だけではなく飲食店としても賑わっています。さて私の一押しは、地下1階の一番奥にある「エルムの山麓(サンロク)」という肉屋さん。私は500g以上の塊のお肉を焼いて食べるのが大好きです。でも普通のスーパーには200g位で厚さ2センチ程のステーキしかありません。私は市内の色々なスーパーに行き、塊からカットしてもらえるお店を10年以上探し続けて来ました。

 そして、ここで出会ったのです。ここでは道産の鹿、鴨、羊、牛、豚など様々な動物の様々な部位が500~800g位で真空パックされて売っています。しかも100g400円前後なので、2~3000円位で塊の肉が買えるのです。安価な塊なので、家に帰って少し筋を切ったり手を入れなければダメですが、厚さ6センチ位ある肉をゆっくり焼く事で、表面は少し焦げて香ばしく、ナイフでカットすると中心が綺麗なピンク色に仕上がると、嬉しくて赤身だと僕一人で400gはペロリいただきます。塊のお肉を塩コショウで食べていると、焼肉用の薄切り肉は、僕にはタレの味しかしないような気がします。

 特に鹿はハンターさんが仕留めた物なので、必ず在庫があるわけではありませんが、普通のスーパーでは考えられない品揃えにワクワクします。前回は鹿の代わりに鴨肉の600gを買って帰ると、息子が焼いてくれました。息子はレストランで2年半働いていたので、鴨の脂身を下にして弱火でじっくり焼くと、フライパンに溶けた油が2センチ位たまり、その油をスプーンですくって、まだ赤い肉の上面にかけて行きます。このアロゼという技法でゆっくり火を通し、その後はオーブンの代わりに引き出し式の魚焼き器で焼いて、じっくり火を入れました。

 もちろん僕も最初から上手く焼けはしませんでした。レストランで表面がカリっと焼けて、中心がロゼ色のお肉を食べて感動し、家でやっても上手くは出来ません。何十回も失敗しましたが、切って生だったら又フライパンで焼けばいいんです。それを繰り返しているうちに、何とか上達してきました。また塊のお肉を切ってくれるスーパーを見つけても、そういった客は少ないので、担当者が変わるとカットをしてくれなくなり、また別の店を探す。せっかく塊肉を買えても、上手に焼けない。こんなことを10年以上やって来て今があります。皆さんの中で、肉好きな方がいましたら、ぜひココノ・ススキノ地下1階の「エルムの山麓(サンロク)」に行ってみてください。

 それと、ここで売っている渦巻き状のシカ肉ソーセージは絶対お薦めです。解凍してから、数ヶ所にねじれを入れて、ボイルして、フライパンで焼くと、鹿肉の美味しさが素直に味わえます。焼くのが大変な塊肉の前に、まずはこのソーセージを味わっていただくと、鹿肉の美味しさに開眼する事でしょう。