今月は痛かった話。
人はぞれぞれ好物があると思います。僕にとって3~4ヶ月に1回は食べたくなるのが、大手ハンバーガーチェーン店「M」の10時半までしか販売していないソーセージマフィンです。まずは挟んであるイングリッシュ・マフィンと言う名の硬めのパンがいいんです。あんパンやメロンパンのパンはお菓子としてはいいけど、僕はワイン屋なので食事用のパンはバゲットやパン・ド・カンパーニュといった硬くて甘くないのが好み。しかもマフィンの表面にはトウモロコシの粉がまぶされていて、香ばしくて口の中でざらつく感じがたまりません。パン単体では素朴で雑穀や全粒粉の様なボソボソ感がありますが、何度も噛んでいると具のソーセージと一体化して幸せな気分になります。
そのマフィンとソーセージを繋げるソースの様な役目をするのが間に挟まったチーズ。この3つが合わさったサンドを噛んでいると、軽めの赤ワインが恋しくなる様な立派な料理に思えてきます。そして一緒に頼むのはハッシュポテト、カリカリとした触感とジャガイモのほのかな甘味と塩味の調和がたまりません。このポテトを半分ぐらい食べてから、残りをソーセージマフィンの具としてマフィンの間に挟んでいただきます。するとサンドが更に豪華な味わいに味変してきます。僕は「M」が何故こんな美味しい物を10時半までしか売っていないのかが、不思議でたまりません。
さて最初に書きました、何故「痛かった話」なのかですが、朝食は家内が毎日作ってくれます。家で朝食を食べてから仕事に出かけますが、たまに僕が寝坊をして朝食を食べる時間がない時は、家内におにぎりを作ってもらい仕事の合間にいただきます。この日も寝坊をして朝食抜きとなり、自転車を必死にこいで会社に向かいます。ただ僕の頭の中では「今日はマフィンを食べるチャンスの日だ!」がこだましています。創成川を越えて南2条西2丁目の「M」に向かう僕の顔は多分にやけていたでしょう。もう頭の中ではマフィンサンドをかぶりついていました。
にやけて、前をよく見ずに自転車をこいでいると、歩道の端に設置されたロードヒーティングの制御盤の設備が急に視界に入り、避ける事が出来ずに転倒しました。ケガは無かったですが、この日のマフィンはそんな複雑な気分で味わいました。その晩、お風呂に入る時に痛かった腕を見たら少しすりむけていました。湯ぶねの中で、多分3ヶ月後の寝坊をした朝は、前をよく見て自転車に乗らなければならないと、一人心の中で誓いました。
