今月は蕎麦屋さんのお話し。
先日、家内と昼過ぎに「蕎麦ひとすじ」というお蕎麦屋さんに初めて行きました。場所は街中、南1条西4丁目の電車通り沿いで、角の「いきなりステーキ」の東隣にあるビルの1階にあります。入口の半分が冷凍蕎麦の自販機になっており、ちょっと趣は弱いですが店に入ると、店中は落ち着いた雰囲気で期待が高まります。蕎麦は二八と十割の2種があるので、私は十割でいつもの様にもりとかけの二つを頼みました。
店の主はまだ若く30代でしょう、寡黙で職人気質を思わせるタイプ。出て来たもり蕎麦は美しく艶々しています。十割を頼むと太い田舎蕎麦スタイルが多いですが、ここは少し緑と黒みがかった細麺。まずは何もつけずにお蕎麦だけをいただくと麺のエッジが立っていて香り高く、気に入りました。次に蕎麦つゆだけを少し味わうと、辛口で切れが良く神田や浅草の名店を思わせる味わい。そして麺の端につゆをチョコンと浸けてツルっといただくと、僕の好きなタイプで幸せな気持ちになりました。
ここのもり蕎麦はつゆと共に、塩も添えられています。前に蕎麦通の方が、蕎麦本来の味わいを楽しむには塩だけでいただくと話を聞いたことがありましたが、私も初挑戦してみます。塩で頂くと確かに蕎麦の香りが際立ち、つゆとは違った味わいが楽しめます。つゆ、塩と交互に味わうという楽しい経験が出来ました。そして温かいかけ蕎麦、冷たいもりのシャープな味わいと違って、こちらは色調も淡くお吸い物を思わせます。お出汁の旨味をたっぷり味わえる温かいつゆも大変美味しく、ここでは冷たい蕎麦と、温かい蕎麦の両方を味わうことをお薦めします。
家内が頼んだ玉子焼きは、甘味少なめの出汁たっぷりな味わいで大変美味しく、蕎麦前の他のおつまみも期待が出来ます。この日は休日の昼すぎでしたので家内と二人で日本酒をいただきました。吟醸香が少めと頼むと、良質な純米酒を楽しめました。街中にいて食事に困った時には、是非一度お試しください。そして最後に一言、希望を言わせてもらえば、入口の自販機は無くてもいいかなぁ。
