2022年 8月 店主の独り言

 先月は東京から家内の姉と娘さんが北海道観光で札幌に来ました。

 久しぶりの女性同士、お酒よりもおしゃべりがメインなので、私は運転担当で一緒に札幌観光を楽しみました。さて、私が思うに東京、大阪からの方が北海道に期待するのは広大な広さ。そこで家内が選んだのは、モエレ沼公園(広さ189ヘクタールで内陸部100ヘクタール+沼)。その日は祝日だったので、駐車場の横にあるガラスのピラミッド内のレストランでは結婚式が行われていました。

 レジャーシートを広げて皆でおにぎりを食べていると、海の噴水がスタート。この噴水はちょっと驚きのアトラクションで、10年ぶりに噴水を見た私は映画「シンゴジラ」でゴジラが最初に海から登場するシーンを思い浮かべました。その後はモエレ山の登山、札幌の不燃ゴミと建設残土を積み上げ造成された、高さ52メートルの人工の山です。ここを整備された道を通らず芝生の斜面を10分程かけて登りましたが、自然志向のお姉さんと妻は靴を脱いで裸足で登りました。山頂はすごい風でしたが、北側には石狩の海辺に並んで立つプロペラ型風力発電機が見え、札幌駅のJRタワーや中心部のビル群、南側には銀色に輝く札幌ドーム、東側には遠くに野幌の百年記念塔が見え、広大な札幌全体を見渡せます。

 彫刻家イサム・ノグチ氏が基本設計したこの公園の桁外れなスケール感と魅力を満喫して、私が同氏が設計の真っ黒い滑り台が札幌の大通公園にあると話したら、それも見る事になりました。「ブラック・スライド・マントラ」と名付けられたこの作品には逸話があります。この滑り台は当初、大通公園9丁目にある丘のような石の滑り台(クジラ山)を撤去して設置される予定だったが、現地を視察したノグチは、子どもたちに親しまれているクジラ山をそのまま残し、空間全体のバランスを考えた上で、大通公園8丁目と9丁目とをつなぎ、その間の道路にあたる場所に設置することを主張した。一見、無謀とも思える提案でしたが、札幌市は「子供らの遊び場に」(「ブラック・スライド・マントラ」は)「子どもに遊ばれて、完成する」というノグチの意思を尊重し、8丁目・9丁目間の道路をふさいだ話をしました。

 遊んでいる子供達の列に加わって、僕らも童心に帰って滑り台を堪能しました。夕食は「町のすし屋・四季花まる」。人気の回転寿司店が運営する新しいスタイルの寿司屋さん。車の運転が終わった私は、お刺身盛り合わせと日本酒を堪能し、お姉さんと家内は二階建てホタテだ、イクラだと大騒ぎ。こうして札幌での観光を楽しんでいただきました。