< 2025年10月 店主の独り言 >

 私は毎日の日課で、開店前に店舗前の歩道を掃除しています。

 箒(ホウキ)を持って掃除をしていると、時々、見知らぬ方から「ご苦労様!」と声を掛けられます。すると嬉しくなって、つい両隣の歩道も綺麗にしたくなります。また、家内が鉢に植えた草花を買ってくるので、店先に置いて草木に水をあげるようになりました。せっかく水をあげるのだから、草木に「おはよう!今日も元氣(ゲンキ)に育つんだよ!」と声を掛けながら水をあげています。そんな私も20~30代の頃はタバコを吸っていて、吸い殻を当たり前の様に道路にポイ捨てしてました。その罪滅ぼしに毎日、吸い殻やゴミを拾っていますという訳ではなく、実は道が綺麗になると自分の心が嬉しくなるんです。

 前は掃除の時にビールの缶が道に落ちていると、これを飲んだ人は何故、空き缶をゴミ箱に入れないのかと一人で怒っていました。でも、うちはそのお酒を売るのが仕事です。そう気づいてからは空き缶を見つけると、昨晩これを飲んだ方は楽しく飲めたのかなぁ~と爽やかな気持ちで掃除をしています。さて店先に草花を増やしている家内は、次に自宅そばの街路樹の周りに草花を植えて、毎日水をあげています。多分、札幌市の管轄内であろう歩道上の街路樹と、その木の周りの土の所に草花を勝手に植えていいのかは分かりませんが、僕らだけではなくこの道を歩いている人が少しでも楽しんでもらえる事を願って育てています。心の片隅で、僕が生まれ育てていただいたこの街に、少しは恩返しが出来るかなと思いながら私も水をあげています。