今月は料理のお話し。
何度かここに書いていますが、僕は休日に500~600g以上の塊肉を焼くのが趣味です。厚さ4センチ以上はあるお肉の内側をロゼ色になるように火を通すのはコツがいります。でも、何より一番大変なのは4センチ以上のお肉を入手することです。そんな時に見つけたレシピ本が稲田俊輔(シュンスケ)の「ミニマル料理」でした。本の最初に出ている茄子の醤油煮を作り、次にスーパーのトレーに入った挽肉をトレーのまま少し押し固めて焼く、学生ステーキを作りました。正直、ここまでは想像通りの味でしたが、学生ステーキの上級品、プレミアム学生ステーキには驚きました。この上級品は牛ひき肉半分に、牛こま切れ肉半分と塩、コショウをボウルに入れてよくこねてから焼くステーキです。
見た目はただの大きなハンバーグなのですが、噛むとこま切れ肉の筋がちょっと感じられて、味わいはステーキ肉に近いのです。先日、友人が来たので、牛、豚の合い挽き400gと牛のこま切れ肉400gに塩6g、コショウ1gをこねて焼き上げました。合い挽きと牛のこま切れ肉はどこのスーパーでもあるので、今までの塊肉を探す苦労からやっと解放されました。さて、今回の肉の厚さは6センチ以上、フライパンに入れて表と裏をゆっくりと火力を変えて焼き、更に引き出し式の魚焼き器に入れて火を通します。その間に肉を焼いたフライパンに残った油で、マッシュルームやジャガイモを炒めて付け合わせにします。
この特大ハンバーグ800g強を4人で完食し、その後、皆でなべ料理をいただきました。この本の作者、稲田俊輔氏は京都大学を出てサントリーに入った秀才。調理さんではなく理系の頭を持った方だけに、料理に対する考え方がちょっと違います。食べる人はどう感じて味わうのかを考えて、そこそこの柔らかさと、僅かな筋が歯に引っかかる感じが本物の塊肉の醍醐味と考えて、挽肉半分にこま切れ牛半分を練り込むことで肉の触感を再現しています。
調理の仕事は下働きから、先輩の仕事を少しずつ覚えて、一人前の料理人になって行きます。牛だ、鹿だ、あるいはどこの部位かはもちろん大切ですが、このプレミアム学生ステーキは安価な挽肉とこま切れ牛を使って肉好きが喜ぶ味わいに仕上げるという手品の様な料理です。肉好きな方でしたら料理本「ミニマル料理」を買っていただき、この安価で豪快なステーキを是非一度作ってみてください。
