2005年 7月

 今月はマニア向けかもしれませんが、戦車のお話です。
 陸上自衛隊、千歳基地の一般開放が6月5日にあることを知り、妻の反対を押し切って家族で行ってきました。
 スケジュールは朝早くから行われており、戦車、装甲車400両による日本最大のパレードには間に合いませんでしたが、戦車による模擬戦闘を少しだけ見ることができました。
 まず驚いたのは戦車の走るスピードです。ゴジラなどの怪獣映画で戦車は、のろのろと発射位置に着きおもむろに大砲を撃ちますが、実車は荒野の中を多分70キロ以上で走っていました。そして急停車して大砲を撃つのですが、車体が何十トンもの重さの為、急停止後に車体が船のように大きく前の めりに揺れるのです。大砲を撃つ時は平地でなく、木陰や起伏のある手前に戦車を止めて筒先だけが外に出る位置で撃っていました。
 その模擬戦闘にはヘリコプターも参加していました。地上すれすれの高さで前のめりになって進む姿を見ていると、まるで糸で吊られて引っ張られているようです。3歳の息子は昨年まで「ドーン」という音が怖くて、花火大会が始まると布団の中へ隠れて出てきませんでした。その息子がすさまじい 爆撃音の戦車戦を食い入るように見ているのです。
 別の広場にはいろいろな戦車が並んでいて、乗る事も写真を撮ることも出来ました(内部の撮影は不可)。戦車は遠くから見ると平べったくてゴキブリのようですが、近くで見ると実はとても大きくてマイクロバス位の高さがありました。古い戦車が陳列されている会場では、なんと第二次大戦アメリカ軍のM4シャーマン戦車をベースにした、故障した戦車を運ぶトレーラーがありました。芋虫のような車体と、同時期のドイツ戦車と違ってシンプル な車輪は間違えようがありません。
 一緒に行った妻は、ウキウキ状態の私とは反対にずっと沈んでいました。「戦争で人を殺す兵器を見ていて何が楽しいの!」この一言に私は全く反論はできません。でも、男の子は乗り物が大好きで、乗用車よりは性能を高めたレースカーが格好いいと思うように、究極まで性能を追求した戦車や戦闘機は別格の迫力があります。
 息子は途中から機嫌が悪い妻に気付いたらしく「戦車怖い」と言ってママに甘え始めました。そんな二人の視線を尻目に、私は1人戦車体験試乗コーナーへ向かった為、当然帰りの車の中の会話はありませんでした。