私の家内はおしゃれなカフェが大好きです。
しかし、私は大盛りと食堂が大好きなので、休日の予定を決める時はいろいろ問題が発生します。
今回は菊水にあるチャノシタ(白石区菊水5条3丁目5-11・月曜定休011-887-8273)と言うカフェに行くことになりました。場所は南1条~南郷通り沿いで、東札幌の手前にある大きな円形歩道橋のほんの少し手前にあります。家族3人でランチをいただきましたが、お店の雰囲気だけでなく料理もとても美味しくボリュームもあったので、問題は起こらず楽しい一時を過ごすことが出来ました。
この日せっかく菊水に来たので、当社とお付き合いのある業者さんを捜していたところ、その近所でガラス張りの古い大きな建物を見つけました。看板には「大熊商店」とあります。
中で何か作業をしているので見てみると、鰹節を大きな機械で削っています。車から降りるとダシの香りが鼻をくすぐりガラス越しに見ていると、中の方がガラス戸を開けて今削ったばかりの鰹節を息子の手に山盛りのせてくれました。
私と家内は息子の食べる姿に我慢が出来ず、お願いして自分達用にもう一山いただきました。その綿あめのような鰹節は、そのまま食べるだけでめちゃめちゃ美味しいのです。これを買うことは出来るのでしょうか?と聞くと入り口の奥の事務所に行ってくださいと言われました。
重い引き戸を開けると、中は煮干しや鰹節や椎茸の箱が山積みされています。左手の事務所がまたアンティークなムードで、柱には大きなのっぽの古時計がぶら下がっています。今試食させていただいた鰹節を家庭用に少量売っていただけますかと言うと「100gで270円(外税)」と言われました。
100gとはどのぐらいの量なのですかと聞くと、幅15センチ高さ20センチぐらいの茶色い紙袋を手に持ってこれに詰めたぐらいと言われ、それをお願いしました。こんな少量なのに事務員の方は伝票を起こし「上様」、品名「本花」、数量「0.1」、金額「270」税込「¥284」と書いて手渡されます。
ここにレジは無いようで、300円を渡すと机の上の手持ち金庫を開けてお釣りをくれました。そして、さっき見せてくれた茶色い紙袋を持って奥の作業場に行き、間もなく鰹節を詰めた袋を手渡してくれます。お店を出て車に乗った途端、家族で争う様にその袋に手を入れ鰹節にかぶりつきました。
その日の夜はこの鰹節で取ったつゆで、我が家の御用達、大竹製麺のうどんを食べました。冷や奴にも削り節をたっぷりのせました。そして翌朝の息子の朝食は、おかかライス。削りたての鰹節って驚くほど美味しいものです。
札幌のダウンタウンとも言える菊水、この町にもおしゃれなカフェや新しいスーパーが出来ています。でも少し奥に入ってみると今も古い町並みが残り、札幌の良心と言えるようなお店が商売を続けています。
大熊商店(白石区菊水8条3丁目11-23・日曜祝日と第2・4土曜定休011-821-2166)ただ、市内300軒ほどのそば屋さん向け業務用のお店ですから、少量販売の小売店とは異なる点をご理解いただける方だけにお薦めします。
大竹製麺(札幌市中央区北1条東4丁目8-8・年中無休011-221-4525)北1条通り沿いの南向きで、東急ストアー札幌ファクトリー店の駐車場入り口とファクトリーの映画館に行くエスカレーターとの間にある小さなビル。
入り口を入るとチャイムが鳴り、しばらくすると白衣を着た小柄なお母さんが出て来るので注文します。するとお母さんはまた工場に戻り、にこやかな笑顔で注文の品を持って来てくれます。ここの生うどんは美味しいことで有名ですが、ここの餃子の皮で作る水餃子も私は
大好きです。ただ夕方になると品切れる事があります。
さて、今月のオススメワイン。まずはブルゴーニュから、白ヴェルジェが造るサンヴェラン村のシャテニエール畑04年。マコン地区特有のふくよかなコクとメリハリのある酸味が4年を経て調和し始め、評論家が90点は付けそうな味わいだと私は思います。
一方赤のオススメはとても安いですがアンリ・ド・ブルソーが造るレジェンドと言う名のブルゴーニュ赤。あえてガメ種をブレンドする事で、安いピノノワール種にありがちな薄っぺらさを無くし、この価格でバランスの良い味わいを持っています。多分この醸造家はかなりの腕前なのでしょう。ただ、混ぜ物を嫌う潔癖なピノノワール・ファンにはジャン氏が造るブルゴーニュ赤03年をオススメします。こちらは混ぜ物無しで濃さも無いですが、薄旨系ピノが熟成した飲み頃の美味しさが楽しめます。
イタリアからはアルファゼータのシャルドネ。この白はアンリ・ド・ブルソーと同様に、有能な醸造家がお手ごろ価格で良質なワインを造ろうと努力したタイプ。特別濃くは無いですが、複雑さと旨味が楽しめる良く出来た辛口白ワインです。
最後はスペインからパドロ・イプシスの赤、白。特に赤は03年産の強さと5年を経た熟成感があって、この価格ですから嬉しくなります。最近のスペインは濃くてもシロップっぽい甘さが気になることが多いのですが、このワインは甘さが目立たず練れた味わいが楽しめます。多分、有名産地でない為に熟成させることが出来たのでしょう。
最後はスペイン産ヴェルモット、イザギレ。ヴェルモットで有名なイタリア物とは全く違って、イザギレは漬け込んだハーブの量が格段
に多くビターリキュールと言いたくなる程。しかも私がヴェルモットを飲むとしたら普通は白の辛口で、ごく稀にカクテルのマンハッタンで赤甘口を飲むぐらいですが、イザギレは私が普段絶対に飲まない白甘口でも美味しいのです。また、この4種類は店舗に試飲用がございますので、近所まで来た際は是非お寄りいただきご試飲してみて下さい。