今月は温泉のお話。
6月の日曜日、予定では息子の野球チームの当番で私はグランド整備等の手伝いでしたが、雨で練習が中止となり急きょ家族で温泉に行くことになりました。場所は妻が気になっていた石狩当別「ふくろう乃湯」。
以前は、月2回ある日曜の休みは家族3人で買い物や公園などに出かけていましたが、息子が野球を始めると土、日は朝から夕方まで練習があり、家族揃って外出する事が無くなりました。この急な子離れに親の方が少し寂しく感じていたので、この日の天候は親にとっては恵みの雨。
北一条通り(275号線)を真っ直ぐ北東に30分強走り、左側にある小さな踏切を渡って国道の北側に平行する細い道を進み、小さな温泉の看板を左折すると建物が見えてきます。国道からはたった数分ですが、建物の横が沼で裏手が小さな山になっており、視界には自然しか見えない為、かなり山奥に入った印象。
一般家庭の玄関のような入り口で入浴料(600円)を払い中にはいると、脱衣所は六畳間ぐらいでしょうか。まるで誰かの家へお邪魔した感じですが、露天風呂に出ると目の前の斜面に小さな滝があり、あたりは森林の匂いが満喫できます。
ウーロン茶色の温泉は少しぬるめで、風情のある滝を見ながらゆっくり浸かって居ると、まるで人里離れた秘湯に来た気分。
大きなスーパー銭湯とは真逆のタイプ、例えて言うなら国立公園内で露天風呂に入った様な気分です。入浴後は沼に面した休憩室でゆっくりしました。ここのテーブルに置かれた電気ポットの横には当社の事務所と同じネスカフェの徳用瓶が置かれ「ご自由にお飲み下さい」とメモが付いています。
帰りに玄関横に並んでいた、朝もぎ笹タケノコ(約30本で600円)を購入。夕食で茹でと、焼きを、お薦めされた味噌マヨネーズで美味しく頂きましたが、私はマスタードと合わせるのも良かったです。
温泉の近所には、有名なパン屋さん「ノルトエッセン」もあるので、温泉好きには最適のドライブコースだと思いました。
さて今月のオススメワイン。
今月は2010年、11年など若いヴィンテージで美味しい物が入荷して来ました。
ボルドーのオー・メドック地区からはシャトー・カンボン・ラプルーズ09年。ボルドーでは最高の年と絶賛され、待ちに待ったこの年。完熟した果実を思わせるカシス風味に、上質な樽からのココア風味がゴージャスに絡み合います。
当然長熟な年ですから、セラーで熟成させ10年後に味わうのが理想ですが、まずは完熟した09年の美味しさを今、味わってみてください。
同じボルドーでカスティヨン地区からはシャトー・デギュイユのセカンドワイン、セニュール・デギュイユ08年。メルロ種のふくよかな味わいで知られるファーストラベルの08年は、特に出来が良くパーカー氏も90~92点評価でした。当然同じ畑からのセカンドも80点台中盤は期待が出来、この価格は見逃せません。
ブルゴーニュからはルイ・ジャド社が造る新規格コトー・ブルギニヨンの赤、白。
この規格は高貴なピノ・ノワール種とシャルドネ種だけではなく、ガメイ種やアリゴテ種、他品種も使えることで、この価格でもふくよかさとバランスの良さが楽しめます。特に白のブレンドの巧さはさすがルイ・ジャドと感心しました。
イタリアは最北の地ヴァッレ・ダオスタ州からカーヴ・デ・オンズ・コミュヌが造るピノグリ種からの白10年。
涼しいピエモンテよりさらに北で造られた白がふくよかで芳醇なのですから、恵まれた区画の中でも厳選した葡萄を使っているのでしょう。ここのピノ・ノワール種で造る同価格の赤と共に味わっていただきたいワインです。
同じイタリアでも南端のプーリア州からは、タウロッソ社のチェント・バリックで天候の良かった05年。とにかく濃くて強い味わいに、樽風味がガツンと効いています。屋外のバーベキューでも負けないワインです。
チリからはウィリアム・フェーヴルがシャルドネ種で造るエスピノ10年。
仏シャブリ村出身の生産者は、チリでも石灰質土壌と、独自の醸造法にこだわり、濃さではなく品の良さと複雑さが感じられる、いい意味でチリらしくないワインを造っています。このワインをいただくと、味わいは産地よりも造り手の思いが色濃く出る事が納得出来るでしょう。
最後は地元北海道から中央葡萄酒千歳ワイナリーが、余市・木村農園産のケルナー種で造った辛口でハーフサイズ。 今まで北海道産で特色あるワインは、750mlが主体でしたが、ハーフサイズがあれば選択の幅は広がります。赤ワインの前に、地元の良質な白を試してみませんか。