今月はお盆休みで家内の実家に行ったお話。
今や、東京の観光名所となった銀座6丁目の新商業施設「ギンザ・シックス」に私も行って来ました。ここに入っている海外の有名ブランド品には興味がありませんが、地下の食品売り場に新しいスタイルのワインや、日本酒のショップが気になっていました。館内に入るとお盆時期だからでしょうか、地下の食品街も大変賑わっています。長野のワイナリー直営店では、自社ワインだけではなく自家製のジャムや食品類が並び、新潟の清酒メーカーのショップでは、日本酒以外に麹を使った甘酒、塩麹、酒粕を使ったスイーツが並んでいます。そして、どの店でも買い物をされているお客様は殆どが女性でした。
そして屋上の庭園とウォーター・ガーデンを散歩して、時刻は昼過ぎ。家内がここでランチをしましょうと言い、レストラン街に行くと、どのお店も待ちのお客様が店の外まで並んでいます。何軒ものメニューを見ましたが、どこも驚くような銀座価格。親子丼が3,000円以上しているのを見て、私は「地下のパン屋さんでパンを買って、ベンチで座って食べようや」と提案。もちろん妻は反対で、二人の間に険悪なムードが広がります。
そこで妥協案は、このビルを出て近所の(安めの)お店でランチを食べようという事になり、見つけたのが店外に数人並んでいる小さなお店。店名「むぎとオリーブ」からスパゲティのお店と思いきや、ラーメン屋さんでした。5分程順番待ちの間に家内がスマホで検索すると、このお店はミシュラン誌にも載っている無化調(ムカチョウ・化学調味料無添加)ラーメンの有名店でした。
家内は醤油味の「鶏SOBA(トリソバ)」880円、私は100円アップの鶏SOBA大盛りを頼みます。ラーメン店らしからぬ店名から女性受けを狙った優しい味と思いきや、スープは醤油の味がビシッと決まり、ちじれの無いストレート麺はアルデンテのスパゲティを思わせるハリを持った仕上がり。安くても良質な味わいに満たされ、銀座のランチは大成功でした。
これには後日談があり、家内が東京の友人と会った際に「ギンザ・シックス」の話しになったそうです。多分家内は、「うちの旦那はケチで、ここは高いから外で食べよう」とでも言ったのでしょう。すると元同僚の女性は、私もここは高いと思って外に出たら、人が並んでいたので入った店が、同じ「むぎとオリーブ」だったそうです。皆さんにもお薦めします、「ギンザ・シックス」で買い物の後にここで食事が出来ない人は、このビル裏側の正面にあるビル1階にある「むぎとオリーブ」です。数人並んでいても回転が良く、それほど待たずに食べられると思います。
それでは今月のおすすめワインです。
千歳ワイナリーが余市産ケルナー種から造る白16年。余市町登地区・木村農園産のケルナー種でも、樹齢20年以上の区画が中心に造られています。2017年7月に山梨県で開催された「日本ワインコンクール」の審査会において、ここのケルナー2015年産が、欧州系品種の白部門にて金賞を受賞しました。同時に、この2016年産も同部門で銅賞を受賞しました。北海道を代表するミネラル豊かな辛口白ワインです。
赤では、余市町にある平川ワイナリーのセレニテ赤15年。主体品種であるレゲント種は、ファルツ地方ジーベルディンゲンの連邦ぶどう交配研究所で、ジルヴァーナー種とミュラー・トゥルガウ種の交配種に、さらにシャンボーソン種をかけ合わせたもの。特定のカビ菌に耐性があり、ビオワインの生産に向く品種です。ふくよかでキメ細かなタンニンが混じり合った複雑な味わいで、北海道の濃い赤ワインを探されている方におすすめです。
次は新しく取り扱いを始めた滋賀県のヒトミワイナリーから、白葡萄を原料に果汁と種皮をしばらく漬込む『醸し』という製法で造られたデラオレンジ。色素が抽出され、オレンジ色のような色調になる事からオレンジワインと呼ばれています。山形県産のデラウェア種から造られたワインは、はちみつのようなデラウェア種の香りのニュアンスを感じる個性豊かなワインです。
ブルゴーニュ地方からは、シャトー・ド・サントネのオート・コート・ド・ボーヌの白15年。除草剤に頼らず耕作するとともに、草生栽培を施して土壌の微生物層を活性化するなど、ビオロジック栽培を実践しています。また、ワイン醸造は伝統的な手法を取りながらも、空気式圧搾機や自動ピジャージュなど、つねに最新の設備を投入し、テロワールの特徴を最大限引き出す醸造が行われています。ミネラル豊かで凝縮感のある辛口ワインです。
赤では、ジュリエット・シュニュが造るブルゴーニュ・ルージュでモントル・キュ09年。暑かった09年を表現するように果実味たっぷりで、8年を経て熟成し、旨みと香りが複雑に絡み合います。今まさに飲みごろのブルゴーニュをお楽しみください。
アルザス地方からはマルク・クレイデンヴァイツのアンドロー村のリースリング15年。クレイデンヴァイツ氏は早い時期からビオディナミ農法に取り組んできました。1989年よりビオディナミの称号であるデメテールが認定されています。花崗岩質土壌で繊細な味わいとリッチな味わいを醸し出しています。林檎のような香りと、果実味の凝縮感が楽しめます。
南仏からはサン・シニアン地区のパン・デ・マルグリットが造るルー・ガベル15年。ここはラングドック地方にあるベルルーという人口180人弱の小さな村で営む家族経営のワイナリー。所有する10ヘクタールの畑では基本的に農薬を使用しない有機栽培を実践しており、サン・シニアンのテロワールをそのまま表現したいとの思いから、樽熟成は行わず、酸化防止剤も必要最低限に止め、ピュアな果実感を表現したワイン。滑らかな口当たりで、凝縮した果実味と旨味を伴ったスパイスの複雑さが楽しめます。
同じ南仏からルーション地方のワイン、ヤエの赤。フランスのルーション地方のまだ知られていないワインの魅力をカジュアルに知ってもらいたいという思いから生まれた、輸入元オーデックスがルーション地方に住むジャン・プラ氏と協力してブレンドしたオリジナルワイン。南仏らしいふくよかな果実味とスパイス感、そして09年産から11年産の葡萄のブレンドにより複雑で程良い熟成感があります。コスト・パフォーマンスに優れたワインです。
イタリアからは、トスカーナの老舗ワイナリー、ヴィッラ・プッチーニ社がヴェネト州のシャルドネ種で造る白。柑橘類やメロン、リンゴなどのフルーティな香りがあり、生き生きとしたフレッシュな果実味が楽しめます。輸入元希望小売価格1,200円が特別価格で入荷しました。
白ではウマニ・ロンキ社を代表する有名白ワイン、カサル・ディ・セッラ。このヴェルディッキオ種はあまり冷やしすぎないで”チョット温いかな~”ぐらいがベストな冷たさです。ふくよかな果実実に一本芯の通った味筋。魚介はもちろんコールドミートでも十分お楽しみ頂ける味わいです。
シチリア州からムルゴ社のエトナ・ロッソ15年。エトナ火山の麓、標高500~550mにあり非常に冷涼かつ雨の少ない気候のため、葡萄はゆっくり成熟し、果実味と酸どちらも豊かに育ちます。発酵後に滓引きし、エトナ地方の伝統的な栗の樹を使った樽(30~130hl)で熟成させます。ピノ・ノワール種、ガメイ種を思わせる爽やかな赤ワインです。
サルディーニャ島のセッラ&モスカ社が造るカンノナウ・ディ・サルディーニャ。軽やかなのに旨みがあり、しかも香りが素晴らしいワインで、デイリーワインに最適な一本。レゼルヴァ規格の熟成タイプは先のワインを二回りほど複雑で濃くした感じです。5年を経てキノコや、腐葉土などの熟成香が楽しめます。
MGM・モンド・デル・ヴィーノ社のイル・サローネ14年。お手頃価格で美味しいワインを造るというコンセプトの元、ワイン法を無視するかのようにイタリアの複数の州のワインをブレンド、しかもイタリア地場葡萄品種。濃くてはっきりとした風味は秋の季節にピッタリです。
スペインからはマリオーナ社のモスカテル/ソーヴィニヨン・ブラン16年。輸入元の品切れの為ご迷惑をおかけしていましたワインがやっと入荷しました。華やかなマスカットの香りなのに辛口、この意外な組み合わせが、逆に面白い風味を醸し出してくれます。
オーストリアからは、グリューバーが造るグリーン・ペップ16年。この国を代表するグリューナー・フェルトリーナー種100%で造られた白ワイン。「キュートな」を意味するペップというワイン名が正しく当てはまるような白。フレッシュな果実味、酸味とミネラル感の心地良さがあり、親しみ易い味わいです。
ドイツからはゼルバッハ・オスター社のスパークリング・ワイン。350年の歴史を持つ名門が造る限定生産のゼクトは、2008年産のピノ・ブラン種、ピノ・ノワール種、ピノ・ムニエ種の3つのピノをブレンドしており、瓶内熟成期間が72ヵ月という贅沢な造りをしています。泡立ちはきめ細かくクリーミーで、複雑さと味わい深さがあります。この価格は間違いなくお買い得!
ドイツ・モーゼル地方で評価の高い生産者フリッツ・ハークのアウスレーゼ規格でゴールドカプセルの熟成した04年産。ブラウネンベルグ村のユッファー・ゾンネンウーア畑の特徴は、完熟しても豊かな酸味を持ち甘く感じないことです。アウスレーゼであっても、料理に合わせられるようなイメージで、アウスレーゼ・ゴールドカプセルのようにトロリとしたものでも、ミネラルと酸味が豊かです。オーナーのオリヴァー氏はアジアを訪れ、気候、料理共にドイツワインに合っている、特に日本食が一番と感じたそうです。
カリフォルニアからはヴァレンタインのメルロ種で熟成した04年産。ソノマの北端からわずか500メートルに位置するメンドシーノのエコー・ヴァレー産です。ヴァレンタイン氏は、この盆地が生み出す昼夜の寒暖差を利用して凝縮感とエレガンスを併せ持つ高品質な葡萄を作り続けてきました。このワインは、2015年にこの世を去ったヴァレンタイン氏のプライベート・ストック。13年を経た熟成感を楽しめる飲み頃ワインです。
ワインの次は蒸留酒、吹上焼酎が造る風憚(フウタン)の芋麹仕込み25%。芋焼酎の本場、鹿児島で米麹を使わずに芋のみで仕込んだ珍しい焼酎。原料には生育が難しく鹿児島でもあまり生産されていない栗黄金を100%使用。芋の風味が際立つような味わいと思いきや芋の臭みは全く無く、思わず呑まさるほど澄んだきれいな味わいです。
食品では、スペインのアンドレス社のピコス。日本の乾パンの様な軽い食感で喉にも詰まらず、ほんのり塩味と小麦の味が楽しめます。ワインのおつまみは濃い味が多いので、箸休め的な役割を果たしてくれます。人で例えると、口数は少ないけど、みんなの話を聞いて、受け止めてくれるような存在!? 必要不可欠的なおつまみです! 現地では、名産の生ハムを巻いておつまみにしています。
イタリアからは最高のワイナリー、テヌータ・サン・グイド・サッシカイアが作るエキストラ・ヴァージン・オリーブ・オイル。グリーン・オリーブの鮮烈な香りと心地よい苦み、まさにトスカーナ州を代表するようなインパクトのある風味で味わった人を虜にしてしまいます。数量限定の入荷です。お見逃しなく。
「サッポロッピー」という名前ありきで始まったノン・アルコール・ドリンク。地元を愛する札幌人による、札幌人への飲み物で、 ホッピーの札幌版です。うんちくなしに、焼酎やハードリカーで割って、お気軽にアルコールを楽しみたい方に! また、そのままで、大人のノンアルコールドリンクとしても、おススメです。ラベルが白と、黒の2種類あり、柑橘主体の爽やかな白と、少しスモーキーさがある黒ラベルがございます。