2021年 6月

 今月はわたしの休日の過ごし方。

 私の職場は狸小路とススキノの間で、コンクリート・ジャングルの中。緊急事態宣言で、日本の禁酒法とも言える酒類の自粛が始まり、お得意先の飲食店の多くは休業になってしまいました。ここ南3条西3丁目が、夕方からはゴーストタウン状態。そんな時、お客様が「休み中に飲むワインを買いに来たよ!」と言って、ご来店頂くと胸が熱くなります。

 こんな時の気分転換には、ハイキングが最適。先月は札幌の三角山、今月はその隣にある、赤坂さんが所有しているという、赤坂山に行って来ました。三角山は311メートル、赤坂山に至っては120メートルで、10分程で登れる小さな山ですが、とても気持ちの良いハイキングでした。歩いていると手作りの看板が所々にあり、近所の方が利用者の為に色々整備をされているのが感じられて嬉しくなります。たった10分でも、山の中を自然を感じながらテクテクと歩き、山頂でお茶とおにぎりを食べるとチョットした幸せを体験出来ます。

 自然の中をゆっくり歩き、帰りにスーパーに寄って晩御飯を用意する。赤坂山の帰りはコープさっぽろ西野店でした。家内はクジラのお刺身をゲットし、私は丸一匹の鶏が二割引きでしたのでゲット。帰宅後、私は何年かぶりにダッチオーブンを取り出して、下ごしらえを始めます。鍋に鶏を入れガスを弱火にして20分焼き、更にジャガイモを投入して弱火で30分タイマーをセット。

 あとの焼き上げはタイマーに任せて、新着の仏メルキュレ村産ピノ・ノワール種の赤を開けて、食事はスタート。クジラのお刺身は生姜醤油に付けると生臭さが出ず、シカ肉のカルパッチョの様でピノとも合わせることが出来ました。その後タイマーが鳴り、ローストチキンを皿に盛って、鍋に残った汁にワインを加えてソースにします。ローストチキンとピノ・ノワール赤の調和を楽しみながら、この休日も楽しい夕食となりました。皆さんも休日には、近所の山や公園に行ってみませんか。夕食がとっても美味しくいただけますよ。

 

2021年 5月

今月はスーパーの話。

意外に思われるようですが、僕はスーパーマーケットが好きなんです。休みの日は家内とスーパーへ行き、今夜のメニューを考えながら野菜や肉、魚、食品類を見るのが趣味。特に活気のあるスーパーだったら、ちょっと遠出をしてでも行きたくなります。

僕が好きなスーパーの一つが、大曲のジョイフルAK(エーケー)内にあった「ジャパン・ミート」でしたが、惜しくも昨年閉店になりました。ジャパンミートは関東圏で展開しているスーパーで、「ミート」の名の通り肉に関しては品揃いの多さが特徴でした。ヒズメの付いた豚足や、豚の耳を買うことは無かったですが、大袋に入った現物を見て驚きました。

その跡地にオープンしたのが地元のスーパー・エース。正直、そんなに期待をせずに行った所、鹿肉の品ぞろえに驚きました。まずはザブトンかと思うような大きさの鹿バラ肉が100g200円。その1キロ弱のザブトンを買い、厚みのある部位をステーキにして、残りは筋が多いので圧力なべで煮ることで鹿肉タップリの美味しいシチューになりました。

実はこのザブトンを買う際に迷ったのが、鹿モモ肉の「シンタマ」という部位。ラグビー・ボールを半分にしたような形で厚みもあり、ステーキには最適かと思いましたが、1.5キロ程の大きさにめげてしまいました。

前回の雪辱を兼ねて来店した所、1.3キロ弱のシンタマが2,500円でしたのでゲットしました。売り場で見るのと違い、家の台所で見るとシンタマはラグビーボール大に見えて来ます。

私が300g強、家内と息子で300gをステーキで食べ、残り半分の塊は冷蔵庫へ。そして3日後、家内はひき肉にしてハンバーグと、ミートソースになって美味しくいただきました。

仕事柄少しワインの話もすると、鹿のステーキ用には、熟成した2012年産のピノ・ノワール(メルキュレ村)を合わせました。しかし鹿肉自体が若くてストレートな味でしたので、もう少し濃さのあるボルドー地方か、南仏産のスパイシーな赤の方が相性が良かったと思いました。

多くの方にとっては、2,500円という値段よりも、1.5キロの肉の塊を買ってどうするの?でしょう。うちの場合、僕が駄々をこねて買いますが(もちろん肉代は僕が出します)、残りを家内がシチューやハンバーグにしてくれる事で助かっています。僕にとって、活気のある店で食材を見ながら妻がメニューを考え、僕はワインを合わせるのが何よりの楽しみ。これが、休み明けの仕事の活力になっています。

2021年 4月

今月は久しぶりに仕事のお話。

私は毎年2000種程のワインの試飲をこなして来ましたが、昨年はコロナ禍でイベントや試飲会が全て無くなり、多分、半分ぐらいしか試飲が出来ませんでした。毎週金曜の閉店後に社内試飲で約16種、土曜にも数種の社内試飲は続けていますが、これで800種程。あとは休日に飲む分が50~100種ぐらいでしょう。正直、コロナ禍で当社でも特に飲食店さん向けの売り上げが大幅に減りました。当然、中~高級品の商品開発に関しては少し弱まった感は事実です。

その代わり巣ごもり需要に対して、1,000円前後のデイリー・ワインに関しては必死になって探した1年でした。少しでも新しい売り上げを得るために、今、話題のフードデリバリー・サービスも考えています。

実は、私の携帯は俗に言う「ガラケー」でした。休日に家内と車で出かけた時は、助手席の家内がスマホで目的地や道順を検索してくれたので、私はガラケーでも十分でした。しかし家内からこのままではダメだと責められ、遂に今年の1月「スマホ」デビュー。まだまだ使い慣れてはいませんが、先日は初めてフードデリバリー・サービスで夕食の配達を頼みました。

風呂から上がり部屋着姿のまま、頼んでいた焼き鳥とハンバーグを受け取り、家にあったワインを開けてゆったりと食事をする。何かの用事で帰宅が遅れた際には、調理をしなくても家で食事が出来るのは助かる事でしょう。40年以上前、近所のラーメン屋さんから時々出前を取っていましたが、今の時代にフードデリバリー・サービスという形で分業化するとは思いもつきませんでした。

昭和50年代は岡持ち(オカモチ)を持って出前をしていましたが、今は揃いのユニフォームを着て、カッコいいデザインの専用バッグで料理を運びます。このサービスを使ってみて、当時の出前と、デリバリーサービスの一番の違いは、届ける人の笑顔でした。呼び鈴がなってドアを開けると、明るく爽やかな笑顔で料理を手渡され、自然に私の口から「ご苦労様でした!」と言葉が出て来ました。

新しいシステムを考え、それを言葉や習慣、法律が全く違う世界の各地で運用をする。各関係省庁への申請等は大変だったと思いますが、スタートして半年も経つと、大きなバッグを背負って自転車に乗っている光景は、日常に溶け込んで普通の事になって来たように思われます。

2021年 3月

昨年の春、家内がホームセンターで三千円台の格安テントを買った事から、我が家のキャンプが始まりました。春から9月末まで6回、場所は札幌近郊から、遠くは道東の屈斜路湖(クッシャロコ)まで行きました。

理由はもちろん楽しいからです。青空の下でゆっくりと飲むビールは格別ですし、日が沈み、焚き火と共に味わう食事とワインは、家のホットプレートで食べる焼肉とは全然違います。この為なら、テントや炊事用具、寝袋等を運び、翌日に撤収する手間も気になりません。

すると家内は、2月の連休で冬キャンプに行こうと言い出したのです。でも我が家のキャンプ装備では、翌朝には凍死でしょうと言うと、ニセコ・真狩村の「焚き火キャンプ場」は、灯油ストーブ付きのテントに、暖かい寝袋と毛布・枕がセットで、夕食と朝食付。食器類も無料貸出しで、3月までは一人9,000円弱だと言うのです。

僕らは職業柄、ワインとグラス、チーズとパンは持って行きましたが、何も持たずに身一つで行って、キャンプ体験が出来て、後片付けも不要でした。家内は冬も焚き火がしたいと言い出し、センターハウスで薪を一束(700円)買うと、焚き火台、マッチ、焚き付けを渡され、無事火も起こせて焚き火体験も出来ました。ただ、火に手をかざしても外は正直寒かった。

食事はテント内で食べます。夕食は雪見鍋で、スタッフの方がカセットコンロと鍋、食器類をテントまで持って来てくれます。持参したワインは、三笠・山崎ワイナリーのピノ・グリ2019年。ふくよかなコクと、爽やかな酸味が調和した味わいは、鶏肉と野菜のお鍋にピッタリでした。このお鍋に入っていた豆腐がとても美味しかったので聞くと、真狩豆腐工房の「すごい豆腐」という商品でした。

翌朝、うちのスタッフのお土産用に買いに行くと、湧水がガンガン出ている水汲み場の横にこの豆腐屋さんはありました。車にあった大、小、2本のペットボトルに湧水を汲んで飲むと、澄んだ味わいで確かに美味しい水。当然、この水を使って作られたお豆腐も美味しいわけです。

この水汲み場には車がどんどん来ていて、僕ら以外は皆さん大きなペットボトルを20~30本も汲んで車に積み込んでいました。また、今回のテント1泊プランには、近隣温泉のチケットも付いていたので、初めての京極温泉に1時間半ゆっくりと浸かり帰路に就きました。

では最後の結論、今回の冬テントを皆さんにお薦めするかどうか。実は同じ日、僕ら以外に二組の若いカップルも宿泊されていました。僕らは広さ7畳程の4人用テントでしたが、その二組はドームテントと言う宇宙ステーションの様な大きなテント。こちらは寝袋ではなく、テント内にはソファーやテーブルと共に、大きなダブルベッドが2台ドーンと設置されていました。中の様子は、まるでホテルのスィートルームの様なお部屋です。興味がある方は、真狩村の「焚き火キャンプ場」で検索してください。

冬に快適なのは温泉旅館でしょうが、非日常を体験したい方にはここの冬キャンプをお薦めします。冬の夜、ウイスキーやブランディをチビチビ味わいながら、焚き火を眺めるのがカッコいいと思う方にお薦めします。

2021 2月

1月の中旬、知人でイラストレーターの松本浦(ウラ)さんの個展に行ってきました。私が浦さんの絵と出合ったのは、朝日新聞の金曜夕刊に約4年連載されていた「さっぽろレトロ建物グラフティー」。この記事は札幌のお店紹介では第一人者とも言える、和田由美さんの愛着が感じられる建物の紹介文と、その横に写真ではなく、ほのぼのとした作風の浦さんによる建物のイラストが、まるで決まり物の様にセットになっていました。

その頃私は、金曜の夕刊が楽しみで「今日はどこが出ているのかなぁ~」と気になり、自然と足早になって帰宅した憶えがあります。札幌はお隣小樽の様に明治時代の石造りで豪華な建物は少なく、その多くが昭和の時代に建てられた街。さらに建て替えやビル化も早く、古い建物はどちらかと言えば表通りではなく、横町や中通りにひっそりと残っています。今ではチョット哀愁がにじみ出ている、そんな建物を目ざとく探し出したのがこの記事でした。

私が思うにこの街が大きく変わったのは、1972年札幌オリンピックの前後だと記憶しています。大きなスタジアム、地下鉄、高速道路、今まで東京にしかなかった物がどんどん出来て、八百屋さんや魚屋さん、肉屋さんがスーパー・マーケットに変わり、何でもかんでも古いものを捨てて新型にする事が当たり前と思われた時代でした。

そんな価値観が少しづつ変わって来たのは2000年以降でしょうか。和田さんと浦さんのコンビは、レトロなお店だけでなく、当時を思い出すような個人住宅と、両方でこの記事を作っていました。掲載された多くの店舗ではオーナーや業種が変わり、建物だけが昔の面影を残していることが多かったのですが、個人住宅では長い年月を経て旦那さんが亡くなり、子供さんが引き継いで今も暮らしている記事を読んでいると、何故か胸が熱くなりました。その家に生まれ、育った家族にとっては、家を捨てて快適なマンションに移り住むことは出来なかったのでしょう。

今回の個展は浦さんにとって初めての作品集で、出版発表も兼ねてのイベントでした。私はその場で1冊購入し、ワインショップフジヰ店内のカウンターに置いてあります。この本を何人かのお客様に紹介しましたが、札幌の方は皆さん見入ってしまいます。それと南区在住の方は、1ページと、2ページの絵で心を鷲掴みされたように固まります。真駒内付近の方にとって、エドウィン・ダン記念館は時計台の様な存在なのでしょう。

広い札幌、故郷と思える場所は人それぞれでしょうが、札幌生まれではない浦さんが見つける風景は、古き良き札幌へ時間を巻き戻してくれる力があります。

2021年 1月

今月はイベント販売のお話。

当社休業日の12月13日に、私と家内は二人で江別蔦屋(ツタヤ)書店のイベントコーナーで実演販売をして来ました。実演したのは、当社で2ヶ月ほど前から扱いを始めたENJO(エンヨー)社の製品です。私が家で食器を洗うのは週1回の休みの日ぐらいですが、毎日何度も洗う家内は洗剤と食器洗い用スポンジを色々試しています。洗剤は環境に優しい物を選んだりしているようですが、正直、私はそこまで関心はありませんでした。

そんな中で、家内が知人から勧められたのがこのENJO社のクロス類。まず驚いたのが、食器洗いも、風呂で体を洗うのも、女性のメイク落としも、全て洗剤を使わずに汚れを落とすのです。汚れはこのクロスの細かい繊維に付くことでキレイになり、クロスの汚れが溜まって来ると、安価な普通の石鹸でよく泡立てて洗う事で、汚れがリセットされるという原理なのです。

私はメイク落としの実感は分かりませんが、食器用クロスで家族分のグラスや食器を洗い、そのまま鍋やフライパンを洗い、更にガス台の吹きこぼれた所を拭くと、さすがにクロスはチョット油っぽくなります。そして、このクロスを石鹸で洗うと元通りになります。私は仕事柄、ワイングラスの汚れは気になりますが、洗剤を使わずに「キッチン・デュオ・クロス」で洗い、仕上げに「グラス・クロス」で吹き上げると、グラスは嬉しくなる程ピカピカになります。

蔦屋での実演中、男性には見向きもされませんでした。家内は「メイクや食器が、水だけでキレイになります!」と呼び掛けをしていると、時々「え、何、それ!」と興味を持った女性が寄って来ます。すかさず私が「洗剤を使わずに汚れを落とす原理はこちらをご覧ください」と言ってプリントをお見せします。写真には髪の毛の約100分の1という細さの糸が写っています。「このとても細い1本の糸は、約1000本の細かい繊維を寄り合わせています。この細かい無数の糸が毛穴に入って汚れを取ってくれるのです」と私が言って、家内が女性の手の甲にファンデーションと口紅を塗り、手の甲を「フェイス・デュオグローブ」で15回ほど優しく撫でます。すると、メイクが綺麗に取れてしまうのです。

女性は素直に驚く方と、「まだ残っているクレンジングと、洗顔用石鹸はどうするの!」と言う方に分かれました。あと、おばあちゃんが「肌の弱い孫が使ったら、肌が良くなるかい?」と言われて、洗顔用の「フェイス・デュオグローブ」を購入いただいた時に、私も「お孫さんの肌が良くなるように」と思わず心の中で祈ってしまいました。

12時から17時までの5時間でしたが、はじめての美容部員体験は勉強になりました。札幌のワインショップフジヰ店舗でも、家内がいる時はメイク落としの実演が出来ます。私もグラスの汚れ落としは出来ますので、ご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。そして多くの方がENJO(エンヨー)社の製品を使うことで、大きく言うと地球のエコ活動になって行くと思います。

2020年 12月

今月は親バカのお話。

いつもは休日が合わない私と息子ですが、11月の休みが偶然重なり二人で朝から車のタイヤをスタッドレスに交換。二人だと1時間ちょっとで作業が終わり、その後は一緒に江別方面へ車で出かけました。息子は調理師の資格が取れる高校を今春卒業し、就職先は市内の某レストランです。今日は職場の仕入れ先である農家さんに行くと言うので私も同乗。息子が好きなイングランドのバンド「オアシス」を聞きながら親子でドライブ。この日は江別で3軒の農家を回りました。

息子は農家さんが出てくると、作柄や天候の事を話しながら職場で使う野菜を購入。私は野菜の事はわからないので横にいただけですが、3軒で10箱以上の野菜を購入し、私が車の荷台に積んでゆきます。家に居る時の私は、息子がすぐに風呂に入らないとか、電気をつけたままで寝ているとかが目に付いて、小言ばかり言ってしまいますが、この日息子の仕事ぶりを横で見ていると、農家さんと対等に話をしながら仕入れをしている様子は、まるで私がワイナリーに行っている時と変わりません。

その後は仕入れた野菜を職場に下ろしてやっと一息。私の父は小4の時に事故で亡くなった為、子供だった私が大人になった姿を父は知りません。自分の子供が成長し、働いている姿を見るというのはこんなに嬉しい事なんだと気付き、帰宅後、家内に「僕のとうちゃんには、この思いをさせられなかった」と話したら、「ちゃんと天国で見ているから大丈夫!」と言われて少し安心し床に就きました。

2020年 11月

今春、一人息子が就職して、私たち夫婦はキャンプを始めました。きっかけは家内が春頃、ホームセンターで3人用テントと焚き火台を共に3千円台で買って来た事から。理由は妻が子供の頃の風呂は五右衛門風呂で、毎日、薪で火を起こすのが当番だったそうです。そして今でも時々、ゆらゆらと燃える火を見たくなるのだとか。私は屋外だったら煙を気にせず、ジンギスカンを思う存分食べられるだけでOK。こうして二人の利害が一致し、寝袋は二つあったので、私と休日が合わない息子は抜きで出かけるようになりました。

今までも休日は、家で妻の手料理とワインがあれば十分幸せなのですが、二人でテントを張って火を起こした後、椅子に座って空や夕陽を見ながらグラスを傾けていると、何と言うか喜びとか満足感が全然違うのです。外が明るいうちは、ビール(正しくは第三のビールで、ホワイトベルグ)と、あられのひねり揚げ(オタル製菓の横綱)があれば、チープでも最高に幸せです。

そして日が暮れてくると、ジューという音と共に夕食が始まりワインの登場です。私が屋外で食べたいお肉は、風味豊かな羊。理想はフレンチ・ラムラックと呼ばれるあばら骨付きの部位が最高ですが、無ければ生ラムを厚め(できれば厚さ8ミリ程)にカットしてくれる肉屋さん(私のお薦めは塩原精肉店)を探してください。

一般に成熟した羊肉は風味が強く、ボルドー地方産の赤ワインか、カリフォルニア等のフルボディ・タイプの赤が合いますが、子羊だと風味も穏やかなのでピノ・ノワール種の赤でも楽しめます。こうして厚切りの羊肉とワインを用意して、自然の中で焚き火を見ながらゆっくり楽しんでいると、私の感覚ですが美味しさは2倍近くになる気がします。

ただキャンプは初心者なので、不備な面は多々あります。枕は家から持参した方が熟睡できるとか、夜に使うライトをぶら下げる方法とか、実際にやってみて初めて気が付くことばかり。でもキャンプはとても楽しくて、気付いた問題点は次回に改良すれば良いのです。キャンプ場で周りをを見回すと、テントは有名メーカーの豪華な物ばかりで、うちの様な3千円台のテントはいませんが、今の所は何も問題は無かったです。

興味のある方は来年に向けて、ご家族で、ご夫婦で、あるいは今流行りのソロキャンプ(お一人様)でも、一度トライしてみてはいかがでしょうか。

2020年 10月

今春、一人息子が就職した為に、休日は夫婦だけで出かけることが増えました。

こうして9月の休日、家内と二人でモエレ沼公園に行って来ました。前回ここに来たのは、まだ子供が小さかった10年以上前。その時、私たちの目は子供しか見ていなかったのでしょう。改めてゆっくりと公園を眺めると、全体で100ヘクタール以上という規模以上に設計者イサム・ノグチ氏の才能と、その遺志を受け継ぎ20年以上かけて公園を整備、発展させて来た札幌市のエネルギーに圧倒されました。前回来た時もモエレ山や、ガラスのピラミッドはありましたが、今思うに眺めていただけだったのでしょう。

今回、山を登ったり公園内を散策していると、大きな神の手のひらの中で、私はもてあそばれているような気持ちになりました。公園内の山も、木も、土も水も自然の物ですが、植物が一糸乱れずに並んでいる様は雑木林とは異なり、私の脳裏にはエジプトのピラミッドが思い浮かびました。更に十数年前には無かった施設が幾つか増えており、多分、長期的な計画で今も完成に向けて工事が続いているのでしょう。自宅へ運転中、札幌の市民税は有意義に使われているなぁと嬉しい気持ちになりました。

さて夕方になり公園を出て三角点通りから家に向かうと、見知らぬスーパーを発見して入店します。ここ「スーパー・マルコ」は入口から活気があり、私はワクワクしながら奥に進みます。そして見つけたのは生きの良いイワシが12匹以上入って98円! 前の晩に赤ワインを買っているので今夜はお肉と思っていましたが、今日はイワシのトマト煮込みにしませんかと私から提案。始め家内は魚の下処理の数の多さに難色を示しましたが、代替のメニューが思い浮かばずイワシを購入。

夕食は安価な南イタリアの赤、サリーチェ・サレンティーノ・リゼルバ2014年と、家内が作った、イワシのトマト煮を美味しくいただきました。皆さんもモエレ沼公園で雄大なイサム・ノグチ・ワールドを体験していただき、帰りにスーパーマルコでお買い物のドライブコースはいかがでしょうか。

そしてモエレ沼が気に入った方には、美唄のアルテピアッツァをお薦めします。こちらは山の裾野で高低差のある敷地の中、廃校になった木造の小学校を利用し、安田侃(ヤスダ・カン)氏の作品と自然とが調和した素晴らしい公園の美術館です。

2020年 9月

例年の夏休みは妻の実家の東京に行くのですが、今年はコロナで帰省できず道東旅行に行きました。そして酒関係で道東と言えば、厚岸(アッケシ)のウイス キー蒸溜所。今年はここに行って来ました。厚岸と言えばカキですが、私にとってはウイスキーの厚岸蒸溜所。通常ここの蒸溜所見学は、厚岸の道の駅とレストランが入る公共施設「コンキリエ」が窓口となって行っていますが、コロナの影響で中止のまま。そこで酒小売店の特権を使ってお願いをして、今回は例外的に見学を許されました。

当日は約束の時間より早めに厚岸に着き、前述のコンキリエ内の炭焼きの店で昼食。そこはお店の入口にある水槽や冷蔵ケースの中から魚介類を選び、会計を済まして店内のテーブルに着き、セットされた炭焼き台で自分で焼いて食べるスタイル。通常のカキは炭火で焼き、地元でも貴重なカキの「カキえもん」は生でいただきました。

こうして腹ごしらえを終えて、昼から蒸溜所に向かいます。実は今回、見学は認められましたが、コロナの影響で蒸溜器のある建物は外のバルコニーから窓越しの見学しか出来ませんでした。まずは事務所に入り、製造担当課長の田中さんより説明を受けます。この蒸溜所のスタートは、ここを運営する堅展実業(ケンテンジツギョウ)の社長さんがウイスキー好きであったこと。そしてウイスキーの中でも特に個性の強い、スコットランド・アイラ島産のモルト・ウイスキーを目標に計画が始まりました。目標が明確だったので、日本の中でアイラ島の特徴である3つの特性(冷涼で湿潤な気候、スモーキーな香りの元となる泥炭(デイタン)層と豊かな水源、カキの産地)を持つ土地を探しをして行くと、 必然的に厚岸に決まったそうです。

ウイスキー製造を始めた「堅展実業」は、日本の食品製造会社に様々な原材料を輸入販売しています。厚岸蒸溜所の所長である立崎氏は、元々大手乳業メーカーで管理職を務めており、その取引業務で堅展実業の樋田(トイタ)社長と出会いました。そこで才能と情熱を合わせ持った立崎氏に、樋田社長は自身の夢であるウイスキー製造の話をして、もし現実となったら手を貸して欲しいと依頼します。

しかしプロジェクトが動き出すと、50歳目前で大企業の管理職という立場、東京から最北の地への単身赴任もあって、一旦は依頼を断ったそうです。しかしゼロから蒸溜所を建てて、ウイスキーまで仕上げるような壮大な仕事のロマンを思うと心は次第に傾き始め、最終的には家族も理解を示して転職を決めたそうです。

さて、日本の基準ではウイスキーに樽熟成期間の規定はない為、蒸溜後の樽熟成が1年未満でもウイスキーを名乗れますが、本場スコットランドでは3年以上の樽熟成が必要です。厚岸では自主基準で本国と同様の3年以上の樽熟を経て発売の予定でしたが、地元の方々だけでなく多くのウイスキーファンより、途中経過の製品でも味わってみたいという声が高まりました。そこでウイスキーと名乗らずに「厚岸ニュー・ボーン」という名で、No.1から4まで仕込みや樽材を変えた若い原酒を随時発売した所、大変な人気となり欧米のウイスキー専門誌でも90点オーバーの評価を受けました。

そして2020年2月に3年以上樽熟成を行った、厚岸初のウイスキー規格が「サロルンカムイ(アイヌ語でタンチョウ鶴)」という名で発売されました。この複雑で力強く、厚みのある味わいは非の打ちどころが無く、サンフランシスコのワールドスピリッツ・コンペティションで最高金賞受賞もうなずけます。

しかし当社への割り当ては僅かで販売は出来ず、現在は店内の立ち飲みカウンターで試飲のみの形です。当社の屋号はワインショップなので、ウイスキーにそこまで力を注がなくてもいいのではとも考えますが、同じ北海道でゼロから始めた造り手を少しでも応援したいのと、旅行で来たお客様からの要望もあって続けています。

堅展実業の社長さんが、ウイスキーを味わい感動したことからこの事業が始まりました。当社で味わい感動した方が、ニッカさん、厚岸さんの次の蒸溜所を作るかもしれないと思いながら、私は毎日仕事を続けています。