2022年 2月 店主の独り言

 今月は今更ですが、大晦日のお話。

 ご存じの方も多いと思いますが、私の年越しはいつも時計台の前で、鐘の音を聞きながら新年を迎えています。人に言うと笑われますが、1980年の大晦日から40年間ほぼ一人で、夜の11時過ぎに時計台の前に行き、極寒の屋外でシャンパーニュを飲みながら12時の鐘の音を聞いていました。数えると、2020年の大晦日で40回になります。そして2021年の大晦日も、夕食を終えて8時前に2時間程の仮眠をして、41回目の年越しに向かう予定でした。

 しかし、今年の夏はコロナのまん延防止対策で、飲食店での酒類提供が禁止となり、当社は3ヵ月間休業している様な売上になってしまい、体がなまってしまいました。その禁止令が解けて10月過ぎから急に忙しくなり、11~12月は怒涛の勢いの様でした。準備運動無しで全力疾走した為か、31日の10時過ぎに仮眠から起きようとしても、腹も痛くなって全く起きる事が出来ません。今年の泡は、余市・木村農園の葡萄で造ったココファームのスパークリング・ワインを用意し、グラスもちゃんと洗っていたのにです。

 そんな訳で41回目で、初めて時計台の年越しを欠席しました。これを始めた理由は、うちの家族は私が中学生の頃まで北1条西3丁目にあった果物屋、フジヰ食料品店の4階に住み込みの従業員さんと共に暮らしていました。今、時計台の隣に建つ時計台ビルの場所には、50年以上前に清水建設札幌支店があり、東の仲通側にはその会社の寮があって、そこに暮らしていた娘さんと、時計台裏の芝生でママゴト遊びをしていました。こうして私は時計台と共に暮らした思い出があって、あるきっかけから年越しを時計台でするようになりました。雪もちらつく冬の真夜中、氷点下の屋外で冷えたシャンパーニュを飲むという無謀な事に参加する人は普通いませんが、時々ですが、当社のお客様が参加される事があるので、毎回、グラスは6個ぐらい持参しています。もし、2021年の大晦日に来た方がいたら、もう謝るしかありません、ごめんなさい。今年2022年の大晦日は、体調を整えて11時過ぎには時計台の前に居るつもりです。

 毎年の事ですがこれは営業活動ではないので、私に声を掛けてくれればどなたでも無料でワインをご馳走しています。ただ、40年かけて色々なシャンパーニュの銘柄を飲みましたが、氷点下の屋外では香りはほぼ分かりません。味わいは辛うじて感じられますが、本来の味わいの1/3程度しか感じ取れないと思っています。こんなやせ我慢のエーカッコシイを本当にやっているのか確かめたい方は、温かい格好をして31日の11時過ぎに時計台へお越しください。よーく冷えたシャンパーニュを飲みながら、12時の鐘の音を聞くと、足元は震えて来ますが頭の中は真っ白になりますよ。

2022年 1月 店主の独り言

 今月は私が大好きなスーパー(スーパーマーケット)のお話。

 私は一般的な男で料理も殆ど作らず、家事も休みの日には食器を洗ったり、洗濯物を干して、たたむぐらいですが、何故かスーパー巡りが好きなのです。始めは東京に行く度に、新宿伊勢丹本店のデパ地下、東急渋谷本店のデパ地下、自社ビルだった頃の青山・紀伊国屋、勝山さんがいた頃のナショナル麻布等のワインショップ巡りが仕事でした。各売り場はワインも輝いていましたが、野菜や果物も美しかったです。それから暫く経って、イオン札幌新道東店、近所ではアークス菊水店などデパ地下的なスーパーが開店し、生鮮も、日配品も、お惣菜も輝いて来ました。しかしここ数年は、強大なスーパーの牙城を崩そうと、ゲリラ的な八百屋さん等が出て来るなど新しい展開になっています。

 確かに豪華な売り場になると、カップ麺でもスポットライトを浴びて立派に見えます。でも、売り場のスタッフが愛着を持って販売している生鮮食品は、裸電球の下でも輝いています。そんなスーパー好きな私が今一番気になるお店は!今年の夏に清田区の清田通にオープンした「カウボーイ」です。ここオリジナルの商品は、「凄い」の一言!私は大食漢で、赤身の牛肉でしたら一人で1ポンド(453g)は食べられます。だから家内と二人で、5~600gの塊肉が欲しいのですが、通常スーパーのステーキ肉は厚さ1センチ程しか売っていません。もちろん買う人がいないから仕方が無いですが、ここでは希望を言うと大きな塊からカットしてくれます。私のお薦めは南米ウルグアイ産の牛ランプ肉で100g150円弱!500gで厚さ4~5センチのステーキ肉が800円程で買えます、驚きませんか!

 この肉を室温に戻し、鉄のフライパンを使って、銀座マルディグラの焼き方で12分以上かけてゆっくり焼くと、表面は少し焦げて香ばしく、内側はロゼ色の美味しいステーキになります。後は家内が作るサラダと、チーズと赤ワインがあれば私は大満足。カウボーイのお肉は冷凍物が多いですが、とにかく種類が多くて安価です。あと驚きは、製麺コーナー。普通、ソバは茹で麺か、生麺かで、後は何玉入りか、ぐらいでしょう。ここのソバは、幌加内、新得と言った産地名入りだったり、ソバの実の内側だけの白ソバか、黒い皮ごと製粉した黒ソバか、色の違いなど多種あります。更にラーメンも、味噌ラーメン用、チャンポン用、担々麺用と、呆れる程の種類が並んでいます。

 ただここは総合スーパーではないので、商品の種類はそれ程多くはなく、欲しい物が無い事もあるでしょう。しかし好奇心がある方でしたら、他では絶対にない様な面白い物が見つかると思います。そして私がカウボーイに行くと必ず寄るのが、清田通りの向かい側で36号線に向かって100m程先にある「そば処大和」。ただ12月に行くと、入口に張り紙で「店主が体調を崩した為に、1月まで休業します」とありました。通常営業中も、昼は外に何人ものお客さんが並び、15時前には麺が完売で閉店でしたから、行く前に電話で011-556-8740確認した方がいいでしょう。ここ大和は大盛りで、美味しくて、良心的な価格。椅子はありますが、立ち食いソバ店の様なお店です。

2021年 12月 店主の独り言

 今月は少しマニアックなお話。

 店内で鳴らしているオーディオ機材を、少し改良しました。今使っているスピーカーは札幌・苗穂にあるラヴ・ワークス・サウンド工房製(左右ペアで7万円)。直径8センチ程の小さなフルレンジ・スピーカーを、高さ26センチ×幅16センチ×奥行き24センチの箱に組んだ物。これ以前は英モニター・オーディオ社製のスピーカー(左右ペアで約10万円)でしたが、ラヴ・ワークスの音が気に入りこちらで数年間鳴らしています。私のイメージではノイズが少なく、クリアーな音が低音から高音までストレスなく再生する感じです。そしてモニター・オーディオの前は、30年以上前から米JBL社のコントロール1(左右ペアで約5万円)というこちらも小さなスピーカーでした。これも大変気に入り、途中からコントロール1用のサブ・ウーファー(低音専用のスピーカー・1台約5万円)を購入し、左・右+ウーファーの形で使っていました。

 さてある時、使っていないJBLのサブ・ウーファーを今のスピーカーに組み合わせてみてはどうだろうと思いついたのです。何だ、かんだ言っても、低音再生は大きな箱には勝てない気がした為です。そこで休みの前日、閉店後一人で脚立に登り、棚板に穴を開けて配線をセットし、作業を終えたのは朝の3時過ぎ。そして鳴らした音は、驚くほどに臨場感が出て来ました。アンプからの音声信号をまずウーファーのSB-1につなげ、SB-1の出力端子からラヴ・ワークスの左右スピーカーにつなげました。SB-1は入ってきた音の信号を周波数で二つに分け、50Hz(ヘルツ)~150Hzの低音域だけを鳴らします。残った150Hz以上の中、高音をメイン・スピーカーが受け持つ形です。

 音出し前は低音専用のスピーカーを加えたのですから、低音が増強されると思いましたが、聞いてみると中高音の方が綺麗に伸びた感じがしました。今まで小型のスピーカーが頑張って低音を鳴らしていたのでしょう。その低音部分を別のスピーカーが受け持ってくれた事で、メインスピーカーは中、高音に専念して、声高らかにソプラノを歌い始めた感じです。それと使っているアンプは今は無き「サンスイ」のAU9500という50年前の名機。電源用のトランスが特別大きく、重さはアンプだけで23キロ以上あります。このパワーが強いので、小型スピーカーは音量を上げると直ぐに音が歪んでしまいました。

 しかしウーファーを加えた事で負担が減ったのでしょう、音が歪む限界が上がり音量を上げてもクリアに聞こえるのです。もちろん営業中はそこまでボリュームを上げられませんが、閉店後に一人で音を聞いているとダイナミックレンジが広がり、管楽器などの大きな音の隣で鳴らした鈴の音の様な小さな音が聞こえるようになりました。38センチ・ウーファーを組み込んだ、畳一畳ぐらいある大きなスピーカーに憧れはありますが、26センチ×16センチの小さな箱とサブウーファーでも中々の音になったのではと、夜中に一人でほくそ笑んでいます。気になる方は、営業中でも他のお客様がいない時でしたら、私に「もう少し大きな音で聞けますか?」と聞いてみてください。

2021年11月 店主の独り言

 今月は八百屋さんのお話。

 新聞に「今、地下鉄麻生駅付近で八百屋さんの戦いが凄い」と載っていました。スーパーが大好きな私はその記事を見て我慢が出来ず、次の休みに家内と行って来ました。地下鉄の終点駅・麻生地区は元々賑やかな商店街で、大きなマンションが立ち並び、全国チェーンのスーパーや、飲食店、美容院が軒を連ねています。そこに数年前開店した元気な八百屋さんが繁盛していたのですが、今年の9月、その数軒先に別の八百屋さんがオープンした事で、安い野菜を求めてお客さんがどんどん集まっているのです。

 二軒ともスーパーではなく八百屋さんなので、コンビニ程の広さですが、店内には安い野菜や果物がたくさん並び、買い物かごを持ったレジ待ちのお客さんが何人も並んでいます。一見同じような二軒の八百屋さんですが、両方のお店を見てみるとお店の商品に対する思いとか、新商品の提案とか、何となくスタイルが異なり個性が感じられます。もちろん消費者にとって値段は重要ですが、二軒を見ていると価格だけではなく買い手との相性もあるなと思いました。

 今は日本中の街で、全国チェーンのコンビニ各社が向かい合ったり、並んでいます。コンビニ各社の本部では、血のにじむ思いで商品開発やマーケティングをしているのでしょうが、実際のコンビニ同士はクールな感じであまり争っている風には見えません。でも八百屋さん同士が並んでいると、どうしてもお互いに意識するのでしょう。ご興味ある方は、一度、二軒の様子を見て、買い物をしてみてはいかがでしょうか。特に夕方からは勤め帰りの方々が集まり、二軒共にかなりの賑わいです。ただ、共に駐車場がないので、車の方は近くのコインパーキングをご利用ください。

2021年10月 店主の独り言

 今月は、私の朝の仕事。

 当店の開店は午前11時ですが、毎朝10時過ぎには店前の歩道を簡単に掃除しています。それが、コロナ禍で時間と余裕が出来た事で少しずつ掃除の範囲が広がり、掃除の後は周りの街路樹に水をあげるまでになりました。

 歩道には、ゴミもあれば、落ち葉、たばこの吸い殻、飲みさしの缶ビールなど色んな物が落ちています。私も二十代の頃はタバコを吸っていたので、多分何百本もの吸い殻を道に捨てて来ました。それが今、罪滅ぼしに毎朝拾っていますが、タバコの吸い殻はここ10年ですっかり減ったように思われます。あと飲みさしの缶ビールは、まず中身を捨てて、缶を潰し、燃えないゴミの袋に入れてと、手間がかかります。でも私の仕事はお酒の販売なので、怒りの気持ちをぐっと飲み込み、笑顔で昨晩コンビニでこれを買われて飲まれた方は、楽しいひと時を過ごされたのかなぁ~と思いながら掃除をしています。

 当社のある札幌の南3条界隈は物品の販売店と、飲食店の両方が混在しています。飲食店でもランチ営業が無いと、お店に入るのは夕方になるので、店前の掃除は期待できません。こんな中で掃除を続けていると、思いがけない事が起きました。斜め向かいのビルに入っている花屋さんが、歩道の掃除を始めてくれたのです。朝、カラスの鳴き声と車の騒音の中、ホウキで掃く音「シャツ、シャツ、」は掻き消されそうでしたが、向かいとこちらで「シャツ、シャツ、」「シャツ、シャツ、」と合唱になると、なぜかホウキを持つ手に力が入り、道路が一層キレイになるような気持ちになって来ます。

 また得意先の飲食店が休業している状態で、当社の業務店向け配送担当の三浦が、空いた時間を使って新しいホームページの制作を始めて、先月から切り替えることが出来ました。今まで商品名と価格しかなかった画面を、新ホームページでは写真と、商品説明も見られるようにしています。ただ当社扱いの商品数が多い事と、収穫年変更も含めて毎月100種以上の新入荷がある為、今までの商品登録だけでも大変な作業でした。私には全く分かりませんが、元々理数系を得意とする三浦が、黙々とその作業をこなしてくれました。また、昨年の2月から中止している土曜の試飲会ですが、簡単ではありますが社内で続けている新商品の試飲の報告をホームページで発表し始めています。まだまだ不備な点も有るとは思いますが、一度、新しいホームページもご覧いただければ幸いです。

2021年 9月 店主の独り言

 今月は温泉のお話。

 時間が空いてしまいましたが、函館の親戚に会って来ました。ただコロナ禍と先方は高齢でもあるので、マスク越しで要件を話し、お宅には泊まらずに妻と二人で東大沼のキャンプ場で2泊と、感染対策をして旅館に2泊して来ました。そしてせっかく函館に行ったので、家内が好きな源泉かけ流しの温泉を数ヵ所回って来ました。

 先に言っておきますが、家内は超豪華よりはひなびた秘湯的な温泉の方が好みです。最初は函館市の郊外、西ききょう温泉。ここはお湯の質重視で豪華さはありませんが(失礼)、確かに熱くて少し黒っぽいお湯に浸かっていると肌がツルツルして来ます。まずカーナビに住所を入れて、この場所に着くまで幹線道路から細い砂利道に入って少し走ります。周りは建築会社の資材置き場が続き、途中で道を間違えたのではと確かめた程。そして見つけた建物は古いバッティングセンターか、資材倉庫といったムード。正式名称は西ききょう健康グランドで、横には野球のグランドもありました。ここの湯船は直径2メートル程のコンクリート製で、水道用の土管を輪切りにした物。これが3つあり、温度がぬるめと、熱いのと、超熱い、になっています。ここに行ったのが15時頃だったので年配の方が多く、皆さん涼しい顔をして「超熱い」に入っていました。あの時、私も我慢して超熱いに入っていれば、函館の温泉仲間に入れたかもしれませんが、片足を入れただけで私には無理でした。

 次は函館から車で海沿いを西に1時間強走った、恵山(エサン)温泉旅館。ここのお湯がまた凄く、PH2.1の強酸性でちょっと口に含むと明らかに酸っぱく、お湯を手にすくって顔を洗うと、目をつぶっていても瞼(マブタ)がチクチクします。脱衣所には「強酸性温泉の為に石鹸が使えません」と大きく書かれています。このお湯で、時計やアクセサリー類も黒ずんでしまうそうです。このお湯で体を殺菌した後はお食事。海に面した恵山は漁港が多く、魚づくしの料理でした。驚きは鱈(タラ)のお刺身で、厚さ1センチ程に切られた身は淡白でヒラメの様。ワサビ+醤油ではなく、持込させていただいた千歳ワイナリーのケルナーを、お醤油に少し垂らして鱈のお刺身をいただくと、とても相性が良くなりました。でも私の一番は、濃厚な味わいがしみ込んだ「いかめし」で、複雑な味わいはちょっとチーズを思わせます。建物も新しくはありませんが、お父さんの美味しい魚料理をお母さんと娘さんが部屋まで運んでくれるのを見ていると、ほのぼのとした気持ちになりました。こちらも秘湯好きの方にお薦めします。

 そして最後は、八雲から内陸に入ったおぼこ荘。先の2ヵ所はちょっとマニア向けな温泉でしたが、こちらはどなたにもお薦めできる綺麗で設備の整った温泉宿。建物の横を清流が流れ川岸まで下りて散策すると、川横の岩盤の割れ目から2メートル程の滝を見つけました。先ずは温泉、茶色に濁ったお湯はしっとりと肌になじみ、鳥や虫の鳴き声と、渓流の音がこだまする露天風呂はまさに天国。更に内風呂は源泉が別で、色も違って二つのお湯が楽しめます。食事はいろりコースをお願いしました。こちらは炭火で魚介類を自分で焼きながら食事をします。実は魚料理でも焼くことで焦げ目が付くと、赤ワインと相性が良くなります。そこで持ち込んだのがカリフォルニアのピノ・ノワール種で、生産者はアルタ・マリア。涼しい海岸沿いのサンタ・マリア・ヴァレー地区で、8年を経た2013年産。タンニンの強いカベルネ・ソーヴィニヨン種は肉料理に合いますが、柔らかな果実味のピノ・ノワールだと炭火焼の魚やエビに寄り添ってくれました。こうして数日間、仕事をせずに温泉とご馳走を食べた代償は体重の2キロ増。これから溜まった仕事と、減量が私を待っています。

2021年 8月 店主の独り言

 今月はワインの試飲のお話。

 毎土曜の午後に行っていた試飲会は、コロナ禍で昨年の2月から中止のまま。実は毎金曜日の閉店後に当社スタッフで試飲を行い、その残りを翌日の午後からお客様にご試飲いただいておりました。そして2月以降も、毎金曜閉店後の社内試飲は続けています。その本数は金曜夜で18種類、更に多い時は土曜にも数種試飲をしています。

 土曜の試飲会が無い今、開けた18本のワインで見込みがありそうな物は、保存容器に入れて得意先の飲食店の方が来店されると、店内で試飲をお薦めしています。でも保存容器も10個程しかなく、残ったものはスタッフで分けています。この状態が1年以上続いているので、新着ワインの試飲を目的にお寄りいただくソムリエさんも増えて来ました。さて、皆で分けたワインは各自、家に持ち帰って飲むのですが、試飲と違ってその時々の食事と共に飲むわけです。試飲はワイン単体で味をみますが、食事と共に味わうと印象が異なることが多いのです。

 例えば、ワインに苦みや酸味が目立つと、試飲のメモには欠点として記載しますが、油っぽい料理と酸味豊かなワインは調和しますし、山菜や根菜類と苦味のあるワインを合わせると旨味を感じさせます。こうして食事と共に味わうと印象が変わり、世の中に不味いワインは無いんじゃないか?と思ってしまいます。そんな訳で、最近の私は料理との相性を考えるようになり、ソムリエさんの気持ちが少し分かって来ました。

 そんな時、お客様に勧められて観たのがNHKの番組「あてなよる」です。今までのテレビ番組は、食べたことが無いような素晴らしい料理と、最高のワインを有名ソムリエがサービスする形が多かったと思います。しかしこの番組は、日頃食べている様な何気ない食材を使った創作料理に、実力派で知られる若林ソムリエが多分2~3、000円位までの普通のワインを中心に、日本酒、ビール、焼酎、ウイスキー等をちょっと変わった方法で合わせて行くという内容。お酒単体での味わいと、食事と合わせた時の印象、更に提供する容器や、ストレートに味わうか、水で割ったり、お湯や氷を入れたり、様々な方法を用いて、より楽しく味わう方法を提案しています。

 ワイン評論家が100点評価した様な偉大なワインではなく、普通のワインを家にある容器や、食材を使ってお値段以上に楽しむ方法。これは正に家飲みの最適な楽しみ方ではないでしょうか。民放ではないので、具体的なお酒の銘柄名は出ませんが、「あてなよる」は、久々に多くの方にお薦めしたいと思ったテレビ番組です。

2021年7月

今月は親バカのお話。

2020年4月から調理師として働いている息子は、拘束時間の長い飲食業界で何とか1年を迎えることが出来ました。先日、私が一人残業中に息子から連絡が来て、前の料理長が独立するので、今の料理長と息子が一緒に食事に行くことになり、お祝い用のワインを今から買いたいとの事。普段の営業中と同様に、息子から好みや予算を聞いて何点か選び、ワインの説明をします。

閉店後で他に誰もいないので、好きなCDを少し大きめな音量で聞きながら品選びをしていました。そのうち、多分、録音時にベースの音を強めにしたせいで、少し低音が暴れて聞こえる部分があったので、私はアンプの音質調整で低音を削って再生した所、それが息子には驚きだったようです。

もっと大型で、過入力にも対応できるスピーカーであればいいのだが、与えられた環境の中でいくらかでも良い音で再生したいから調整すると伝え、元の状態と、低音を削った時の音とを、息子相手に比較を行いました。昔、自分も中~高生の頃は、低音ドンドン、高音シャリシャリの派手な音が好きだったけど、こういった音は飽きちゃうよと言うと、少し理解してくれたようです。その時の息子は少し憧れの眼差しをもって私の話を聞き、まるで映画の親子のワンシーンの様でした。

普段、家に居る時は親とは話さず、自分の部屋でスマホを触ってばかりですが、こうして共通の話題で息子と話していると、親冥利に尽きる程に嬉しくなりました。コロナ禍で、経済的には厳しい状況ですが、久しぶりの息子との語らいで家族から新しい力をもらいました。

2021年 6月

 今月はわたしの休日の過ごし方。

 私の職場は狸小路とススキノの間で、コンクリート・ジャングルの中。緊急事態宣言で、日本の禁酒法とも言える酒類の自粛が始まり、お得意先の飲食店の多くは休業になってしまいました。ここ南3条西3丁目が、夕方からはゴーストタウン状態。そんな時、お客様が「休み中に飲むワインを買いに来たよ!」と言って、ご来店頂くと胸が熱くなります。

 こんな時の気分転換には、ハイキングが最適。先月は札幌の三角山、今月はその隣にある、赤坂さんが所有しているという、赤坂山に行って来ました。三角山は311メートル、赤坂山に至っては120メートルで、10分程で登れる小さな山ですが、とても気持ちの良いハイキングでした。歩いていると手作りの看板が所々にあり、近所の方が利用者の為に色々整備をされているのが感じられて嬉しくなります。たった10分でも、山の中を自然を感じながらテクテクと歩き、山頂でお茶とおにぎりを食べるとチョットした幸せを体験出来ます。

 自然の中をゆっくり歩き、帰りにスーパーに寄って晩御飯を用意する。赤坂山の帰りはコープさっぽろ西野店でした。家内はクジラのお刺身をゲットし、私は丸一匹の鶏が二割引きでしたのでゲット。帰宅後、私は何年かぶりにダッチオーブンを取り出して、下ごしらえを始めます。鍋に鶏を入れガスを弱火にして20分焼き、更にジャガイモを投入して弱火で30分タイマーをセット。

 あとの焼き上げはタイマーに任せて、新着の仏メルキュレ村産ピノ・ノワール種の赤を開けて、食事はスタート。クジラのお刺身は生姜醤油に付けると生臭さが出ず、シカ肉のカルパッチョの様でピノとも合わせることが出来ました。その後タイマーが鳴り、ローストチキンを皿に盛って、鍋に残った汁にワインを加えてソースにします。ローストチキンとピノ・ノワール赤の調和を楽しみながら、この休日も楽しい夕食となりました。皆さんも休日には、近所の山や公園に行ってみませんか。夕食がとっても美味しくいただけますよ。

 

2021年 5月

今月はスーパーの話。

意外に思われるようですが、僕はスーパーマーケットが好きなんです。休みの日は家内とスーパーへ行き、今夜のメニューを考えながら野菜や肉、魚、食品類を見るのが趣味。特に活気のあるスーパーだったら、ちょっと遠出をしてでも行きたくなります。

僕が好きなスーパーの一つが、大曲のジョイフルAK(エーケー)内にあった「ジャパン・ミート」でしたが、惜しくも昨年閉店になりました。ジャパンミートは関東圏で展開しているスーパーで、「ミート」の名の通り肉に関しては品揃いの多さが特徴でした。ヒズメの付いた豚足や、豚の耳を買うことは無かったですが、大袋に入った現物を見て驚きました。

その跡地にオープンしたのが地元のスーパー・エース。正直、そんなに期待をせずに行った所、鹿肉の品ぞろえに驚きました。まずはザブトンかと思うような大きさの鹿バラ肉が100g200円。その1キロ弱のザブトンを買い、厚みのある部位をステーキにして、残りは筋が多いので圧力なべで煮ることで鹿肉タップリの美味しいシチューになりました。

実はこのザブトンを買う際に迷ったのが、鹿モモ肉の「シンタマ」という部位。ラグビー・ボールを半分にしたような形で厚みもあり、ステーキには最適かと思いましたが、1.5キロ程の大きさにめげてしまいました。

前回の雪辱を兼ねて来店した所、1.3キロ弱のシンタマが2,500円でしたのでゲットしました。売り場で見るのと違い、家の台所で見るとシンタマはラグビーボール大に見えて来ます。

私が300g強、家内と息子で300gをステーキで食べ、残り半分の塊は冷蔵庫へ。そして3日後、家内はひき肉にしてハンバーグと、ミートソースになって美味しくいただきました。

仕事柄少しワインの話もすると、鹿のステーキ用には、熟成した2012年産のピノ・ノワール(メルキュレ村)を合わせました。しかし鹿肉自体が若くてストレートな味でしたので、もう少し濃さのあるボルドー地方か、南仏産のスパイシーな赤の方が相性が良かったと思いました。

多くの方にとっては、2,500円という値段よりも、1.5キロの肉の塊を買ってどうするの?でしょう。うちの場合、僕が駄々をこねて買いますが(もちろん肉代は僕が出します)、残りを家内がシチューやハンバーグにしてくれる事で助かっています。僕にとって、活気のある店で食材を見ながら妻がメニューを考え、僕はワインを合わせるのが何よりの楽しみ。これが、休み明けの仕事の活力になっています。