2011年 10月

9月の休みに栗沢の中沢ヴィンヤードさん、岩見沢の宝水ワイナリーさん、三笠・達布山の近藤さん、そして山崎ワイナリーさんと葡萄畑を回ってきました。生産者の皆さんがまず最初に言われることは、今年の7月前半の雨で開花時期の受粉がうまく行かず結実不良となり収量が約3割減ってしまった事。それと今年は比較的雨の日が多く、何とか結実した実が完熟する為にはもう少し晴れの日が欲しいそうです。

さて近隣にある4軒の畑を回ると、皆さんそれぞれこだわりがあり、畑を見ただけでも明らかに異なります。今は皆さん全員が農家ですが、山崎さんのように代々続く農家さんと、ご自分で農家になった方とは畑が大きく異なります。私が勝手に思うのは、代々農家の方の畑は雑草が刈り込まれ、見るからに整備された畑の中で葡萄の木が栽培されています。

一方、新たに農家になった方の多くは、さまざまな草や虫を含めここの自然環境の中で葡萄を栽培しようと思う為に、草の中で葡萄がすくすくと育っています。でもこうした畑の仕立ての違いも含め、根本には主のワインに対する思いがさまざまな面で形となり、最終的には味わいの違いになってくるのでしょう。

湿気の多い今年は何処もカビの対策に躍起なのと、今年はスズメバチが大量発生して葡萄の実に多少被害が出てきていると言われていました。収穫まであと少し、札幌では雨が降っても葡萄畑では降らずに少しでも実が熟すことを願わずにはいられませんでした。

ところで朝札幌を出発し、岩見沢で高速を降りて中沢さん、宝水さんと回ると、時刻は昼どき。宝水さんの直ぐ側には雉(キジ)を飼育し、そのスープで作ったキジラーメンで知られる食堂があります。普通の鶏がらスープより旨味があるのと、1番人気の「塩」にたっぷり入っている岩海苔の香りが素直な塩味にマッチして私はお気に入りです。


さて今月のオススメワイン。
ブルゴーニュからは、クリストフ・ブリチェックが造るモレサンドニ村08年。ふくよかな果実味に鉄分を思わせる複雑さが合わさり、この村の良さが素直に味わえます。一方同じ生産者の1級畑は、持ち前のふくよかさに透明感と品の良さが合わさり格上の味わいが楽しめます。

白はスフランディエールが本拠地プイィ・ヴァンゼル村の葡萄で造る08年。ヴァンセル村を代表する造り手は有機栽培を実践し、隣のフュイッセ村よりも豊かで凝縮した味わいを生み出しています。樽発酵による豊かなヴァニラ風味に少し混じるすり下ろしリンゴの風味は、酸化防止剤をほとんど使っていない証でしょう。

ボルドーからはコート・ド・フラン地区のシャトー・ピュイグロー06年。元々お値打ち品で知られるこのシャトーですが、少し熟成した06年産でこの価格は驚きです。ふくよかな果実味にカベルネ種のタンニンがうまく合わさり格上の複雑さが楽しめます。また、同じシャトーの04年産も当社在庫がございますので、ご興味のある方はお問い合わせ下さい。

南仏からはブルゴーニュ地方マルサネ村のフジュレイ・ド・ボークレールが地元でも珍しいピクプール種で造る白。南らしく完熟した果実味とおだやかな酸味まではよくあるタイプですが、豊かなミネラル分で引き締められた味わいはさすがブルゴーニュの造り手と納得しました。

赤ではコート・デュ・ローヌ地区のシャトー・シニャックが造る03年産。とても熱かった03年らしく8年を経ても豊かでスパイシーな果実味がたっぷり。まだまだ熟成し続けるポテンシャルを十分感じさせます。

あとは今、注目のスペイン。何と言っても、トロ地区のボデガス・マツが造る赤。栽培されているテインタ・デ・トロ種(テンプラニーリョ)の樹齢の違いで3種ありますが、一番若いエル・ピカロでも十分この地区特有の野太く、力強い味わいが楽しめます。斬新なラベルは樹齢に合わせて青年男子、熟年男性、ご老人の顔が作品の様にアップで写っており、産地やワイン名等の文字は裏ラベルに記載されています。

同じスペインでも白の方は今もなかなか評価されませんが、ルエダ地区のナイヤ09年はちょっと驚く出来栄えでした。地元のベルデホ種を1割ほど樽発酵(残りはタンク)させたワインは、ソーヴィニヨンブラン種のメリハリ感とシャルドネ種のバランスの良さが楽しめる、いい所取りの様な味わい。私は仏ロワール地方の銘酒バロン・ド・エルのニュアンスを感じました。白ワイン好きには一度お試しされることをお勧めします。

2011年 9月

今月は自転車のお話。

私が通勤に使っていたママチャリは、妻が13年前に購入したポンコツ。これが先月末の夜南4西3でラーメンを食べている10分程で盗まれてしまいました。普段は簡易ロックとU字型の二つの鍵を掛けていますが、5分で戻ると思い簡易ロックだけにしたのが間違いでした。

そして翌日、同じ町内のススキノ交番に届けを出しに行って分かったことは、防犯登録は10年で切れるのだそうです。交番で盗難届けの際、分かるのはフレームの色だけでメーカー名も覚えていないと言うと、もしその自転車が出てきても防犯登録の番号や車体番号を記録していないと、それが自分の自転車であると証明が出来ないというのです。

出来れば10年を過ぎるとお金はかかるが防犯登録を切り替えるか、せめて防犯登録の番号は記録しておいてくださいと言われました。

仕方なく私は次の休みにスーパーで自転車購入。私の足の長さに合わせてタイヤは少し小さい26インチ、カバンを入れる前カゴ付きで6段変速の付いた白いママチャリを2万円弱で購入しました。

やはり新品は良いですね。帰宅時は当然夜なのでライトをつけますが、ダイナモ(発電器)をタイヤにセットするとペダルが重くなるので、電池式のライトを購入しハンドルバーに付けていました。しかし買った自転車は前タイヤ中心軸の部分が太くなっており、その中に仕掛けがあるのでしょう、暗くなると勝手にライトが光りペダルの重さは点灯後も変わりません。


さて今月のオススメワイン。
天候の良かった09年産がどんどん入荷しています。晴れの日が多い年は特級畑でなくても良い葡萄が採れます。ですから良い生産者の09年物は、村名の付かないブルゴーニュ規格でも良質です。

評価が急上昇中のオーディフレッド氏(ヴォーヌロマネ村)のブルゴーニュ赤と、ミッシェル・コランの息子ブリュノ・コラン氏(シャサーニュ村)のブルゴーニュ赤は、スタイルは違えど共に本拠地の村のニュアンスを感じさせオススメです。

あとはジョリエが造るコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ03年。この年も晴れの日が多く完熟感と、8年を経た熟成感がたっぷり味わえてこの価格は絶対にお得です!!

近年のボルドーで狙い目はマルゴー村付近で、シャトー・シャンテリュン マルゴー06年と、マルゴーの側マコー村にあるシャトー・ド・ジロンヴィル オーメドック07年です。凝縮した果実味とスモーキーな樽風味があって、共にこの価格は大したもんでしょう。

後はコート・ド・フラン地区のシャトー・ギヨン・ナルドー98年。ここのシャトーではタンクで長期熟成させ瓶詰めを数年遅らせる事で、熟成感がありながら若さを感じさせる果実味も楽しめます。熟成した香りは好きでも枯れた味わいは物足りないという方に、この価格で両方のいい何処取りが楽しめます。

イタリアではファレスコ社のヴィティアーノ09年。濃い果実味とスモーキーな樽香で知られる有名ワイン(定価2,200円)が、期間限定で3割ほどお安くなりました。今がチャンスです!

それとサルディーニャ島のカンノナウ(ガルナッチャ種)で、リゼルヴァ07年。少しアニマルっぽさが出て来た熟成香に、味わいも酸、タンニン、果実味が混じり始め芳醇さが出てきました。重ためのソースを使った肉料理が恋しくなります。

熟成タイプが好きな私。オーストラリア・ピール社からはシュナンブラン種の白05年と、シラーズ種(03年産)とカベルネ種(04年産)のブレンドした赤。白はボルドーの良質なセミヨン種を思わせるコクと複雑さが楽しめます。二つの年を混ぜた赤は7~8年を経てもまだ力強く、抜栓を早めにして大き目のグラスでゆっくりと楽しみたいタイプです。

2011年 8月

今月は古い電気製品のお話。

店舗のBGM用オーディオアンプは、今は無きサンスイ社で40年近く前の製品。AU-9500という機種で、数年前知人から譲っていただいた中古品です。CDプレイヤーと小さなスピーカーは現代のものですが、この古いアンプで毎日店内に音楽を響かせています。

発売当時、この機種は有名だったらしく、レジ奥に置いてあるのを見つけて「実は、私もそのアンプを持っていました。」と言われる事が時々あります。

さらに私は店舗の2階奥にある事務室にも音が恋しくなり、自宅で壊れていた古いミニコンポを15,000円程かけて修理して持って来ました。

こちらはビクター社のFS-10という機種で、サンスイよりは新しいですが12年ほど前の製品。この器械は購入後1年ほどで自動開閉するCDの蓋が自力では開閉出来なくなりましたが、止まった位置から指で押してあげれば作動します。幅12センチの小さな箱に付いたフルレンジスピーカーはたった8センチですが、BGM用としては十分クリアで楽しい音を聴かせてくれます。

両方とも古い器械ですが、ワインを仕事にしていると古いものに対する偏見がなくなるのと、気に入った物は大切に使う為、この2台は当分現役で働いてくれると思っています。ご興味ある方は、ご来店いただければご覧いただけます。

さて今月のオススメワインは、有名なボルドー、ブルゴーニュ以外でも良い物が多く入荷しました。
南仏からのお買い得品は、ダンデゾンが造るコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ08年。シラー種主体のワインは濃さがしっかりとあり、肉の煮込みかコショウを効かせたステーキが食べたくなります。

コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ地区の葡萄で造られたヤエ。このワインの決め手は3品種の葡萄のブレンドですが、その各品種がそれぞれ複数年のワイン、さらに木樽熟成品とタンク熟成品と様々な原酒をブレンドしたため、濃度だけではなく奥行きと複雑さのハーモニーを楽しむ事ができます。

イタリアからはヴィネア社が造る、ワイン法の盲点をついた規格外のワイン3種、カ・バローネ、ガルガーネガ、コルヴィーナ・ヴェロネーゼ。カ・バローネはこの地方の銘酒、アマローネ(コルヴィーナ種等を収穫後に陰干して、干し葡萄にしてから発酵させた強烈な赤)をタンニン豊かなカベルネソーヴィニヨン種で造った反則技のような赤。この濃さでこの価格は向かうところ敵なしでしょう。

ガルガーネガは白の銘酒レチョート・ソアヴェ(遅摘みし糖度が上がったガルガーネガ種で造る天然の甘口ワイン)までではなく、過熟手前まで収穫を遅らせて発酵させた辛口で芳醇な白。これを味わってしまうと普通のソアヴェは飲めなくなってしまう程豊かな味わいを持っています。

コルヴィーナ・ヴェロネーゼは前述した有名なアマローネの弟分にあたるリパッソ法(アマローネを仕込んだ後に残った葡萄の皮を通常の赤ワインのタンクに入れる事でアマローネの風味を加えて濃くする製法)とアマローネ用の干し葡萄も加えて再発酵させた芳醇な赤。カベルネ種よりもイタリア地元品種がお好きな方には絶対お勧めです。

同じイタリアから食品ではチリオ社のフレバード・オリーブオイル。全種類とても良質だと思いますが、中でもトリュフ風味は秀逸。しかも通常トリュフ・オイルは他のフレーバー物の2倍以上の値付けですが、ここでは他のフレーバードと同価格の設定、これは見逃せません。いつものサラダやパスタが、仕上げにこのオイルをかけるだけで、ちょっと豪華な一品に生まれ変わります。

最後はリースリング種が大好きな私。今月も美味しい白が入荷しました。
ドイツ・ファルツ地方の名門ブール家がリースリング種で造るQbA(クーベーアー)辛口タイプ。華やかでケミカルな香りと爽やかな酸味はもちろんですが、南部ファルツ地方の味わいは北部モーゼル地方とは違って完熟した果実味がたっぷり。
モーゼルワインを墨で描かれた山水画に例えれば、ファルツはゴッホのような鮮やかな色彩の油絵を思わせます。

そして、これが気に入った方はぜひ、同じブール家が造るヘアゴットザッカー畑のキャビネット・トロッケン08年をお試しください。このワインを口にした時、私は強烈なミネラル感とあふれる果実味に、驚きを超えて呆れてしまいました。

2011年 6月、7月

 4月から息子は4年生。5月は運動会です。全校の入場行進から始まり、ピカピカの1年生は手を振って行進するだけで絵になるかわいさです。

 1年生の短距離走では、スタートのピストル音で驚くのでしょう、皆は一呼吸遅れて走り出します。音が怖いのか両手で耳を塞ぎながら走っている子もいました。 早い子も遅い子も必死に走っている姿を見ていると、皆に一等賞をあげたくなります。

 そしてクライマックスは5、6年生による騎馬戦。私の前で戦っていたのは5年生の男子と6年生の女子の組み合わせ。小康状態が続いた後、女子の騎手が良いタイミングで前のめりになって敵の帽子を取りに行ったところ、バランスがくずれ騎馬から落ちてしまいました。

 活発そうな女の子は落ちた後、シクシク泣き出し立ち上がれません。最後は先生が来て、背中をさすりながら抱きかかえられていました。我を忘れて競技に打ち込み、号泣する姿を見ていると、こちらまで目頭が熱くなります。来年は息子も騎馬戦です。今から楽しみになってきました。


さて今月のオススメワイン。
まずは仏・ボルドー、オーメドック地区のシャトー・アルノー05年と、オーメドック・ド・ジスクール05年。最高の作柄だった05年産は、6年を経て市場の在庫も随分少なくなってきました。こういった有名ワインで今05年産を見つけたら、手に入れる最後のチャンスかもしれません。

 しかし、真のお値打ちワインは最高の年の陰に隠れていることが多いのです。サンテミリオン地区グランジュ・ヌーヴ・ド・フィジャック04年。言わずと知れたシャトー・フィジャックのセカンドワインですが、05年の陰にあたる04年産をお買い得価格で見つけました。7年を経た飲み頃の旨味と、良い生産者に共通する中身の詰まった味わいが楽しめます。

 一方こちらは天候の良かった09年の陰にあたる08年産。コート・ド・カスティヨン地区のシャトー・ロック・ル・メイン08年は完熟したふくよかな果実味がたっぷり。フレッシュな風味を今開けて楽しむか、数年間買ったことを忘れて熟成香が開いてくるのを待つか、どちらも美味しくいただけるでしょう。

 所変わってブルゴーニュ。この地区で白と言えばシャルドネ種ですが、僅かですが他の品種も栽培されています。サンブリ村のゴワソ家が造るソーヴィニヨンブラン種09年。この品種特有の柑橘類を思わせる酸味と、09年らしい完熟した果実味が見事に調和しています。

 もう一つはムルソー村に暮らすミッシェル・ブーズロー氏が造るアリゴテ種08年。一般に酸味が強く果実味が弱い印象のアリゴテ種ですが、彼のワインはふくよかな果実味を持ち、木樽熟成させることで奥行きと風格のある味わいを備えています。この二つのワインは久々に唸ってしまう程のインパクトがありました。

 フランス以外ではスペイン・ウティエル・レケナ地区のマ・デ・バザン クリアンサ04年。3品種をブレンドし樽熟成させたことで、豊かでバランスの良い果実味と複雑さを合わせ持っています。予算はないがチョッとおいしい赤が飲みたい時には最適の一本でしょう。

 一方白はドイツ・モーゼル地方ユルツィヒ村シュロス・コブレンツ社がリースリング種で造るQbAトロッケン(辛口)10年。この品種特有の白い花やケミカルな香りに、完熟した果実味と豊かな酸味が舌の上ではじける様に広がります。お刺身の醤油にレモンを数滴搾り、このワインと刺身を合わせていただくと意外な相性の良さを体感できると思います。

 「オープン・アップ」シリーズのワイングラス。グラスの上部が狭まった独自の形は香りを捉え易く、特にプロ・ティスティング(試飲用)に水道水を入れていただくとカルキ香がはっきりと感じられるほどです。グラスの生地が新素材の強化ガラスで強く、価格も高くない為、家庭用にも業務用にもお勧めできます。

2011年 5月

 11年4月9日で営業を止めたフジヰ食料品店。翌4月10日は支店のスタッフと引っ越し作業を行いました。 店内は殆ど空っぽだと思いましたが、引っ越しを始めると荷物は山の様。午後からもうひと頑張りしてもらう為、皆でホテル東急インのランチバイキングに行きました。

 バイキングに大勢で行くと各自が美味しい物探しをして、見つかると皆に教えてもらえる利点があります。スタッフのYは実演中の大きなパルミジャーノチーズの凹みであえたパスタにずけずけとパルミジャーノの増量を頼み、その後は皆もチーズ増量で!とコックさんに頼んでいました。

 私も美味しい物を探さねばと物色していると、お味噌汁の鍋の横にカレーと書かれた寸胴鍋がありました。バイキングだと、おかずばかりに目が行きご飯物を食べる人はいないと思いましたが、鍋の蓋を開けてみると昔風の小麦粉を炒めたカレーに焦げた牛肉とスパイスの香り。早速、小皿に盛ってテーブルに戻り食べてみるととても美味しく皆も大絶賛でした。

 その後、お皿を下げに来たホールの方にカレーが美味しかった話をすると、実は厨房にカレーが大好きなコックさんがいて、一から丁寧に造っているのでリピーターの方は必ずカレーを食されますとうれしそうに話していました。東急インのランチバイキング、カレーは絶対にオススメです!


そして移転先が決まらないフジヰ食料品店ですが、4月11日からワインショップフジヰ入り口横の小さなスペースで臨時営業しています。本店ではかつおは削っていませんが、毎日削りたての花かつおが問屋さんから届きます。食品の商品数はまだ少ないですが、お客様のご希望を伺いながら少しずつ増やしていきたいと思っていますので、店の者に何なりとご相談下さい。

 また今までワインを買われていたお客様へも、この機会にカツオ節を始めとする厳選された食品類をお試しいただけましたら幸いです。支店の店長だった藤井智子も16時頃までは本店にいますので、声を掛けてみてください。


さて今月のオススメワイン。春から為替レートのおかげでお値下げになった物が増え、低価格から美味しいワインが揃いました。まずはボルドーからはシャトー・シカーヌ。とても暑かった03年産でありながらこの低価格。試飲前はもう少し練れた味わいを期待しましたが、8年を経ても今だ果実味が瑞々しく、もう数年の熟成にも耐えるポテンシャルをビシビシと感じさせます。シャトー・ラバディ07年は、完熟したメルロ種からのふくよかな果実味と樽からのスモーキーな香りが楽しめてこの価格は絶対にお得。07年産ですが魅力たっぷりで今から楽しめます。

 ブルゴーニュ地方の白でヴァンサン・デュレイユ・ジャンティアルのリュリー村マジエール08年。ブラインドで味わうとカリフォルニアのかなり良質なシャルドネか、フランスですとムルソー村の上物を思わせる味わい。この魅力たっぷりなワインがアメリカでベイビー・モンラッシェと呼ばれているのも頷けます。

 南仏からはサンタ・デュックが造るワイン。ヴァケラス村 レ・オーブ 05年は自社畑。良い年と良い畑の典型的な味わいで豊かさと力強さがたっぷり楽しめます。パーカー氏は89点評価ですが、90点以上付けても不思議は無い程の出来です。一方、ラストー村 レ・ブロウ゛ァックは自社畑ではありませんが、栽培中から栽培農家に指導を行い健全な葡萄のみを購入して造られたワイン。暑かった03年産が8年を経て豊かな熟成感が楽しめます。良い造り手は自社畑でも、購入葡萄からでも素晴らしいワインを造れることが納得できます。

 イタリアからはヴェネト州でアンナベルタが造るカナヤ08年。3年前の発売以来今や大人気となったカナヤは、ヴァルポリチェラの地区外でアマローネの製法をまねて収穫後干し葡萄にしてから発酵させたフルボディタイプの赤。カナヤとは地元の方言で「ずる賢い」の意味。名前も含めてあっぱれな出来です。

 スペインのイヌリエータ ナバエルスはイヌリエータ社がメルロ種とカベルネ種で造った現代的なスタイルの赤。十分な果実味の豊かさと熟成感を持ちながらこの価格はスペイン以外ではあり得ないでしょう。

 最後はチリのデル・スール社のワイン2種、赤がカルメネール種、白がソーヴィニヨンブラン種から造る新着のワインです。赤、白共にフルーティできれいな果実味を持ち、この価格とは思えない仕上がりの良さが楽しめます。

2011年 3月、4月

東北地震の被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。また電力、医療、物流、通信等、様々な方面ででご尽力されている方々、本当にご苦労様です。

 今月の独り言は、当社からも辛いお知らせです。
2年半前から地下街ポールタウンで営業していましたフジヰ食料品店ですが、2011年4月9日をもちまして閉店することになりました。削りたてのかつお節とこだわりの食品、それとちょっと可愛い雑貨類は、多くの方に愛されていたのですが、私の計画の甘さからこの様な形となりました。ご利用いただいてるお客様を裏切る形で大変申し訳ございませんが、何とか違う場所で再出発が出来ないかを検討しておりますのでもう少々お待ち下さい。

 「削りたてのかつお節の美味しさを皆さまにも味わっていただきたい」との思いで開店しましたが、かつお節で出汁をとるお客様は年輩の女性しかいらっしゃらないだろうと思っていました。ところがオープンしてみると若い女性のお客様や男性のお客様にもご購入していただき、お話を聞くと出汁を取るだけでなくポテトチップの様にそのまま食べたり、ふりかけの様にご飯にかけていただいているとのこと。

あと驚いたのは、ペットのネコに当社のかつお節を与えたら、他のかつお節を出してもネコまたぎするようになったと聞かされました。この様なお客様やネコちゃんのためにも何とか移転先を見つけ、再び皆さまにご案内差し上げたいと思っています。

 さて今月のオススメワインです。
ボルドーからは04年産の赤が7年を経て美味しくなってきました。シャトーポタンサックのオーナーはラスカーズのドゥロン家。安定した品質とカベルネ種からの骨太な味わいは兄であるラスカーズ譲りと言えるでしょう。シャトー・ピュイグローはメルロ種主体。ふくよかな果実味と樽風味が調和して熟成旨味が楽しめます。

 ブルゴーニュからはベルナール・モローのブルゴーニュ・シャルドネ。天候の良かった09年産がとうとう入荷しました。完熟感たっぷりの果実味と木樽の風味が調和しシャルドネの見本と言える仕上がりです。赤ではポール・ガローデのモンテリー05年。派手さはありませんが、作柄の良かった年らしく素直で完熟したチェリーの風味が6年を経て干した果実の風味に変化してきました。お値段も村名規格としては良心的だと思います。

 もっと熟成した方がお好きな方にはセリエ・デ・ウルシュリーヌのオーセイ・デュレス村1級畑ル・ヴァル01年。10年を経たピノノワールは干した果実からキノコや革製品の風味に変化しており、大きめのグラスに注いでいただければ豊かな熟成香が広がるでしょう。
お値打ちなフルボディタイプは、カオール地区のシャトー・ピネレ07年とローヌ地方のラ・グランド・コリーヌのル・カノン。ピネレはこの価格で果実味とスモーキーな樽香が楽しめるお買い得品。日本人大岡さんが造るル・カロン赤は、表記は無いですが素晴らしい天候だった09年産のシラー種66%とグルナッシュ種34%からのワイン。暑かった夏を思わせる凝縮した果実味はまるでシロップのように濃厚です。

 それとアルザスからの2点、ドルシュヴィールのピノグリ種00年と、マルク・クレイデンヴァイツのリースリング種08年は品質の高さに驚きました。ピノグリは11年熟成による複雑な風味がたっぷりで、リースリング08年は若くてもミネラル感と酸味が調和し、奥行きのある味わいが楽しめます。

 最後に今月の安旨大賞は、白がアンブレットのフリザンテ・セッコ。微発泡で爽やかな味わいはスイスイとのどを潤してくれます。赤はタウロッソのプリミティーヴォ07年。タンク熟成のこの赤は4年を経ても果実味がたっぷりで、この価格とは思えない豊かでスパイシーな風味が楽しめました。

2011年 1月、2月

 フジヰニュースが一ヶ月遅れましたが、今年も宜しくお願い致します。
さて今月の独り言はお店の話。年明けの1月17日、当社と同じ南3条西3丁目にある新山ビル(中山ミシン店から西に50歩!3条通り北向き)1階に、得意先である「ソルトピーナッツ」のラーメン店が開店しました。

この店の広さはなんと2坪!カウンター4席のラーメン屋さんです。オーナーの金野氏がインターネットで調べた所、日本最小ではなかったそうですが、充分驚くべき狭さです。

 味は今風の濃厚な豚骨タイプとは逆の和風テイストで、体重を気にする私の年代に受けそうなタイプ。私もいただきましたが、身体にしみこむ様な澄んだ味わいは、有機栽培で酸化防止剤を使わない自然派ワインを思わせます。そして店内は意外に落ち着き、子供の頃押し入れで遊んだ事を思い出しました(金野さんごめんなさい!)。

 「和風支那そば」は一杯500円。店を任されている高塚さんはイケメンで手際が良く、ヒットする予感を感じました。営業時間は昼から夜11時ぐらいまで(火曜定休)。途中に中休みがあるそうですが、店に電話はありません。こってり系ラーメンが苦手な方はぜひ一度お試しあれ。

 さて、今月のおすすめワインは、熟成し飲み頃となった物でお得な値付けのワインを選びました。
まずはラ・シャブリジェンヌのシャブリ1級畑ヴァイヨンの99年。ミネラル感が豊かで12年を経たとは思えないハツラツとした味わいを持ち、この価格は絶対にお得でしょう。数量限定なので、ご希望の方はお早めに!

 ボルドーの赤はシャトー・ラ・ヴァリエール95年。16年も前のワインがこの価格!しかもカベルネの風味が今もしっかりとあり、更なる熟成も可能なポテンシャルを充分感じます。

南仏からはサンタ・ジュックのラストー村レ・プロヴァック03年。暑かった03年らしい強さとスパイシーさに、8年を経て開いてきたアニマルの様な熟成香が楽しめます。

 イタリアからはボッター・カルロのコペルティーノ・リセルヴァ06年。南特有のふくよかな果実味が5年を経て木樽風味と混じり始め、飲み頃の旨味が出てきました。

 スペインからは白、グラン・バザンがリアスバイシャス地区、アルバリーニョ種で造られた芳醇な辛口。6年熟成による複雑な風味は、鳥かブタ肉と合わせたくなる強さを持っています。

 そして最後は、飲み過ぎた時に助けられた強力な助っ人、翌ケロと、カラダにしみこむクルクミン。翌ケロは罰ゲームの様に苦く飲みづらいのですが、この苦味が心理的にも身体的にも効くのです。一方グミ・タイプのカラダにしみこむクルクミンも同様に効くのですが、私にとっては何というか飲み易すぎて実感がわいてこなく感じてしまうのです。アンプル入りの翌ケロはやはり脂ぎった男性用で、キュートなグミタイプは女性用という分け方がいいと思います。

2010年 11月、12月

 今年も三笠、山崎ワイナリーの収穫ボランティア募集受付の当社。
10月の私の休みと収穫日が重なり、家族と共にメルロ種の収穫に行って来ました。朝、畑に着くとメルロ葡萄がたわわに実っています。冷夏ですと黒葡萄の色目は赤茶けた感じになりますが、今年は暑かっただけに色も黒々。味わいはとても甘く、赤ワインにとって重要な葡萄の種の色も茶色がまじり、噛み潰しても未熟な青さが目立ちません。

後で聞いた話では、今年は特にメルロ種の作柄が良かったそうです。今年から大学を卒業し家業を手伝う次男、太地さんは、収穫に参加した皆さんをまわり色々アドバイスをしています。

幼稚園だった頃は一時間も作業をすると葡萄のつまみ食いにも飽きて畑で遊び回っていた息子は、小学校3年生になり昼の1時過ぎまで皆と同様に収穫の手伝いが出来るようになりました。朝は雲一つ無かった空に11時ぐらいから少しずつ雲が増え始め、昼を過ぎると一雨来そうな空模様。こうなると時間との戦いです。1時過ぎには何とか収穫を終え、山崎さんのログハウスの中で特製カレーライスをご馳走になっているとスコールのような雨が降り始めました。

この食事の際に、貴重な醸造途中のワインを試飲させていただきました。9月に収穫を終えたバッカス種は、発酵もほぼ終わり白ワインの味わいに近くなっています。このバッカス10年は09年と同様に残糖感が少なめで、中口タイプになるのでしょうか。次に試飲したケルナー10年はアルコールが約半分の5%程しかなく、まだ白く濁っています。味わいは残っているブドウ糖の甘さと品種特有の豊かな酸味が心地良く、この年のケルナーも例年と同様に安定した品質を感じさせました。

そして赤ワインは昨年09年産ピノノワール種で、タンク違いによる2種類を試飲。まずは通常のフィルターを通して澄んだ状態の物。冷夏だった昨年の物とは思えない完熟感と穏やかな酸味に驚きました。次はフィルター無しのピノノワール09年、瓶底にハッキリとオリがあり少し濁っています。味わいは旨味成分の量がフィルター後の物より豊かで元が同じワインだったとは思えない出来。私、個人的にはこのノンフィルターの味に興味を持ちました。

太地さんは軽トラックで収穫した葡萄を醸造所に運び入れ皆より遅れて食事を始めましたが、私が味わいのコメントを言い始めると食事を止めて広報担当者になります。「09年ピノに関しては、昨年出来る限り収穫を遅らせ完熟を待ったのと、醸造担当の兄、亮一さんがアルコール発酵の後に起こるマロラクティック発酵(ワインの酸味が穏やかになる)の扱いがさらに上達したため」と嬉しそうに説明してくれました。

一方、兄の亮一さんとお父さんは昼食をサッと済ますと、直ぐに醸造所に戻っていきました。帰る前にワイナリーの直売所に寄ると、お母さんと妹さんはにこやかにお客様を出迎えています。ご存じの方も多いでしょうが、山崎ワイナリーのラベルに描かれた5枚の花びらは家族5人の指紋をモチーフに描かれています。まるでラベルの花の様に山崎家の5人が一つになって働く姿こそが、山崎ワインの美味しさの秘密だったのでしょう。

さて、今月のおすすめワインです。
近年、値上がりがひどくお買得な商品が少ないボルドーですが、シャトー・カマンサックのセカンドワイン、レ・バイィ・・ド・カマンサック05年は、天候の良かった年らしく強さと木樽の風味がストレートに楽しめます。 逆にシャトー・ラウール02年は、濃度ではなく薄旨系の味わい。グラーヴ地区の特徴である革やたばこの葉の熟成香と柔らかな果実味が楽しめます。

一方、ブルゴーニュからはアラン・グラ家の本拠地、サン・ロマン村の白08年とロッシュ・ド・ベレーヌのブルゴーニュ規格の赤でヴィエイユ・ヴィーニュ(古木の葡萄)02年。共にブルゴーニュ産でふくよかな果実味が楽しめてこの価格帯はかなりお得だと思います。特に02年産の方は村名が付かない規格でありながら8年経ても枯れた感じがしないのはたいしたものです。

輸入元にて欠品していたアルザス地方テュルクハイム村協同組合のワインがやっと入荷しました。安くて美味しいアルザスといえばここは絶対に外せません。特にゲヴュルツトラミネール種は、特有の華やか香りとふくよかな味わいで一番人気です。

フランス以外ではイタリア、トスカーナ州・クエルチャベッラのキャンティ・クラシコ07年。定価3,900円が年末まで特価になりました。名門クエルチャベッラのワインをこの機会に是非お試し下さい。

私が好きな熟成したイタリアの安旨ワインでしたらモンカロ社のロッカヴィヴァ ロッソ・ピチェーノ05年。普通、この価格帯ですと08年か09年産が多いですが、赤はせめて5年は熟成させた物を味わいたいと思っている方にお薦めです。インパクトのあるタイプではありませんが、お食事と共に味わっていただくと美味しさがしみじみと感じられるでしょう。


最後は私が大好きなリースリング種。ドイツの辛口タイプ、デビルズ・ロック07年。和食の魚か野菜料理には抜群の相性で、このお値段で満足してしまう私は安上がりな人間ですね。

2010年 10月

 9月の休業日にワインショップフジヰとフジヰ食料品店のスタッフで、余市の葡萄栽培農家さんを見学して来ました。一軒目は千歳のグレイスワイナリーとドメーヌ・タカヒコに葡萄を納入されている木村さん。二軒目は念願の余市で畑を購入し、今年から葡萄を植え、ワイン醸造所も完成したドメーヌ・タカヒコの曽我貴彦さん。

 二人の農家さんが力を入れるのはフランスの黒葡萄ピノノワール種です。 北海道でもワイン用の葡萄栽培は増えて来ていますがまだまだ少数派、水田や畑の中に時々垣根仕立ての葡萄畑が点在する感じです。ところが果物の町、余市では逆に水田や畑はなく、見渡すと周りは果樹園だらけ。特に蘭島寄りの登(ノボリ)地区は垣根仕立ての葡萄畑が連なっており、ちょっとフランスのコートドールのような風景です。

 二十数年前、㈱はこだてワインが数軒の契約農家さんに、当時は育つかどうかも解らないピノノワールの苗木を斡旋しました。この品種は栽培が難しく収量も低いため今は別の品種に植え替えた農家さんも多いそうですが、余市の木村さんはこの品種に将来性を感じて少しずつ栽培を増やして来ました。

 一方まだ30代の曽我さんは、今まで有名なココファーム(栃木県)で葡萄栽培と醸造を行ってきた方。原料葡萄が地元の畑では足りない為、醸造長だったアメリカ人ブルース・ガットラヴ氏と共に全国の産地を回って葡萄の買い付けを行って来たそうです。その彼が選んだ場所が北海道の余市だったのです。

 余市は果物とニッカのウィスキー工場で知られる町。ニッカの竹鶴氏が工場を余市にした理由の一つは、ウィスキーは製造後から出荷まで数年の熟成期間が必要で、その期間の売り上げ確保に地元名産のリンゴで100%ジュースを作り販売していたそうです。1934年設立時の会社名は「大日本果汁㈱」。これを略した「日果(ニッカ)」がウィスキー名の由来です。

 昔から果実の町として王道を行く余市。しかし近年、ワインに関しては空知地方が注目され、私が応援する三笠市の山崎ワイナリーだけではなく鶴沼ワイナリー、宝水ワイナリー、中澤ヴィンヤードと素晴らしいワインが出来はじめています。さらに前述したブルース・ガットラヴさんも、今、岩見沢市に暮らし葡萄を植え始めています。

 現在日本の葡萄畑の総面積は約2万ヘクタール。ただ生食用が多くワイン用は約一割の2千ヘクタールと言われています。そして北海道のワイン用葡萄畑の総面積は、先駆者の十勝ワインと、おたるワインで知られる㈱北海道ワインのおかげで、全国の約半分にあたる千ヘクタールにもなりました。特に余市では本州企業のワイン用葡萄の買い付けが急激に進み、地元ワイナリーが入手困難になって来たと言われる程です。

 ワインショップフジヰでも販売の多くは輸入ワインですが、私自身は地元のワインに特別な思い入れがあります。皆さんも地元の食材でごちそうを作った時、たまには北海道産のワインを合わせてみてはいかがでしょうか。

 さて、今月のおすすめワインです。
 今月は熟成したワインでいい物が多かったです。若いワインにはない豊かな熟成香と芳醇な味わいを是非お試し下さい。まずはジャイエ・ジルが造るオート・コート・ド・ニュイ地区の04年。木樽の風味と豊かな果実味がうまく調和し、シャルドネ種の理想の姿と言える味わいになってきました。

 赤では南仏でヌーヴォー・モンドが造るコトー・デュ・ラングドック00年。シラー種とムールヴェードル種からの強くスパイシーな味わいが10年を経てこなれ、アニマルっぽい熟成香が開いてきました。イタリアからは86番ロッカ・ディ・モリのコペルティーノ・ロッソ03年。暑かった03年らしく豊かな果実味が今もたっぷりで、更なる熟成も可能でしょう。

 でも、今月のイチオシはアンヌ・ボエクラン(アルザスの協同組合のブランド)でアルザス・グランクリュの97年産リースリング種と、99年産ゲヴルツトラミネール種(完売)からのワイン。共に熟成香だけで酔ってしまう程の魅力がたっぷり。更に味わいは酸化や枯れた感じが微塵もなく、これこそ芳醇と言える味わいです。ぜひこのワインをお試し下さい。

2010年 9月

 先日メロンを箱でいただく機会があり、うちのスタッフと分けた所私の分が残りませんでした。何も考えず家に帰るとメロンの情報が息子にまで伝わっており、メロンが無いと大騒ぎ。仕方なく翌日私が買ってくることになりました。まずはメロンを何処で買うかです。スーパー?あるいは少し高くてもデパート?

 ふと思いついたのが、得意先のバーテンダーさん達がレモンやライムを買っている「サンフルーツ」011-221-6827。場所は「ドンキホーテ狸小路店」の1階・狸小路側で、40年以上前ここが「サンデパート」だった頃から続く老舗の果物屋さんです。メロンは安い物から高い物まで各種揃っていました。

 店のお兄さんに「今日食べたいので熟した物はどれですか?」と聞くと、1玉1,500円の中からオレンジ色っぽい玉を一つ選んでくれました。よく見ると同じ1,500円のメロンでも緑がかった色調で編み目模様がハッキリとある物から、オレンジが色目で編み目模様が薄れた物まで様々です。

 買ったメロンを家内に渡し、その日私は残業でした。翌朝、息子が満身の笑みで「メロンごちそうさま」と私を起こしてくれました。朝、私もそのメロンを食べましたが、果肉がジュクジュクしていて完熟した甘さで一杯です。後日、私は気になりスーパーのメロン売り場を見に行きました。確かに1,000円以下でメロンがたくさん並んでいますが、みんな同じ緑色なので新鮮なのはわかりますが今日食べるには適さない気がしました。

 これが専門店とスーパーマーケットの違いなのでしょう。業種は違えども同じ小売業として「サンフルーツ」さんの目利きと的確なアドバイスに感銘を受け、うちも更なる努力をしなければと感じました。

 さて、今月のおすすめワインです。

 まずはボルドー好きにはシャトー・ボーモン04年と、カマンサックのセカンドワイン。私の好みではもう数年待ちたいですが、今ですと瑞々しい果実味がたっぷりと楽しめます。それとお安くなったシャトー サント・コロンブ04年は6年を経て熟成感が開き始めてきたのでお値打ちです。

 でも、今年の暑さではやはり白。ピスルーのシャブリは熟成した04年産。樽に入れなくてもミネラル豊かな白は熟成することを身を以て体験出来ます。私の好みは07年特有の酸味が楽しめる、アンブロワーズのサンロマン村のシャルドネ。暑いときにはメリハリの利いた酸味が一番です。あと見逃せないのがマッソーネのガヴィ08年。2000円以上するガヴィがこの価格で、しかも果実味と酸味がうまく調和しています。

 もう少し涼しくなったら、リオハアルタの03年と、ベッカーさんが造るドイツのピノノワール種をゆっくりと味わいたいですね。

 そのベッカーさんが札幌に来て伺ったお話しは驚きました。代々所有する畑は家のまわりに3カ所あったのですが、第二次大戦後に国境線が変わり2カ所の畑がフランス領アルザス地方になってしまったそうです。目の前にありながら外国となった自社畑に入れたのは、長く交渉を続けて10年後だったそうです。

 1955年、雑木林となった自身の畑に入ったお父さんは、残っていた白のリースリング葡萄を断腸の思いで伐採し、新たにピノノワール種を植えました。本来ドイツワインとフランスワインを混ぜるとECターフェルワイン規格になりますが、元々は同一地区だったことが認められ、仏領の葡萄を使っていてもドイツ・ファルツ地区のワインとしてラベル表示が例外的に認められたそうです。