2008年 3月、4月

  今年1月にオープンしたばかりの外資系スーパー「コストコ」に行って来ました。
このスーパーでは買い物をせずに中を見るだけでも、入場するには約四千円を支払って会員にならなければなりません。実は開店前の昨年末から、ここの会員になるかどうかを悩んでいました。理由はスーパーで入場料を取られる?そんな商売って日本じゃ考えられないからです。

結局、私の好奇心は理性よりも勝り、お金を払ってでも入場したくなりました。そして結論から言うと、ここは面白いです。並んでいる商品は知らないものが多く実際に高いのか安いのかは判りませんが、ついこれを買おうかと手に取ってしまうものが結構ありました。


ワインに関しては私も真剣です。オープン記念でしょうか、定価19,950円のシャンパーニュ・ドンペリニヨン99年が、なんと9,800円(その後は値上げされたそうです)で山の様に積まれていました。価格は安い物もあったり色々ですが、現地の評価本等に出ていてもまだ日本に正規輸入されていないワインや、興味深いワインを見つけて数本買いました。

あと、ここに来ていた方の多くが買っていたのが、1,200円程の特大ピザ。ガラス張りの調理室で作っていたそのチルドピザは直径60センチ近くあり、それが入った大きなダンボール箱が皆のショッピングカートに鎮座していました。私もこのピザが欲しくなり妻に買おうと言 ったところ「このサイズのピザが入るオーブンが家にあるのなら買ってもいいけど、何等分かにカットするなら美味しさ半減よ」と言われ目が覚めました。

そして妻は「これならピザと違って家のフライパンに入れ直して焼けるでしょう」と言って幅20cm長さ50cmぐらいの容器に入った具だくさんのパエリアを選びました。

スーパーの中はある意味ディズニーランドよりもアメリカチック。トイレも外国映画で見たような感じで、便器の大きさも当然アメリカンサイズ。年会費は安くはないけれどアメリカンな気分を満喫出来て、実際に行く旅費や手間を考えるとこれは楽しいレジャーと言える気がしました。


 さて、71年札幌オリンピックと共に建設された地下街ポールタウンで開業したワインショップフジヰですが、10坪の店舗が手狭となりもう少し広い場所に移転することになりました。場所は南3条西3丁目の東側で、北に向かう一方通行に面した東向き。ミシン踏み人形が目印の「中山ミシン」さんと、プレイタウンフジイビルさんの間で、元「フレッシュネス・バーガー」だった場所です。

開業予定は5月中旬。もちろん、土曜恒例のサタディ・テースティングも続けますので、移転後もワインショップフジヰを宜しくお願いいたします。

では今月のオススメワイン。
まずはボルドー地方から、ムーラン・ディッサン ボルドー05年。飲む前はマルゴー村のシャトーが造っているのに、マルゴー村でも、オーメドック地区でもないので半信半疑で試飲をしましたが、05年産らしいたっぷりしたコクと燻した樽の香りが華やかで、その見事な出来に驚いてしまいました。

シャトー・マレスカス オーメドック97年は、11年を経てもしっかり残る果実の風味とヨモギを思わせる熟成香が両方楽しめます。熟成ワインの旨味が楽しめて、この価格はちょっとあり得ません。

ブルゴーニュ地方からはジャイエ・ジル オートコートボーヌ赤04年とカイヨ ムルソー白04年。共に4年を経て熟成感が開き始め、これぞブルゴーニュと思わせる味わいがたっぷりです。

最後はイタリア、リカゾリ カザルフェッロ96年。ヨーロッパ全体が好天に恵まれた96年ですが、トスカーナ州だけは局地的な豪雨に見舞われた因縁の年。しかしこのワインには生産者の汗と涙を感じても、雨によって薄まった味わいは微塵も感じさせません。

2008年 2月

 私の家内はおしゃれなカフェが大好きです。
 しかし、私は大盛りと食堂が大好きなので、休日の予定を決める時はいろいろ問題が発生します。

 今回は菊水にあるチャノシタ(白石区菊水5条3丁目5-11・月曜定休011-887-8273)と言うカフェに行くことになりました。場所は南1条~南郷通り沿いで、東札幌の手前にある大きな円形歩道橋のほんの少し手前にあります。家族3人でランチをいただきましたが、お店の雰囲気だけでなく料理もとても美味しくボリュームもあったので、問題は起こらず楽しい一時を過ごすことが出来ました。

この日せっかく菊水に来たので、当社とお付き合いのある業者さんを捜していたところ、その近所でガラス張りの古い大きな建物を見つけました。看板には「大熊商店」とあります。

中で何か作業をしているので見てみると、鰹節を大きな機械で削っています。車から降りるとダシの香りが鼻をくすぐりガラス越しに見ていると、中の方がガラス戸を開けて今削ったばかりの鰹節を息子の手に山盛りのせてくれました。

私と家内は息子の食べる姿に我慢が出来ず、お願いして自分達用にもう一山いただきました。その綿あめのような鰹節は、そのまま食べるだけでめちゃめちゃ美味しいのです。これを買うことは出来るのでしょうか?と聞くと入り口の奥の事務所に行ってくださいと言われました。

重い引き戸を開けると、中は煮干しや鰹節や椎茸の箱が山積みされています。左手の事務所がまたアンティークなムードで、柱には大きなのっぽの古時計がぶら下がっています。今試食させていただいた鰹節を家庭用に少量売っていただけますかと言うと「100gで270円(外税)」と言われました。

100gとはどのぐらいの量なのですかと聞くと、幅15センチ高さ20センチぐらいの茶色い紙袋を手に持ってこれに詰めたぐらいと言われ、それをお願いしました。こんな少量なのに事務員の方は伝票を起こし「上様」、品名「本花」、数量「0.1」、金額「270」税込「¥284」と書いて手渡されます。

ここにレジは無いようで、300円を渡すと机の上の手持ち金庫を開けてお釣りをくれました。そして、さっき見せてくれた茶色い紙袋を持って奥の作業場に行き、間もなく鰹節を詰めた袋を手渡してくれます。お店を出て車に乗った途端、家族で争う様にその袋に手を入れ鰹節にかぶりつきました。

その日の夜はこの鰹節で取ったつゆで、我が家の御用達、大竹製麺のうどんを食べました。冷や奴にも削り節をたっぷりのせました。そして翌朝の息子の朝食は、おかかライス。削りたての鰹節って驚くほど美味しいものです。

札幌のダウンタウンとも言える菊水、この町にもおしゃれなカフェや新しいスーパーが出来ています。でも少し奥に入ってみると今も古い町並みが残り、札幌の良心と言えるようなお店が商売を続けています。

大熊商店(白石区菊水8条3丁目11-23・日曜祝日と第2・4土曜定休011-821-2166)ただ、市内300軒ほどのそば屋さん向け業務用のお店ですから、少量販売の小売店とは異なる点をご理解いただける方だけにお薦めします。

大竹製麺(札幌市中央区北1条東4丁目8-8・年中無休011-221-4525)北1条通り沿いの南向きで、東急ストアー札幌ファクトリー店の駐車場入り口とファクトリーの映画館に行くエスカレーターとの間にある小さなビル。

入り口を入るとチャイムが鳴り、しばらくすると白衣を着た小柄なお母さんが出て来るので注文します。するとお母さんはまた工場に戻り、にこやかな笑顔で注文の品を持って来てくれます。ここの生うどんは美味しいことで有名ですが、ここの餃子の皮で作る水餃子も私は
大好きです。ただ夕方になると品切れる事があります。

さて、今月のオススメワイン。まずはブルゴーニュから、白ヴェルジェが造るサンヴェラン村のシャテニエール畑04年。マコン地区特有のふくよかなコクとメリハリのある酸味が4年を経て調和し始め、評論家が90点は付けそうな味わいだと私は思います。

一方赤のオススメはとても安いですがアンリ・ド・ブルソーが造るレジェンドと言う名のブルゴーニュ赤。あえてガメ種をブレンドする事で、安いピノノワール種にありがちな薄っぺらさを無くし、この価格でバランスの良い味わいを持っています。多分この醸造家はかなりの腕前なのでしょう。ただ、混ぜ物を嫌う潔癖なピノノワール・ファンにはジャン氏が造るブルゴーニュ赤03年をオススメします。こちらは混ぜ物無しで濃さも無いですが、薄旨系ピノが熟成した飲み頃の美味しさが楽しめます。


イタリアからはアルファゼータのシャルドネ。この白はアンリ・ド・ブルソーと同様に、有能な醸造家がお手ごろ価格で良質なワインを造ろうと努力したタイプ。特別濃くは無いですが、複雑さと旨味が楽しめる良く出来た辛口白ワインです。

最後はスペインからパドロ・イプシスの赤、白。特に赤は03年産の強さと5年を経た熟成感があって、この価格ですから嬉しくなります。最近のスペインは濃くてもシロップっぽい甘さが気になることが多いのですが、このワインは甘さが目立たず練れた味わいが楽しめます。多分、有名産地でない為に熟成させることが出来たのでしょう。

最後はスペイン産ヴェルモット、イザギレ。ヴェルモットで有名なイタリア物とは全く違って、イザギレは漬け込んだハーブの量が格段
に多くビターリキュールと言いたくなる程。しかも私がヴェルモットを飲むとしたら普通は白の辛口で、ごく稀にカクテルのマンハッタンで赤甘口を飲むぐらいですが、イザギレは私が普段絶対に飲まない白甘口でも美味しいのです。また、この4種類は店舗に試飲用がございますので、近所まで来た際は是非お寄りいただきご試飲してみて下さい。

2008年 1月

 11月末に岩見沢の宝水ワイナリーに行って来ました。
目的は発酵が終わったばかりの新酒の試飲です。宝水ワイナリー06年産は余市と岩見沢の葡萄を使って仕込んだそうですが、07年は岩見沢の自社畑の葡萄のみで造った自信作!

予定より1便早い電車に乗れたので、岩見沢駅前の立ち食いそば屋「小もろ」で腹ごしらえ。この店のメニューは不思議なことに、かけそばも、天ぷらそばも、カレーそばも、そば類は皆300円なのです?それとゆで麺のせいもありますが、オーダーをして財布からお金を出す前にそばが出てきます。ちなみに私は500円のシンプルな味わいのしょうゆラーメンを頂きました。

ワイナリーへは駅から車で15分程で着きます。ここは新しい醸造所だけに最新の設備を見ることが出来ました。まずは約1メートル四方のプラスチックで出来た発酵タンク。軽い事と重ねられるので小ロットの仕込みに適し、赤の発酵前に行う低温浸漬もしやすいそうです。

次は小さな樽の形をした300リットル弱のステンレスタンク。このタンクは発酵終了後に、酵母菌等の澱(おり)を分離せずシュール・リー熟成させる際、通常の縦長タンクより容量に対して底面積が大きい為に澱の表面積が増え、澱からの旨味成分がワインに溶け込みやすい最新の物です。

試飲は白ケルナー07年から。発酵直後で炭酸が残っています。味わいはほぼ辛口で、熟した果実の風味とシャープな酸味が豊か。新鮮な柑橘の皮を思わせる心地よい苦味が味を引き締めています。

赤レンベルガー07年。紫の色調で濃さはしっかり。香りはインクの様でまだ閉じた印象、赤も炭酸ガス有、味はバランスが良くガメ種を思わせます、若いのに酸味が柔らかく少し熟成したワインに感じます。

最後は試験的に造ったと言う、樽熟8ヶ月のレンベルガー06年。色は07年より薄くグラスの縁は透明。濃い味わいではなくても、酸味が柔らかく若くても旨味が感じられます。もう少し熟成すれば、十勝ワインの銘酒、清美(キヨミ)の様に気品のある味わいになりそうです。

試飲後は近くでキジを飼育している施設があり、そこで出しているキジ肉チャーシュー入りで旨味たっぷりのキジラーメンをご馳走になりました。私にとってはラーメンが2食続きましたが、澄んだ味わいで美味しくいただきました。

さて、私は岩見沢でもう1軒寄りたい所がありました。岩見沢駅から歩いて5分ぐらいの、古い市場の中で営業している市川燻製屋本舗(0126-20-0300 日曜定休)です。

昔は魚屋さんや八百屋さんが20軒ほど入っていたであろう古い市場は、現在ほとんどが空き店舗で営業しているのは4軒ぐらいでしょうか。そんなさびれた(失礼)中で市川さんご夫婦が、目をキラキラさせてお客様に燻製の試食を勧めています。特にタチ(タラの白子)の燻製は感動ものです。でも美味しさ以上に、市川さんの嬉しそうな顔を見ていると買わずにはいられません。

会話の中で市川さんは、自分が元の会社を辞めてここ岩見沢で独立したのは、三笠の山崎ワイナリーの山﨑さんにお会いして勇気を頂いたからですと話され、私に山﨑さんをご存じですか?と聞かれました。私は「実は私の仕事は酒の小売店で、山﨑さんのワインを販売しており、今では親戚付き合いをさせてもらっています。本当に山﨑さんは素晴らしい方ですね」と答えると旦那さんは驚かれ、また試食を差し出されました。ここでサーモン、つぶ、タチ、カキの燻製をお土産に買い、JRで札幌に戻って店のスタッフと共に味わいました。

岩見沢は大都市ではないですが、身の丈に合った中で温かさや豊かさを感じさせます。多分近郊の農業が上手くいっている結果なのでしょう。ワインに関してもこの岩見沢を擁する空知地方では、鶴沼ワイナリー、山崎ワイナリー、宝水ワイナリー、そして中沢ヴィンヤードと層が厚く、更なる発展が期待されます。
町を車ではなくゆっくり歩いていただくと、ワイン屋のクラモチさんや、天狗まんじゅう、レイモンドカフェ等の個性豊かなお店が見つかります。皆さんも一度岩見沢へ遊びに行ってみませんか。

さて、今月のおすすめワイン。
まずボルドーの赤からは最高の作柄だった00年産。シャトー・フルカオスタン00年は、熟成感と若く豊かな果実味の両方が楽しめます。クロフロリデーヌ00年は、グラーヴ地区らしい土やタバコ葉の熟成香に、こなれたタンニンと柔らかくなった果実味が調和した飲み頃の美味しさが楽しめます。

ブルゴーニュからは飲み頃を迎えた03年産。カイヨのブルゴーニュ白03年は、ナッツ、スモーク香と果実味を引き締めるジンジャーの風味があり、この生産者が暮らすムルソー村のワインを思わせます。ヴェルジェが得意とするビュシェール村の03年は、ローストした華やかな樽香とそれに負けない完熟した柑橘類の果実味が、せめぎ合うようにグラスの中からどんどん広がって来ます。

イタリア、スパレッティ社のポッジオレアレ03年は、近年少なくなった大樽熟成させたワイン。こなれた酸、タンニンと果実味が調和し、舌の上で複雑さと旨味がじわじわと広がります。

最後は珍しく食品2種。広島県レインボー食品のカキのスモーク缶詰。香ばしいスモーク香と凝縮したカキの芳醇な味わいはちょっとクセになる程の美味しさです。瀬戸内海小豆島(しょうどしま)のオリーブ新漬け。ヤマヒサ社が10月末に発売したのは自社農園産ですが、こちらは近所の農家のオリーブで作った物。プレーンな塩味と浅漬けの食感に、じわっとしみ出るオリーブのしみじみとした旨味は、まさしくヤマヒサ独自の味わいです。

2007年 11月、12月

 夏のキャンプでアウトドアにはまっている我が家は、今度は「定山渓(ジョウザンケイ)自然の森」に行って来ました。 宿泊は可愛い5名用コテージで、ベット、トイレ、流し台、ストーブが付き快適そのもの。横にある屋根付きのテーブルで煮炊きをし、ここで昼、夜、翌朝と3回食事をしました。

 夕方には薪割り飯ごう炊さん体験に参加。親切な係の方が5歳の息子にナタを持たせて、薪を割っていきます。その薪を井げたに組み上げ、下に置いた焚きつけ用の新聞紙に火を付けるとバチバチと音を立てて大きな炎が飯ごうを包み込みます。

 こうして炊き上がった飯ごうを持って、コテージに戻りまずは試食。苦労して炊いたご飯の味は格別で、ふりかけ無しではご飯を食べない息子が、白いご飯をムシャムシャと食べています。その後、持参したお肉と野菜で料理を作り、ワインを飲みながらゆっくりと食事をして、夜はトランプ遊びで楽しみました。

 ここにお風呂は無かったので翌日出発する際に自然の森の方に聞くと、日帰り入浴できる付近の温泉の料金表を渡されました。そこに書かれたホテルの中に、当社がワインを納入している定山渓第一寶亭留(ダイイチホテル)翠山亭(スイザンテイ)を発見し、ここに決定!

 しかしホテルに着くと、ジーンズ姿の自分が悲しくなる程ゴージャスなムードです。気後れした私は名前を明かさずに料金を支払い風呂へ直行します。吹き抜けの大浴場は更に立派で、壁には温泉の滝が流れており、洗い場のシャンプーは高級感のあるオレンジの香りの物と、更に高そうな馬油入りが交互に並んでいました。

 風呂から上がり脱衣所で扇風機の風に当たっていると更に驚きました。置いてある中型の扇風機は左右に首を振るのではなく、「8」の字を横にした形に首を上下左右に振っているのです。扇風機の進化に感動し、翠山亭を出発。次に向かった先は、国道沿いのローソンの向かい側にある小さなお米屋さんです。

 ここのおばあちゃんが作るお総菜は、我が家定番の定山渓土産。一個70円の小ぶりのコロッケは、ほんのりと甘味があり息子の大好物。私は「竹の子とフキの味噌炒め」と、イモサラダをパックに詰めてもらい今夜のおつまみになりました。


 さて、今月のオススメはブルゴーニュの03年。異常気象と言われたほど暑かった03年は、ヨーロッパ中で濃いワインが造られました。ただブルゴーニュやロワールなど北部で繊細さが特徴の産地ではアルコールが強く大柄なワインとなり、特にピノノワール・マニアは03年産の発売に見向きもしませんでした。

 その03年も収穫から4年を経て試飲をしてみると、アルコール辛さが元々の濃い果実味に溶け込み、ふくよかで奥行きのあるワインになっていました。幾つかのメーカーに残っていた03年を試飲して選んだのが、ジョセフ・ロティのグラン・オルディネールと、ジョセフ・ロティのブルゴーニュ・ルージュ、それとグロ・フレール&スールのヴォーヌロマネです。

 この3種の内一つでも結構です、先入観を捨てて味わってみて下さい。03年のブルゴーニュって美味しいねと思っていただけると思います。

 もう一つのオススメは、チリのコノスル社レセルヴァ カルメネール 03年。誰でもが知っているカベルネ種やシャルドネ種は今発売しているのが06年産ですが、知名度が低いカルメネール種は何と03年が残っていました。しかもこの品種は、カベルネ種よりタンニンが豊かで熟成後に美味しくなるタイプ。 私が試飲したときの印象は、仏オーメドック地区01年産の味を思い浮かべました。しかも価格は1,200円とお買い得です。若くフルーティなチリワインも良いですが、たまにはこうした熟成したワインはいかがでしょうか。

2007年 9月、10月

お待たせしてすみません。今回のリストも9月~10月合弁号となってしまいました。

さて今年の夏、我が家は初のアウトドアに挑戦しました。

テントも何も持っていない私たちですが、妻が雑誌「クウネル」で南富良野のネイチャーガイド、リトルトリーの大野さん一家の記事を読んだ事がこの計画の始まりでした。妻はこの記事にあった木登りとカヌーを希望し、後は移動も用具も全てお任せの、贅沢なプライベート・キャンプツアーです。

午前中はトマムリゾートの森で木登り体験をして、昼食後に然別湖(シカリベツコ)のキャンプ場に向かいます。駐車場からリヤカーを使って、テント2家族分、台所と食卓用の大きなテント、あとは食料と寝具を運びます。5人が2食食べて、寝るだけでリヤカー6回往復分もの荷物がありました。

午後に少しカヌーに乗り、夕食の準備です。大野さんがダッチオーブンという鉄鍋でローストポークを作り、奥さんはサラダやデザートを担当。だんだんと暗くなってくると、たき火の明るさと暖かさが何よりも心を和ませます。大きな火を見たことのない息子は大騒ぎで、率先して燃やす枝を捜してはずっと火の番をしていました。真っ暗な森の中で食べた野外料理のフルコースと、食後に枝に刺したマシュマロをたき火であぶった、焼きマシュマロの美味しさは忘れられません。

翌朝5時、霧が晴れ、湖面の風が止み、水面が鏡のようになった湖にカヌーを出します。水が澄み湖底がハッキリと見えるこの広い湖にカヌーがたった二艘。パドルを置き、カヌーの中で仰向けになり空を見ていると、浮かんでいる僕らを森の主が見守っているような気がしてきます。

陸に戻ると朝食です。奥さんはパン生地をお手玉大に丸めて10個程ダッチオーブンに入れて蓋をします。凹んだ蓋の上にも火のついた炭をのせて、上と下からの熱で焼き上げたパンは表面がカリッと香ばしく中はもちもちで、バターも何も付けずにそのままで味わいたい美味しさでした。

優しさと厳しさを合わせ持つガイドの大野さんに頼もしさを感じたのか、息子はずっと後を付いてお手伝いをしています。然別湖が今も豊かな自然を保っているのは、この森を守っている大野さんのようなネイチャーガイドさん達のおかげなのでしょう。

夕方札幌に戻り、翌日は妻の希望で札幌駅北側にあるアウトドア用品の専門店「○岳荘」へ直行です。店には昨日使ったほとんど全ての物が、高い値札と共に至る所に並んでいました。本命のダッチオーブンはさすがに高く、15,000~20,000円で私はすぐに却下。

お金を貯めてから再びここに来ようと妻を諦めさせました。そして別の買い物でホームセンターのに寄ったところ、中国製ではありますがダッチオーブンと鉄蓋用の棒、専用火床、耐熱革手袋、クッキングブックの一式がなんと4,980円で売っていました。5千円で家族の平和が買えるのなら、私も男気を見せます。こうして今年の夏、妻はダッチオーブンでベーコン作りに熱中しています。

さて、今月のおすすめワインは、飲み頃の赤で良い物が多かったです。

ボルドー地方からは「シャトー・プジョー 96年」と「シャトー・ベレール 01年」。2種のワインのランクは違いますが、共にカベルネ種が熟成した風味が楽しめます。しかも値上がりが激しいボルドーで、熟成ワインがこの価格はかなりお買い得と言えるでしょう。

ブルゴーニュ地方からは「フィリップ・ルクレールのジュヴレ・シャンベルタン村プラティエール 03年」と「マイヤールのショレ・レ・ボーヌ村 01年」。

樽香が強いルクレールですが、暑かった03年は果実味が例年より濃い為に樽がうまく調和しています。
一方マイヤールは6年を経てピノノワール種が熟成し、妖しい魅力が開き始めてきました。大きめのワイングラスで味わっていただくと、葡萄からどうしてこんな複雑で官能的な風味が生まれるのかと驚く事でしょう。


そして最後は私事ですが自分の生まれた59年産のワインです。ポートワインと同様の製法で造られたこの甘口の赤ワイン。さすがに果実味は枯れ始めてはいますが、私の体だって48歳でガタが来始めているのですから仕方がありません。50年近く経ったワインがこの価格ですから、この年生まれでなくても、飲んでみる価値は十分あると思いますよ。

2007年 8月

今月は息子の運動会のお話。
今年、年長組となった息子の幼稚園で、運動会がありました。

まずは選手入場。よちよち歩きの小さな3歳児が1列になって行進を始めますが、自分の親を見付けると列から外れ親の元へ走り出します。先生はこうした子供を追いかけ、抱き上げて列に戻しながらの行進です。別の先生の足には小さな女の子が抱きついて離れず、引きずるように行進していました。

これが5歳の年長組ともなると、さすがに親元に駆け込む子はいません。息子は嬉しそうに手を肩の高さまで大きく振って行進していました。

競技が始まっても年少組は、ヒヨコの様にちょろちょろ動き回っています。「よーい、ピー(スタートの笛の音)」から走り出すまでに一呼吸かかり、まず誰か1人が駆け出し、残りの子は追いかける形で走り出すと言った具合。

その点、年長組の障害物競走は、ほぼ一斉にスタート出来ます。そんな中、網をくぐる際に手間取り遅れてしまった女の子が、次の障害物である平均台を泣きながら渡っていました。すると応援席から拍手がわき起こり、その子がゴールするまで皆の応援は止みませんでした。

最後の競技は、年長組の紅白リレー。見ていると皆の走るスピードは大して差がないので、バトンの手渡しが勝負の決め手になります。遅れていた赤組のアンカーは、1番背の高い男の子。バトンを受け取るとスピードをグングン上げ、白組との差を縮めます。最後は鼻の差かという接戦で赤、白がほぼ同時にゴール。

その男の子は勢い余ってゴール直後、倒れ込む形で大きく転んでしまいました。ヒーローは先生に抱き上げられた後も、感極まったのかずっと泣きじゃくっていました。この白熱した紅白リレーの印象が皆の心にも残ったのでしょう。運動会が終わった後のグランドで、何人もの園児がリレーごっこをしています。

生まれてからずっと自分のペースで生きて来た子供達にとって、この日の競技はこれからの人生で避けられない様々な競争の始まりだったのかも知れません。


さて、今月のお勧めワイン、暑い夏にはまず泡でしょう。
シャンパーニュ地方のジョセフ・ペリエ社のロワイヤル・ブリュット。何と言ってもバランスが良いのと、澄んだ酸味がとても美味しいのです。私でしたらお刺身やお寿司と一緒に味わいたいと思いました。ただ、お醤油の味は白ワインとケンカをするので、醤油にレモンを数滴入れると相性が良くなります。

もう1本の泡はスペイン、ロベルト・ホタ・ムール社のカヴァでレセルヴァ・ブリュット・ナチュレ。建築家ガウディがデザインしたような独特の瓶。リースリング種を思わせる鉱物的な香りと、キレの良い辛口の味わいは、小エビや小魚のフライが食べたくなりました。

続いて白ワイン。暑い夏にピッタリな白は、ドイツ北部モーゼル地区のゼルバッハ社が造る、リースリング・ホッホゲヴェクス・ハルプトロッケン05年。北国の白い花を思わせる可憐な香りと果実味を包み込む豊かな酸味は、ミントのシャーベットを口に含んだような清涼感です。

最後は、レストランで素晴らしい料理と共に味わいたい芳醇な白ワイン。79番と80番アンセルミ家が造るカピテル・クローチェ04年とカピテル・フォスカリーノ05年です。まずはこの濃い色調を見ただけで、ただ者じゃない事がわかるでしょう。熟成が樽かタンクかの違いはありますが、元々の葡萄の味が半端じゃなく濃さと複雑さでのどが渇きそうな程です。

2007年 6月、7月

申し訳ございませんが、今月も6,7月の合併になってしまいました。

さて先月は靴の話で、今月は鞄(かばん)のお話。

鞄と靴を買う時に、私は共通点が多いと思います。毎日使う物が破れたり壊れたりして、替わりの物を探しに行くと、前に買ったお店に行っても同じ物はまずありません。

何軒かの店を回っても希望の物が無いと、仕方なく予算以上の物か、あまり納得いかない物を買ってしまう事が多いのです。皆さんもこういった経験ありませんか。


さて、ワインショップフジヰでは、車で配達する際に伝票、お釣り、携帯電話等を入れる小さなショルダーバックを使っています。

配送業務で使っていると1年を過ぎる頃から破れてくるのですが、代替品を買う時は毎回苦労します。そこで学んだ私は、「ユニクロ」で見つけた感じのいいショルダーバックを2個買い、配送用と私の銀行用にそれぞれ使っていました。


約1年後、過酷な環境の配送用バックのファスナーが先に壊れましたが、私の銀行用バックは何ともないので、交換して私がそのバックを使うことにしました。

毎日バックに前日の売上げを入れ、ファスナーを閉めて銀行まで歩いていくと、時々ファスナーが途中から開いていることがありますが、走るわけでもないので問題はありません。


そうして使っていると、当社スタッフの稲見が見かねて「落とすことが無くても、口の締まらないバックじゃ大切なお金が逃げてしまいそうだから、新品を買ってください!」と言われ、急いで代替品を買いました。

今度いいバックを見つけたら、同じ物を3個は買うつもりです。

さて、今月のワインも白で良い物が多かったです。
まずはアントワーヌ・シャトレ社のシャブリ。この村でも有名な1級ヴァイヨン畑の05年だけに、濃さと木樽熟成による複雑さが楽しめて、定価の半値近い価格ですからこれは見逃せません。

次はアルザス地方、ショフィット家の古木ピノブラン種04年。一般にシンプルな味わいのこの品種を低収量で完熟させたのでしょう、少し甘味がありますが果実味の凝縮は驚くほどです。ショフィット氏のこの品種にかける熱い情熱が、ヒシヒシと感じられる素晴らしい1本です。

熟成ワインでは、ルモワスネ社のブルゴーニュ白97年と、シャンジー家のブルゴーニュ白フォルチュヌ畑95年。共に10年以上経ているのに酸化やひねた感じが無く、果実味も豊かで誰もが美味しいと言える白の古酒です。この熟成感は何か仕掛けがあるのでは、と思う程に良く出来ています。

最後は赤ワインの47番、スーランヌが造るサラ・デル・マス03年。南仏モーリ村産グルナッシュ種主体のワインは、おつまみなしで飲むと舌がヒリヒリする程の極辛口タイプ。ラム(子羊)ではなくマトン(羊)のジンギスカンを食べたくなるのは、私だけではないでしょう。

2007年 5月

今月は靴のお話。

物持ちの良い私は、数年前まで高校の時買ったリーガルの靴を数足履いていました。長持ちの秘訣は同じ靴を2日続けて履かないことで、その為には数が必要です。

去年は安売りで有名な「ヒラキ」の靴をインターネットで注文しました。ここの人気商品は180円のスニーカーだそうですが、私は580円のかかとのない合皮靴と480円の茶の合皮スニーカーの二足を購入しました。

一緒に480円の合皮スニーカーを買った当社のスタッフは、連続10日目でスニーカーの靴底が剥がれ始め1ヶ月たたずに捨てたそうですが、私のは毎日履かないせいか半年以上経っても大丈夫です。


さて、昨年のオープンからよく買い物をする「スーパー・アークス」菊水店の駐車場の向かいに妻が小さな靴屋さんがあるみたいというので覗いてみると、60歳過ぎのお父さんが1人で金づちを手に靴を造っていました。古くて暗くて狭い(失礼)作業場はまるで童話に出てくる靴屋さんといった感じ。

聞くと私の好きな「プレーントゥ」と呼ばれる形の靴は3万円弱で作ってくれるというのです。その後私は、冬の間で貯めた3万円を持って4月に再び浦製靴店(011-811-3710・日曜休業)に行きました。


まず足の採寸はサイズが変わるので午後2時過ぎに来るように言われます。用意された厚紙の上に立たされ、ボールペンで紙に足形をなぞり、メジャーで採寸した数値を横に書き込みます。この大切な型紙は何とカレンダーの裏紙でした。ただ、どんな紙を使っても採寸は厳格で、私の足は甲高なのと親指の爪が出ているので靴の内側に余裕が必要と言われました。

採寸しながらお父さんは、アジアからの安い靴が輸入される前はこの狭い作業場に7人の職人さんが居て毎日たくさんの靴を作っていたとか、息子と娘にはこの仕事をさせたくないので、東京の大学に行かせて向こうで働いているとか、いろいろ話をしてくれました。

その3週間後に完成の電話が来ました。新しい靴はまだ数回しか履いていませんが、とても軽いのと足にピッタリのせいか少し小さく見えます。そして、よく見ると靴のつま先で親指の爪のあたりがほんの少し膨らんでいます。浦さんは1週間ほどは短時間だけ履くようにして、少しずつ自分の足に馴染ませると自分にピッタリの靴になると言っていました。

480円から3万弱の靴を交互に履いている私。ふと考えると、私はワインも600円から数万円まで試飲をしています。この雑食性というか、脈絡の無さがワインショップフジヰの特色なのでしょうか。

さて、温かくなった今月のオススメは白ワイン。
まずは山崎ワイナリーです。安定した品質で知られる白の中でもケルナー種06年は、例年よりミネラル感と凝縮感が豊かで熟成後の姿も見てみたいと思わせる力を持っています。

熟成した白ではジャン・ポール・トルシュテのオート・コート・ド・ニュイ 02年が、果実味と熟成感のバランスが良かったです。

もう一つはカリフォルニアのフランシスカン社シャルドネ01年。定価5,500円が1/3近い価格ですから美味しいのは当たり前ですが、ヴァニラとパインの風味がグラスから溢れるように出て来ます。ちなみに、ここの赤マグニフィカ(定価6,000円)も、先月に半値以下で入荷してますので合わせていかがでしょうか。

最後はイタリア、ガロフォリ社のヴェルディッキオ種の白3種。私のお気に入りはポディウム04年でしたが、同じ葡萄で収穫時期の違う3本を一度に味わっていただくと、微妙な味の違いが楽しく体感できるでしょう。

2007年 3月、4月

まずは、3月のリストが遅れてしまい4月と合弁号になってしまい申し訳ございませんでした。


さて、少し時間があきましたが、2月始め新聞に大きく取り上げられたジンジスカンの名店「だ○ま」の脱税事件。私も最近はご無沙汰ですが、20~30代の頃は月に数回通う程のファンでした。

今でも忘れられないのが25年ほど前のある晩の事。 まだ移転前の古いお店で、常連のお客さんから「母さん」と慕われている、ふくよかな年配の女性が店を切り盛りしていた頃。 私を含めて3組ほどのお客さんが入っており、空いた席は一つ。

確か8時過ぎ頃、引き戸を開き入って来たサングラスの男性が、そこに座りメガネを外しました。 「コの字」のカウンターで、10名程で満員の小さな店は肉の焼ける音と人の会話でにぎやかでしたが、その方がサングラスを外した途端、店内の会話は途絶えました。 故いかりや長介さんでした。

店の母さんがぶっきらぼうに「また札幌に来たのかい」と言うと、「あぁ」と一言。 その後の店内は全員沈黙の中でのジンジスカンとなりました。 端の席に座った長介さんの隣は小さな男の子を連れた親子連れが座っています。 多分、この店内で1番のファンであろうその子は、長介さんと並んで座っている為に顔が見えず、ただ1人長介さんの存在に気付いていませんでした。

子供と長介さんの間に座る母親は子供に長介さんの事を教えたいのですが、お母さん自身も長介さんの隣ですから恥ずかしくて言えません。 そのじれったさが店内全員に伝わってしばらく経った頃、とうとう母親が子供に耳打ちしました。

するとその子はすっくと立ち上がり、長介さんを指さして「ママ!これ本物?」と大きな声で言ったのです。 私だけでなく緊張していた店の全員がこの一言でせきを切ったように大笑いし、ビールの追加オーダーと共にいつものにぎやかな店に戻りました。


テレビで見る姿とは違って長介さんは静かで、まさにジェントルマンといった趣。 帰りはお土産に肉を包んでもらい、またサングラスをして帰って行きました。 亡くなられて随分経ちますが、いかりや長介さんのご冥福をお祈りいたします。


さて、今月はニューワールドのピノノワール種に良い物が多く見つかりました。

まずはオーストラリア、ピカーディ社のピノ04年。 若いのですが少し枯れたような上品な味わいに、私はヴォルネ村のかなり上物を思い浮かべました。 ピノの味がここまで来ると、私は試飲をしながら必死に欠点を探して「やはりブルゴーニュ産ではない」と納得し安心した程です。 真のブルゴーニュ好きでしたら、悲しくなるので飲まない方がいいかも、と思ってしまう衝撃的なワインでした。

次はオーストラリア、デ・ボルトリ社ヤラヴァレ地区のウィンディー・ピーク ピノノワール06年。 こちらは前述のワインより2年若いので熟成香はありませんが、チェリーと樽からのチョコ風味が混じり今でも魅力十分。 両方に共通する濃すぎない果実味と澄んだ酸は、従来の新世界のピノとは比べ物にならない程洗練された出来映えだと思います。

最後はヴィラール社のチリワイン3種。 新世界は若いワインが多いですが、ここのピノとシャルドネは8年前の99年産、貴腐も02年産でキノコやアニマルなどの熟成香が豊かに広がります。 果実味は枯れ始めて少し通向きの味わいですが、古酒好きにとって熟成したワインがこの価格は見逃せません。

2007年 2月

毎年のことですが、寒がりの妻は正月を過ぎると子供を連れて1ヶ月程東京の実家に帰省します。

この時期、私は束の間の独身生活。知人から借りた「攻殻機動隊」(ロボットのアニメで内容は刑事アクション物)のDVD30枚程を、休日前夜は明け方近くまで鑑賞。昼に起きて食事と洗濯をし、夕方に新しく菊水に出来たスーパー・アークスへ買い出しに出かけます。

ここで見つけた私のお気に入りは、500円前後で売っている400グラム以上ある牛バラ肉の塊。赤身の肉は柔らかくはありませんが、良く噛んで食べると旨味が広がります。

そして何よりも、大きな塊を一人で食べ終わったときの達成感と豪華な気分はクセになります。ただ、厚さが4センチもある肉を初めて中華鍋で焼いた時は、中まで火が通らず焼いた肉を半分に切って再び焼き直しました。

その雪辱を果たすべく次の休日には、中華鍋で両面を強火で30秒ずつ焼いた後に、家庭用の引き出し式魚焼き器に入れて表裏を5分ずつ焼いてみました。すると今度は上手く火が通り、ナイフを入れると肉の切り口がきれいなロゼ色になっていました。

さらに魚焼き器で焼いている間に、肉を焼いていた中華鍋にぶつ切りのエリンギを1パックと白ワインを少し(油は入れません)入れて弱火で炒めると、肉の風味がたっぷり染み込んだキノコの付け合わせが出来上がります。キノコの味付けは、最後にベル・ジンギスカンのたれを少々入れるだけで、塩、コショウも入れません。

 実を言うと、私は焼き鳥や薄く切った焼き肉は、肉の旨味が無くパサパサになるような気がしてあまり好きではありません。

大きな塊の肉を食べていると、美味しいだけではなく小心者の自分が少しは男らしくなった気分になるから不思議です。

しかも、この満足感が立派なオーブンではなく中華鍋と魚焼き器、材料費も肉とキノコで600円程でかなうのです。そう考えると、私のみみっちい性格は当分変わりませんね。

 さて、今月のオススメワインは甘口デザートワインです。
まずはコアペが造るジュランソン・モワルー04年。ソーテルヌ村のような新樽と貴腐菌の複雑さの追求ではなく、遅摘みによる過熟した甘味とフレッシュな酸味のハーモニーが楽しいワイン。サツマイモと水飴をあえた後にレモンを搾ったような、濃厚さと爽やかさが弾けるような味わいです。

 もう1本のデザートワインは、チリのアナケナ社レイトハーベスト05年。ヴィオニエ種主体の白はドイツのリープフラウミルヒぐらいの低価格ですが、果実味の凝縮感は立派な物。マーマレードジャムと紅茶にレモンスライスを浮かべたような味わいは、冷えた心まで暖めてくれそうです。暖冬とは言え札幌は未だ冬のまっただ中。食事の後に大
切な方とデザートワインはいかがでしょうか。

 最後に赤ワインを一つ。35番のジャンテ・パンシオのグラン・オルディネール04年。このガメィ種のワインには驚きました。どんな手練手管を使ったのか分かりませんが、通常イチゴ風味のガメィ種が、獣(けもの)臭、栗、フランボワーズの風味に化けているのです。しかも価格はボージョレの様に安いままで!ピノノワール種は好きだけど、ガメィ種は、、、という方!一度ダマされてみませんか。