2007年 1月

06年の大晦日も私は札幌時計台の前で、シャンパーニュを飲みながら年越しでした。年末の新聞にこの年越しの事が記事として載り、時計台界隈で永年働かれていたという年配の女性が記事を見たといって参加してくれました。時計台という共通点で、見知らぬ同士が集まり乾杯をしてまた去っていく。この不思議な出会いと寒さを耐え忍んでの語らいで、12時の鐘の音を聞く頃には参加者の中に心地良い連帯感が生まれます。


今回で26回目となるこの年越しは、私が子供の頃この界隈に暮らしていた事から思い付いた独りよがりの企画。多分、年輩の札幌の方でしたら知っている人もいるかと思いますが、昭和30~40年頃、藤井の本家は北1条西3丁目で果物屋と「パーラーフジイ」というレストランを営んでいました。当時私の家族は住み込みの従業員さんと共にその店の上に住んでいました。その後、店は隣にあった三和銀行の建て替えと共に壊され、新築された大きなビルの一角で本家はフジヰ食料品店を営んできました。

その店が諸事情から06年12月で営業を止めることを聞きました。私の従兄弟に当たる本家の藤井専務は、私のようなお調子者ではなく実直な3代目の経営者です。その本家が考え抜いた末の結論なのでしょう。私も実家が無くなるような気がして少し寂しいですが、今年は従兄弟を時計台に誘ってみようかなと思っています。


この年越しに興味がある方は、二十歳以上でしたら誰でも参加出来ます。暖かい格好をして大晦日の夜11時すぎに時計台の前にいらしてください。参加費は無料、持ち込みはお酒でも食べ物でも大歓迎です。


最後に今月私のオススメワインは南仏産。ミリエールが造るローヌ赤01年が特価になりました。南仏の01年は天候が良く、良質なワインが多く造られました。6年を経て果実味の濃さ強さは落ち着きましたが、アニマルやスパイスを思わせる熟成香が広がり、旨味も感じられてこの価格は大変お得です。


さて、ワインショップフジヰは私と弟の兄弟で営業していますが、藤井兄弟の学校の成績は、ずっと弟が優等生で兄の私は問題児でした。私の周りを見ても兄弟での学校の成績差は同様な例が多いと思いました。そしてワインの世界でも生産者が赤と白を出していると、大抵美味しいのは片方で残りはぼちぼちと言う事が多いのです。

そんな中、コルビエール地区のシャトー・テルサックが造る赤、白は両方共に美味しいのです。天候の良かった03年産もありますが、共にブレンドによる複雑さと4年を経た熟成感があってこれはめっけもんです。一般に南の白はもったりする物が多いのですが、この白は爽やかさもありパリのコンクールでも金賞受賞しています。ぜひ赤と白の両方をお試しください。

2006年 12月

今月は車のお話です。
愛車ルノー・キャトル(90年式)のフレームの後ろの方に3センチ程の穴があり、数カ所あったボディのサビと共にきれいにしようと、9月末に新琴似の板金工場「ハッピー」に入院しました。


預けて1週間ほど経ち、驚く連絡を受けたのです。問題のフレームに付いていたサスペンションのアーム類を外してみると、思ったよりもサビが進行していて穴がいくつもあいていたのです。当初は1カ所の穴なので溶接して継ぎを当てる計画でしたが、この状態では新しいフレームに交換する事になりました。


しかし問題の部品はルノー社のパーツリストになく、工場でコネがある別のルートでも見つかりません。約1ヶ月たち困った私は、この車の前オーナーに訪ねたところ、神奈川県にあるキャトルの専門工場を教えてもらいました。


この「ミヤマエオート」では部品取り用の車もあるそうで、フレームの後ろの部分を車から切断して札幌まで送ってくれることになりました。何故メーカーでその部品が無いのかを聞くと、車の骨格であるフレームを分解してまで修理するような状態だと、普通キャトルのような大衆車は廃車にするそうです。


そんな時、妻の実家から電話が来ました。私が出るとお義父さんに話していないのに「車の修理はどうなった」と一言。ちなみにお義父さんは日産の大きな車に乗っています。運転中に「FM!」と言うと勝手にラジオが鳴り、次に「テレビ!」と言うとラジオが止まってテレビが映るそんな立派な車です。

状況を話すと、「フレームに穴!そんなの直してどうするんだ!」。私は何度も受話器に向かって頭を下げながら、これさえ直せばもう大丈夫です。家族もうちの車が大好きなので修理させてくださいとお願いしました。
古い車を維持するのは、まず身内の理解が一番だというのが身に染みてわかりました。

最後は今月私のオススメワイン。
まずはイタリア・モリーゼ州クリテルニア社のビフェルノ・ロッソ02年。私は毎週40種以上の試飲をしていますが、1,000円以下でこのワインの様な美味しいワインを見つけると、試飲中でも思わず「ワーオ」と声が出ます。ミディアムな果実味と樽の熟成感が調和し、今まさに飲み頃の旨味が楽しめます。

もう1本は北海道三笠市山崎ワイナリーのツバイゲルトレーベ種樽熟成05年。早熟で北海道に根付き、道内各地でも植えられているこの品種。色と果実味がどこかボージョレのガメ種に近く少しシンプルな印象でしたが、6ヶ月樽熟成を行うことで複雑さを身に付けバランスの良い赤になりました。北海道つながりでエゾ鹿肉のシンプルなステーキに合わせてみてはいかがでしょうか。

2006年 11月

晴天に恵まれた10月4日、私は三笠の山崎ワイナリーに収穫の手伝いに行って来ました。
この日私達家族は9時過ぎに到着しましたが、既に畑では近所の農家の方、研修に来ていた北大農学部の学生さん、そして山崎ワイナリー愛好家の方など10名以上が収穫をしていました。

早速作業に取りかかると、暑かった夏のおかげで葡萄はたわわに実り、生い茂る葉の中で房はきらきらと輝いています。普段売られている葡萄と違い、ワイン用の葡萄はずっと小ぶりで一房が10センチ強、粒も小さくて約1センチほどです。

今年は雨が少なかったので1房の中に腐敗した粒は少なく、多くの房はそのまま収穫かごに入れていきます。この一房の大部分は熟して甘いのですが、中には酸っぱい粒やはじき忘れた腐敗果(カビが付いて干し葡萄状になった粒)も少量混じってしまいます。仏ブルゴーニュ地方のシモン・ビーズ家では、黒葡萄は腐敗した粒を徹底して外し、白葡萄は複雑味を得る為に貴腐葡萄状の粒も少量残して仕込みを行うと言っていました。

広い畑から収穫された膨大な数の葡萄。その一つ一つの粒がモザイクのように合わさって1本のワインが造られる事を思うと、手に取った葡萄の選別作業も気が抜けません。こうして葡萄の木が約100メートル続く畝(うね)を家内と共同で2列終えた3時過ぎ、うちの家族は早上がりさせてもらいました。(この日の収穫は夕方5時頃まで続いたそうです)

私にとって週一回の休日、残された時間は家族サービスに向けられます。急いで札幌に帰り、向かう先は妻と約束した近代美術館の「パウル・クレー展」。4時に会場に着き、閉館まであと1時間、収穫で疲れた息子は「ダッコ!ダッコ!」と「もう帰る」を連発します。当然私が子供をあやして、妻にはゆっくりと作品を見てもらいました。

こうして5時に美術館を出て、近くの喫茶店でお茶を飲み、スーパーへ直行。タイムサービスで安くなったお寿司と、お総菜を買って家に帰り、お風呂に入ってご飯を食べて布団にはいると私はバタンキュー。チョット忙しかったけど収穫と芸術の秋を堪能した有意義な1日でした。

さて、お薦めワイン。今月はブルゴーニュワインが多数入荷しました。ただ、仕入れたワインが国内在庫でなく現地から届いた時は、約1ヶ月休ませてから味をみる為に大部分はまだ未試飲です。
試飲した中では  番のジャン・イヴ・ドゥヴヴェイ氏のサヴィニがとても良かったです。ピノにとって暑すぎた03年は難しい年ですが、このワインは濃度と樽香が濃すぎずアルコール辛さも目立ちません。飲んだ印象は02年の果実味と03年の凝縮感を合わせたような感じがしました。ピノ好きでしたら、定価6,000円の1級畑がこの特別価格ですから絶対にオススメです。

もう一本は  番02年産フェヴレ社の自社畑ボージョレです。4年の熟成を経てボージョレ特有のジャムっぽさが消え、ガメ種なのにピノを思わせるチェリーの果実味とタンニンが感じられます。ブラインドで出されたら、私は01年か02年のブルゴーニュ・ルージュと答えるでしょう。もうすぐ入荷する今年のヌーヴォーと一緒に飲むのも楽しいと思いますよ。

2006年 9月、10月

まずは、このフジヰニュースが遅れ今回9~10月合弁号となってしまいました。お待ちいただいていた方には御迷惑をお掛けしてすみませんでした。

さて独り言です。現在我が家のお米は白米ですが、一時期妻の健康志向から玄米になったことがありました。
私は好き嫌いはない方なので初めのうちは難なく食べられたのですが、毎日続くと何故かげんなりして来ました。
 
私にとってお米は、おかずを食べた後に口の中を洗う水の様な所があって、玄米だとその洗う水が濁った感じがしてどうもダメなのです。その時は必死の思いで妻に頼み、白米に戻してもらいました。

今年も家内と息子は8月一杯実家に帰っており、私は独身生活。妻の何度かの帰省を経て、私もたくましくなりました。コンビニ弁当から、お米を炊く事を覚え、8月中は1日も欠かさず弁当持参です。もちろん、おかずまで作れるテクニックはなく、スーパーのメンチカツと、野菜の入った魚のすり身の揚げ物が定番メニューです。

共に揚げ物なので野菜も取らねばと思いキャベツの千切りをしていましたが、切るのが面倒なのと昼にはパサパサになってしまいます。そこでキャベツの葉を一枚剥がし手で5~6センチにちぎり、おかず用タッパに何枚か敷き詰めて上から酢を少量かけます。その上にメンチカツをのせて蓋を閉めると、キャベツはみずみずしくタッパもカツの油が付かないので洗うのが楽な事を発見しました。

こうして毎朝タイマーで1.3合のお米を炊き、朝食の納豆ご飯と弁当を作っていた所に問題が発生しました。お米の残量が減ってきたのです。台所の下を探しましたが、あとは残っていた玄米しかありません。
そこで考えついたのが、1合の白米に0.3合の玄米を加える増量作戦です。さらにご飯の上に白ゴマをかけると見た目にも玄米が目立たなくなりました。しかし何よりも不思議なのが、あれほどイヤだった玄米ですが必要に迫られ、自分で炊事をしてみると難なく食べられるようになったのです。

必要は発明の母と言いますが、自炊は低レベルであっても様々な発見が出来るのです。そして来春の妻の帰省時には、次のチャレンジでおかず作りでしょうか。

さて今月、私のお勧めワインはジャン・ミッシェル・ギュイヨン氏が造るジュヴレシャンベルタン村の1級畑で02年産のジャン・ミッシェル・ギュイヨン ジュヴレイ・シャンベルタン 1er クロ・プリュールと、99年産のジュヴレイ・シャンベルタン 1erレ・シャンポネです。

ブルゴーニュ地方のピノノワール種にとって02年と、99年は共に素晴らしい作柄の年。4年前の02年は今も新鮮な果実の風味がたっぷりですが、多くの99年産は7年を経て若い果実味が落ち着き、若い時に持っていた濃さ強さは衰え始めています。

この状態で飲むと果実味は思った程強くなく、熟成した旨味はまだ少ない為に味わいが閉じた印象を受けます。ただ、もう2~3年程待つと99年産は熟成香が開いて来て、果実味が減った分を補ってくれるのです。同様な例が現時点で飲む96年産のボルドーワインで、濃さが落ち着いても旨味がのってこなく「今、閉じている」と言われる事が多いのです。

このジュヴレイ・シャンベルタン 1er クロ・プリュールは99年ですが、元々の果実味が凄かったらしく今も豊かな果実味があって閉じた印象がしません。多分、あと3年もすると閉じるのかもしれませんが、今も02年と同様に楽しめるのは驚きです。

もう1本は南仏コルビエール地区のシャトー・テルサック03年。南仏と言えばグルナッシュ種が有名ですが、最近は果実味豊かなシラー種の比率が増えて柔らかい味わいのワインが増えてきました。そんな中このテルサックは、グルナッシュ種のスパイシーさを全面に出した男酒で、私は塩、コショーだけで焼いたシンプルなステーキが食べたくなりました。

2006年 8月

 7月末に愛車ルノー・キャトルで函館へ家族旅行に行って来ました。

初めての長距離なので家内はレンタカーを薦めましたが、私は聞く耳を持たずに出発。すると札幌を出て間もなく、エンジンの方から時々「シュー」と音が出始めました。古い車に乗っていると異音には敏感になります。この音に家内も気付いた模様ですが、私は内心不安になりながらも口では「大丈夫」と言って走り続けました。

昼前にはシルクハットのベルボーイさんが出迎える洞爺湖ウインザーホテルに到着。有名なレストランへは入らずベーカリーでパンを買い、山を下ってレイクヒル牧場の搾りたて牛乳とともに芝生の上でランチです。この頃になると、エンジンは時々ではなく常時「ブー」と鳴り続けるようになりました。

車内のいつ止まるかという緊張感に、無邪気な息子も気付き「ママどうしたの?」を連発する中、車は高速で長万部まで走り、更に音が大きくなって来たので料金所の方に近くの修理工場を教えてもらいました。

「長万部モータース」の年輩のメカニックさんは、初めて見るキャトルのエンジンをじっと見た後、15センチほどのゴムホースを取り出しました。ブローバイガスのゴムホースが劣化をしてボロボロになり、ガスが漏れていたそうです。工場にあった国産メーカーのホースを代用して繋ぎ、作業は無事完了しました。

今回の行程は妻がガイドブック等で決めた、八雲の銀婚湯温泉、函館のペンション古和(こわ)、白老の民宿500マイルの3泊。3軒は規模も、料金も、雰囲気も全然違いましたが、3軒の女将さんの笑顔が今も同様に思い出す程に皆良い宿でした。

銀婚湯は広い敷地内を川が流れ、お風呂の鍵と共に渡される蚊取り線香を手に持ち、吊り橋を渡って行く露天の家族風呂の気持ち良さは別世界です。

ペンション古和では女将さんが自ら釣った魚料理と、まだ足が動いているイカのお刺身が絶品でした。

玄関に貼られた料金表に「道路工事の方は朝夕の二食にお弁当付き、7日以上は割引あり」と書かれている民宿500マイル。ここでおやつ代わりに出される毛カニも美味ですが、私は前菜のフキとタケノコの田舎風(失礼)が気に入りました。

最終日札幌に着き、掛かり付けの工場「ルノー札幌」に電話をしてゴムホースの件を伝えたところ、「実はルノー純正品のホースより日本のメーカーの方が頑丈なので、モレがなければそのままで結構です」と言われました。それを聞いた妻は「次の車検は長万部で取ったら?」と真顔で言っています。

最後に今月のお勧め。今月はハードリカー(度数の強いお酒)で、素晴らしい物が多数入荷しました。
まずはコンビエ社のホワイト・キュラソー。キュラソーと言えば銘酒コアントローですが、そのコアントローが可哀想になるほど、コンビエ社の物は上質で柑橘の皮の風味が口の中で広がります。

それと驚いたのがダニエル・ブージュ社のコニャック「ロワイヤル」。アルコール60%の強烈な味わいの後、余韻に残る風味はまさしくグランド・シャンパーニュ地区のエレガントさ。理性を持って飲まないと、ムチで打たれた後に優しくされた様な味わいの変化に、飲み手は皆このブランディの虜になってしまいます。

一方ワインはシャブリ村のブロカール氏が造るブルゴーニュ・ブランのキンメリジャン05年。元々この地域は海の底だった為に、地面が白く見える程貝殻が混じるキンメリジャン土壌。葡萄の根が吸い上げたそのミネラル分と、北国のシャルドネ種特有のリンゴ酸が果実の中で出会い、ワインとなって舌の上ではじける様をぜひ味わってみて下さい。

2006年 7月

私は残業が多いこともあって、夜、外出することは滅多にありません。店舗のある地下街商店会でもいろいろ寄り合いはあるのですが、殆ど欠席しています。そんな私が久しぶりに夜の宴会に出席しました。

その宴会とは、当社のお向かいに最近開店した、化粧品とサプリメントのお店「DH?」との親睦会です。当社のスタッフがこの店にある健康ドリンクのスタンドに連日通って、食事会の約束を取り付けてきました。

お向かいさんは若い女性ばかりで8名、こちらの生きのいい男は4名なので、数合わせに賞味期限の切れた私と弟も参加することになりました。

そんな経緯を家で話していたら、驚いたことに当日の昼、家内が息子を連れて突然店にやって来たのです。そしてお向かいの健康ドリンクを飲んで店に戻り「今日は余り羽目を外さないように!」と私にクギを差して帰っていきました。

この日お向かいさんは、閉店業務で少し遅れるとのこと。私が決めたプランは、サンプル用に取ったシャンパーニュ6本を持って早めに会場に行き、先に試飲の仕事を終わらせてから、残りをお向かいさんと共に飲もうという案。

しかし、この後に楽しいことが待っていると思うと、私だけではなく皆の気持ちも上の空で、真剣な試飲は出来ませんでした。

さらに本物のシャンパーニュがあれば女性陣も喜ぶだろうと思っていたら、彼女たちは飲み放題のサワーやカクテル、アイビー(私も知りませんでしたが、氷入りのビールの事だそうです)の方が好きだと言って、私の勝手な思いこみは空回りに終わりました。

持ち込んだシャンパーニュをウットリした眼差しで飲み干し、「どこか次のお店に連れて行って」と言われたらどうしようと心配すらしていた私。現実は、少しばかりワインが詳しくても、今の女性には何の魅力も無いことが判明し、帰り道は残業した夜よりも重い足取りでした。


さて今月、私のお勧めワインは、暑くなってきたので白ワインです。

まずは、デ・ボルトリ社、ウィンディピーク・シリーズのシャルドネ04年。「樽、濃いワイン」と言われてきたオーストラリアですが、人の嗜好は変わります。このワインの産地が冷涼なヤラヴァレィ地区ということもあって、樽の香りが目立たず青リンゴの繊細な果実味は、清らかな北国の白ワインを思わせます。

もう1本の白はイタリア産。フォンタレオーニがカサヌオーヴァ畑のヴェルナッチャ種から造った辛口の白。4年を経た02年産だけにフレッシュな果実の風味は落ち着きましたが、熟成感がいいんです。不思議ですが、「らくがん」や
焼きリンゴを思わせる香りに、熟成した旨味とミネラル感がたっぷりのっています。清酒に近い感じもあるので、魚の干物とは相性が良さそうです。

2006年 6月

私の仕事と趣味はワインですが、家内は指先が器用で色々な物を手作りしています。

2年前は消しゴムスタンプに凝り、息子が喜ぶ新幹線や動物のスタンプを彫っては、オリジナルのハンカチやTシャツを作っていました。そして去年からは羊毛に凝りだし、フェルトで指人形や小物を作っています。


そして5月、札幌ファクトリーにある羊毛専門店「ブリコルール」主催の「羊の毛刈りツアー」に参加し、由仁町の大野牧場へ行って来ました。参加者は私以外全員女性、しかも皆さん羊毛が大好きで色々なカルチャーセンターの編み物講座を回り終えたようなツワモノ(失礼)。皆でお昼を食べながらの雑談中でも、わからない所があるとバッグから編み針を出して講習が自然と始まる様なプロの集団です。


午後から希望の羊を指名し、牧場主が捕まえ、まな板の鯉状態でバリカンを入れます。刈り取られた羊の毛足は約10センチぐらいでしょうか。これがどうなって糸や布になるのか分かりませんでしたが、聞きたくても会話は専門用語ばかりで参加できず、私は息子と10分おきに千歳空港から飛んでくるF15やジャンボジェットを眺めていました。
牧場からの帰り道、家内に「今日は外国にでも行った様な気分で、とっても疲れた」と言うと、「ワイン関係の人と同席している時、私はいつもそうよ!」と言われ、ぐうの音も出ずに会話は終わりました。


最後に今月のお勧めワインは、アントワーヌ・シャトレ社のポマール1級畑とシャブリ1級畑です。私もそうですが、ブルゴーニュ好きは家族経営の農家で造られたドメーヌワインを追いかけ、大手ネゴシアン物(ワイン商がブレンド瓶詰めしたワイン)には見向きもしない傾向があります。


さて、このネゴシアンワイン。優良生産者のようなふくよかさと、赤は8年、白は5年を経た良い熟成感が合わさり、誰もが美味しいと言うタイプ。ストイックなブルゴーニュファンでしたら、少しわざとらしいと言うかも知れませんが、この価格のブルゴーニュでこの満足感はちょっとあり得ません。

2006年 5月

今月はコンピューターの話です。4月にマックとウィンドウズのパソコンを一台ずつ買いました。

ワインショップフジヰの商品の値札を作っている家内は、元々デザイン事務所勤務。当然デザイン業界にいただけにパソコンはアップルを使っています。しかし妻が持っているのは約10年前の「パワーマック7600(当時30万円弱)」という骨董品。インターネットで写真の多いホームページを見ると容量を超えて固まってしまうので、画面を10センチ角以下に小さくして、スクロールしながら全体を見ていました。

私はその姿を横で見ているとイライラするので取り替えろと言うのですが、今の機種を買うと全てが新しすぎてプリンターがつながらなく、データも使えなくなるといってそのまま使っていました。そんな時、私の友人でマックを使ってるデザイナーから「今使っている機種より少し新しい機種を中古で買えば安いし、古いプリンターにも何とかつながるよ」と聞き、東橋のそばにあるお勧めの中古パソコン専門店「DOー夢(ドーム)」に行って来ました。

広い店内には数え切れないほどのパソコンが並んでいます。店員さんは皆若いのですが商品知識が非常に詳しく、妻の機種を言うとつながる機種を教えてくれます。ただあまりに台数が多くてどれを選んで良いのか解らなくなり、私の友人に同行してもらってマックのG4(ジーフォー)でも一番古めの物を29,800円で買いました。これにキーボード1,980円と、メモリーを576メガに増やして合計で約4万円。

もう一台は会社で使っているウィンドウズのパソコンがオーバーヒートの後、急にぐずりだしたため取り替えることにしました。コンピューター担当の専務は、会社で付き合いのある業者さんに昼前電話で希望を言って、ショップメイド(パソコンショップが独自に部品を組み合わせて組んだ機械)の新しいパソコンが夕方には店に届けられました。こちらは「セレロン2.53ギガ、ハードディスク80ギガ、メモリー512メガ、液晶17インチ・ディスプレー付き」といったスペックの新品で105,000円也でした。

私自身パソコンは全然詳しくなく専務の言われるままに使っているだけですが、そばやラーメンの様に出前で届くウィンドウズと、つなぐにも色々相性があって手間がかかるマックはまるで違う物なのですね。

さて今月のお勧めワインは、アルザス地方ショフィット社のピノブラン V.V. ’02年。比較的個性に乏しいピノブラン種ですが、このワインには驚かされました。収穫を遅らせたのでしょう、ハッキリと貴腐ワインの香りがたってきます。味わいはドライですが、この芳醇な香りに魅了されない人はいないでしょう。ぜひ一度お試しください。  

2006年 4月

家族と共に3月の連休を使って旭山動物園に行って来ました。

この日は冬の人気イベント「ペンギンのお散歩」の最終日。動物園に着くとお散歩コースにはずらりと人が並んでいました。なんとか場所を見つけ待っていると、歓声が聞こえ人垣の間を10匹ほどのペンギンがペタンペタンと歩いて来ました。

息子とペンギンの距離は約50センチ、その間にオリはなく手を差し出せば握手が出来るほどです。しかもペンギンは人間に興味があるらしく、立ち止まってはきょろきょろと周りを見回しています。その後は人気のアザラシ館、ペンギン館、シロクマ館を2回ずつと、園内を1周して、4時間以上も楽しく見て回りました。

私は子供の頃、円山動物園に何度も行きましたが、ここは全然違うのです。ただし円山だけが悪いのではなく、多分他の町の動物園も同様で、旭山だけが全く別格なのでしょう。

私の動物園のイメージは、大きなオリの一番奥にライオンが寝ていて、更にオリから離れた柵の手すりから必死に身を乗り出して見ても10メートル弱は離れている感じでしょうか。旭山にはメスライオンがいましたが、ガラス張りの特製オリのおかげでライオンと数十センチの距離で対面できるのです。

ヒグマの所では熊がそのガラスをなめていたので、子供が喜んで熊を撫でるようにこちら側からガラスをポンポンと叩いたところ、「ゴ!」とガラス越しに頭突きをされて子供は泣き出しました。

楽しいのは特製のオリのせいだけではありません。園内の至る所に工夫の跡があります。例えば、いくつかのオリの前には喪中の看板が付いています。「猿のゴンタ、13歳、2月31日に肺炎で・・」 また、トイレには「寄贈 旭川
○○学園」とプレートが付いていました。旭川の街全体が動物園を応援していこうという心意気が感じられて、私までなんだか嬉しくなります。

帰りは動物園からタクシーに乗りました。その運転手さんが「ここから何百人以上もお客さんを乗せたが、ひとり残らず全員が楽しかったと言ってくれる。そして次は家族と来るとか、孫を連れて来るとか言ってくれると、私も嬉しくな
るよ」と言っていました。今や動物園は旭川市民の誇りになっている様です。

では札幌のタクシー運転手さんが、同様にほめてくれる施設は札幌にあるのでしょうか?私が年越しをしている時計台もたぶん無理ですね。

さて今月のお薦めワインはブルゴーニュです。赤は16番ダニエル・リオンが造るコート・ド・ニュイ。ピノノワール種が持つ香り高さと複雑な味わいが堪能できると思います。

白は20番シモン・ビーズが造るシャルドネ。実はこのワイン05年11月に一度お薦めしたものですが、メーカーのお陰でお安くなった為に再登場です。ぜひ一度、樽に入れない素顔のシャルドネを味わってみてください。   

2006年 3月

今月は会社で使っている配達用の車の話です。
今の車は4月で満7歳。10万キロを越えてからあちこちにガタが来てそろそろかなぁと思えてきました。4月に新車を買うことで準備を始めた矢先、車が急にダダをこね始めたのです。

まずハンドルが重くなってきました。多分パワーステアリングのオイルポンプが弱ってきたのでしょう。スタッフにはあと一ヶ月で新車だから、だましだまし使ってくれと言っていたのですが、ついにその時が来たのです。

昼の間は何ともなかったのですが、最後に当社倉庫で商品を積み出発しようとしたら、バッテリーが上がっていると連絡が来ました。近所のスタンドで別のバッテリーとつないでエンジンを掛け店までは戻りましたが、店から駐車場まで帰る途中の道路の真ん中で立ち往生してしまいました。

私が現場に着くと車の後ろは渋滞になっておりクラクションの嵐、後続車に頭を下げながら交通整理です。間もなく修理の方が来て、車は工場へ連れて行かれました。

「次の車の話を絶対に古い車の中で話してはいけない」私は古い欧州車に乗っていた友人の話を思い出しました。彼の車は別の車のショールームに行くと、帰る時に車が嫉妬をしてエンジンが掛からなくなると言うのです。

そんなことを思うと、今乗っている車がいとおしく思えてきました。うちの車はN社製でよくある背の高い配送用のバンですが、新型よりも今乗っている方がシンプルなデザインで私は気に入っています。今は何とか4月の車検切れまで頑張って欲しいと願っている私です。

さて今月のお薦めワインです。まずはなんと言っても53番ベルゾー ヴァン・ド・ペイ01年です。現在私は毎年2000種以上の試飲をしていますが、1,000円以下で熟成したワインはまずあり得ません。ところがこの590円ワイ

ンは、5年を経た熟成感がたっぷり味わえるのです。私がこのワインをブラインド(ラベルを隠して行う試飲)で出されたら1,000円以上と答えると思います。

もう1点は59番のスペイン、ピルカール社の01年。ほとんど無名のシガレス地区で、力強さがしつけられ完成された味わいのワインが造られると、改めてスペインのポテンシャルを感じずには入られません。これも2倍以上の価値があると思いました。